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水の王国編
え、私シナリオ変える?
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「レヴィアタン討伐に私ができる協力はここまで。健闘を祈るわ」
「ありがとうございます。きっと打ち倒して見せます」
リラの言葉にアウラ王子がそう答えて頭を下げる。アリスも同様に頭を下げる。
「それでは失礼しました」
アウラ王子がそう言って祠から出ようとする。アリスももちろんそれについて行こうとする。でも私はそこで聖王国最大のタブーのひとつに触れることにした。
ゲームでも魔法を授けてもらってすぐに祠を出るとレヴィアタン討伐へ向かうことになる。それはいい。しかし、祠に残ったリラには今後一切会うことができなくなる。祠まで来ても扉は固く閉ざされていると表示が出て入ることはできない。祠の中にいるのか、はたまた外に出たのかも分からない。
役目を終えた彼女がどうなったのか。まとめサイトやSNSでは憶測が飛び交い、死亡説まで流れ、ひとりで幸せに旅立つ二次創作まで生まれているほど。
なんの違和感もなく立ち去ろうとした2人に私は待ったをかけた。
「2人とも待って。私たちがレヴィアタン討伐に向かった後。レヴィアタンを討伐した後、あなたはどうするの?」
2人を引き止めてリラにそう質問する私。リラは悟ったような顔で答える。
「私はこの時代の人間じゃない。レヴィアタン封印の役目もない。生まれた意味を果たしたならあとは……」
そこで言葉を濁した。でもその言葉に続くものなんて数が知れている。私はそんな言葉を聞いて黙っていられるほど欲のない人間じゃない。私がこの世界で欲しいのは美味しい食べ物や飲み物だけじゃない。綺麗な景色を見ることだけじゃない。
「一緒に行きましょうリラ。生まれた意味は自分では決められないかもしれないけど、生きる理由は自分で決められる。一緒に生きましょう」
そう言って私は手を差し伸べる。リラは今まで眠たそうに細めていた目を大きく見開いて驚く様子を見せる。
私は欲張りだから。目の前にいる可愛い子が幸せに生きる可能性があるならそれも欲しい。幸せに生きるリラの姿が見たい。
リラはしばらく固まった後にゆっくりと、それはそれはゆっくりと私に近づいて手を握った。
その手は震えていた。
「私はこの世界にいても良いの?」
そしてそんなことを聞いてきた。答えは決まってる。
「当たり前じゃん」
リラは私の答えを聞いて涙をぼろぼろ流した。私は泣いて欲しかったわけじゃない。そうじゃないけど、その姿はとても美しく思えた。
「もし生きる許可が欲しいとか考えてたなら、その許可私が出す。元花の国フルハイム家の現当主の許可なら十分でしょ?」
「……うん」
リラは私の手を一層強く握った。私はリラを幸せにしたいと一層強く思った。
「ありがとうございます。きっと打ち倒して見せます」
リラの言葉にアウラ王子がそう答えて頭を下げる。アリスも同様に頭を下げる。
「それでは失礼しました」
アウラ王子がそう言って祠から出ようとする。アリスももちろんそれについて行こうとする。でも私はそこで聖王国最大のタブーのひとつに触れることにした。
ゲームでも魔法を授けてもらってすぐに祠を出るとレヴィアタン討伐へ向かうことになる。それはいい。しかし、祠に残ったリラには今後一切会うことができなくなる。祠まで来ても扉は固く閉ざされていると表示が出て入ることはできない。祠の中にいるのか、はたまた外に出たのかも分からない。
役目を終えた彼女がどうなったのか。まとめサイトやSNSでは憶測が飛び交い、死亡説まで流れ、ひとりで幸せに旅立つ二次創作まで生まれているほど。
なんの違和感もなく立ち去ろうとした2人に私は待ったをかけた。
「2人とも待って。私たちがレヴィアタン討伐に向かった後。レヴィアタンを討伐した後、あなたはどうするの?」
2人を引き止めてリラにそう質問する私。リラは悟ったような顔で答える。
「私はこの時代の人間じゃない。レヴィアタン封印の役目もない。生まれた意味を果たしたならあとは……」
そこで言葉を濁した。でもその言葉に続くものなんて数が知れている。私はそんな言葉を聞いて黙っていられるほど欲のない人間じゃない。私がこの世界で欲しいのは美味しい食べ物や飲み物だけじゃない。綺麗な景色を見ることだけじゃない。
「一緒に行きましょうリラ。生まれた意味は自分では決められないかもしれないけど、生きる理由は自分で決められる。一緒に生きましょう」
そう言って私は手を差し伸べる。リラは今まで眠たそうに細めていた目を大きく見開いて驚く様子を見せる。
私は欲張りだから。目の前にいる可愛い子が幸せに生きる可能性があるならそれも欲しい。幸せに生きるリラの姿が見たい。
リラはしばらく固まった後にゆっくりと、それはそれはゆっくりと私に近づいて手を握った。
その手は震えていた。
「私はこの世界にいても良いの?」
そしてそんなことを聞いてきた。答えは決まってる。
「当たり前じゃん」
リラは私の答えを聞いて涙をぼろぼろ流した。私は泣いて欲しかったわけじゃない。そうじゃないけど、その姿はとても美しく思えた。
「もし生きる許可が欲しいとか考えてたなら、その許可私が出す。元花の国フルハイム家の現当主の許可なら十分でしょ?」
「……うん」
リラは私の手を一層強く握った。私はリラを幸せにしたいと一層強く思った。
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