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弐ノ章:生きる意味
第49話 お待たせ
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場所を変え、招良河地区の露店が立ち並ぶ大通りに龍人は招かれていた。焼き鳥のタレの匂いだけでなく、にんにくや癖の強い香辛料の香りが辺りに充満しており、体を動かした後に訪れた事を後悔してしまう。つくづく奢りで助かった。
「ふぃ~、お待たせ~」
レイはご機嫌な様子で、赤いプラスチックの皿に盛られた料理を二人分持ってきた。音が立つくらいに雑な扱いで皿を龍人の前に置き、彼の向かいに座って手を擦り合わせる。
「何これ ?」
仄かに色が付いた白飯と、隣に茹でた鶏肉が置かれている皿を見た龍人が言った。レモンとハーブ、そして浅い茶色をした漬けダレも添えられている。
「カオマンガイ知らんの ? めっちゃウマいで」
「へー、いただきます」
フォークとスプーンで料理をつまむが、中々悪くない。程よく火が通ってる鶏と米にナンプラーとニンニクの効いた漬けダレがよく合う。米はジャスミンライスであり、正直日本の米とはまた違った歯触りであったが、タレと絡めやすいためこちらの方が料理には合っている様だった。
「この米やないとな、本格感が出んねん。この料理するんなら日本の米はあかん」
「うん、それは良いんだが…」
龍人はうんちくを遮り、同じテーブルに座って自分の方を睨んでいる美穂音と綾三を見た。つくづくタフな女達である。地下であった時よりも、包帯と絆創膏がさらに増えていた。
「何でこいつらまでいんの ?」
「うちの大事な舎弟やで。仰々しい話する時はいてくれんと困るし。それに仲直りしたいやろ」
「いや全く」
「人間ってホンマ冷たいなァ。喧嘩終わったらそれで終い、何の文句があるん ?」
「雰囲気が暗い奴がいると飯がマズくなる。てか、恨まれる筋合い無いだろ俺は」
「そこはゴメンて。こん子らも分かってるから…たぶん。せや、ビール飲む ? アサヒ ? ギネス ? 青島もあるで」
「エビスないの ?」
「贅沢やな自分。あ、贅沢と言えばな、最近お菓子の値段が―――」
自分から話を始めたのも悪かったが、ウダウダと食事を口に頬張りながらしょっちゅう語り掛けて来るレイを、龍人は少しだけ煩わしく思った。食べるか喋るか、どちらかに集中できないのだろうかこの女は。まともな教育を受けていなさそうである。
「―――でな、ウチが言いたいのは、やっぱりこのままやと輸送費もかさむんやから、いい加減現世からどうにかコンビニを直接出店してもらえんかっていう―――」
「あのさ、そろそろ本題入っていいか ? こっちの誘いに乗ってくれるかっていうやつ」
「ああ~ダメダメ」
「早えよ」
風巡組潰しへの協力の要請。そんなもっとも重要な話題は一切の思慮すら匂わせない即答によって潰された。
「だって苦羅雲は別に何も関係ないし。おたくらで勝手に殺し合えばええやん」
「そうしたいのは山々なんだが人手が足りないんだよ。ほら…実質俺一人なんだぜ、動いてるの」
颯真の名前を出すのは控えた。自分の手札を相手に見せる様なマネはすべきではないだろう。今の段階では、彼女達は味方でも何でもないのだから。
「…実質って事は、協力してくれる奴がいないわけやない。そういう事でええんか ?」
「想像に任せるよ。ああ、ちょっと待って」
龍人が会話を中断し、ポケットに入っている画面にひびの入ってるスマホを取り出す。設定を面倒くさがって初期のままになっている着信音が鳴っており、相手が佐那だと分かってすぐに出た。年寄りは電話を待たせるとすぐに機嫌を悪くするのだ。
「ああ老師、ごめんごめん。電話出られなかった…うん、うん、だから悪かったって。大丈夫、無事だよ。てか場所分かってんだ…え、教えてもらったの ? 言っとくけど、そいつの事は禁句な。今…目の前にいるから。ところで、どうしたの……え ? マジで ?」
龍人はたじろぎつつ、佐那との状況を報告し合っている様だった。
「老師やって」
「なんや、つまり育ての親かい。電話でいちいちお知らせなんて仲ええな」
「ホンマやで。やーいマザコン」
美穂音と綾三が電話の相手が佐那だと分かって煽って来ると、龍人は無言で中指を立てて電話を切る。
「うちのお師匠様が今こっちに向かってる。どうもさっきまでの話題について、面白い情報を見つけたみたいだ」
その言葉から少しして、佐那は現れた。が、両手に皿を持っており、大量の焼き鳥と揚げ物で埋め尽くされている。
「……今なら、割引するって屋台で言われて…」
反応に困っている龍人達を前に、バックパックを背負った状態の佐那が恥じらいつつ言った。押しの弱さというか、丸め込まれてしまう所があるのが彼女の欠点である。変に真面目過ぎる故か、相手の話に対して無駄に聞き入ってしまうのだ。
「まあいいよ…それで話って ?」
「準備するわ。ああそれと、初めまして…でいいかしらね。渓村レイさん」
「な、なんや…知っとるんかいウチの事」
佐那がテーブルに皿を置いて微笑みかけながら挨拶をしてくると、レイも少し緊張しているようにかしこまった。
「ええ。あなたというよりも、あなたの御実家の方だけど」
「あ~…そっちかい」
ところが渓殲同盟の事を示唆した途端、レイはがっかりしたように態度を変える。どうも渓殲同盟の事を忌み嫌っている様だった。佐那は何を考えているのか知らないが、そんなレイを見て鼻を鳴らす。やがてバックパックからタブレットを取り出した。
「えっと…パスワード何だったかしら。ああ、開いた。この写真に見覚えは ?」
彼女がタブレット端末を開いて一同に見えるように置くと、全員がそれを覗き込む。以前廃墟で入手した”果実”が移されていた。龍人、美穂音、綾三の三名は首をかしげていたが、レイだけは食い入るように、静かにタブレットを持ち上げてその写真を凝視している。
「おばちゃん…アンタ、これどこで手に入れたん ?」
お気楽且つ間の抜けた雰囲気が鳴りを潜め、レイの顔付きが仕事人の様な冷酷な面持ちへと変わる。やはり食い付いてくれた。佐那は少しではあるが手ごたえを感じていた。
「ふぃ~、お待たせ~」
レイはご機嫌な様子で、赤いプラスチックの皿に盛られた料理を二人分持ってきた。音が立つくらいに雑な扱いで皿を龍人の前に置き、彼の向かいに座って手を擦り合わせる。
「何これ ?」
仄かに色が付いた白飯と、隣に茹でた鶏肉が置かれている皿を見た龍人が言った。レモンとハーブ、そして浅い茶色をした漬けダレも添えられている。
「カオマンガイ知らんの ? めっちゃウマいで」
「へー、いただきます」
フォークとスプーンで料理をつまむが、中々悪くない。程よく火が通ってる鶏と米にナンプラーとニンニクの効いた漬けダレがよく合う。米はジャスミンライスであり、正直日本の米とはまた違った歯触りであったが、タレと絡めやすいためこちらの方が料理には合っている様だった。
「この米やないとな、本格感が出んねん。この料理するんなら日本の米はあかん」
「うん、それは良いんだが…」
龍人はうんちくを遮り、同じテーブルに座って自分の方を睨んでいる美穂音と綾三を見た。つくづくタフな女達である。地下であった時よりも、包帯と絆創膏がさらに増えていた。
「何でこいつらまでいんの ?」
「うちの大事な舎弟やで。仰々しい話する時はいてくれんと困るし。それに仲直りしたいやろ」
「いや全く」
「人間ってホンマ冷たいなァ。喧嘩終わったらそれで終い、何の文句があるん ?」
「雰囲気が暗い奴がいると飯がマズくなる。てか、恨まれる筋合い無いだろ俺は」
「そこはゴメンて。こん子らも分かってるから…たぶん。せや、ビール飲む ? アサヒ ? ギネス ? 青島もあるで」
「エビスないの ?」
「贅沢やな自分。あ、贅沢と言えばな、最近お菓子の値段が―――」
自分から話を始めたのも悪かったが、ウダウダと食事を口に頬張りながらしょっちゅう語り掛けて来るレイを、龍人は少しだけ煩わしく思った。食べるか喋るか、どちらかに集中できないのだろうかこの女は。まともな教育を受けていなさそうである。
「―――でな、ウチが言いたいのは、やっぱりこのままやと輸送費もかさむんやから、いい加減現世からどうにかコンビニを直接出店してもらえんかっていう―――」
「あのさ、そろそろ本題入っていいか ? こっちの誘いに乗ってくれるかっていうやつ」
「ああ~ダメダメ」
「早えよ」
風巡組潰しへの協力の要請。そんなもっとも重要な話題は一切の思慮すら匂わせない即答によって潰された。
「だって苦羅雲は別に何も関係ないし。おたくらで勝手に殺し合えばええやん」
「そうしたいのは山々なんだが人手が足りないんだよ。ほら…実質俺一人なんだぜ、動いてるの」
颯真の名前を出すのは控えた。自分の手札を相手に見せる様なマネはすべきではないだろう。今の段階では、彼女達は味方でも何でもないのだから。
「…実質って事は、協力してくれる奴がいないわけやない。そういう事でええんか ?」
「想像に任せるよ。ああ、ちょっと待って」
龍人が会話を中断し、ポケットに入っている画面にひびの入ってるスマホを取り出す。設定を面倒くさがって初期のままになっている着信音が鳴っており、相手が佐那だと分かってすぐに出た。年寄りは電話を待たせるとすぐに機嫌を悪くするのだ。
「ああ老師、ごめんごめん。電話出られなかった…うん、うん、だから悪かったって。大丈夫、無事だよ。てか場所分かってんだ…え、教えてもらったの ? 言っとくけど、そいつの事は禁句な。今…目の前にいるから。ところで、どうしたの……え ? マジで ?」
龍人はたじろぎつつ、佐那との状況を報告し合っている様だった。
「老師やって」
「なんや、つまり育ての親かい。電話でいちいちお知らせなんて仲ええな」
「ホンマやで。やーいマザコン」
美穂音と綾三が電話の相手が佐那だと分かって煽って来ると、龍人は無言で中指を立てて電話を切る。
「うちのお師匠様が今こっちに向かってる。どうもさっきまでの話題について、面白い情報を見つけたみたいだ」
その言葉から少しして、佐那は現れた。が、両手に皿を持っており、大量の焼き鳥と揚げ物で埋め尽くされている。
「……今なら、割引するって屋台で言われて…」
反応に困っている龍人達を前に、バックパックを背負った状態の佐那が恥じらいつつ言った。押しの弱さというか、丸め込まれてしまう所があるのが彼女の欠点である。変に真面目過ぎる故か、相手の話に対して無駄に聞き入ってしまうのだ。
「まあいいよ…それで話って ?」
「準備するわ。ああそれと、初めまして…でいいかしらね。渓村レイさん」
「な、なんや…知っとるんかいウチの事」
佐那がテーブルに皿を置いて微笑みかけながら挨拶をしてくると、レイも少し緊張しているようにかしこまった。
「ええ。あなたというよりも、あなたの御実家の方だけど」
「あ~…そっちかい」
ところが渓殲同盟の事を示唆した途端、レイはがっかりしたように態度を変える。どうも渓殲同盟の事を忌み嫌っている様だった。佐那は何を考えているのか知らないが、そんなレイを見て鼻を鳴らす。やがてバックパックからタブレットを取り出した。
「えっと…パスワード何だったかしら。ああ、開いた。この写真に見覚えは ?」
彼女がタブレット端末を開いて一同に見えるように置くと、全員がそれを覗き込む。以前廃墟で入手した”果実”が移されていた。龍人、美穂音、綾三の三名は首をかしげていたが、レイだけは食い入るように、静かにタブレットを持ち上げてその写真を凝視している。
「おばちゃん…アンタ、これどこで手に入れたん ?」
お気楽且つ間の抜けた雰囲気が鳴りを潜め、レイの顔付きが仕事人の様な冷酷な面持ちへと変わる。やはり食い付いてくれた。佐那は少しではあるが手ごたえを感じていた。
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