2 / 21
訪ね歩くは本の虫
図書の街
しおりを挟む
まず、図書の街を目指すことになった。
街にはそれぞれ魔法使いがおり、最高位の魔法使いの役職に沿って名前が決められる。
魔法使いの位は4段階あり、胸から提げているネームプレートの材質で見分けることができる。
一番下から、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階だ。
ブロンズからシルバー、ゴールドに上がるのにそう手間は掛からないが、ゴールドからプラチナに上がるにはかなりの難度を要する。
この、使い魔の妖精に道案内されているセイカという男は、こう見えてその難度をこなし薬の魔法使いとして「薬の街」を見守ってきたのだ。
「なぁ。いつまで砂漠なんだよ」
『しょーがないじゃん!図書の街まで長いんだよぉ!この砂漠、至る所にオアシスあるから良いじゃん!』
「あちぃだろうがよ。歩きにくいしよ」
『わがまま魔法使い!!』
「うるせー」
セイカは、妖精と口喧嘩しながらユルユルと歩を進めている。
冷風の魔法は掛けているが、それでも砂漠と言うだけで暑い。
途中でオアシスを見つけては、休むを繰り返しながら図書の街を目指す。
「あっち~……」
『気のせいだよご主人!涼しいよ魔法で!』
「あちぃよ、気分が」
『うるさいなぁ!』
数年ぶりの太陽の下、生粋の出不精には堪えるようだった。
薬の魔法使いとして、薬草などは採取する。だがそれも使い魔のセラに任せている。
ふと、辺りを見回すとあの桃色の花は咲いていなかった。
昔と変わらないオアシスと、黄金の砂が広がるばかりだ。
「おいセラ、あの向こう、誰か居ねぇか?」
『ん?あ、ほんとだ!おーーい!すみませーーん!!』
「元気だなオマエ」
セラが大声を上げてみると、その影はセラとセイカを見た。
そして、よろりと立ち上がり、オアシスの木からこちらへと歩んでくる。
が
どう見ても、人間とは思えない様相をしていることに気が付いた。
というのも、人間の原型は残っているものの、所々黒ずみ、その黒ずみからはトゲのある蔦が伸び始めていた。
もはや言葉を発することはなく、呻いているだけだった。
「あ゛……ぁあ゛……」
「なんか……やべぇの来てねぇか?」
『うん、やばそう。あれなにご主人?』
「しらねーよ。どうする?」
『なんかアレだね。…………逃げるしかないねッ!』
そう言うと同時に、セラとセイカは走り出した。目的地の方向とは1度逆に走り、追いかけてきた事を利用してオアシスを迂回し順路に戻った。
あれが人間かどうかの判断もつかなければ、アレをどう処理するのが正解なのかも分からない。
おおよそ人間だったと思われるそれも、動きはのろいが確実にセイカとセラを追いかけてきている。
これをもうすぐつく街に連れ込んでしまってもいいのか。それとも、もうみんな、このような状態なのか。
現状誰とも連絡が取れない以上、どれを判断するにも情報不足だった。とにかく、街の手前でこの生き物を足止めして入らねばならないだろう。
「撒くにしても止めるにしても、どうやるよ」
『なんかこう……気を引くことって出来ないのかな……』
1度、あちらが2人を見失い失速したと思われるタイミングで大きな岩に隠れた。
様子を見るに、目が悪いのか辺りをキョロキョロとしていた。
動きものろく、周りに仲間がいるようには見えない。
体にある蔦は、どんどん侵食してきていた。
「……あいつ、見失ってるな、完全に」
『そう、だね……。どうするご主人?』
「ここにいても仕方ねぇしな……。あいつが俺たちを視認してるのか分かんねぇから、普通に出る訳にも行かねえ……」
『あ!じゃあこうしようよ。ご主人、野良の精霊を1匹召喚できるでしょ?それをあいつの目の前に出すの。妖精は飛んでるから、音もしないし』
「いい案だな。お前を使ってもいいが?」
『そんな薄情な魔法使いだとは思わなかったよ』
「わりぃわりぃ」
茶番を繰り広げながら、セイカは片手で砂に魔法陣を描く。
描き終え、魔法陣に魔力を注ぎ込む。
すると、野良の妖精がゆっくりと出てきた。
野良の妖精は、鳴くことも喋ることも無い。ここから契約するかどうかによって、自我を持つか持たないかが決まる。そのため、今は無自我の状態だ。
「あの生き物の目の前に出ろ」
セイカに命令されると、こくりと頷き、何の躊躇もなく出ていく。
が、生き物は、至近距離で目の前にいてもキョロキョロとしていた。
ということは、目が見えていない事になる。
「んじゃあ、多分音だな。もどれ」
セイカは妖精を呼び戻し、再度命令する。
「音を立てて、あいつの気を引け」
妖精は、また頷くと、生き物の前に飛び出した。そして、セイカが指さしている方向に向かって音を立て始める。本来は鳴らない羽音を立てると、生き物はぐるりとそっちを向いた。
そして、その羽音の方へと走っていった。
「よしっ!今のうちだ!」
『おー!』
2人は走り出し、街の入口を目指す。この砂漠の景観にはそぐわない街だ。
入口からは緑の生い茂る美しい石畳の景観になっている。
走っていると、段々と芝生が生えてきた。街が近い。
「ここまでくれば、大丈夫だろ……」
『そうだね……って、ご主人、この花』
「またあったな……ここは……いつも門番が居たはずだが」
門の前には、門番は居なかった。門の扉も開いており、侵入を許してしまうだろう。
門番が居た箇所には、人は居らず、代わりに花が咲いていた。
「この花、多分やべぇと思う。さっきの生き物にも着いてたよな、ちいせえけど」
『うん。しばらくは触らないでおこうよ』
「そうだな」
2人はその花を1度見送り、街へと足を踏み入れた。
この街は元々静かなため、現状、薬の街と同じかの判別は付かない。
窓から中を覗くにも、窓の位置が高く、小さいため見づらい。
「……いねぇ、かなあ」
『話し声すらしないね……』
不穏な空気を感じながら階段を登り、街を進んでいく。
7割が階段で出来たこの街は、最上層以外はかなり移動に体力を使う。
『ねぇご主人。律儀に登ってるけどさ、浮けば良くない?』
「……あ、そんなもんあったな。使わなさすぎて忘れてたわ」
『ちょっと~~』
セイカは、石が持つ魔力とは相反する属性の魔力を纏い、反発する力で宙に浮く。
移動が楽になった為、スイスイと階段をのぼり、図書館を目指した。
「けど、こんな現状でよぉ。居るかアイツ?」
『ビオン師、大丈夫かなぁ。とっても優しいからご主人より好きなんだけど』
「ふーん?へ~?まぁ良いけど?」
『う~そ~だ~よぉ!ご主人だーいすき!』
「それは嘘」
『嫌い』
「ごめんて」
雑談をしながら登っていくと、巨大な木に沿うように建てられた豪勢な石造りの城にも見える図書館に着いた。ここに、プラチナ魔法司書のビオンが居るはずだ。
「おーい、ビオーン、いるかー」
セイカが声を掛けると、しばらくしてからドタドタと足音が聞こえてきた。
「せ、せせ、セイカくん!?セイカくんだよね!?ほ、ホンモノだよね!?」
「こんなふてぶてしいプラチナ、他に居るかよ」
「自分で言わないで欲しいかもね。あ!上がって上がって!暑かったよね、いま冷たいものを出すからね!」
「さんきゅな」
ビオンは、相変わらずのようだった。金縁の丸メガネに、淡い栗色のパーマヘア、薄い水色の瞳、下がった眉。
気弱そうな見た目を代表しているが、これでもプラチナ級である。
「あーよかったわ、お前は無事そうで」
「う、うん」
「なんかしらねーけど、人間誰1人居ねぇしよ。なんか変な花咲いてるし」
「ぇっ、も、もしかしてセイカ知らないの!?2年前のこと……」
「あー?……家にこもりきりで知らねぇ」
『ご主人、3年ぶりなんだよお外』
「相変わらずだね……わかった、説明するよ」
ビオンは、冷たいお茶を3つテーブルに置くとソファに腰掛け、話し始める体勢をとった。
街にはそれぞれ魔法使いがおり、最高位の魔法使いの役職に沿って名前が決められる。
魔法使いの位は4段階あり、胸から提げているネームプレートの材質で見分けることができる。
一番下から、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階だ。
ブロンズからシルバー、ゴールドに上がるのにそう手間は掛からないが、ゴールドからプラチナに上がるにはかなりの難度を要する。
この、使い魔の妖精に道案内されているセイカという男は、こう見えてその難度をこなし薬の魔法使いとして「薬の街」を見守ってきたのだ。
「なぁ。いつまで砂漠なんだよ」
『しょーがないじゃん!図書の街まで長いんだよぉ!この砂漠、至る所にオアシスあるから良いじゃん!』
「あちぃだろうがよ。歩きにくいしよ」
『わがまま魔法使い!!』
「うるせー」
セイカは、妖精と口喧嘩しながらユルユルと歩を進めている。
冷風の魔法は掛けているが、それでも砂漠と言うだけで暑い。
途中でオアシスを見つけては、休むを繰り返しながら図書の街を目指す。
「あっち~……」
『気のせいだよご主人!涼しいよ魔法で!』
「あちぃよ、気分が」
『うるさいなぁ!』
数年ぶりの太陽の下、生粋の出不精には堪えるようだった。
薬の魔法使いとして、薬草などは採取する。だがそれも使い魔のセラに任せている。
ふと、辺りを見回すとあの桃色の花は咲いていなかった。
昔と変わらないオアシスと、黄金の砂が広がるばかりだ。
「おいセラ、あの向こう、誰か居ねぇか?」
『ん?あ、ほんとだ!おーーい!すみませーーん!!』
「元気だなオマエ」
セラが大声を上げてみると、その影はセラとセイカを見た。
そして、よろりと立ち上がり、オアシスの木からこちらへと歩んでくる。
が
どう見ても、人間とは思えない様相をしていることに気が付いた。
というのも、人間の原型は残っているものの、所々黒ずみ、その黒ずみからはトゲのある蔦が伸び始めていた。
もはや言葉を発することはなく、呻いているだけだった。
「あ゛……ぁあ゛……」
「なんか……やべぇの来てねぇか?」
『うん、やばそう。あれなにご主人?』
「しらねーよ。どうする?」
『なんかアレだね。…………逃げるしかないねッ!』
そう言うと同時に、セラとセイカは走り出した。目的地の方向とは1度逆に走り、追いかけてきた事を利用してオアシスを迂回し順路に戻った。
あれが人間かどうかの判断もつかなければ、アレをどう処理するのが正解なのかも分からない。
おおよそ人間だったと思われるそれも、動きはのろいが確実にセイカとセラを追いかけてきている。
これをもうすぐつく街に連れ込んでしまってもいいのか。それとも、もうみんな、このような状態なのか。
現状誰とも連絡が取れない以上、どれを判断するにも情報不足だった。とにかく、街の手前でこの生き物を足止めして入らねばならないだろう。
「撒くにしても止めるにしても、どうやるよ」
『なんかこう……気を引くことって出来ないのかな……』
1度、あちらが2人を見失い失速したと思われるタイミングで大きな岩に隠れた。
様子を見るに、目が悪いのか辺りをキョロキョロとしていた。
動きものろく、周りに仲間がいるようには見えない。
体にある蔦は、どんどん侵食してきていた。
「……あいつ、見失ってるな、完全に」
『そう、だね……。どうするご主人?』
「ここにいても仕方ねぇしな……。あいつが俺たちを視認してるのか分かんねぇから、普通に出る訳にも行かねえ……」
『あ!じゃあこうしようよ。ご主人、野良の精霊を1匹召喚できるでしょ?それをあいつの目の前に出すの。妖精は飛んでるから、音もしないし』
「いい案だな。お前を使ってもいいが?」
『そんな薄情な魔法使いだとは思わなかったよ』
「わりぃわりぃ」
茶番を繰り広げながら、セイカは片手で砂に魔法陣を描く。
描き終え、魔法陣に魔力を注ぎ込む。
すると、野良の妖精がゆっくりと出てきた。
野良の妖精は、鳴くことも喋ることも無い。ここから契約するかどうかによって、自我を持つか持たないかが決まる。そのため、今は無自我の状態だ。
「あの生き物の目の前に出ろ」
セイカに命令されると、こくりと頷き、何の躊躇もなく出ていく。
が、生き物は、至近距離で目の前にいてもキョロキョロとしていた。
ということは、目が見えていない事になる。
「んじゃあ、多分音だな。もどれ」
セイカは妖精を呼び戻し、再度命令する。
「音を立てて、あいつの気を引け」
妖精は、また頷くと、生き物の前に飛び出した。そして、セイカが指さしている方向に向かって音を立て始める。本来は鳴らない羽音を立てると、生き物はぐるりとそっちを向いた。
そして、その羽音の方へと走っていった。
「よしっ!今のうちだ!」
『おー!』
2人は走り出し、街の入口を目指す。この砂漠の景観にはそぐわない街だ。
入口からは緑の生い茂る美しい石畳の景観になっている。
走っていると、段々と芝生が生えてきた。街が近い。
「ここまでくれば、大丈夫だろ……」
『そうだね……って、ご主人、この花』
「またあったな……ここは……いつも門番が居たはずだが」
門の前には、門番は居なかった。門の扉も開いており、侵入を許してしまうだろう。
門番が居た箇所には、人は居らず、代わりに花が咲いていた。
「この花、多分やべぇと思う。さっきの生き物にも着いてたよな、ちいせえけど」
『うん。しばらくは触らないでおこうよ』
「そうだな」
2人はその花を1度見送り、街へと足を踏み入れた。
この街は元々静かなため、現状、薬の街と同じかの判別は付かない。
窓から中を覗くにも、窓の位置が高く、小さいため見づらい。
「……いねぇ、かなあ」
『話し声すらしないね……』
不穏な空気を感じながら階段を登り、街を進んでいく。
7割が階段で出来たこの街は、最上層以外はかなり移動に体力を使う。
『ねぇご主人。律儀に登ってるけどさ、浮けば良くない?』
「……あ、そんなもんあったな。使わなさすぎて忘れてたわ」
『ちょっと~~』
セイカは、石が持つ魔力とは相反する属性の魔力を纏い、反発する力で宙に浮く。
移動が楽になった為、スイスイと階段をのぼり、図書館を目指した。
「けど、こんな現状でよぉ。居るかアイツ?」
『ビオン師、大丈夫かなぁ。とっても優しいからご主人より好きなんだけど』
「ふーん?へ~?まぁ良いけど?」
『う~そ~だ~よぉ!ご主人だーいすき!』
「それは嘘」
『嫌い』
「ごめんて」
雑談をしながら登っていくと、巨大な木に沿うように建てられた豪勢な石造りの城にも見える図書館に着いた。ここに、プラチナ魔法司書のビオンが居るはずだ。
「おーい、ビオーン、いるかー」
セイカが声を掛けると、しばらくしてからドタドタと足音が聞こえてきた。
「せ、せせ、セイカくん!?セイカくんだよね!?ほ、ホンモノだよね!?」
「こんなふてぶてしいプラチナ、他に居るかよ」
「自分で言わないで欲しいかもね。あ!上がって上がって!暑かったよね、いま冷たいものを出すからね!」
「さんきゅな」
ビオンは、相変わらずのようだった。金縁の丸メガネに、淡い栗色のパーマヘア、薄い水色の瞳、下がった眉。
気弱そうな見た目を代表しているが、これでもプラチナ級である。
「あーよかったわ、お前は無事そうで」
「う、うん」
「なんかしらねーけど、人間誰1人居ねぇしよ。なんか変な花咲いてるし」
「ぇっ、も、もしかしてセイカ知らないの!?2年前のこと……」
「あー?……家にこもりきりで知らねぇ」
『ご主人、3年ぶりなんだよお外』
「相変わらずだね……わかった、説明するよ」
ビオンは、冷たいお茶を3つテーブルに置くとソファに腰掛け、話し始める体勢をとった。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる