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弐ノ章:生きる意味
第57話 ハッタリ
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「何や随分唐突やなあ」
「そう思うのも無理はないだろうけど、本当だ。俺はこいつに恨みがあって来た」
流石に鵜呑みにする程バカでは無かった籠樹は首をかしげていたが、龍人はすばやく兼智へ指をさす。兼智の心中は穏やかでは無いだろう。助けを差し伸べてくれるかもしれないと思った相手が、いきなり追い打ちをかけてきたのだ。悪因悪果が巡って来たといえばそれまでではあるが。
「俺はアンタたちに比べると、仁豪町で暮らし始めて日が浅い。でもこの街が好きだ。皆親切だし、飯はそれなりに旨いし。なのに、こいつのせいで意味の分かんない厄介事に首突っ込む羽目になって死にかけたんだ。仕返し代わりに何発か殴ってもバチは当たらないだろ ?」
割と嘘が混じっている言い訳である。原因を作ったのは兼智だが、そこに首を突っ込むことを決めてしまったのは他ならぬ自分の意思だ。街の連中は基本的に善良かもしれないが、一部が野蛮すぎて命の危機に関わってくるため厳密に言えば皆という単語は不適切である。食事については…味はともかく現世にいた頃よりはマシだろう。
「じゃあ質問」
亜弐香が少し頭を掻いた。
「さっき部屋で盗み聞きしてた時、乗り込もうと思わなかったのはなぜ ? 僕たちが目的じゃないなら会わせて欲しいと見張りに頼む事だって出来たでしょ ?」
「アンタ達が味方だと思ったからだよ。相手がどんな連中か調べておかないと後が怖い。そしたら、なぜかお仲間に兼智が殺されかけてるんだ。俺もビックリしたぜ」
「ふ~ん…盗み聞きしてたのは認めるんだ」
「めんどくせえなアンタ…」
亜弐香が想像以上に詰めて来る事に龍人は辟易した。籠樹はともかく、亜弐香に関してはこちらが嘘を言っている事を見透かしているのかもしれない。でなければここまで食い下がらないだろう。
「ま、まあとにかくだ。こいつを何発かぶん殴ったら俺はすぐ帰る ! 約束する。飯奢れとか金くれとかビジネスにいっちょ噛みさせろとか、そういうのは一切無い ! だから、ダメか ?」
両手を広げ、大袈裟に平和主義者であることを見せびらかす龍人だが、やはり亜弐香は腑に落ちないような態度を取っていた。多少ではあるが自分相手に粘り強く戦えた根性の持ち主が、こうも情けない理由でわざわざ忍び込んだというのだろうか。籠樹の方を見てみると、小さく鼻で笑ってから立ち上がり、背伸びをしてからこちらへ歩いてきた。
「数発なんて、そんなみみっちい事言わんでええやろ」
籠樹はかなり上機嫌だった。そしてレイと同じく黒擁塵を出現させ、大量の武器を床の上に落とす。拳銃、鉈、青龍刀、金槌、槍、アサルトライフル…積み上がった武器たちが雪崩のように崩れ、辺りに散乱する姿を満足げに見つめている。
「丁度ええタイミングやでホンマ。出血大サービスや。好きなだけ遊んで、ついでに殺してええで」
籠樹の誘いは、龍人にとって想定していないマズい事態だった。この手の事を提案して来る者というのは、決してサービス精神があるから言っているのではない。弱みを握り、共犯者を作りたいのだ。
「ああ、えっと…いや~俺別に殺したいわけでは無いというか。ほら、流石にそこまで過激なのは…ちょっと」
「人に向かって槍だの鉄棒だの振り回しといてよく言うよ」
日和ろうとする龍人の逃げ道を、亜弐香が念入りに潰してくる。自分の行動の軽率さを恨んだのは久しぶりであった。だからといって、ハイと言いながら嬉々として兼智を殺せるほど龍人は畜生ではない。その一方で庇ってやる義理も無い。
籠樹の部下と思わしき化け猫達も、圧を掛けるように近づき始めていた時だった。スマホがポケットの中で震える。バイブレーションの長さと間隔からして電話の着信である。
「あんまり待たせるのも失礼やろ。はよ出たりぃや」
籠樹はやけに親切な男であった。兼智のあんな姿を見せられた後では身構えてしまうが、お人好しの馬鹿なら初対面でこの対応を食らったらあっさり懐柔されるだろう。疑っていた龍人は彼に礼を言う事も無くスマホを取り出し、少し全員から距離を開けつつ通話を始める。出かける前に、隙を見て目的地を伝えておいた颯真からだった。
「龍人 ! お前の位置が分かったけど…もしかして今電話するのってマズかったか ?」
普段なら援軍が来たとあれば大喜びするだろうが、この場に限って言えば中々感情を露には出来ない。しかし好機であった。颯真の勘が鈍くなければ、恐らくこの状況をどうにか突破できる。その可能性に賭けるしかない。
「大っ嫌いな兼智をようやく見つけてな。今からボコってぶっ殺すところだ」
「どういう事だ ? 何で兼智がそんな場所にいるんだよ。てか殺すのはマズいだろ」
「さあな。止めたきゃ勝手にしてくれ。そんな方法があるかは知らんが」
いきなり煽り倒して上で龍人が一方的に電話を切り、颯真は呆然とした後に妙な苛立ちを募らせた。
「今殺すと後が面倒くせえことになるって、そんな事も分かんねえのかあのバカ…」
空で滞空し、龍人達がいるビルの方を空中で見ながら颯真はすぐにライフルを構える。腰のベルトへ目をやり、どうにか対処法は無いかと考えを巡らせるが、なかなか難しい。一人で活動している時ならば射殺など簡単だが、神通力で探知をしてみると複数の気配があった。誰か一人でも撃ち殺せば間違いなく龍人へ矛先が向くだろう。だからと言って全員まとめて殺す方法など…あるにはあるがその犠牲者の中には龍人も混ざる事が確定してしまう。
「せいぜい生き延びろよクソ野郎」
薄みがかった青い頭が目立つ弾薬を装填している弾倉を颯真はライフルに差し込み、一息入れてスコープを覗き込む。こちらもまた、龍人が間抜けじゃない事を祈るばかりであった。
「ヒャハハハ !」
その頃、にわかに信じがたい話だが…龍人は小便をかましていた。それも、兼智の頭上にである。
「お、おいゴラァ ! 何やっとんねんお前 !」
部下の化け猫の一人が怒鳴るが、龍人は恐れようともしていない。
「たっぷりいたぶるって言ったろ~ ? 辱めってのは前戯も大事なんだ…ふぅ、すっきりした」
ズボンのジッパーを閉める龍人を兼智は睨みつけるが、龍人はすかさず蹴りを入れる。
「何こっち見てんだよ。自業自得だろうが。さて…どうしたもんかねえ、あ ! その前にまずは写真でも撮っとくか」
みぞおちを蹴られてうずくまっている兼智の姿を中々に鮮明な形でスマホに収め、龍人は改めて籠樹たちの方を見る。それからゆっくり背を向けて、辺りを一望できる程に広い窓の方へと歩み寄った。やけに動作に時間をかけている。
「ぶっ殺すって俺の友達に電話で言ったけどさ。あれ少しだけ嘘なんだよな」
「…どういう事かな ?」
「殺すよ。いつかは。でも―――」
亜弐香の問いに龍人が答えかけた時、窓に亀裂が入った。弾丸が龍人の頬を掠めて床に当たり、刺さる。全員がそちらに注目した瞬間、龍人は霊糸を使って素早く乱暴に兼智を引き寄せ、決して離すまいと彼の胴体に腕を回す。
「でも、今日じゃない」
兼智を抱えた龍人は亀裂の入った窓へ走り、蹴り破って夜空へと舞い躍り出る。撃ち込まれた弾頭が電子音と共に破裂し、爆弾の如き冷気が室内を襲ったのはそれから間もなくであった。
「そう思うのも無理はないだろうけど、本当だ。俺はこいつに恨みがあって来た」
流石に鵜呑みにする程バカでは無かった籠樹は首をかしげていたが、龍人はすばやく兼智へ指をさす。兼智の心中は穏やかでは無いだろう。助けを差し伸べてくれるかもしれないと思った相手が、いきなり追い打ちをかけてきたのだ。悪因悪果が巡って来たといえばそれまでではあるが。
「俺はアンタたちに比べると、仁豪町で暮らし始めて日が浅い。でもこの街が好きだ。皆親切だし、飯はそれなりに旨いし。なのに、こいつのせいで意味の分かんない厄介事に首突っ込む羽目になって死にかけたんだ。仕返し代わりに何発か殴ってもバチは当たらないだろ ?」
割と嘘が混じっている言い訳である。原因を作ったのは兼智だが、そこに首を突っ込むことを決めてしまったのは他ならぬ自分の意思だ。街の連中は基本的に善良かもしれないが、一部が野蛮すぎて命の危機に関わってくるため厳密に言えば皆という単語は不適切である。食事については…味はともかく現世にいた頃よりはマシだろう。
「じゃあ質問」
亜弐香が少し頭を掻いた。
「さっき部屋で盗み聞きしてた時、乗り込もうと思わなかったのはなぜ ? 僕たちが目的じゃないなら会わせて欲しいと見張りに頼む事だって出来たでしょ ?」
「アンタ達が味方だと思ったからだよ。相手がどんな連中か調べておかないと後が怖い。そしたら、なぜかお仲間に兼智が殺されかけてるんだ。俺もビックリしたぜ」
「ふ~ん…盗み聞きしてたのは認めるんだ」
「めんどくせえなアンタ…」
亜弐香が想像以上に詰めて来る事に龍人は辟易した。籠樹はともかく、亜弐香に関してはこちらが嘘を言っている事を見透かしているのかもしれない。でなければここまで食い下がらないだろう。
「ま、まあとにかくだ。こいつを何発かぶん殴ったら俺はすぐ帰る ! 約束する。飯奢れとか金くれとかビジネスにいっちょ噛みさせろとか、そういうのは一切無い ! だから、ダメか ?」
両手を広げ、大袈裟に平和主義者であることを見せびらかす龍人だが、やはり亜弐香は腑に落ちないような態度を取っていた。多少ではあるが自分相手に粘り強く戦えた根性の持ち主が、こうも情けない理由でわざわざ忍び込んだというのだろうか。籠樹の方を見てみると、小さく鼻で笑ってから立ち上がり、背伸びをしてからこちらへ歩いてきた。
「数発なんて、そんなみみっちい事言わんでええやろ」
籠樹はかなり上機嫌だった。そしてレイと同じく黒擁塵を出現させ、大量の武器を床の上に落とす。拳銃、鉈、青龍刀、金槌、槍、アサルトライフル…積み上がった武器たちが雪崩のように崩れ、辺りに散乱する姿を満足げに見つめている。
「丁度ええタイミングやでホンマ。出血大サービスや。好きなだけ遊んで、ついでに殺してええで」
籠樹の誘いは、龍人にとって想定していないマズい事態だった。この手の事を提案して来る者というのは、決してサービス精神があるから言っているのではない。弱みを握り、共犯者を作りたいのだ。
「ああ、えっと…いや~俺別に殺したいわけでは無いというか。ほら、流石にそこまで過激なのは…ちょっと」
「人に向かって槍だの鉄棒だの振り回しといてよく言うよ」
日和ろうとする龍人の逃げ道を、亜弐香が念入りに潰してくる。自分の行動の軽率さを恨んだのは久しぶりであった。だからといって、ハイと言いながら嬉々として兼智を殺せるほど龍人は畜生ではない。その一方で庇ってやる義理も無い。
籠樹の部下と思わしき化け猫達も、圧を掛けるように近づき始めていた時だった。スマホがポケットの中で震える。バイブレーションの長さと間隔からして電話の着信である。
「あんまり待たせるのも失礼やろ。はよ出たりぃや」
籠樹はやけに親切な男であった。兼智のあんな姿を見せられた後では身構えてしまうが、お人好しの馬鹿なら初対面でこの対応を食らったらあっさり懐柔されるだろう。疑っていた龍人は彼に礼を言う事も無くスマホを取り出し、少し全員から距離を開けつつ通話を始める。出かける前に、隙を見て目的地を伝えておいた颯真からだった。
「龍人 ! お前の位置が分かったけど…もしかして今電話するのってマズかったか ?」
普段なら援軍が来たとあれば大喜びするだろうが、この場に限って言えば中々感情を露には出来ない。しかし好機であった。颯真の勘が鈍くなければ、恐らくこの状況をどうにか突破できる。その可能性に賭けるしかない。
「大っ嫌いな兼智をようやく見つけてな。今からボコってぶっ殺すところだ」
「どういう事だ ? 何で兼智がそんな場所にいるんだよ。てか殺すのはマズいだろ」
「さあな。止めたきゃ勝手にしてくれ。そんな方法があるかは知らんが」
いきなり煽り倒して上で龍人が一方的に電話を切り、颯真は呆然とした後に妙な苛立ちを募らせた。
「今殺すと後が面倒くせえことになるって、そんな事も分かんねえのかあのバカ…」
空で滞空し、龍人達がいるビルの方を空中で見ながら颯真はすぐにライフルを構える。腰のベルトへ目をやり、どうにか対処法は無いかと考えを巡らせるが、なかなか難しい。一人で活動している時ならば射殺など簡単だが、神通力で探知をしてみると複数の気配があった。誰か一人でも撃ち殺せば間違いなく龍人へ矛先が向くだろう。だからと言って全員まとめて殺す方法など…あるにはあるがその犠牲者の中には龍人も混ざる事が確定してしまう。
「せいぜい生き延びろよクソ野郎」
薄みがかった青い頭が目立つ弾薬を装填している弾倉を颯真はライフルに差し込み、一息入れてスコープを覗き込む。こちらもまた、龍人が間抜けじゃない事を祈るばかりであった。
「ヒャハハハ !」
その頃、にわかに信じがたい話だが…龍人は小便をかましていた。それも、兼智の頭上にである。
「お、おいゴラァ ! 何やっとんねんお前 !」
部下の化け猫の一人が怒鳴るが、龍人は恐れようともしていない。
「たっぷりいたぶるって言ったろ~ ? 辱めってのは前戯も大事なんだ…ふぅ、すっきりした」
ズボンのジッパーを閉める龍人を兼智は睨みつけるが、龍人はすかさず蹴りを入れる。
「何こっち見てんだよ。自業自得だろうが。さて…どうしたもんかねえ、あ ! その前にまずは写真でも撮っとくか」
みぞおちを蹴られてうずくまっている兼智の姿を中々に鮮明な形でスマホに収め、龍人は改めて籠樹たちの方を見る。それからゆっくり背を向けて、辺りを一望できる程に広い窓の方へと歩み寄った。やけに動作に時間をかけている。
「ぶっ殺すって俺の友達に電話で言ったけどさ。あれ少しだけ嘘なんだよな」
「…どういう事かな ?」
「殺すよ。いつかは。でも―――」
亜弐香の問いに龍人が答えかけた時、窓に亀裂が入った。弾丸が龍人の頬を掠めて床に当たり、刺さる。全員がそちらに注目した瞬間、龍人は霊糸を使って素早く乱暴に兼智を引き寄せ、決して離すまいと彼の胴体に腕を回す。
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