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エピローグ
崩れた日常は戻る事は無い
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「ふーん。で、僕のところに来たわけだ」
とあるファミレスにて。俺の席の前にはイケメンがいる。こいつが前に言っていた噂好きで残念なイケメンぼっち。名前は新谷人間。
「ところでなんで僕なんだい?」
ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら俺を見る。こいつに事情を話したらこれだ。わかって言ってやがる。
「聞かなくてもわかるだ」
「あー、あ、あ、あー」
俺のセリフを途中で止める。ってか静止の仕方がきもい。これだからこいつとは話したくなかったんだ。
「わかってるよ。君が僕を大親友と思ってるんだろ?うーん、でもねぇ?僕はみんなのものだからさ、君一人の親友にはなれない」
スパン!おやおやぁ?なんだか誰かが頭ひっぱたかれた落としたなぁ?あれ?俺の手が何故か新谷を叩いてた。それなら仕方ないね!
「い、痛いじゃん!何すんだよ!」
「いや、まぁ単にムカついたから」
「酷いっ!」
「酷いのはどっちだよ。だいたい、お前が前からモテたいだの女子と話したいだの言ってたから適任と思って話持ちかけてやったのに。もう帰っていい?」
「ごめんなさい!申し訳ありませんでした!だから許して!」
高速で手のひらを返しやがった…。まぁこいつのこういう所は嫌いじゃない。手のひらを返さなければリア充にはなれないからな。え、じゃあ俺って凄いんじゃない?手のひら返すことなく今を生きてんだよ?そうか、神は俺だったk。
「それじゃその話を誰かに話せばいいんだな?」
「おう、それだけでいい」
そしてふと、新谷が険しい表情をする。
「しかし、いいのかい?」
「何が」
「君のその行動だよ。関係の壊れる一歩手前なら簡単に修復できるだろ?特にお前みたいな頭のきれる馬鹿だったら」
馬鹿って、こいつも人のこと言えたもんじゃないだろ。つーかこいつ、俺を心配して…。
「まぁお前がどうなろうと俺には関係ないことだけど」
返せ!俺のちょっとした感動を返せ!こいつ本当に屑だよ。最高の屑っぷり。名前も変更した方がいいわ。屑谷人屑。どや?ええ名前じゃろ。そう心の中で笑っていると、
「お前今失礼なこと考えてたろ」
「さあ、何のことだか」
こいつは勘が鋭いので、侮辱する時はバレないようにしなければな。
「さて、話は以上だ。質問は」
「ふっ。あるとするならただひとつ」
「あ?」
「ほ、本当に、人気者になれる、かな?」
…は?こいつ、こいつもしかして、
「し、心配なだけだよ?ほ、ほんとなんだからねッ!」
ヘタレかー。こいつはヘタレだったかー。
「なれるかなれないかはお前の話し方によるな。じゃ、俺は帰る」
「そうだな」
そう言って俺達は立ち上がりレジへ向かう。
「あ」
レジの前にたったところで新谷が声を上げる。
「あ?どうした」
「財布忘れた…。お金、貸してくんない?」
「はぁ…」
この先不安で仕方ない…。
○ ○ ○
帰り道。季節は秋。梅雨ごろに彼女達にあって、いろいろなことがあった。それら全ては彼女達で構成されていたことに遅まきながら気づく。
彼女達はあの噂の真偽をどう受け入れるのだろうか。偽りと受け取るのか、はたまた真と受け取るのか。これらは彼女達次第で、俺の出る余地もあるはずもなく、ただひたすらに答えを求め、当てはまるはずもなかろう公式を使い、間違った答えを出していた。
だが俺は確信している。彼女達が真と受け取ることを。そして、彼女達は俺を諦め、明るく輝かしい青春を送ることを。
だから、壊れた関係は、壊れた物は、治ったとしてもそれは歪で全くの別物になる。元通りとはいかないのだ。
とあるファミレスにて。俺の席の前にはイケメンがいる。こいつが前に言っていた噂好きで残念なイケメンぼっち。名前は新谷人間。
「ところでなんで僕なんだい?」
ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら俺を見る。こいつに事情を話したらこれだ。わかって言ってやがる。
「聞かなくてもわかるだ」
「あー、あ、あ、あー」
俺のセリフを途中で止める。ってか静止の仕方がきもい。これだからこいつとは話したくなかったんだ。
「わかってるよ。君が僕を大親友と思ってるんだろ?うーん、でもねぇ?僕はみんなのものだからさ、君一人の親友にはなれない」
スパン!おやおやぁ?なんだか誰かが頭ひっぱたかれた落としたなぁ?あれ?俺の手が何故か新谷を叩いてた。それなら仕方ないね!
「い、痛いじゃん!何すんだよ!」
「いや、まぁ単にムカついたから」
「酷いっ!」
「酷いのはどっちだよ。だいたい、お前が前からモテたいだの女子と話したいだの言ってたから適任と思って話持ちかけてやったのに。もう帰っていい?」
「ごめんなさい!申し訳ありませんでした!だから許して!」
高速で手のひらを返しやがった…。まぁこいつのこういう所は嫌いじゃない。手のひらを返さなければリア充にはなれないからな。え、じゃあ俺って凄いんじゃない?手のひら返すことなく今を生きてんだよ?そうか、神は俺だったk。
「それじゃその話を誰かに話せばいいんだな?」
「おう、それだけでいい」
そしてふと、新谷が険しい表情をする。
「しかし、いいのかい?」
「何が」
「君のその行動だよ。関係の壊れる一歩手前なら簡単に修復できるだろ?特にお前みたいな頭のきれる馬鹿だったら」
馬鹿って、こいつも人のこと言えたもんじゃないだろ。つーかこいつ、俺を心配して…。
「まぁお前がどうなろうと俺には関係ないことだけど」
返せ!俺のちょっとした感動を返せ!こいつ本当に屑だよ。最高の屑っぷり。名前も変更した方がいいわ。屑谷人屑。どや?ええ名前じゃろ。そう心の中で笑っていると、
「お前今失礼なこと考えてたろ」
「さあ、何のことだか」
こいつは勘が鋭いので、侮辱する時はバレないようにしなければな。
「さて、話は以上だ。質問は」
「ふっ。あるとするならただひとつ」
「あ?」
「ほ、本当に、人気者になれる、かな?」
…は?こいつ、こいつもしかして、
「し、心配なだけだよ?ほ、ほんとなんだからねッ!」
ヘタレかー。こいつはヘタレだったかー。
「なれるかなれないかはお前の話し方によるな。じゃ、俺は帰る」
「そうだな」
そう言って俺達は立ち上がりレジへ向かう。
「あ」
レジの前にたったところで新谷が声を上げる。
「あ?どうした」
「財布忘れた…。お金、貸してくんない?」
「はぁ…」
この先不安で仕方ない…。
○ ○ ○
帰り道。季節は秋。梅雨ごろに彼女達にあって、いろいろなことがあった。それら全ては彼女達で構成されていたことに遅まきながら気づく。
彼女達はあの噂の真偽をどう受け入れるのだろうか。偽りと受け取るのか、はたまた真と受け取るのか。これらは彼女達次第で、俺の出る余地もあるはずもなく、ただひたすらに答えを求め、当てはまるはずもなかろう公式を使い、間違った答えを出していた。
だが俺は確信している。彼女達が真と受け取ることを。そして、彼女達は俺を諦め、明るく輝かしい青春を送ることを。
だから、壊れた関係は、壊れた物は、治ったとしてもそれは歪で全くの別物になる。元通りとはいかないのだ。
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