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黄金都市編
黄金都市編その5
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「どうです~?この裏路地に佇む店構え。味があるでしょ~?」
「はぁ・・・」
まー、古ぼけた看板に年季を感じるし、長く続けられているってことは美味いからなんだろうけど、正直さっきの話を聞いてこれからのことを思うと食事という気分では無かった。
女騎士さんもきっとそうなんじゃないかな?チラリと隣を見ると僕とは打って変わって目をらんらんと輝かせていた。
「こここここここ、ここは何が美味しいんですか!!?」
もう食い気味で放浪者さんに看板メニューを確認している食いしん坊さん。そうだったー・・・こういう人だったー・・・。フォーチュンさんの小屋周辺の食材に乏しい場所でも結構美味しいもの作る人だったもんな・・・。食への執着はピカ一な人だったわー。
「ふふふ・・・ここは何と言っても魚料理が美味しいんですよ!中には肉料理が一番だと言う馬鹿も居ますが。解っちゃいない!ここは絶対魚料理です!いやぁ、私も来るの久しぶりなんで楽しみで仕方ないですよ~。」
「おお・・・!おおおお!!はやっ・・・早く入りましょう!」
(お預け食らったゴールデンレトリバーみたいな顔しやがって・・・。もうさっきの話と君のその嬉しそうなテンションでお腹いっぱいだよ。)
「ふふふ。待ちきれない様子ですね。おや?剣士君顔色が悪いですね?大丈夫ですか?」
「大丈夫です・・・入りましょう。」
「そうですか?では・・・」
放浪者さんがドアを開けると・・・
「いらっしゃいませー!!!お好きな席へどう・・・ぞ・・・」
左手にアームガードをはめた橙色ボブカットの女の子が両手にジョッキを持ちながら元気よく挨拶してくれたのだが、僕と目が合った瞬間その元気いっぱいの笑顔が段々凍り付く。
(??どうしたんだろ?初対面のはずだけど・・・?)
ガシャン!!!!
目の前の女の子を見ながら考えを巡らせていると、固まった女の子がジョッキを落として大きな音がホールに響く。
「あ・・・・あああ・・・・」
「君?だいじょう・・・・」
様子がおかしい。僕は近づいて声を掛けようとしたその瞬間。放浪者さんが僕と女の子の間に、正確には僕を庇うように立つ。
「剣士君!離れなさい!!!!」
「へ???」
いつからだろう?最初見た時は女の子の目は橙色だった。しかし今はどこまでも紅い、真紅の赤。その赤が残像を残す。
「止まれ!!!!」
放浪者さんが能力を使うが・・・
「何っ!?」
紅い閃光は止まらない!放浪者さんが慌てて女の子を力づくで止めようとするが・・・
「馬鹿な・・・!!!」
放浪者さんの手が空を切る。後から思えばあんなに驚いた顔をした放浪者さんは後にも先にもこの時だけだった様な気がする。放浪者さんでも止められぬスピードが僕や女騎士さんに反応できるわけなく、気付けばキス出来そうなくらいの距離に女の子の顔があり、無機質なその深く暗い紅い瞳で覗かれていた。
「は・・・・はは・・・・」
余りにも桁違いの実力に乾いた笑いが思わず出た。
「このっ!!!」
隣で驚愕の顔を浮かべて固まっていた女騎士さんが我に返り女の子に掴み掛かるが、逆にその腕を片手で掴まれ、軽々と投げ飛ばされる。
「なっ!」
あんな華奢な腕のどこにあんな力が!?
驚いていると女の子は腕を振りかぶり・・・
(やばっ!避け・・・)
「何をしているっ!!出し惜しみせず能力を使って防ぎなさい!!!」
放浪者さんの声が飛び、ハッとする。
(僕は馬鹿か?なんで放浪者さんよりも早く動いた相手のパンチを避けようとしたんだ。)
僕は咄嗟にバックステップで距離を取りながら
「サンドストラクチャー!!!!」
女の子との間に分厚い石の壁を形成する。・・・が、女の子のパンチは石壁をあっさりぶち破り、僕の顔を確実に捉える。
「ぶべっ・・・・」
きりもみしながら外まで吹っ飛ぶ僕。・・・生きてる?いや・・・死んだと思った。どうやら寸前で力を緩めてくれたらしい。
「ばか!!!!!!」
起き上がると殴ってきた女の子から罵倒される。不思議と目の色が紅ではなく元の橙色変化していた。
「え?・・・・え?」
訳が分からずポカンとするしかない僕。
「あれ?やだ・・・あたし・・・!」
何故か僕をいきなり殴って罵倒した女の子が動揺しておろおろしだす。女の子が顔に両手をやった瞬間・・・
「あ・・・」
「あ・・・」
劇的?な出会いをした見知らぬ女の子と言葉がシンクロする。その女の子の左手がぐちゃぐちゃに潰れていて金属の骨組みが見えていたのだ。
建物の二階から慌ただしい足音が近づいてくる。
「カルディア!大丈夫!?なにかあった?」
なんと二階から降りてきたのは魔獣のガルム。驚いたことにそのガルムは巧みに言葉を操っていた。ガルムは女の子の左腕を見ると牙を剥いて唸り、
「お前!カルディアを傷つけたな!」
素早い動きでこちらに向かって突進してくる。
「ま、待って!てっちゃ・・・」
女の子はガルムが脇をすり抜ける時、止めようとしたが間に合わず、僕はガルムの突進を受け、しゃくりあげられ空高く舞い上がり
ゴシャアッ!!!
顔面から芸術展の高い車田落ちを決めて気を失った。
「はぁ・・・」
まー、古ぼけた看板に年季を感じるし、長く続けられているってことは美味いからなんだろうけど、正直さっきの話を聞いてこれからのことを思うと食事という気分では無かった。
女騎士さんもきっとそうなんじゃないかな?チラリと隣を見ると僕とは打って変わって目をらんらんと輝かせていた。
「こここここここ、ここは何が美味しいんですか!!?」
もう食い気味で放浪者さんに看板メニューを確認している食いしん坊さん。そうだったー・・・こういう人だったー・・・。フォーチュンさんの小屋周辺の食材に乏しい場所でも結構美味しいもの作る人だったもんな・・・。食への執着はピカ一な人だったわー。
「ふふふ・・・ここは何と言っても魚料理が美味しいんですよ!中には肉料理が一番だと言う馬鹿も居ますが。解っちゃいない!ここは絶対魚料理です!いやぁ、私も来るの久しぶりなんで楽しみで仕方ないですよ~。」
「おお・・・!おおおお!!はやっ・・・早く入りましょう!」
(お預け食らったゴールデンレトリバーみたいな顔しやがって・・・。もうさっきの話と君のその嬉しそうなテンションでお腹いっぱいだよ。)
「ふふふ。待ちきれない様子ですね。おや?剣士君顔色が悪いですね?大丈夫ですか?」
「大丈夫です・・・入りましょう。」
「そうですか?では・・・」
放浪者さんがドアを開けると・・・
「いらっしゃいませー!!!お好きな席へどう・・・ぞ・・・」
左手にアームガードをはめた橙色ボブカットの女の子が両手にジョッキを持ちながら元気よく挨拶してくれたのだが、僕と目が合った瞬間その元気いっぱいの笑顔が段々凍り付く。
(??どうしたんだろ?初対面のはずだけど・・・?)
ガシャン!!!!
目の前の女の子を見ながら考えを巡らせていると、固まった女の子がジョッキを落として大きな音がホールに響く。
「あ・・・・あああ・・・・」
「君?だいじょう・・・・」
様子がおかしい。僕は近づいて声を掛けようとしたその瞬間。放浪者さんが僕と女の子の間に、正確には僕を庇うように立つ。
「剣士君!離れなさい!!!!」
「へ???」
いつからだろう?最初見た時は女の子の目は橙色だった。しかし今はどこまでも紅い、真紅の赤。その赤が残像を残す。
「止まれ!!!!」
放浪者さんが能力を使うが・・・
「何っ!?」
紅い閃光は止まらない!放浪者さんが慌てて女の子を力づくで止めようとするが・・・
「馬鹿な・・・!!!」
放浪者さんの手が空を切る。後から思えばあんなに驚いた顔をした放浪者さんは後にも先にもこの時だけだった様な気がする。放浪者さんでも止められぬスピードが僕や女騎士さんに反応できるわけなく、気付けばキス出来そうなくらいの距離に女の子の顔があり、無機質なその深く暗い紅い瞳で覗かれていた。
「は・・・・はは・・・・」
余りにも桁違いの実力に乾いた笑いが思わず出た。
「このっ!!!」
隣で驚愕の顔を浮かべて固まっていた女騎士さんが我に返り女の子に掴み掛かるが、逆にその腕を片手で掴まれ、軽々と投げ飛ばされる。
「なっ!」
あんな華奢な腕のどこにあんな力が!?
驚いていると女の子は腕を振りかぶり・・・
(やばっ!避け・・・)
「何をしているっ!!出し惜しみせず能力を使って防ぎなさい!!!」
放浪者さんの声が飛び、ハッとする。
(僕は馬鹿か?なんで放浪者さんよりも早く動いた相手のパンチを避けようとしたんだ。)
僕は咄嗟にバックステップで距離を取りながら
「サンドストラクチャー!!!!」
女の子との間に分厚い石の壁を形成する。・・・が、女の子のパンチは石壁をあっさりぶち破り、僕の顔を確実に捉える。
「ぶべっ・・・・」
きりもみしながら外まで吹っ飛ぶ僕。・・・生きてる?いや・・・死んだと思った。どうやら寸前で力を緩めてくれたらしい。
「ばか!!!!!!」
起き上がると殴ってきた女の子から罵倒される。不思議と目の色が紅ではなく元の橙色変化していた。
「え?・・・・え?」
訳が分からずポカンとするしかない僕。
「あれ?やだ・・・あたし・・・!」
何故か僕をいきなり殴って罵倒した女の子が動揺しておろおろしだす。女の子が顔に両手をやった瞬間・・・
「あ・・・」
「あ・・・」
劇的?な出会いをした見知らぬ女の子と言葉がシンクロする。その女の子の左手がぐちゃぐちゃに潰れていて金属の骨組みが見えていたのだ。
建物の二階から慌ただしい足音が近づいてくる。
「カルディア!大丈夫!?なにかあった?」
なんと二階から降りてきたのは魔獣のガルム。驚いたことにそのガルムは巧みに言葉を操っていた。ガルムは女の子の左腕を見ると牙を剥いて唸り、
「お前!カルディアを傷つけたな!」
素早い動きでこちらに向かって突進してくる。
「ま、待って!てっちゃ・・・」
女の子はガルムが脇をすり抜ける時、止めようとしたが間に合わず、僕はガルムの突進を受け、しゃくりあげられ空高く舞い上がり
ゴシャアッ!!!
顔面から芸術展の高い車田落ちを決めて気を失った。
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