3 / 7
3
しおりを挟む
翌日、百合子のもとに豊田が話しかけに来た。その表情は少し恥ずかしそうで声もとても小さい。
「あの……百合子先輩に相談なんですが……」
そう言って切り出されたのは他でもない恋愛相談だった。内容は百合子の同期に当たる下柳に想いを伝えようと思っているが、彼女はいないのか告白しても迷惑にならないだろうかといったこと。
「私が知る限り下柳くんに恋人はいないはずだし、女性関係の噂も聞いたことないかな? だから想いを伝えて迷惑なんてないから心配しなくても大丈夫よ」
百合子の言葉にお礼をした豊田は下柳のもとへと行き、約束を取り付ける。その瞬間、下柳はちらりと百合子を見たが目を合わせた百合子が微笑み返しただけだった。
夜になり、仕事が終わって帰宅した百合子はいつもの如くブログを更新していた。
『今日は後輩から恋愛相談を受けた。花の金曜日だし今頃二人で食事でもしているのだろうか。私とは違って、とても可愛く魅力的な女の子なので上手くいくことと思う。このまま交際が始まって結婚まで行ったら私は結婚式に呼ばれるのだろうか。そう思うと、その日のために何か考えておかないといけない。結婚式はお金がかかるので司会進行くらいやれば少しは協力できるだろうか。そうして恩を売っておけば仕事で何かあった時に助けてくれる。それが私の計画だとも知らずに……』
そこまで書いて更新をしたところで百合子はデスクチェアの背もたれに体を預ける。そして溜息をつくと小さな声でつぶやいた。
「はーあ。私にも浮いた話ないかなー。……下柳くん良いと思ってたんだけど」
「あの……百合子先輩に相談なんですが……」
そう言って切り出されたのは他でもない恋愛相談だった。内容は百合子の同期に当たる下柳に想いを伝えようと思っているが、彼女はいないのか告白しても迷惑にならないだろうかといったこと。
「私が知る限り下柳くんに恋人はいないはずだし、女性関係の噂も聞いたことないかな? だから想いを伝えて迷惑なんてないから心配しなくても大丈夫よ」
百合子の言葉にお礼をした豊田は下柳のもとへと行き、約束を取り付ける。その瞬間、下柳はちらりと百合子を見たが目を合わせた百合子が微笑み返しただけだった。
夜になり、仕事が終わって帰宅した百合子はいつもの如くブログを更新していた。
『今日は後輩から恋愛相談を受けた。花の金曜日だし今頃二人で食事でもしているのだろうか。私とは違って、とても可愛く魅力的な女の子なので上手くいくことと思う。このまま交際が始まって結婚まで行ったら私は結婚式に呼ばれるのだろうか。そう思うと、その日のために何か考えておかないといけない。結婚式はお金がかかるので司会進行くらいやれば少しは協力できるだろうか。そうして恩を売っておけば仕事で何かあった時に助けてくれる。それが私の計画だとも知らずに……』
そこまで書いて更新をしたところで百合子はデスクチェアの背もたれに体を預ける。そして溜息をつくと小さな声でつぶやいた。
「はーあ。私にも浮いた話ないかなー。……下柳くん良いと思ってたんだけど」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
ずぶ濡れで帰ったら置き手紙がありました
宵闇 月
恋愛
雨に降られてずぶ濡れで帰ったら同棲していた彼氏からの置き手紙がありーー
私の何がダメだったの?
ずぶ濡れシリーズ第二弾です。
※ 最後まで書き終えてます。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる