7 / 115
一章:魔術師だった男
第7話 エゴイスト
しおりを挟む
「ほら、モタモタするな!」
数日後、村には再建のために取り寄せられた多くの材料を運ぶ騎士団の兵士達と、彼らに指示を飛ばすデルシンの姿があった。木造の建物が焼け崩れ、それ以外の施設も火によって変わり果てた姿となっていた村を復興させようと急ピッチで仕事に取り掛かっていたのである。
一方でクリスは、村人たちと今後の防衛体制や村への支援について話し合った後に、キャシーがいるという一際大きい建物へと足を運ぶ。ガタつく床や所々に埃が残っている棚を横目に廊下を進んでいると、近くの部屋から騒がしくも甲高い声が聞こえる。どうやら子供達らしかった。
「皆、今日はもう帰る時間よ!宿題を忘れないでね!」
「はーい!」
「また明日ねキャシーさん!」
本や紙を持った子供達は挨拶を済ませてから、一斉に部屋を飛び出してクリスのいる廊下へと雪崩れ込んできた。
「あ!騎士団のおじさんだ!」
「ねえねえ!銃ってどうやって撃つの?教えてよ!」
何人かの好奇心旺盛な少年たちが腰に携えた得物を羨ましそうに見ながら、周囲に集まってくる。
「やめておけ、子供にはまだ早い」
「え~!いいじゃんかケチ!」
「…外にいるデカい方のお兄さんなら教えてくれるかもな」
そうやってクリスが外で作業をしているデルシンに擦り付けると、少年たちは非常に興奮した様子で我先にと建物を飛び出していった。部屋に入ってみると、子供たちが散らかしたのであろう床を片付けているキャシーの姿がそこにはあった。そこに魔術師としての姿は無く、くたびれながらも楽しそうに過ごしている一人の女性であった。
「…ああ、ごめんなさい。わざわざ呼びつけておいて」
「いいんだ。随分と慕われているんだな」
一人でさせるのも悪いと、気が付けばクリスも彼女を手伝っていた。一通り掃除が終わってから、窓辺にクリスがもたれ掛かっているとキャシーもその近くによって窓の外を眺めていた。外では兵士達と村の若い人間が協力して資材を搬入し、工事に取り掛かっている。その傍らでは子供達に言い寄られて慌てふためいているデルシンの姿もあった。
「すまなかった。もう少し早く到着出来ていれば被害も——」
「全員殺されるよりはマシだった…本当にありがとう。だけど、聞きたい事があるの。私がブラザーフッドを抜け出した頃、あなたはまだ戦士として戦っていたはずよね?どうして騎士団に?それに、魔法を使わなかったのはなぜ?」
外の雑多とした風景が同じ世界での出来事とは思えない程に、辺りは静まり返っていた。クリスは彼女を躊躇いがちに見た後、目を合わせたくないのか床へと視線を動かした。
「…言い訳みたいになってしまうかもしれんが聞きたいか?」
「ええ」
――――過去に起きたリチャード・フランクリンの暗殺は、当初こそ彼に恨みを持つ他の政治家や財閥によるものではないかとされていたが、生存者である彼の娘が保護され、犯行の一部始終について証言をした事で一気に覆されてしまった。世論は過激派の魔術師によるものだと断定し、やがて新聞屋による愉快犯紛いの歪曲的な報道もそれに加勢した。その結果、あたかも魔術師の界隈全体が彼を嫌っていたという誤った認識が広まり、魔術師への迫害は苛烈化した。
それによって引き起こされた事件こそが、後に『ブラッディ・バレー事件』と呼ばれる惨劇であった。一部の熱烈なリチャード・フランクリン支持者たちが「魔術師達に報いを受けさせるべき」と民衆を扇動した事がキッカケであった。厄介だったのは扇動をした者達の中には芸能やスポーツといった分野において強い影響力と知名度を持つ者達であった事が、民衆の行動を一層大きくしてしまった要因である。尚、扇動を煽った本人達は事件が起きていた当時、現場にはおらず自宅で優雅に過ごしていたという。
焚きつけられた民衆は、奥地で慎ましく暮らしていた穏健派を狙って行動を開始した。たちまち各地で魔術師への襲撃が報じられたが、その中でもブラッディ・バレー事件の凄惨さは群を抜いていた。魔術師達を人里離れた渓谷へと連れて行き、逃げ場を無くした状態から惨たらしく殺したのである。当時はギルドとしての活動に過ぎなかったエイジス騎士団が、捕まる直前に逃げて来た魔術師から依頼を受けた後に、目的地で見た物は文字通り地獄絵図であった。
紅に染まった川や滝つぼ、そこに浮いている夥しい数の死体は水底が見えない程のものであった。付近には飽きて捨てられたのであろう原型を留めてない魔術師の肉体が散乱し、辛うじて息がある者達は付近の木などに釘で手を打ち付けられ、簡単に逃げられないように固定されていた。中には木を探すのが面倒だったのか、アキレス腱に釘を打ち付けられている者さえいた。
そのような凶行を魔術師達が見逃さない筈も無かった。復讐を望む者の数は日に日に膨れ上がっていたが、ブラザーフッドをはじめとした同盟の上位に位置する者達にとって重要だったのは、その事態を利用して権力を手に入れられるかどうかであった。そんな彼らにとって真っ先に蹴落とす事が出来る存在だったのが、多くの功績を残し、同胞からも高い尊敬を集めているクリス・ガーランドであった。何より、彼には責任を追及される十分な理由もあった。
国のどこかに存在する森林の奥深く、大勢の魔術師が見守る中でクリスは二本の柱の間に跪かされていた。柱に取り付けられた鎖によって両腕を伸ばされていた彼は、疲れ切った様子で俯いている。鎖は腕に巻き付いているどころか、肩や二の腕にも繋がれていた。自分と共に任務に赴いていた同僚は、既に度重なる拷問によって命を落としていた。残されたのは自分だけであり、これからも残ることが確定していた。
「この男は、不公平な言動で我々を苦しめていたフランクリンとその家族を暗殺するという重大な任務を放棄したのだ!あの娘を逃がしていなければ、魔術師によるものだとはバレなかったというのに!」
彼の目の前で高らかに罪状を告げる男は、クラーク家の当主であるヨハネス・クラークであった。
「失望したぞ…クリス・ガーランド。なぜだ?お前程の男が子供一匹始末出来なかったのには理由があるだろう。日和ったわけでもあるまい…どうか教えてくれ。返答次第ではお前への判決に酌量の余地を与えてやる」
彼の隣にいた老人がしわがれた声で尋ねて来た。ブラザーフッドの首領であり、魔術師の頂点に立っていると言われているギルガルド・ルプティウスである。当然だが言えるわけが無かった。血は繋がってないものの、共に育ってきた義理の妹に子供が出来た。それまでは子供嫌いを拗らせていた自分が、その子の面倒を見ていく内に子供に対する愛着心が芽生えたのである。そして、それによって今までは何とも思っていなかった子供の殺害にあたって奇妙な情が湧いたなどと、その引き換えに大勢の魔術師が殺された事に比べればなんと馬鹿馬鹿しく独善的なんだろうかと今になってクリスは悔やんだ。
「…見逃していました」
「そうか…」
精一杯の嘘に対してのギルガルドの返事は、誰が聞いても落胆だと分かるほどに落ち込んでいた。
「ヨハネスよ、手筈通りに頼む」
背を向けて去る瞬間、ギルガルドはヨハネスの近くでそう言った。
「ネロ!連れてこい!」
ヨハネスが大声である人物を呼ぶと、飄々とした風貌の男性がクリスの義両親と義妹、さらには彼の婚約者や子供まで連れてこちらへ向かった。全員が手錠を掛けられている。
「罪もない魔術師達の命が奪われる原因を作ったこの男には、肉体的な制裁だけでは生温い!このような不届きな輩を生み出した家族にも責任があると言えるだろう!よって、一族の処刑を行った後に同じ責め苦を味合わせ、クリス・ガーランドをブラザーフッドから追放する!」
ヨハネスから判決が言い渡されると、辺りからは怒号にも近い歓声が湧き起こり、口々にやってしまえという野次が飛び交った。
「…オイ、ふざけるな!!家族は関係無いだろ!止めろ!今すぐに止めろ!俺一人で十分のはずだ!」
「死刑にしたいというのに死なない貴様が悪いのだ。そうだ、悪魔から授かったという不死身の肉体で何とかしてみたらどうだ?」
明らかにおちょくっていた。自分の肉が引き裂かれようが構わないと、クリスは鎖を引っ張ったが、大地の属性を操る魔術師達によって岩を体中に纏わされて動きを封じられてしまう。
「たとえ貴様であろうと、魔法が使えなければこうも簡単に見下せるとはな!癖になりそうな快感だ」
ヨハネスがそんな事を言っていると、クリスの目の前に家族を連れて来たネロが「後はよろしく」とヨハネスに伝え、どこかへ行ってしまう。
その後、彼が目の前で見せられたのは生きたまま焼かれる義父や義母、水の魔法によって溺死させられる義妹夫婦、そして首を絞められて殺される赤子であった。全てが終わった瞬間、頭の中が真っ白になった。そして胸の内側には、憎しみや激情を掻き消すような巨大な穴が開き、そこから溢れた闇が心と脳を無に染め上げた。走馬灯に思い浸る余裕さえ与えられず、涙すら出なかった。
「あ、ああ…あああ、あ…」
か細く、振り絞った声で自分の誤った選択を責めたて、現実を嘆く事しか今のクリスには出来なかった。そこにホグドラムの怪物と呼ばれた英雄の面影などありはしなかった。
数日後、村には再建のために取り寄せられた多くの材料を運ぶ騎士団の兵士達と、彼らに指示を飛ばすデルシンの姿があった。木造の建物が焼け崩れ、それ以外の施設も火によって変わり果てた姿となっていた村を復興させようと急ピッチで仕事に取り掛かっていたのである。
一方でクリスは、村人たちと今後の防衛体制や村への支援について話し合った後に、キャシーがいるという一際大きい建物へと足を運ぶ。ガタつく床や所々に埃が残っている棚を横目に廊下を進んでいると、近くの部屋から騒がしくも甲高い声が聞こえる。どうやら子供達らしかった。
「皆、今日はもう帰る時間よ!宿題を忘れないでね!」
「はーい!」
「また明日ねキャシーさん!」
本や紙を持った子供達は挨拶を済ませてから、一斉に部屋を飛び出してクリスのいる廊下へと雪崩れ込んできた。
「あ!騎士団のおじさんだ!」
「ねえねえ!銃ってどうやって撃つの?教えてよ!」
何人かの好奇心旺盛な少年たちが腰に携えた得物を羨ましそうに見ながら、周囲に集まってくる。
「やめておけ、子供にはまだ早い」
「え~!いいじゃんかケチ!」
「…外にいるデカい方のお兄さんなら教えてくれるかもな」
そうやってクリスが外で作業をしているデルシンに擦り付けると、少年たちは非常に興奮した様子で我先にと建物を飛び出していった。部屋に入ってみると、子供たちが散らかしたのであろう床を片付けているキャシーの姿がそこにはあった。そこに魔術師としての姿は無く、くたびれながらも楽しそうに過ごしている一人の女性であった。
「…ああ、ごめんなさい。わざわざ呼びつけておいて」
「いいんだ。随分と慕われているんだな」
一人でさせるのも悪いと、気が付けばクリスも彼女を手伝っていた。一通り掃除が終わってから、窓辺にクリスがもたれ掛かっているとキャシーもその近くによって窓の外を眺めていた。外では兵士達と村の若い人間が協力して資材を搬入し、工事に取り掛かっている。その傍らでは子供達に言い寄られて慌てふためいているデルシンの姿もあった。
「すまなかった。もう少し早く到着出来ていれば被害も——」
「全員殺されるよりはマシだった…本当にありがとう。だけど、聞きたい事があるの。私がブラザーフッドを抜け出した頃、あなたはまだ戦士として戦っていたはずよね?どうして騎士団に?それに、魔法を使わなかったのはなぜ?」
外の雑多とした風景が同じ世界での出来事とは思えない程に、辺りは静まり返っていた。クリスは彼女を躊躇いがちに見た後、目を合わせたくないのか床へと視線を動かした。
「…言い訳みたいになってしまうかもしれんが聞きたいか?」
「ええ」
――――過去に起きたリチャード・フランクリンの暗殺は、当初こそ彼に恨みを持つ他の政治家や財閥によるものではないかとされていたが、生存者である彼の娘が保護され、犯行の一部始終について証言をした事で一気に覆されてしまった。世論は過激派の魔術師によるものだと断定し、やがて新聞屋による愉快犯紛いの歪曲的な報道もそれに加勢した。その結果、あたかも魔術師の界隈全体が彼を嫌っていたという誤った認識が広まり、魔術師への迫害は苛烈化した。
それによって引き起こされた事件こそが、後に『ブラッディ・バレー事件』と呼ばれる惨劇であった。一部の熱烈なリチャード・フランクリン支持者たちが「魔術師達に報いを受けさせるべき」と民衆を扇動した事がキッカケであった。厄介だったのは扇動をした者達の中には芸能やスポーツといった分野において強い影響力と知名度を持つ者達であった事が、民衆の行動を一層大きくしてしまった要因である。尚、扇動を煽った本人達は事件が起きていた当時、現場にはおらず自宅で優雅に過ごしていたという。
焚きつけられた民衆は、奥地で慎ましく暮らしていた穏健派を狙って行動を開始した。たちまち各地で魔術師への襲撃が報じられたが、その中でもブラッディ・バレー事件の凄惨さは群を抜いていた。魔術師達を人里離れた渓谷へと連れて行き、逃げ場を無くした状態から惨たらしく殺したのである。当時はギルドとしての活動に過ぎなかったエイジス騎士団が、捕まる直前に逃げて来た魔術師から依頼を受けた後に、目的地で見た物は文字通り地獄絵図であった。
紅に染まった川や滝つぼ、そこに浮いている夥しい数の死体は水底が見えない程のものであった。付近には飽きて捨てられたのであろう原型を留めてない魔術師の肉体が散乱し、辛うじて息がある者達は付近の木などに釘で手を打ち付けられ、簡単に逃げられないように固定されていた。中には木を探すのが面倒だったのか、アキレス腱に釘を打ち付けられている者さえいた。
そのような凶行を魔術師達が見逃さない筈も無かった。復讐を望む者の数は日に日に膨れ上がっていたが、ブラザーフッドをはじめとした同盟の上位に位置する者達にとって重要だったのは、その事態を利用して権力を手に入れられるかどうかであった。そんな彼らにとって真っ先に蹴落とす事が出来る存在だったのが、多くの功績を残し、同胞からも高い尊敬を集めているクリス・ガーランドであった。何より、彼には責任を追及される十分な理由もあった。
国のどこかに存在する森林の奥深く、大勢の魔術師が見守る中でクリスは二本の柱の間に跪かされていた。柱に取り付けられた鎖によって両腕を伸ばされていた彼は、疲れ切った様子で俯いている。鎖は腕に巻き付いているどころか、肩や二の腕にも繋がれていた。自分と共に任務に赴いていた同僚は、既に度重なる拷問によって命を落としていた。残されたのは自分だけであり、これからも残ることが確定していた。
「この男は、不公平な言動で我々を苦しめていたフランクリンとその家族を暗殺するという重大な任務を放棄したのだ!あの娘を逃がしていなければ、魔術師によるものだとはバレなかったというのに!」
彼の目の前で高らかに罪状を告げる男は、クラーク家の当主であるヨハネス・クラークであった。
「失望したぞ…クリス・ガーランド。なぜだ?お前程の男が子供一匹始末出来なかったのには理由があるだろう。日和ったわけでもあるまい…どうか教えてくれ。返答次第ではお前への判決に酌量の余地を与えてやる」
彼の隣にいた老人がしわがれた声で尋ねて来た。ブラザーフッドの首領であり、魔術師の頂点に立っていると言われているギルガルド・ルプティウスである。当然だが言えるわけが無かった。血は繋がってないものの、共に育ってきた義理の妹に子供が出来た。それまでは子供嫌いを拗らせていた自分が、その子の面倒を見ていく内に子供に対する愛着心が芽生えたのである。そして、それによって今までは何とも思っていなかった子供の殺害にあたって奇妙な情が湧いたなどと、その引き換えに大勢の魔術師が殺された事に比べればなんと馬鹿馬鹿しく独善的なんだろうかと今になってクリスは悔やんだ。
「…見逃していました」
「そうか…」
精一杯の嘘に対してのギルガルドの返事は、誰が聞いても落胆だと分かるほどに落ち込んでいた。
「ヨハネスよ、手筈通りに頼む」
背を向けて去る瞬間、ギルガルドはヨハネスの近くでそう言った。
「ネロ!連れてこい!」
ヨハネスが大声である人物を呼ぶと、飄々とした風貌の男性がクリスの義両親と義妹、さらには彼の婚約者や子供まで連れてこちらへ向かった。全員が手錠を掛けられている。
「罪もない魔術師達の命が奪われる原因を作ったこの男には、肉体的な制裁だけでは生温い!このような不届きな輩を生み出した家族にも責任があると言えるだろう!よって、一族の処刑を行った後に同じ責め苦を味合わせ、クリス・ガーランドをブラザーフッドから追放する!」
ヨハネスから判決が言い渡されると、辺りからは怒号にも近い歓声が湧き起こり、口々にやってしまえという野次が飛び交った。
「…オイ、ふざけるな!!家族は関係無いだろ!止めろ!今すぐに止めろ!俺一人で十分のはずだ!」
「死刑にしたいというのに死なない貴様が悪いのだ。そうだ、悪魔から授かったという不死身の肉体で何とかしてみたらどうだ?」
明らかにおちょくっていた。自分の肉が引き裂かれようが構わないと、クリスは鎖を引っ張ったが、大地の属性を操る魔術師達によって岩を体中に纏わされて動きを封じられてしまう。
「たとえ貴様であろうと、魔法が使えなければこうも簡単に見下せるとはな!癖になりそうな快感だ」
ヨハネスがそんな事を言っていると、クリスの目の前に家族を連れて来たネロが「後はよろしく」とヨハネスに伝え、どこかへ行ってしまう。
その後、彼が目の前で見せられたのは生きたまま焼かれる義父や義母、水の魔法によって溺死させられる義妹夫婦、そして首を絞められて殺される赤子であった。全てが終わった瞬間、頭の中が真っ白になった。そして胸の内側には、憎しみや激情を掻き消すような巨大な穴が開き、そこから溢れた闇が心と脳を無に染め上げた。走馬灯に思い浸る余裕さえ与えられず、涙すら出なかった。
「あ、ああ…あああ、あ…」
か細く、振り絞った声で自分の誤った選択を責めたて、現実を嘆く事しか今のクリスには出来なかった。そこにホグドラムの怪物と呼ばれた英雄の面影などありはしなかった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
三木谷夜宵
ファンタジー
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
召喚勇者の餌として転生させられました
猫野美羽
ファンタジー
学生時代最後のゴールデンウィークを楽しむため、伊達冬馬(21)は高校生の従弟たち三人とキャンプ場へ向かっていた。
途中の山道で唐突に眩い光に包まれ、運転していた車が制御を失い、そのまま崖の下に転落して、冬馬は死んでしまう。
だが、魂のみの存在となった冬馬は異世界に転生させられることに。
「俺が死んだのはアイツらを勇者召喚した結果の巻き添えだった?」
しかも、冬馬の死を知った従弟や従妹たちが立腹し、勇者として働くことを拒否しているらしい。
「勇者を働かせるための餌として、俺を異世界に転生させるだと? ふざけんな!」
異世界の事情を聞き出して、あまりの不穏さと不便な生活状況を知り、ごねる冬馬に異世界の創造神は様々なスキルや特典を与えてくれた。
日本と同程度は難しいが、努力すれば快適に暮らせるだけのスキルを貰う。
「召喚魔法? いや、これネット通販だろ」
発動条件の等価交換は、大森林の素材をポイントに換えて異世界から物を召喚するーーいや、だからコレはネット通販!
日本製の便利な品物を通販で購入するため、冬馬はせっせと採取や狩猟に励む。
便利な魔法やスキルを駆使して、大森林と呼ばれる魔境暮らしを送ることになった冬馬がゆるいサバイバルありのスローライフを楽しむ、異世界転生ファンタジー。
※カクヨムにも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる