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第05報『交通事故』
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ある日曜日の夕方のこと。
幸田さんが趣味のドライブに興じていると、前方に高齢者マークを貼った軽自動車が取り付いた。
見ればハザードランプも点灯しっぱなし。酔ってるんじゃなかろうかというほどのよろよろ運転で、速度はおそらく、時速40キロも出ていない。
おいおい大丈夫かよ・・・ げっそりとなった幸田さんが車間距離を置いて走行していると、果たして前方の軽自動車は方向指示を出すこともなくクィッと右折し、コンビニの駐車場に入っていった。
離れていて正解だったな。あのタイミングで不意に曲がられたら、最悪、事故ってたかも―― 睨むように軽自動車の方を見やると、何とコンビニの出入り口に向かって一直線に突っ込んで行く。
「――あッッ!!」
――そして、そのまま中へ吸い込まれるようにスゥーッと消えていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
幸田さんはその時、ここが既にコンビニではなく、一年ほど前から空き店舗になっていたことを思い出した。
聞くところによると、勤めている人間全員がある日まったく同じ時刻にぜんぜん違う場所で交通事故を起こし、それがもとで店を閉めるはめになったのだという。
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