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鉄は熱いうちに打て4
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どうしたらいいなんて問いには、逃げたら良いという答えに決まっているのだけれど……。松尾さんの話にどう対応したものか……という問いならば私には答えが出せそうにない。まあ、出さなくても良いのだけど。
それでも逃げるという答えの途中式はどうしても考えなくてはならない。
窓が無く、出入り口が一か所の部屋。その一か所しかない出入り口の扉の前には近付くだけで燃えてしまう程の熱を出すことのできる人が立ち塞がる。
推察でしかないけれど、高温になる範囲はおそらく彼の周囲半径一から二メートル。それを拡張することはできない。
もし範囲を拡張できるのなら今私が立つ位置まで、もしくは私に届かないギリギリまで範囲を広げるはず。なぜなら、その方が脅しやすいからだ。少しずつ範囲を広げて私に焦燥感を感じさせるのも有効な手だろう。そんな手段をとらないということは、つまり出来ないということ。
それともう一つの理由。彼が扉の前から移動していないこと。
私が高速移動できるということを知っているのなら、逃さないために通り道から移動するわけにいかないはず。
高温範囲を変えることができるのなら、彼自身が移動しても構わないはず。だって移動しても出入り口を高温でカバーできるのだから。だから移動しないという行動が高温域の拡張や変形が出来ない証拠として挙げることができる。
その辺を踏まえて私がこの部屋から出る手段は、大きく分けて二つになる。
一つは彼を出入り口から引き離して扉から抜け出す方法。もう一つは、彼に近付くことなく彼を戦闘不能に追い込むこと――。
「ちなみに松尾さんは何度まで温度を上昇させられるのですか?」
「測ったことがあるわけではないから分からない! ただ一つ言えるのは……」
本当は、全く取り合って貰えない質問だと思っていただけに、答えようとしてくれる姿にただただ驚くだけだった。
「俺の情熱と同じ温度まで上げられるということだ!!」
……えっと、私はどうしたら……。
武力行使によって松尾さんを退けることを考えると上昇温度とその範囲は把握しておきたい。今目を凝らしても松尾さんの周辺に陽炎は確認できない。という事は今は高温域が発生していないのだろう。
それに気になるのは能力の有効範囲が球状の場合。能力範囲が均一に高温になると床や天井、扉やその向こう側にまで影響が出るはず。そうなっていないという事は、能力の有効範囲内で座標指定で高温にできるのか。もしくは見えている範囲と言う制限なのかもしれない。
陽炎が出たという事を考慮に入れると、物と言うより空間を対象に温度を上げている事は確実。私が攻撃の意思を示したとしても、前もって温度が上昇するように待ち構えていることができるという事……。
反応できない速度で一撃という手段は使えないかな。松尾さんの下に辿り着いた時には火達磨でした――なんてことでは意味が無い。
なら、燃えないような物を投げて松尾さんにダメージを与えて戦意を削ぐと言うのはどうだろうか。部屋を見回すと、投げられそうなものは備え付けの固定電話くらい。私の手持ちは携帯と財布。小銭を投げるなんてのもありだけど、殺傷能力が無い且つ戦意を削ぐことができる程の威力があるものにはできそうになかった。
こんなところでの流血沙汰はできるだけ避けたい。
ならどうするか。
壁際に並べられた折り畳み式の机とパイプ椅子。それらを見ながら少し考えを巡らせた。
ふとある事を思いついて、パイプ椅子に手を伸ばす。
「松尾さんの目的、それは私の捕縛と――」
私は松尾さんに聞こえないほど小さな声でそうつぶやいて考えを整理した。さっきまでずっと相手を武力的に戦闘不能にすることばかり考えていたけど、案外違った方法で解決できるのではないか?
「おいおい! まさかパイプ椅子を投げて俺を叩きのめそうと言うのか!」
松尾さんは少し慌てた様子でそう言った。そう言われてみればその手も有りだったかもしれない。でも決めてしまった。
私はパイプ椅子を二脚手に持つと、松尾さんの能力の範囲外に一脚立てて、もう一脚を松尾さんの方に軽く滑らせる。
「諦めます」
とは言ってもみんなの下に早々に戻る事を……だけれど。もしかしたら決勝も間に合わなくなるかも。
「少し、お話をしましょうか」
松尾さんはパイプ椅子に手を伸ばすのをためらいながらも私の様子を見ていた。私はすでにパイプ椅子に腰かけて話をする気満々。松尾さんが椅子を立てている隙を突こうなんて気はさらさら無い。
それが伝わったのか、松尾さんは豪快な音を立ててパイプ椅子を立てると、どっしりと座った。
説得して逃がしてもらうという考え方は原点に戻ったようであって実のところそういう訳でもなかったりする。以前の強い男の時と同様に、松尾さんも能力が発現した理由。願いがあるはず。コントロールのできる超能力は総じて後天的超能力者。強い欲望やコンプレックス・トラウマによって引き出された力。
それを紐解くことによって無力化してしまえないか。そう考えての行動だった。それには長い時間がかかってしまうかもしれない。この後にまだ試合が残っているけど間に合わないかもしれない。まあ、そうなったらそうなったで構わないのだけど。ただ……室伏さんに怒られるのは怖いなー。
それが無理だった場合はさっき松尾さんが言った通りパイプ椅子を投げて戦う事になるかもしれない。できれば避けたいけれど。
「ようやく君の意思を聞かせてくれる気になったと思って良いのか!? さあ聞かせてくれたまえ!」
なぜ本気で走らなかったのか。その答えを松尾さんは待っている。おそらくその答えに関係することが松尾さんの願いに関わっている。
「私は超能力者だという事を知られたくありません。異常な私を見る周囲の目が怖い。だからそれを隠すために全力で走りませんでした」
「全力を出したところで君は何一つ悪くないんだ! ちょっと普通じゃないからって態度を変える奴らが悪い! 隠す必要なんかない! 言ってやれば良いじゃないか! 自分は悪くないと! 自分は正しい事をしているんだと!」
違う。そうじゃない。態度が変わってしまう方も悪くなんて無いんだ。自らと違う感覚、価値観、能力。そういったものに対して拒絶感を持つのは至極まっとうな価値観なんだ。社会を築く生物はそうしてコミュニティーを維持していくもの。人だってそういった自然の輪の中から外れることは無い。
いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。私の事よりも松尾さんの事に焦点を当てないと。
「私は松尾さんのように強くはなれません。松尾さんはどうしてそんなに強くいられるんですか?」
それでも逃げるという答えの途中式はどうしても考えなくてはならない。
窓が無く、出入り口が一か所の部屋。その一か所しかない出入り口の扉の前には近付くだけで燃えてしまう程の熱を出すことのできる人が立ち塞がる。
推察でしかないけれど、高温になる範囲はおそらく彼の周囲半径一から二メートル。それを拡張することはできない。
もし範囲を拡張できるのなら今私が立つ位置まで、もしくは私に届かないギリギリまで範囲を広げるはず。なぜなら、その方が脅しやすいからだ。少しずつ範囲を広げて私に焦燥感を感じさせるのも有効な手だろう。そんな手段をとらないということは、つまり出来ないということ。
それともう一つの理由。彼が扉の前から移動していないこと。
私が高速移動できるということを知っているのなら、逃さないために通り道から移動するわけにいかないはず。
高温範囲を変えることができるのなら、彼自身が移動しても構わないはず。だって移動しても出入り口を高温でカバーできるのだから。だから移動しないという行動が高温域の拡張や変形が出来ない証拠として挙げることができる。
その辺を踏まえて私がこの部屋から出る手段は、大きく分けて二つになる。
一つは彼を出入り口から引き離して扉から抜け出す方法。もう一つは、彼に近付くことなく彼を戦闘不能に追い込むこと――。
「ちなみに松尾さんは何度まで温度を上昇させられるのですか?」
「測ったことがあるわけではないから分からない! ただ一つ言えるのは……」
本当は、全く取り合って貰えない質問だと思っていただけに、答えようとしてくれる姿にただただ驚くだけだった。
「俺の情熱と同じ温度まで上げられるということだ!!」
……えっと、私はどうしたら……。
武力行使によって松尾さんを退けることを考えると上昇温度とその範囲は把握しておきたい。今目を凝らしても松尾さんの周辺に陽炎は確認できない。という事は今は高温域が発生していないのだろう。
それに気になるのは能力の有効範囲が球状の場合。能力範囲が均一に高温になると床や天井、扉やその向こう側にまで影響が出るはず。そうなっていないという事は、能力の有効範囲内で座標指定で高温にできるのか。もしくは見えている範囲と言う制限なのかもしれない。
陽炎が出たという事を考慮に入れると、物と言うより空間を対象に温度を上げている事は確実。私が攻撃の意思を示したとしても、前もって温度が上昇するように待ち構えていることができるという事……。
反応できない速度で一撃という手段は使えないかな。松尾さんの下に辿り着いた時には火達磨でした――なんてことでは意味が無い。
なら、燃えないような物を投げて松尾さんにダメージを与えて戦意を削ぐと言うのはどうだろうか。部屋を見回すと、投げられそうなものは備え付けの固定電話くらい。私の手持ちは携帯と財布。小銭を投げるなんてのもありだけど、殺傷能力が無い且つ戦意を削ぐことができる程の威力があるものにはできそうになかった。
こんなところでの流血沙汰はできるだけ避けたい。
ならどうするか。
壁際に並べられた折り畳み式の机とパイプ椅子。それらを見ながら少し考えを巡らせた。
ふとある事を思いついて、パイプ椅子に手を伸ばす。
「松尾さんの目的、それは私の捕縛と――」
私は松尾さんに聞こえないほど小さな声でそうつぶやいて考えを整理した。さっきまでずっと相手を武力的に戦闘不能にすることばかり考えていたけど、案外違った方法で解決できるのではないか?
「おいおい! まさかパイプ椅子を投げて俺を叩きのめそうと言うのか!」
松尾さんは少し慌てた様子でそう言った。そう言われてみればその手も有りだったかもしれない。でも決めてしまった。
私はパイプ椅子を二脚手に持つと、松尾さんの能力の範囲外に一脚立てて、もう一脚を松尾さんの方に軽く滑らせる。
「諦めます」
とは言ってもみんなの下に早々に戻る事を……だけれど。もしかしたら決勝も間に合わなくなるかも。
「少し、お話をしましょうか」
松尾さんはパイプ椅子に手を伸ばすのをためらいながらも私の様子を見ていた。私はすでにパイプ椅子に腰かけて話をする気満々。松尾さんが椅子を立てている隙を突こうなんて気はさらさら無い。
それが伝わったのか、松尾さんは豪快な音を立ててパイプ椅子を立てると、どっしりと座った。
説得して逃がしてもらうという考え方は原点に戻ったようであって実のところそういう訳でもなかったりする。以前の強い男の時と同様に、松尾さんも能力が発現した理由。願いがあるはず。コントロールのできる超能力は総じて後天的超能力者。強い欲望やコンプレックス・トラウマによって引き出された力。
それを紐解くことによって無力化してしまえないか。そう考えての行動だった。それには長い時間がかかってしまうかもしれない。この後にまだ試合が残っているけど間に合わないかもしれない。まあ、そうなったらそうなったで構わないのだけど。ただ……室伏さんに怒られるのは怖いなー。
それが無理だった場合はさっき松尾さんが言った通りパイプ椅子を投げて戦う事になるかもしれない。できれば避けたいけれど。
「ようやく君の意思を聞かせてくれる気になったと思って良いのか!? さあ聞かせてくれたまえ!」
なぜ本気で走らなかったのか。その答えを松尾さんは待っている。おそらくその答えに関係することが松尾さんの願いに関わっている。
「私は超能力者だという事を知られたくありません。異常な私を見る周囲の目が怖い。だからそれを隠すために全力で走りませんでした」
「全力を出したところで君は何一つ悪くないんだ! ちょっと普通じゃないからって態度を変える奴らが悪い! 隠す必要なんかない! 言ってやれば良いじゃないか! 自分は悪くないと! 自分は正しい事をしているんだと!」
違う。そうじゃない。態度が変わってしまう方も悪くなんて無いんだ。自らと違う感覚、価値観、能力。そういったものに対して拒絶感を持つのは至極まっとうな価値観なんだ。社会を築く生物はそうしてコミュニティーを維持していくもの。人だってそういった自然の輪の中から外れることは無い。
いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。私の事よりも松尾さんの事に焦点を当てないと。
「私は松尾さんのように強くはなれません。松尾さんはどうしてそんなに強くいられるんですか?」
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