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時は金なり6
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「はい。私が持っているものなのか、近くにあるものなのか、十倍速で劣化してしまうことがあります」
色々と自分なりに検証したこともあったが、十倍速になる基準はとうとう分からなかった。
「やはりね。君が腕時計をしていないのもそれが原因かい?」
「……はい。異常なのがバレてしまうので」
携帯は毎分、オンラインで時計が修正される機能付きで、分刻みの表示だから問題が無かった。
「異常なんて言葉は極力使って欲しくないなぁ。私は」
「すみません」
少し考えれば分かるものを私は――。間接的に、超能力者全員を異常だと言ったようなものだ。田中さんに悪いことをした。
「謝らなくてもいいんだよ。さて、その問題なんだが、解決できるかもしれない」
そう言って田中さんは、ポケットから懐中時計を取り出した。今どき懐中時計とは――。
「これは私の懐中時計だ。手を出してごらん?」
私は言われるがままに手を出す。懐中時計も少し大きいので、両手をお椀型にして。
「私のだからね。ここに置くだけだから。決して君に貸す訳でも、ましてやあげる訳でもない」
そんなに念を押さなくてもいいのに……信用ないのかな? 少し――ショックかも。
「時計の針はどうだい?」
針の動きは……一秒、また一秒と公園の時計と足並みを揃えて動く。
「十倍速じゃない――みたいです」
なぜだろう? 田中さんのことだから何か特殊な時計なのだろうか?
「そうか、それは良かった。ではその時計なら君でも使えそうだね。いい機会だプレゼントしよう」
「え、そんな、申し訳ないです」
「いや、そんなことを言ってもその時計はもう君のものだ。私に渡されても困る。いらないなら捨ててくれていい。なにせ、君のものなのだから」
「でも――」
時計はゆっくりと正確に時を刻んでいる。
「実は私は、それと同じものをたくさん持っているんだ。遠慮なく受け取ってくれたまえ」
田中さんは、そう言って突然出現させたアタッシュケース一杯の懐中時計を見せてきた。――ついつい笑ってしまう。
「では、遠慮なく――」
そう言って手の中の時計を見る。
するとそれは、他の懐中時計の針とは違い、狂ったように時を刻んでいた。
――ああなるほど、そういうことか……。
「私が、自分のものだと認識したから時計は十倍速で動き出した――そういうことですか?」
「ご明察。ただ、その可能性が高いから試したんだけどね。良かったよ。一発で分かって」
「もし違ったら、他に可能性があったのですか?」
「まあね」
田中さんはどこまでの物事を知っているのだろう? 本当に何でも知っていると言っても過言ではないような気がする。こんなに何でも知っているかのような人……他にいない――。――いや――そういえば、いた。
「田中さんは、私の父に負けず劣らずの知識人ですね」
「ほほぅ、お父さん? どんな人なんだい?」
「本当に何でも知っている人で、何でもできる人です。今は、インドネシアに行ってるとかなんとか――。見た目と声は全然違いますが、何となく田中さんに似ていますね」
「もしかしてその人は、宮内邦男――とか言う名前かい?」
「はい、ご存じだったのですね。どこかで会った事でも?」
「いいや、会ったこともないし、会う予定もない。と言うより、職業柄、できればその人とは会いたくはないものでね」
職業柄? ああ、そうか。田中さんもお父さんと同じなんだ……。
「聡明な君は、おおよそ見当がついたみたいだね。まあ、あまり気にしないでくれ。それより、せっかく本名を隠していたのに、いいのかい?」
「ええ、気にしません」
「そうかい。しかし、今まで通り君のことは『山田花子』ということにしておくよ」
「それは、どうも」
田中さんの飄々とした物言いに、ついつい笑ってしまう。田中さん自身の謎は、解き明かされたような深まったような……結局何も分かっていないのかもしれない。
「ところで、その十倍速にしてしまう能力――。原因が分かれば対応もできるのではないかな? ともあれ、認識のコントロールだ。時間はかかるだろう。ゆっくり練習したらいいよ」
「お気遣いありがとうございます。でも私、時間だけはたっぷりあるので」
「ははっ! そうだね」
わざとらしく笑う田中さん。そして田中さんは、ふと公園の時計に視線を送った。――暗にそろそろお別れの時間だとでも言うかのように――。
「では、私はそろそろ帰ろうかな。また、旅の途中で立ち寄るかもしれないから、その時はよろしくね」
「待ってください。実は……相談があるんです」
私は、そのまま帰ろうとする田中さんを引き止めた。相談――とはいっても、人生相談や恋愛相談ではない。おそらく……田中さんにしか相談できない――そう踏んで持ちかける相談だ。
「相談……かい? 私にできることなら」
「一昨日の金曜日――。実は、超能力者に襲われたんです」
「そうか――。今の君の様子を見るに、大事には至らなかったのだろうけれど……。物騒なことに巻き込まれたね。警察には――君のことだから誤魔化したのかな?」
またしても見透かすように田中さんは言う。しかし、間違っていないので、何とも言えない。
「警察は、信じてもらえない可能性が高いと思ったので……」
「それに、君の超能力が知られてしまうことが怖かったから――かな?」
「なんで、分かっちゃうんですかね――」
もし、警察内に超能力についての理解がある人がいたとして、犯人が超能力者だと信じて貰えたとする。けれどそれは、私がそんな超能力者を退けた人間であるということも同時に分かってしまうということ――。
隠せなくなってしまう――。
「君は正しい選択をしたよ。そして、相談する相手に私を選んだことも正解だ」
田中さんは、そう言って私に手を差し伸べる。
「何があったのか、できるだけ詳細に教えてくれるかな?」
真剣な顔で聞いてくれる田中さん。一人でずっと抱え込んでいて、悩みに悩んでどうしようかとずっと思っていた。それをこんな風に聞いてくれる……。
妙な安心感があった――。
私は、何故か目頭が熱くなった。
それから私は、金曜日の夜にあったこと、聞かれたことや答えた内容。記憶にある限りの全てを田中さんに話した。
田中さんはずっと静かに聞いていてくれたが、学校で最も頭のいい生徒を探していた――といった話をしているときに、何やら神妙な顔をしていた――。
「――以上が、一昨日の出来事です。それから二日間は、私に対する接触もありません」
「そうか――物騒なことに巻き込まれたんだね――とは言ったが、想像以上に大きな問題のようだ。……これから私が言うことを心して聞いて欲しい」
田中さんの迫力に息を飲まされながら、私は次に出てくる言葉に集中した――。
色々と自分なりに検証したこともあったが、十倍速になる基準はとうとう分からなかった。
「やはりね。君が腕時計をしていないのもそれが原因かい?」
「……はい。異常なのがバレてしまうので」
携帯は毎分、オンラインで時計が修正される機能付きで、分刻みの表示だから問題が無かった。
「異常なんて言葉は極力使って欲しくないなぁ。私は」
「すみません」
少し考えれば分かるものを私は――。間接的に、超能力者全員を異常だと言ったようなものだ。田中さんに悪いことをした。
「謝らなくてもいいんだよ。さて、その問題なんだが、解決できるかもしれない」
そう言って田中さんは、ポケットから懐中時計を取り出した。今どき懐中時計とは――。
「これは私の懐中時計だ。手を出してごらん?」
私は言われるがままに手を出す。懐中時計も少し大きいので、両手をお椀型にして。
「私のだからね。ここに置くだけだから。決して君に貸す訳でも、ましてやあげる訳でもない」
そんなに念を押さなくてもいいのに……信用ないのかな? 少し――ショックかも。
「時計の針はどうだい?」
針の動きは……一秒、また一秒と公園の時計と足並みを揃えて動く。
「十倍速じゃない――みたいです」
なぜだろう? 田中さんのことだから何か特殊な時計なのだろうか?
「そうか、それは良かった。ではその時計なら君でも使えそうだね。いい機会だプレゼントしよう」
「え、そんな、申し訳ないです」
「いや、そんなことを言ってもその時計はもう君のものだ。私に渡されても困る。いらないなら捨ててくれていい。なにせ、君のものなのだから」
「でも――」
時計はゆっくりと正確に時を刻んでいる。
「実は私は、それと同じものをたくさん持っているんだ。遠慮なく受け取ってくれたまえ」
田中さんは、そう言って突然出現させたアタッシュケース一杯の懐中時計を見せてきた。――ついつい笑ってしまう。
「では、遠慮なく――」
そう言って手の中の時計を見る。
するとそれは、他の懐中時計の針とは違い、狂ったように時を刻んでいた。
――ああなるほど、そういうことか……。
「私が、自分のものだと認識したから時計は十倍速で動き出した――そういうことですか?」
「ご明察。ただ、その可能性が高いから試したんだけどね。良かったよ。一発で分かって」
「もし違ったら、他に可能性があったのですか?」
「まあね」
田中さんはどこまでの物事を知っているのだろう? 本当に何でも知っていると言っても過言ではないような気がする。こんなに何でも知っているかのような人……他にいない――。――いや――そういえば、いた。
「田中さんは、私の父に負けず劣らずの知識人ですね」
「ほほぅ、お父さん? どんな人なんだい?」
「本当に何でも知っている人で、何でもできる人です。今は、インドネシアに行ってるとかなんとか――。見た目と声は全然違いますが、何となく田中さんに似ていますね」
「もしかしてその人は、宮内邦男――とか言う名前かい?」
「はい、ご存じだったのですね。どこかで会った事でも?」
「いいや、会ったこともないし、会う予定もない。と言うより、職業柄、できればその人とは会いたくはないものでね」
職業柄? ああ、そうか。田中さんもお父さんと同じなんだ……。
「聡明な君は、おおよそ見当がついたみたいだね。まあ、あまり気にしないでくれ。それより、せっかく本名を隠していたのに、いいのかい?」
「ええ、気にしません」
「そうかい。しかし、今まで通り君のことは『山田花子』ということにしておくよ」
「それは、どうも」
田中さんの飄々とした物言いに、ついつい笑ってしまう。田中さん自身の謎は、解き明かされたような深まったような……結局何も分かっていないのかもしれない。
「ところで、その十倍速にしてしまう能力――。原因が分かれば対応もできるのではないかな? ともあれ、認識のコントロールだ。時間はかかるだろう。ゆっくり練習したらいいよ」
「お気遣いありがとうございます。でも私、時間だけはたっぷりあるので」
「ははっ! そうだね」
わざとらしく笑う田中さん。そして田中さんは、ふと公園の時計に視線を送った。――暗にそろそろお別れの時間だとでも言うかのように――。
「では、私はそろそろ帰ろうかな。また、旅の途中で立ち寄るかもしれないから、その時はよろしくね」
「待ってください。実は……相談があるんです」
私は、そのまま帰ろうとする田中さんを引き止めた。相談――とはいっても、人生相談や恋愛相談ではない。おそらく……田中さんにしか相談できない――そう踏んで持ちかける相談だ。
「相談……かい? 私にできることなら」
「一昨日の金曜日――。実は、超能力者に襲われたんです」
「そうか――。今の君の様子を見るに、大事には至らなかったのだろうけれど……。物騒なことに巻き込まれたね。警察には――君のことだから誤魔化したのかな?」
またしても見透かすように田中さんは言う。しかし、間違っていないので、何とも言えない。
「警察は、信じてもらえない可能性が高いと思ったので……」
「それに、君の超能力が知られてしまうことが怖かったから――かな?」
「なんで、分かっちゃうんですかね――」
もし、警察内に超能力についての理解がある人がいたとして、犯人が超能力者だと信じて貰えたとする。けれどそれは、私がそんな超能力者を退けた人間であるということも同時に分かってしまうということ――。
隠せなくなってしまう――。
「君は正しい選択をしたよ。そして、相談する相手に私を選んだことも正解だ」
田中さんは、そう言って私に手を差し伸べる。
「何があったのか、できるだけ詳細に教えてくれるかな?」
真剣な顔で聞いてくれる田中さん。一人でずっと抱え込んでいて、悩みに悩んでどうしようかとずっと思っていた。それをこんな風に聞いてくれる……。
妙な安心感があった――。
私は、何故か目頭が熱くなった。
それから私は、金曜日の夜にあったこと、聞かれたことや答えた内容。記憶にある限りの全てを田中さんに話した。
田中さんはずっと静かに聞いていてくれたが、学校で最も頭のいい生徒を探していた――といった話をしているときに、何やら神妙な顔をしていた――。
「――以上が、一昨日の出来事です。それから二日間は、私に対する接触もありません」
「そうか――物騒なことに巻き込まれたんだね――とは言ったが、想像以上に大きな問題のようだ。……これから私が言うことを心して聞いて欲しい」
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