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第17話『指導開始! 2』
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「終わりましたよ、エルさん!」
エル・ウィグリーはフィオナの声を聞きビクリと身を震わせた。
アレ、まだ1時間しか経っていないけど。エルは懐中時計を取り出し、針の指し示す時刻を見ながら舌をまいた。
「――一応確認しますが、最後まで解きましたよね? 裏を忘れていたとかそんなことはないですよね?」
「正真正銘、全問解きましたよ! いやぁ、大変でした! 頑張りましたよ、私!」
フィオナはえっへんと胸を張りながら受け答える。エルはすぐさま机に置かれている問題集を手に取り、中身を確認した。
「……ほ、本当だ。全問解答されている」
「えへへ。エルさんも知ってると思いますが、勉強だけは私すごかったんですよ? そりゃあもう学校1頑張ってましたから。成績もトップだったんですよ?」
ふふん、と自慢げにこちらを見やるフィオナ。エルは自身との奇妙な縁を感じながら、「あはは」と笑いながら改めて問題集へと目を落とした。
「うん。あなたがこれでいい、というのなら、僕の方で採点させていただきます。あ、一応伝えておきますが、誤字脱字の類は正解扱いにしますので」
「え、それっていいのです?」
「現在の実力を見るためのテストなんですから、細かなミスはわざわざ指摘しませんよ。まあ、でも、公のテストとかでしたら気をつけないといけませんがね」
「はええ……エルさんって、意外とゆるいんですね」
「えっと……と、父さんがこういう方針だったからかな。その影響は大きいと思います」
エルは微笑みながら、赤いインクの入った万年筆を持ち、問題集に丸を描いていった。
「……エルさんって、よくよくお父さんのお話しますよね。その、エルさんのお父さんって、どういう人だったんですか?」
「――どういう人、か」
エルは採点の手を止めることなく呟いた。
「一言で言うなら、凄い人、でしたね。ギルドでは最高ランクにいましたし、知恵も、実力も、全てが桁違いでした。昔は聖騎士の資格も持ってたんですよ」
「え、ええええ!?!?!??? エルさんのお父さん、聖騎士だったんですか!?!???」
「あはは。凄いんですよ、本当。まあ、『あの立場は俺には合わねぇ』と言ってすぐに資格を返しちゃったんですが」
「――も、もしかしてエルさんって、名門の生まれなんですか?」
「一応そういうことになるのかな。けど、まあ、聖騎士になってた期間なんて本当に一ヶ月もなかったし、その間に父さんが騎士として活躍したことはなかったし。名前が知れているわけではないんだ。ただ、僕は他人よりは裕福な家庭だったと思います」
「な、なにせ最高ランクの冒険者ですものね……。えぇー、いいなぁ。私と全然違う。私なんて、普通の、庶民の生まれですよ」
「え、フィオナさんは貴族生まれではないのですか?」
「はい。私、本当に、普通の家で育ったんです。魔道具を作る仕事でしたね。お父さんとお母さんをよくよく手伝って、そのお金で本を買って、必死に色々、勉強していたなぁ」
「凄いじゃないですか。僕なんて、勉強する環境自体は凄く整ってたんですよ。そうでもないのに勉強で成績がトップになれるなんて、普通はできやしません。
きっと凄まじいほどの努力を重ねたのですね。もちろん、勉学に対する才能もあったのでしょうが」
部屋に丸を描く音が拡がる。エルは未だ取りこぼしの無い解答に内心舌を巻きながら、どこか彼女のもつ能力に胸が躍るような感覚を得ていた。
「――エルさんのお父さんって、今はなにをしているのですか?」
ふと。フィオナが尋ねてきた。エルはそれを受けて、ピタリと採点の手を止めてしまい。
「――今は、行方不明だよ」
ぽつりとそう言って、採点を再開した。
「え?」
「僕がチェイン・アームズに入る、少し前かな。突然父さんが、僕と、母さんを呼んで、『すまん。お前たちと離れなきゃならなくなった』って伝えてきたんだ。僕はびっくりしたんだけど、母さんはなぜか、事情を知っている感じだった。
それで、名残惜しくも父さんは出て行って――それ以来会っていない。今は生きているかどうかも、わからないんだ」
「――それ、って……」
「――悲しい思い出だよ。でも、僕は今も父さんが生きているのを信じている。母さんも、『大丈夫。神様があの人を守ってくれるわ』って言ってたし。それに、父さんは本当に、すごかったんです。だから絶対、簡単には死なない」
エルが最後まで言い切ると、フィオナは黙り込んでしまい、部屋に奇妙な沈黙が流れた。
やがてエルは採点を終え、「よしっ」と言いながら、その結果をフィオナに手渡した。
「フィオナさん、これがあなたの得点です。――正直驚きました。僕は合格点が取れる程度には難易度を調整しましたが、逆に言えば、それを遥かに超えるのは難しくなるようにしていました。その逆風を受けてなお、あなたはこの点数です」
「え……あ、114点!?」
「ほとんど全問正解です。……この得点は、確かにあなたの、勉強に対する才能があったからと言うのもあるでしょう。しかし、これは紛うことなく、あなたが努力をしていたからこそ得られた点数です。感無量に尽きると言いますか、とにかく僕はあなたを賞賛――」
「エルさん。この2問って、どうして間違いなんですか?」
と。フィオナはエルの感想を打ち止め、突如そう質問を投げかけた。
「あ、文句じゃないですよ! 純粋にわからなくて……」
「あ、ああ、大丈夫ですよ。わかっていますので」
――たった2問のために、そこまで真剣になるのか。エルはフィオナの悩ましげな表情を見て思わず舌を巻いた。
しかし同時に、彼女がなぜここまでの点数を得られたのかを理解した。とどのつまり、彼女はこうした所で努力を怠らない。
自分のことを成績だけで怠惰と決めつけたラザリアが、ああもフィオナのことを気に入るのも納得だ。エルはフィオナに微笑み。
「どれどれ……ああ、属性の合成とそれによる現象を予測する問題だね。……えっとね――」
エルはそして、フィオナに問題の解答を細かく解説した。彼女が納得したように「はあぁ……」と息を漏らすと、フィオナは頭部を掻きながら、悩ましげに口の端を吊り上げた。
「いやぁ、難しいですね……。こんな問題作れるなんて、エルさんは凄いなぁ」
「ま、まあ、そもそも満点を取らせないための問題みたいなものだし……。いや、でも、それでも間違えた問題が2問だけって言うのは、極めて凄いことですよ」
「えへへ。褒められちゃった。やった!」
そう言ってフィオナはエルにピースサインを向ける。エルは彼女の笑顔に乗せられてか、自然と口元を緩ませていた。
「――さて。それじゃあ、少し休憩をしたら、ここからは僕の魔術の本格的な指導に入りますよ。ま、まあ、正直、指導者の立場になるのは初めてなんで、不甲斐ないとは思いますし、それに滅茶苦茶進歩した魔術でもないのでまあ実際は2人で作り上げていくような手探りの感じなんですけど、で、できるだけのことはしますので――」
「もう、そんなんじゃダメですよ、エルさん! あなたは私のお師匠様なんです! あなたが自信無さそうだと、私も自信が無くなっちゃいます! ほらほら、シャキッとする!」
フィオナはエルの背を強く叩いた。エルは「は、はい!」と背筋を伸ばし、軍人のように気をつけをする。
「私絶対強くなってみせますので! やってやりましょう、エルさん! えいえいおー!」
「お……おー?」
叫び腕を掲げるフィオナ。エルは彼女の勢いに釣られ、自分も腕を高く掲げた。
エル・ウィグリーはフィオナの声を聞きビクリと身を震わせた。
アレ、まだ1時間しか経っていないけど。エルは懐中時計を取り出し、針の指し示す時刻を見ながら舌をまいた。
「――一応確認しますが、最後まで解きましたよね? 裏を忘れていたとかそんなことはないですよね?」
「正真正銘、全問解きましたよ! いやぁ、大変でした! 頑張りましたよ、私!」
フィオナはえっへんと胸を張りながら受け答える。エルはすぐさま机に置かれている問題集を手に取り、中身を確認した。
「……ほ、本当だ。全問解答されている」
「えへへ。エルさんも知ってると思いますが、勉強だけは私すごかったんですよ? そりゃあもう学校1頑張ってましたから。成績もトップだったんですよ?」
ふふん、と自慢げにこちらを見やるフィオナ。エルは自身との奇妙な縁を感じながら、「あはは」と笑いながら改めて問題集へと目を落とした。
「うん。あなたがこれでいい、というのなら、僕の方で採点させていただきます。あ、一応伝えておきますが、誤字脱字の類は正解扱いにしますので」
「え、それっていいのです?」
「現在の実力を見るためのテストなんですから、細かなミスはわざわざ指摘しませんよ。まあ、でも、公のテストとかでしたら気をつけないといけませんがね」
「はええ……エルさんって、意外とゆるいんですね」
「えっと……と、父さんがこういう方針だったからかな。その影響は大きいと思います」
エルは微笑みながら、赤いインクの入った万年筆を持ち、問題集に丸を描いていった。
「……エルさんって、よくよくお父さんのお話しますよね。その、エルさんのお父さんって、どういう人だったんですか?」
「――どういう人、か」
エルは採点の手を止めることなく呟いた。
「一言で言うなら、凄い人、でしたね。ギルドでは最高ランクにいましたし、知恵も、実力も、全てが桁違いでした。昔は聖騎士の資格も持ってたんですよ」
「え、ええええ!?!?!??? エルさんのお父さん、聖騎士だったんですか!?!???」
「あはは。凄いんですよ、本当。まあ、『あの立場は俺には合わねぇ』と言ってすぐに資格を返しちゃったんですが」
「――も、もしかしてエルさんって、名門の生まれなんですか?」
「一応そういうことになるのかな。けど、まあ、聖騎士になってた期間なんて本当に一ヶ月もなかったし、その間に父さんが騎士として活躍したことはなかったし。名前が知れているわけではないんだ。ただ、僕は他人よりは裕福な家庭だったと思います」
「な、なにせ最高ランクの冒険者ですものね……。えぇー、いいなぁ。私と全然違う。私なんて、普通の、庶民の生まれですよ」
「え、フィオナさんは貴族生まれではないのですか?」
「はい。私、本当に、普通の家で育ったんです。魔道具を作る仕事でしたね。お父さんとお母さんをよくよく手伝って、そのお金で本を買って、必死に色々、勉強していたなぁ」
「凄いじゃないですか。僕なんて、勉強する環境自体は凄く整ってたんですよ。そうでもないのに勉強で成績がトップになれるなんて、普通はできやしません。
きっと凄まじいほどの努力を重ねたのですね。もちろん、勉学に対する才能もあったのでしょうが」
部屋に丸を描く音が拡がる。エルは未だ取りこぼしの無い解答に内心舌を巻きながら、どこか彼女のもつ能力に胸が躍るような感覚を得ていた。
「――エルさんのお父さんって、今はなにをしているのですか?」
ふと。フィオナが尋ねてきた。エルはそれを受けて、ピタリと採点の手を止めてしまい。
「――今は、行方不明だよ」
ぽつりとそう言って、採点を再開した。
「え?」
「僕がチェイン・アームズに入る、少し前かな。突然父さんが、僕と、母さんを呼んで、『すまん。お前たちと離れなきゃならなくなった』って伝えてきたんだ。僕はびっくりしたんだけど、母さんはなぜか、事情を知っている感じだった。
それで、名残惜しくも父さんは出て行って――それ以来会っていない。今は生きているかどうかも、わからないんだ」
「――それ、って……」
「――悲しい思い出だよ。でも、僕は今も父さんが生きているのを信じている。母さんも、『大丈夫。神様があの人を守ってくれるわ』って言ってたし。それに、父さんは本当に、すごかったんです。だから絶対、簡単には死なない」
エルが最後まで言い切ると、フィオナは黙り込んでしまい、部屋に奇妙な沈黙が流れた。
やがてエルは採点を終え、「よしっ」と言いながら、その結果をフィオナに手渡した。
「フィオナさん、これがあなたの得点です。――正直驚きました。僕は合格点が取れる程度には難易度を調整しましたが、逆に言えば、それを遥かに超えるのは難しくなるようにしていました。その逆風を受けてなお、あなたはこの点数です」
「え……あ、114点!?」
「ほとんど全問正解です。……この得点は、確かにあなたの、勉強に対する才能があったからと言うのもあるでしょう。しかし、これは紛うことなく、あなたが努力をしていたからこそ得られた点数です。感無量に尽きると言いますか、とにかく僕はあなたを賞賛――」
「エルさん。この2問って、どうして間違いなんですか?」
と。フィオナはエルの感想を打ち止め、突如そう質問を投げかけた。
「あ、文句じゃないですよ! 純粋にわからなくて……」
「あ、ああ、大丈夫ですよ。わかっていますので」
――たった2問のために、そこまで真剣になるのか。エルはフィオナの悩ましげな表情を見て思わず舌を巻いた。
しかし同時に、彼女がなぜここまでの点数を得られたのかを理解した。とどのつまり、彼女はこうした所で努力を怠らない。
自分のことを成績だけで怠惰と決めつけたラザリアが、ああもフィオナのことを気に入るのも納得だ。エルはフィオナに微笑み。
「どれどれ……ああ、属性の合成とそれによる現象を予測する問題だね。……えっとね――」
エルはそして、フィオナに問題の解答を細かく解説した。彼女が納得したように「はあぁ……」と息を漏らすと、フィオナは頭部を掻きながら、悩ましげに口の端を吊り上げた。
「いやぁ、難しいですね……。こんな問題作れるなんて、エルさんは凄いなぁ」
「ま、まあ、そもそも満点を取らせないための問題みたいなものだし……。いや、でも、それでも間違えた問題が2問だけって言うのは、極めて凄いことですよ」
「えへへ。褒められちゃった。やった!」
そう言ってフィオナはエルにピースサインを向ける。エルは彼女の笑顔に乗せられてか、自然と口元を緩ませていた。
「――さて。それじゃあ、少し休憩をしたら、ここからは僕の魔術の本格的な指導に入りますよ。ま、まあ、正直、指導者の立場になるのは初めてなんで、不甲斐ないとは思いますし、それに滅茶苦茶進歩した魔術でもないのでまあ実際は2人で作り上げていくような手探りの感じなんですけど、で、できるだけのことはしますので――」
「もう、そんなんじゃダメですよ、エルさん! あなたは私のお師匠様なんです! あなたが自信無さそうだと、私も自信が無くなっちゃいます! ほらほら、シャキッとする!」
フィオナはエルの背を強く叩いた。エルは「は、はい!」と背筋を伸ばし、軍人のように気をつけをする。
「私絶対強くなってみせますので! やってやりましょう、エルさん! えいえいおー!」
「お……おー?」
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