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36.変わり者
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「……てことでね。みんなにも探して欲しいの」
猫たちに丁寧に説明する橘さん。ここに来るまでに俺が話した行動範囲についても細かく話して聞かせている。まるで人間相手に話をしているかのよう。猫たちにも性格があるようで、つまらなさそうに聞いている猫もいれば真剣に聞いている猫もいる。
「探してる途中で会った野良の子たちにもお願いしてみてね。よろしくー」
そう言うと、五匹の猫は揃って歩き去った。本当に探してくれるのだろうか。
「ありがとう橘さん。俺も探しに戻るよ」
「ここで待っててあげればいいよー。ニャンターたちは優秀だからね」
「ニャンター?」
「猫のハンター。だからニャンター。えへへ」
なるほど。とはいえ、流石に任せきりで何もしないのも気が引ける。
「心配しなくても大丈夫だよー。ほら、座って座って。真壁君とお話してみたかったんだー。えへへ」
橘さんはそう言って砂地の地面にあぐらをかいて座った。汚れることなんて気にしていない様子。
「俺は手伝ってもらってる側だし……そう言われたら」
俺は橘さんと違って座るのにちょうど良さそうなコンクリートのブロックに座る。橘さんは相変わらずヘラヘラ笑い、ふにゃふにゃ揺れている。変わった子だ。
「真壁君って変わってるよねー」
「は?」
突然言われたことに俺は驚いて少し大きな声をあげてしまった。
「いや、あの、悪い意味じゃなくてね。良い意味でね。えへへ」
変わってるという言葉に良い意味はない。あくまで俺にとってだが。不服なので橘さんにその理由を聞くことにした。
「で、なんで俺が変わってるって?」
「美波さん」
橘さんは人差し指をピンと立ててそう言った。なるほど。美波さんが理由なら仕方がない。食堂での一コマでも目撃されたのだろう。
「何か変な誤解してるかもしれないけど、美波さんと俺は冗談を言い合うような普通の友達だぞ」
「そう! だから真壁君は変わってる気がするの!」
「は?」
またもや驚いて声が大きくなってしまう。
「美波さんってねー。誰とも話そうとしないんだよー」
猫たちに丁寧に説明する橘さん。ここに来るまでに俺が話した行動範囲についても細かく話して聞かせている。まるで人間相手に話をしているかのよう。猫たちにも性格があるようで、つまらなさそうに聞いている猫もいれば真剣に聞いている猫もいる。
「探してる途中で会った野良の子たちにもお願いしてみてね。よろしくー」
そう言うと、五匹の猫は揃って歩き去った。本当に探してくれるのだろうか。
「ありがとう橘さん。俺も探しに戻るよ」
「ここで待っててあげればいいよー。ニャンターたちは優秀だからね」
「ニャンター?」
「猫のハンター。だからニャンター。えへへ」
なるほど。とはいえ、流石に任せきりで何もしないのも気が引ける。
「心配しなくても大丈夫だよー。ほら、座って座って。真壁君とお話してみたかったんだー。えへへ」
橘さんはそう言って砂地の地面にあぐらをかいて座った。汚れることなんて気にしていない様子。
「俺は手伝ってもらってる側だし……そう言われたら」
俺は橘さんと違って座るのにちょうど良さそうなコンクリートのブロックに座る。橘さんは相変わらずヘラヘラ笑い、ふにゃふにゃ揺れている。変わった子だ。
「真壁君って変わってるよねー」
「は?」
突然言われたことに俺は驚いて少し大きな声をあげてしまった。
「いや、あの、悪い意味じゃなくてね。良い意味でね。えへへ」
変わってるという言葉に良い意味はない。あくまで俺にとってだが。不服なので橘さんにその理由を聞くことにした。
「で、なんで俺が変わってるって?」
「美波さん」
橘さんは人差し指をピンと立ててそう言った。なるほど。美波さんが理由なら仕方がない。食堂での一コマでも目撃されたのだろう。
「何か変な誤解してるかもしれないけど、美波さんと俺は冗談を言い合うような普通の友達だぞ」
「そう! だから真壁君は変わってる気がするの!」
「は?」
またもや驚いて声が大きくなってしまう。
「美波さんってねー。誰とも話そうとしないんだよー」
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