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ラキアとのマンツーマンレッスン
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「ぬわー! 覚えらんないよもーう!」
ラキアの案内が終わり、この辺の地理を覚えて部屋で一休みと言ったところ。俺は自室のベッドで眠ろうと思っていたら、隣から叫び声が聞こえた。その苛立ち加減や悲痛さと言ったら、拷問に耐えているようにも思える。
これが一度くらいなら俺は仏のような寛容さを持って許しただろう。しかし俺はこの叫び声をもう10回くらい聞いている。仏の顔も三度まで、俺はいい加減にむかっ腹がついて、隣の部屋に乗り込むことにした。
ベッドからはね起き、部屋を出て、隣のドアに立つ。「ッチ」と1度舌打ちをした後、俺は全力で扉を開けた。
「っせーぞ、ラキア! ちょっとは黙ることを覚えやがれ!」
隣の部屋はラキアの部屋だ。俺が勉強机に座って頭を抱えている彼女に怒声をあびせると、ラキアは泣きそうな顔でこちらを見つめてきた。
「これが黙っていられるか! もう何十分も覚えようとしているのに、勉強が覚えられないんだ!」
「ああ? ……ファンタジー世界の魔族世間にも勉学はあんのか? メンドクセー。ってか、覚える? お前、暗記苦手なの?」
俺はいら立ちに頭をガリガリかきながらラキアの隣へ寄った。勉強机に手をついて、こいつのノートに書かれている内容を眺める。
――やべぇ、全くわからねぇ。異世界言語は、たぶんこの世界に転移した際の不思議パワーで読めるようになってるのだが、書かれている内容が俺の世界と違いすぎて全く頭に入ってこねぇ。
なんだよ、魔術理論って。俺はラキアから無理矢理ノートを取り上げて、その内容を熟読した。ラキアが怒ったようにしているが、無視だ無視。
――うん、やっぱりよくわからん。でも言えることがあるなら、これ、暗記科目じゃない。
「なあ、ラキア。俺はこの世界の理屈とか知らねーからこの科目がわかんねーけどよ、ざっと読んだらこれ、暗記科目じゃねーだろ? 理屈を理解する系の奴だ。俺らの世界でいう数学とかか?」
「むぅ! 理屈がわからないから覚えるしかないの! 明日は授業参観なの、クソジジイが来るかも知れないからどんな質問にも答えられるようにしなきゃいけないの!」
クソジジイ……たぶん魔王のことだな。俺は1度大きく息を吐いて、ノートを机に置いた。
「あのな、ラキア。覚える系は覚えるしかねーって思うけどよ、理解する系はマジで理解しねーとなんともなんねーぞ? 俺はそれでドツボにハマったことがある」
「ドツボってなんだ? 魚か?」
「ウツボじゃねーよ。この世界にもいるのかあいつ? まあいいや。
ドツボにハマるってのはようは失敗するってことだ。いいか、理屈を理解したけりゃ、とにかく文の繋がりを見て、一個一個確実に整理していくんだ。頭ん中すぅって入る感覚がありゃ、それが理解したってことだ。さ、やってみろ」
ラキアは俺に言われると、頬を膨らませながらノートを読み始めた。
しばらく読んでいたかと思うと、なにやらハッと閃いた表情になり、机の引き出しから紙を1枚取り出し、なにやら文字を書き始めた。
おお、おお。俺もよくやったなこれ。なんか頭に浮かんで、速攻それをメモする。大体こういう時は深く理解できるんだよ。俺は満足気にラキアを眺めた。
と、ラキアは「わかったー!」と嬉しそうに叫んだ。うるせぇ。
「おい人間、わかった! わかったぞ!」
「わかったわかった、うるせぇから静かにしろ」
「むふふふ! ラキア様も天才に一歩近づいたようだ! 不本意だがこれも人間のおかげだ、感謝するぞ! ラキアポイントプラス7してやろう!」
やっとプラマイゼロか。いや、どうでもいいわ。
ラキアはそれはもう嬉しそうに笑いながら、犬のように尻尾を振っている。悪魔(いや、魔族だが)の尻尾ってなんか面白いな。
「おい人間、お前昔は教育者かなにかをやっていたのか?」
「いや、ただのフリーター。学生の頃……丁度お前と同じくらいか? 勉強、してたからよ。その程度のことなら教えられるってだけだ」
「へぇ……。でも、教育者でもないのに物を教えられるってすごいぞ、人間! これからも頼っていいか?」
「やめとけ。俺の話なんざ聞いたって無駄だ。今日はたまたまだよ、たまたま。俺の話を聞きすぎると、いずれ俺みたいになるぞ。なりたいものにはなれず、カスみたいな成功も掴めず、人生を奈落に転がり落ちる最低最悪の日々」
「でも、私は助かったぞ! 本当にありがとう! これでこの分野は質問されても答えられるよ!」
ラキアははしゃぎながら自分の書いたメモ書きを眺めている。
――おめでたいやつだな。ちょっとできなかったことができた程度でこんなに喜ぶなんて。ま、ガキなんて所詮こんなものか。
だが、いずれ思い知るだろ。こんなちょっとの成果なんて、大した意味もないんだってな。俺は皮肉な笑みを浮かべた。
「んじゃ、お嬢様が満足したところで俺は一眠りするよ。いいか、騒ぐなよ?」
「ごめんよ、人間。そうだよな、お前は疲れてるよな……」
なんだよこいつ、しおらしくなって。俺はやりきれない表情で部屋を出た。
扉を開けた瞬間、恐ろしい顔が目の前にあった。一瞬声が出そうになったが、そいつは俺の手を掴んで無理矢理部屋から出すと、ピシャリと扉を閉めてしまった。
「な、ななな、なんすか魔王さん! む、娘の部屋の前で構えて! ビビるだろーが!」
「おい、カツヒトよ。我が娘ラキアと何をしていた?」
「え?」
やべぇ、これあれじゃねーか? うちの娘はやらん的な。俺にそんな気はサラサラねーんだよ、誤解を解かないと俺の命がやばそうだ。
「い、いや! ただうるせーから注意しに行っただけだって! そんで、ついでに勉強のやり方を教えたっていうか!」
「……やはりか。むむぅ、お前はすごいなカツヒト。我なんぞラキアに教えてやろうかやるまいか迷って扉の前を右往左往しておったのに。しかし、あの子が我を頼ってはならんのだ。それはあまりに卑怯だからな……」
何言ってんだこいつ。てか、娘の部屋の前で右往左往って、かわいすぎかよ。
俺が少し笑いそうになっていると、魔王アルムスはこちらを見つめてきた。こわいこわい、その顔でこっち見るのやめて。心臓止まっちゃう。
「……カツヒトよ。頼みを聞いてはくれぬか?」
「あ? ……なんすか?」
「明日、授業参観がある。しかし、我は忙しい身でな……明日は行ってやることができぬ。
そこで、カツヒトよ。お前には明日、ラキアの授業参観に行ってほしいのだ!」
「わお、思いっきり部外者! なんで俺がいかなきゃならねーの!? 俺とりあえず職探ししなきゃならねーんだけど!?」
「職なんぞ我が与えてやるわ。頼む、お前にしか頼めぬのだ。たった一日でラキアをあそこまで喜ばせたのは、お前がはじめてだ。親としての勘なのだ、ラキアにはお前が必要だ」
「は、はぁ……」
なんだよこいつ、違和感あるな。俺は肩を落とした。
「……まあ、それくらいならいいけどよ。……そうだよな、国の代表だもんな。めちゃくちゃ忙しいから、娘の授業とか見てらんねーよな……」
「そういうわけだ。我は簡単に休むわけにはいかぬ。……妻が生きていれば、こんなこともなかったろうに」
「……妻?」
「ああ。我の妻じゃ。大層美しく、性格も良かった。自慢の嫁だった。……人間に殺され、もういないがな」
「あ……なんか、すまん」
「いや、いい。我とてもう乗り越えている。今はラキアをこの身一つで育てると決めたのだから。――それに、お前は人間だが、妻を殺した人間ではない」
その時、魔王の表情が曇った気がした。
――魔王のくせに、家族が死んだことを悲しんでいるんだな。俺はこいつがやけに人間臭く思えて、一瞬、本当に魔王なのかどうかを疑った。
と、魔王は表情を元に戻して、1度大きく咳払いをした。
「まあ、そういうことだ。頼むぞ、カツヒトよ。我はお前を信頼している」
「……大丈夫っすよ。わかってるから」
「あ、ちなみにラキアの絵を描いてもらうと助かる。我が娘の今の授業風景は今にしか残らぬ。つまり今を切り取り保存する絵が大変貴重なのだ。ところでカツヒトよ、お前に絵の心得はあるか?」
そう言って魔王は俺に紙とペン(この世界ってペンあるんだな……)を渡してきた。俺は苦笑いを浮かべると、目の前の魔王を描いてみた。
ただの線と点の塊ができてしまった。魔王は哀れむような視線でため息をついた。お願いだからやめてください。
ラキアの案内が終わり、この辺の地理を覚えて部屋で一休みと言ったところ。俺は自室のベッドで眠ろうと思っていたら、隣から叫び声が聞こえた。その苛立ち加減や悲痛さと言ったら、拷問に耐えているようにも思える。
これが一度くらいなら俺は仏のような寛容さを持って許しただろう。しかし俺はこの叫び声をもう10回くらい聞いている。仏の顔も三度まで、俺はいい加減にむかっ腹がついて、隣の部屋に乗り込むことにした。
ベッドからはね起き、部屋を出て、隣のドアに立つ。「ッチ」と1度舌打ちをした後、俺は全力で扉を開けた。
「っせーぞ、ラキア! ちょっとは黙ることを覚えやがれ!」
隣の部屋はラキアの部屋だ。俺が勉強机に座って頭を抱えている彼女に怒声をあびせると、ラキアは泣きそうな顔でこちらを見つめてきた。
「これが黙っていられるか! もう何十分も覚えようとしているのに、勉強が覚えられないんだ!」
「ああ? ……ファンタジー世界の魔族世間にも勉学はあんのか? メンドクセー。ってか、覚える? お前、暗記苦手なの?」
俺はいら立ちに頭をガリガリかきながらラキアの隣へ寄った。勉強机に手をついて、こいつのノートに書かれている内容を眺める。
――やべぇ、全くわからねぇ。異世界言語は、たぶんこの世界に転移した際の不思議パワーで読めるようになってるのだが、書かれている内容が俺の世界と違いすぎて全く頭に入ってこねぇ。
なんだよ、魔術理論って。俺はラキアから無理矢理ノートを取り上げて、その内容を熟読した。ラキアが怒ったようにしているが、無視だ無視。
――うん、やっぱりよくわからん。でも言えることがあるなら、これ、暗記科目じゃない。
「なあ、ラキア。俺はこの世界の理屈とか知らねーからこの科目がわかんねーけどよ、ざっと読んだらこれ、暗記科目じゃねーだろ? 理屈を理解する系の奴だ。俺らの世界でいう数学とかか?」
「むぅ! 理屈がわからないから覚えるしかないの! 明日は授業参観なの、クソジジイが来るかも知れないからどんな質問にも答えられるようにしなきゃいけないの!」
クソジジイ……たぶん魔王のことだな。俺は1度大きく息を吐いて、ノートを机に置いた。
「あのな、ラキア。覚える系は覚えるしかねーって思うけどよ、理解する系はマジで理解しねーとなんともなんねーぞ? 俺はそれでドツボにハマったことがある」
「ドツボってなんだ? 魚か?」
「ウツボじゃねーよ。この世界にもいるのかあいつ? まあいいや。
ドツボにハマるってのはようは失敗するってことだ。いいか、理屈を理解したけりゃ、とにかく文の繋がりを見て、一個一個確実に整理していくんだ。頭ん中すぅって入る感覚がありゃ、それが理解したってことだ。さ、やってみろ」
ラキアは俺に言われると、頬を膨らませながらノートを読み始めた。
しばらく読んでいたかと思うと、なにやらハッと閃いた表情になり、机の引き出しから紙を1枚取り出し、なにやら文字を書き始めた。
おお、おお。俺もよくやったなこれ。なんか頭に浮かんで、速攻それをメモする。大体こういう時は深く理解できるんだよ。俺は満足気にラキアを眺めた。
と、ラキアは「わかったー!」と嬉しそうに叫んだ。うるせぇ。
「おい人間、わかった! わかったぞ!」
「わかったわかった、うるせぇから静かにしろ」
「むふふふ! ラキア様も天才に一歩近づいたようだ! 不本意だがこれも人間のおかげだ、感謝するぞ! ラキアポイントプラス7してやろう!」
やっとプラマイゼロか。いや、どうでもいいわ。
ラキアはそれはもう嬉しそうに笑いながら、犬のように尻尾を振っている。悪魔(いや、魔族だが)の尻尾ってなんか面白いな。
「おい人間、お前昔は教育者かなにかをやっていたのか?」
「いや、ただのフリーター。学生の頃……丁度お前と同じくらいか? 勉強、してたからよ。その程度のことなら教えられるってだけだ」
「へぇ……。でも、教育者でもないのに物を教えられるってすごいぞ、人間! これからも頼っていいか?」
「やめとけ。俺の話なんざ聞いたって無駄だ。今日はたまたまだよ、たまたま。俺の話を聞きすぎると、いずれ俺みたいになるぞ。なりたいものにはなれず、カスみたいな成功も掴めず、人生を奈落に転がり落ちる最低最悪の日々」
「でも、私は助かったぞ! 本当にありがとう! これでこの分野は質問されても答えられるよ!」
ラキアははしゃぎながら自分の書いたメモ書きを眺めている。
――おめでたいやつだな。ちょっとできなかったことができた程度でこんなに喜ぶなんて。ま、ガキなんて所詮こんなものか。
だが、いずれ思い知るだろ。こんなちょっとの成果なんて、大した意味もないんだってな。俺は皮肉な笑みを浮かべた。
「んじゃ、お嬢様が満足したところで俺は一眠りするよ。いいか、騒ぐなよ?」
「ごめんよ、人間。そうだよな、お前は疲れてるよな……」
なんだよこいつ、しおらしくなって。俺はやりきれない表情で部屋を出た。
扉を開けた瞬間、恐ろしい顔が目の前にあった。一瞬声が出そうになったが、そいつは俺の手を掴んで無理矢理部屋から出すと、ピシャリと扉を閉めてしまった。
「な、ななな、なんすか魔王さん! む、娘の部屋の前で構えて! ビビるだろーが!」
「おい、カツヒトよ。我が娘ラキアと何をしていた?」
「え?」
やべぇ、これあれじゃねーか? うちの娘はやらん的な。俺にそんな気はサラサラねーんだよ、誤解を解かないと俺の命がやばそうだ。
「い、いや! ただうるせーから注意しに行っただけだって! そんで、ついでに勉強のやり方を教えたっていうか!」
「……やはりか。むむぅ、お前はすごいなカツヒト。我なんぞラキアに教えてやろうかやるまいか迷って扉の前を右往左往しておったのに。しかし、あの子が我を頼ってはならんのだ。それはあまりに卑怯だからな……」
何言ってんだこいつ。てか、娘の部屋の前で右往左往って、かわいすぎかよ。
俺が少し笑いそうになっていると、魔王アルムスはこちらを見つめてきた。こわいこわい、その顔でこっち見るのやめて。心臓止まっちゃう。
「……カツヒトよ。頼みを聞いてはくれぬか?」
「あ? ……なんすか?」
「明日、授業参観がある。しかし、我は忙しい身でな……明日は行ってやることができぬ。
そこで、カツヒトよ。お前には明日、ラキアの授業参観に行ってほしいのだ!」
「わお、思いっきり部外者! なんで俺がいかなきゃならねーの!? 俺とりあえず職探ししなきゃならねーんだけど!?」
「職なんぞ我が与えてやるわ。頼む、お前にしか頼めぬのだ。たった一日でラキアをあそこまで喜ばせたのは、お前がはじめてだ。親としての勘なのだ、ラキアにはお前が必要だ」
「は、はぁ……」
なんだよこいつ、違和感あるな。俺は肩を落とした。
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「そういうわけだ。我は簡単に休むわけにはいかぬ。……妻が生きていれば、こんなこともなかったろうに」
「……妻?」
「ああ。我の妻じゃ。大層美しく、性格も良かった。自慢の嫁だった。……人間に殺され、もういないがな」
「あ……なんか、すまん」
「いや、いい。我とてもう乗り越えている。今はラキアをこの身一つで育てると決めたのだから。――それに、お前は人間だが、妻を殺した人間ではない」
その時、魔王の表情が曇った気がした。
――魔王のくせに、家族が死んだことを悲しんでいるんだな。俺はこいつがやけに人間臭く思えて、一瞬、本当に魔王なのかどうかを疑った。
と、魔王は表情を元に戻して、1度大きく咳払いをした。
「まあ、そういうことだ。頼むぞ、カツヒトよ。我はお前を信頼している」
「……大丈夫っすよ。わかってるから」
「あ、ちなみにラキアの絵を描いてもらうと助かる。我が娘の今の授業風景は今にしか残らぬ。つまり今を切り取り保存する絵が大変貴重なのだ。ところでカツヒトよ、お前に絵の心得はあるか?」
そう言って魔王は俺に紙とペン(この世界ってペンあるんだな……)を渡してきた。俺は苦笑いを浮かべると、目の前の魔王を描いてみた。
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