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信仰都市ギャンヴェル編
45 謎の生還
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「大丈夫ですよ。あなたは助かります」
とある深海。気絶する俺の耳にへと入ってくる声は、この世のものか疑うほどの声。そしてまた意識が途絶え、声は聞こえなくなった。
○ ○ ○
「…ト!トリスト!」
閉じていた目に光と情報が飛び込んでくる。まず見えたのは俺の名前を必死に呼ぶリヴィアン。次にぷにぷにの腕を組んで、偉そうに俺を見下すマグ。そして申し訳なさそうにしょぼくれているルドとニャル。
「う、げほっげほっ!はぁ、ここは、えーと…船?」
肺にまだ水が残っていて、それにむせかえってしまう。海水なので肺がかなり痛い。ヒリヒリするっていうかなんというか、こう、変な感じだ。それに記憶が曖昧になっている。
「やっと起きましたか。ほぼほぼ不死身の癖してなぁに気絶してるんだか、ほんとわからない人ですね」
起きて突然罵詈雑言を吐かれ、つい謝ってしまった。
「す、すみません…」
あれぇ?なんで俺謝ってんの?え?俺悪くないよね?悪くないよね!?そんな心のツッコミを無視するようにニャルが俺の学ランの裾を控え気味に引っ張る。
「あ?ああ、ニャルか。どした」
「ご、ごめんなさい…。吾が離したせいで…」
ニャルに続きルドも頭を下げる、というか土下座していた。
「す、すみませんでしたぁ!僕のせいで隊長を危険な目に遭わせてしまい…。なので、腹括って海に飛び込みます!」
言うやすぐさま立ち上がり、船首からダイブを決め込もうとするルド。
「おおい!待て待て!なんでそうなる!?いや怒ってねぇから!大丈夫だから!」
「いえ!隊長が許してもお天道様が許しません!なので僕がーーーーーー!」
なんだよお天道様って!お前いつの時代の人間だよ!てかなんでそんなネタ知ってんの?君まさか転生者?そんな理由ないとしても、なんとか止めなければ。
そう思った瞬間、ベキっ。不穏な音が甲板に響く。フラフラとルドが船首から下がり、そしてバタンキュー。ノックダウンだ!
「え、今誰が」
幽かな魔力を追ってその人物を見る。マグだ。ルドを蔑んだ目で見ていた。まるで目で気持ち悪いと言っているようだ。
「マグ、さん?」
「全くぴーきゃーぴーきゃーうるせぇ奴ですね。少し黙らしたので大丈夫ですよ。さて、もうまもなく上陸しますよ?嫉妬の魔王の治める国。鉱山都市ロイハイゲンに」
マグが見ている方向をルド以外全員が見る。荒々しい山々に霧がかかっていて、見るからに鬼ヶ島。え、あそこ?ちょ、暗すぎでしょう!?何あれ!こわっ!
「さて、今回はどうなることやら。分かりませんね」
ニコリと笑うマグは、この先何か不吉なことが起きても当たり前だと言わんばかりの声音だった。
とある深海。気絶する俺の耳にへと入ってくる声は、この世のものか疑うほどの声。そしてまた意識が途絶え、声は聞こえなくなった。
○ ○ ○
「…ト!トリスト!」
閉じていた目に光と情報が飛び込んでくる。まず見えたのは俺の名前を必死に呼ぶリヴィアン。次にぷにぷにの腕を組んで、偉そうに俺を見下すマグ。そして申し訳なさそうにしょぼくれているルドとニャル。
「う、げほっげほっ!はぁ、ここは、えーと…船?」
肺にまだ水が残っていて、それにむせかえってしまう。海水なので肺がかなり痛い。ヒリヒリするっていうかなんというか、こう、変な感じだ。それに記憶が曖昧になっている。
「やっと起きましたか。ほぼほぼ不死身の癖してなぁに気絶してるんだか、ほんとわからない人ですね」
起きて突然罵詈雑言を吐かれ、つい謝ってしまった。
「す、すみません…」
あれぇ?なんで俺謝ってんの?え?俺悪くないよね?悪くないよね!?そんな心のツッコミを無視するようにニャルが俺の学ランの裾を控え気味に引っ張る。
「あ?ああ、ニャルか。どした」
「ご、ごめんなさい…。吾が離したせいで…」
ニャルに続きルドも頭を下げる、というか土下座していた。
「す、すみませんでしたぁ!僕のせいで隊長を危険な目に遭わせてしまい…。なので、腹括って海に飛び込みます!」
言うやすぐさま立ち上がり、船首からダイブを決め込もうとするルド。
「おおい!待て待て!なんでそうなる!?いや怒ってねぇから!大丈夫だから!」
「いえ!隊長が許してもお天道様が許しません!なので僕がーーーーーー!」
なんだよお天道様って!お前いつの時代の人間だよ!てかなんでそんなネタ知ってんの?君まさか転生者?そんな理由ないとしても、なんとか止めなければ。
そう思った瞬間、ベキっ。不穏な音が甲板に響く。フラフラとルドが船首から下がり、そしてバタンキュー。ノックダウンだ!
「え、今誰が」
幽かな魔力を追ってその人物を見る。マグだ。ルドを蔑んだ目で見ていた。まるで目で気持ち悪いと言っているようだ。
「マグ、さん?」
「全くぴーきゃーぴーきゃーうるせぇ奴ですね。少し黙らしたので大丈夫ですよ。さて、もうまもなく上陸しますよ?嫉妬の魔王の治める国。鉱山都市ロイハイゲンに」
マグが見ている方向をルド以外全員が見る。荒々しい山々に霧がかかっていて、見るからに鬼ヶ島。え、あそこ?ちょ、暗すぎでしょう!?何あれ!こわっ!
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ニコリと笑うマグは、この先何か不吉なことが起きても当たり前だと言わんばかりの声音だった。
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