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十四章:運命
第109話 二つに一つ
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「かつて暴虐の限りを尽くした四体の…まあ君たちに倣って悪魔と呼んでおこうか」
ソファで寛ぎながらネロは言い出す。その四体の悪魔が『始祖』と称される悪魔達である事をクリスはなんとなく察していた。
「見境なく他の悪魔達を襲っては魂を食らう…なまじ強大な力を持っているせいか誰も彼らを止める事は出来なかった。だが当然、恨みも買った。自らの力と命を増大させるために、彼らはその有象無象さえも退けてみせたんだ」
悪魔達の競り合いについて話していると、ここまでは分かるかとでも尋ねて来るような目つきで全員をネロは見て来る。異論が無いのを確認してから再び話を続けた。
「しかし、どうも彼らは飽きてくたびれてしまったらしい…確かに命を保ち続けるには糧が不可欠。だがそのためだけに幾度となく繰り広げられる戦い、それに嫌気が差し始めていた。そんな時、彼らは思い付いたんだ。『もし安定して魂を生み出し、自分達のもとへと運んでくれる存在があれば…』と。そこから話は膨らみ、やがて彼らは自らの力でやってのけた…世界の創造をね」
ネロは指先で床を指し示しながらこの世界が生まれた理由を語る。それが嘘か本当かを知る術はなかったが、不思議な事に誰一人として与太話だなどと嘲笑いはしなかった。
「さて…世界を創造した次に彼らは、自分達へエネルギーを供給してくれる贄を欲した。悪魔にとって贄となるのは自分達と同質の力を持っていなければならない。そこで、自らの体に眠る細胞の一部を人へと授けた…世界に存在する物質を操る力を手に出来る武器としてね」
「まさか…」
悪魔たちによって授けられた力。その言葉にグレッグは思わず呟く。
「察しが良くて助かる。それがホープ因子…そして魔術師の起源。因子に適合できた自分達は選ばれし者などと本気で信じている奴らもいるそうだが、なんてことはない。『始祖』の連中からすれば魔術師なんてのは都合の良い食料…要は家畜だ。ホープ因子を体内に抱える限り、肉体で生み出されるエネルギーを奴らに吸い取られ続ける。死ぬまでな」
声のトーンを暗くしたネロは、魔術師と呼ばれる者達が搾取をされるためだけに生まれた存在であることを告げた。
「…酷い」
「酷い ?家畜だ狩りだなどと、犠牲の上で胡坐をかいて生きている…それが人間だろう。にも拘らず自分達がされる側になると被害者面か ?」
「… !」
思わずメリッサが呟いた。たとえ敵対関係にある存在とはいえ、彼らも自分達と同じ人間である事が彼女に同情心を抱かせていたが、間もなくネロによって言いくるめられてしまう。
「人間…というよりは魔術師も食物連鎖を支える一要素だった。それだけの話…だが、奴らは大きな誤算に気づいていなかった。自分達が残した恨みの火種を、消し忘れてたんだ」
そこまで言った後に、ソファの座り心地に飽きたのかネロは立ち上がる。
「奴に滅ぼされた悪魔の一族の生き残り…それが俺だ。奴らに勘付かれないよう力を蓄え、あの化け物達…眷属達を今日まで集めて来た」
少しだけ窓の外を眺めていたが、やがて振り返りながらそう言ってのけた。普通であれば世迷い言だと判断されかねないその言葉に、クリスは心当たりがあった。以前戦った際に彼が見せた再生能力…悪魔であれば納得できると思っていた矢先、ふと自分の中にあったもう一つの疑問が再び脳裏に浮上してくる。
「…あの肉体の再生も悪魔としての力か ?」
「ん ?まあ、そうだが」
やはりそうか。そう思ったクリスは、心に引っかかっていたものが取れた様な清々しさを感じる。そして自分の正体は彼と同じ悪魔なのだろうかと疑い始めた。
「ガーランド。勘違いだったら悪いが、お前は少なくとも悪魔じゃない。限りなく近い存在ではあるかもしれんが」
すぐに水を差されてしまった。
「正直、お前については色々と分からない事が多くてな…だからこそ今日まで野放しにしておいた」
「何 ?」
「不思議に思わなかったか ?なぜブラザーフッドがお前を追放処分で済ませたか。確実に恨みを持っている…そんな奴を放っておくなど正気の沙汰じゃない。ましてや不死身の体を持っているお前をだ」
少しだけ意気消沈するクリスだったが、唐突なネロの問いかけに対してさらに顔をしかめる。わざわざそのような事を言い出すあたり、答えは最初から決まっている様な物だった。
「…お前が手を回したか」
「ああ。自由にさせておけば後は状況が進むと踏んでいた。お前の事だ…絶対にブラザーフッドと騎士団を無視する事は無いと分かっていた。お前がしくじると知って詳細を伝えずに政治家の暗殺を命じ、しくじった後は各方面に頼み込んでお前を追放するように手向けた」
クリスが察したように言うと、ネロはそれが正解だと彼に明かす。心なしか少し嬉しそうだった。
「何にせよ、お前や騎士団が暴れてくれたおかげでブラザーフッドは壊滅…魔術師は衰退の一途を辿る。『始祖』の力も弱まるだろう…俺はそこを狙って奴らを倒す。だが…念には念を入れたい」
そう言うとネロは突如、瞬間移動によってクリスへと近づいた。
「俺と手を組め。不死身の駒…喉から手が出るほど欲しい代物だ。それともう一つ…残る魔術師達の首を俺に引き渡せ」
その場にいた全員がその提案に息を呑み、驚愕した。周囲からの凝視に耐えながらもクリスは黙ってネロの話に耳を傾ける。
「勿論タダでとは言わない。要求を受け入れてくれるっていうなら力もやろう。全盛期…いやそれ以上の力をお前に分け与える。何より、これ以上無駄な犠牲は増やしたくないだろう ?魔術師以外の者であれば、生かしてやっても構わん」
「断ればどうなる ?」
「その逆さ。眷属達をけしかけ、手始めに騎士団とこの街に住む連中を殺す。お前の目の前でな。それが終われば残っている魔術師達だ」
餌をチラつかせてクリスからお望みの返事を引き出してやろうと、ネロは脅しも含めて彼に伝える。
「…」
「フフ…まあ良いさ。五日間待ってやる。それまでに答えが出せないか、断るのであればさっき言ったとおり…それじゃあ、楽しみにしてるよ」
クリスは言葉を発するのを恐れていた。これからの自分の発言次第で、自分以外の全ての命をどうとでも出来る権利を与えられた。その現実が重くのしかかり、体を締め付ける。そんな彼の心中を察したのか、ネロは相変わらず小馬鹿にしたような顔で肩を叩いて猶予を与えると告げた。そして周りで自分を見るだけで何もしない者達を尻目に、黒い靄と共に姿を消してしまう。
「……ク、クリス…」
固まったまま、その場から動く事も無く突っ立っている彼に向かってデルシンが口を開いた。その呼びかけに応じる事も無く、クリスは取っ散らかったままの情報を必死に整理しようと躍起になっていたのである。
手を組んでいたギャッツに対する仕打ちや、仮にも仕えていたギルガルドの無様な末路からしてネロの要求を叶えた所で使い捨てられるのは確実であった。だからといって断って反抗するにしても、満足のいく戦力を整えられる状況ではない騎士団では太刀打ちは不可能である。ネロが眷属と称していたあの怪物達についても、有効打である魔法を使える魔術師の数は少なくなっている。ブラザーフッドを壊滅させてしまった事が、ここに来て痛手となっていた。
「…少し、時間をくれないか」
最早どうすれば良いのかさえ分からなくなっていた。どちらの選択を取るにしても、そこから先に待っている末路が容易に想像できる。それがたまらなく怖かったクリスは、ただ一言だけ全員に言ってから今まで感じたことが無いほどの重圧と共に執務室を出て行った。
ソファで寛ぎながらネロは言い出す。その四体の悪魔が『始祖』と称される悪魔達である事をクリスはなんとなく察していた。
「見境なく他の悪魔達を襲っては魂を食らう…なまじ強大な力を持っているせいか誰も彼らを止める事は出来なかった。だが当然、恨みも買った。自らの力と命を増大させるために、彼らはその有象無象さえも退けてみせたんだ」
悪魔達の競り合いについて話していると、ここまでは分かるかとでも尋ねて来るような目つきで全員をネロは見て来る。異論が無いのを確認してから再び話を続けた。
「しかし、どうも彼らは飽きてくたびれてしまったらしい…確かに命を保ち続けるには糧が不可欠。だがそのためだけに幾度となく繰り広げられる戦い、それに嫌気が差し始めていた。そんな時、彼らは思い付いたんだ。『もし安定して魂を生み出し、自分達のもとへと運んでくれる存在があれば…』と。そこから話は膨らみ、やがて彼らは自らの力でやってのけた…世界の創造をね」
ネロは指先で床を指し示しながらこの世界が生まれた理由を語る。それが嘘か本当かを知る術はなかったが、不思議な事に誰一人として与太話だなどと嘲笑いはしなかった。
「さて…世界を創造した次に彼らは、自分達へエネルギーを供給してくれる贄を欲した。悪魔にとって贄となるのは自分達と同質の力を持っていなければならない。そこで、自らの体に眠る細胞の一部を人へと授けた…世界に存在する物質を操る力を手に出来る武器としてね」
「まさか…」
悪魔たちによって授けられた力。その言葉にグレッグは思わず呟く。
「察しが良くて助かる。それがホープ因子…そして魔術師の起源。因子に適合できた自分達は選ばれし者などと本気で信じている奴らもいるそうだが、なんてことはない。『始祖』の連中からすれば魔術師なんてのは都合の良い食料…要は家畜だ。ホープ因子を体内に抱える限り、肉体で生み出されるエネルギーを奴らに吸い取られ続ける。死ぬまでな」
声のトーンを暗くしたネロは、魔術師と呼ばれる者達が搾取をされるためだけに生まれた存在であることを告げた。
「…酷い」
「酷い ?家畜だ狩りだなどと、犠牲の上で胡坐をかいて生きている…それが人間だろう。にも拘らず自分達がされる側になると被害者面か ?」
「… !」
思わずメリッサが呟いた。たとえ敵対関係にある存在とはいえ、彼らも自分達と同じ人間である事が彼女に同情心を抱かせていたが、間もなくネロによって言いくるめられてしまう。
「人間…というよりは魔術師も食物連鎖を支える一要素だった。それだけの話…だが、奴らは大きな誤算に気づいていなかった。自分達が残した恨みの火種を、消し忘れてたんだ」
そこまで言った後に、ソファの座り心地に飽きたのかネロは立ち上がる。
「奴に滅ぼされた悪魔の一族の生き残り…それが俺だ。奴らに勘付かれないよう力を蓄え、あの化け物達…眷属達を今日まで集めて来た」
少しだけ窓の外を眺めていたが、やがて振り返りながらそう言ってのけた。普通であれば世迷い言だと判断されかねないその言葉に、クリスは心当たりがあった。以前戦った際に彼が見せた再生能力…悪魔であれば納得できると思っていた矢先、ふと自分の中にあったもう一つの疑問が再び脳裏に浮上してくる。
「…あの肉体の再生も悪魔としての力か ?」
「ん ?まあ、そうだが」
やはりそうか。そう思ったクリスは、心に引っかかっていたものが取れた様な清々しさを感じる。そして自分の正体は彼と同じ悪魔なのだろうかと疑い始めた。
「ガーランド。勘違いだったら悪いが、お前は少なくとも悪魔じゃない。限りなく近い存在ではあるかもしれんが」
すぐに水を差されてしまった。
「正直、お前については色々と分からない事が多くてな…だからこそ今日まで野放しにしておいた」
「何 ?」
「不思議に思わなかったか ?なぜブラザーフッドがお前を追放処分で済ませたか。確実に恨みを持っている…そんな奴を放っておくなど正気の沙汰じゃない。ましてや不死身の体を持っているお前をだ」
少しだけ意気消沈するクリスだったが、唐突なネロの問いかけに対してさらに顔をしかめる。わざわざそのような事を言い出すあたり、答えは最初から決まっている様な物だった。
「…お前が手を回したか」
「ああ。自由にさせておけば後は状況が進むと踏んでいた。お前の事だ…絶対にブラザーフッドと騎士団を無視する事は無いと分かっていた。お前がしくじると知って詳細を伝えずに政治家の暗殺を命じ、しくじった後は各方面に頼み込んでお前を追放するように手向けた」
クリスが察したように言うと、ネロはそれが正解だと彼に明かす。心なしか少し嬉しそうだった。
「何にせよ、お前や騎士団が暴れてくれたおかげでブラザーフッドは壊滅…魔術師は衰退の一途を辿る。『始祖』の力も弱まるだろう…俺はそこを狙って奴らを倒す。だが…念には念を入れたい」
そう言うとネロは突如、瞬間移動によってクリスへと近づいた。
「俺と手を組め。不死身の駒…喉から手が出るほど欲しい代物だ。それともう一つ…残る魔術師達の首を俺に引き渡せ」
その場にいた全員がその提案に息を呑み、驚愕した。周囲からの凝視に耐えながらもクリスは黙ってネロの話に耳を傾ける。
「勿論タダでとは言わない。要求を受け入れてくれるっていうなら力もやろう。全盛期…いやそれ以上の力をお前に分け与える。何より、これ以上無駄な犠牲は増やしたくないだろう ?魔術師以外の者であれば、生かしてやっても構わん」
「断ればどうなる ?」
「その逆さ。眷属達をけしかけ、手始めに騎士団とこの街に住む連中を殺す。お前の目の前でな。それが終われば残っている魔術師達だ」
餌をチラつかせてクリスからお望みの返事を引き出してやろうと、ネロは脅しも含めて彼に伝える。
「…」
「フフ…まあ良いさ。五日間待ってやる。それまでに答えが出せないか、断るのであればさっき言ったとおり…それじゃあ、楽しみにしてるよ」
クリスは言葉を発するのを恐れていた。これからの自分の発言次第で、自分以外の全ての命をどうとでも出来る権利を与えられた。その現実が重くのしかかり、体を締め付ける。そんな彼の心中を察したのか、ネロは相変わらず小馬鹿にしたような顔で肩を叩いて猶予を与えると告げた。そして周りで自分を見るだけで何もしない者達を尻目に、黒い靄と共に姿を消してしまう。
「……ク、クリス…」
固まったまま、その場から動く事も無く突っ立っている彼に向かってデルシンが口を開いた。その呼びかけに応じる事も無く、クリスは取っ散らかったままの情報を必死に整理しようと躍起になっていたのである。
手を組んでいたギャッツに対する仕打ちや、仮にも仕えていたギルガルドの無様な末路からしてネロの要求を叶えた所で使い捨てられるのは確実であった。だからといって断って反抗するにしても、満足のいく戦力を整えられる状況ではない騎士団では太刀打ちは不可能である。ネロが眷属と称していたあの怪物達についても、有効打である魔法を使える魔術師の数は少なくなっている。ブラザーフッドを壊滅させてしまった事が、ここに来て痛手となっていた。
「…少し、時間をくれないか」
最早どうすれば良いのかさえ分からなくなっていた。どちらの選択を取るにしても、そこから先に待っている末路が容易に想像できる。それがたまらなく怖かったクリスは、ただ一言だけ全員に言ってから今まで感じたことが無いほどの重圧と共に執務室を出て行った。
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