異世界転移して最強のおっさん……の隣に住んでいる。

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第1章

防御訓練――おじさんの猛攻を耐え抜け!

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「さて、ユート。魔法の基本は覚えたな?」

 藤堂さんがニヤリと笑う。

「ええ、何とか。でもまだ実戦経験は……」

「そうだ。だから、ここからは"実戦"に備えるための"防御訓練"をする」

「防御訓練?」

「お前、敵ってのはな、"攻撃を避けるだけ"じゃ生き残れねぇ。相手の攻撃を防げなきゃ、いずれ"詰む"ぞ」

「……確かに」

 これまでの戦いでは、運よく攻撃を受けずに済んでいた。
 でも、これからもっと強い敵と戦うなら――いずれ防御なしでは生き残れなくなる。

「じゃあ、どうするんです?」

「簡単だ。"俺の魔法を、ひたすら防ぎ続けろ"」

「……は?」


---


「まずは、ファイアボールでいくぞ」

「えっ、ちょっと待っ――」

「ファイアボール!!」

 ボンッ!!

 目の前に巨大な火球が出現し、俺めがけて飛んできた。

「うわっ!!」

 俺は慌てて避けようとするが――

「避けんな!! 防げ!!」

「くっそ……アースシールド!!」

 ゴゴゴゴッ!!

 土の壁がせり上がり、火球を受け止める――が、衝撃で粉々に砕けた。

「おいおい、今ので壊れるようじゃ話にならねぇぞ」

「ちょっと待ってください! 初っ端から威力強すぎません!?」

「弱いファイアボールなんか実戦じゃ飛んでこねぇんだよ」

 そう言うと――

「ファイアボール! ファイアボール! ファイアボール!!」

 ドン! ドン! ボンッ!!

 連続で火球が飛んできた。

「えっ!? ちょっ――!」

「魔法はな、"連続攻撃"こそが基本だ!!」

 炎の弾が次々と俺を襲う。
 大きいもの、小さいもの、そして時間差で軌道を変えてくるものまである。

(これ……全部防がないとダメなのか!?)

「……っ! ウォーターボール!!」

 俺は咄嗟に水の球を作り、ファイアボールを相殺しようとする。

 しかし――

ボンッ!!

 水と火の魔法がぶつかるも、俺のウォーターボールが弱すぎて炎が突破!

「うわっ!!」

 避けることもできず、爆発の衝撃で吹き飛ばされる。

ドサッ!

「……痛ぇ……」

「はははっ、ユート。こんな初歩の魔法で転がってるようじゃ、まだまだだな」

「くっ……」

「だが、安心しろ。この訓練は3ヶ月続ける」

「え……?」

「逃げんなよ?」

 藤堂さんがニヤリと笑う。

(……俺、死ぬかもしれない)


---

 そこからの3ヶ月は、本当に地獄だった。

 ファイアボールの連打に始まり、今度はウォーターボールの連打が飛んでくる。

 水魔法だから楽かと思ったら、大間違いだった。
 風に乗せて変則的な軌道で飛んでくるし、突然氷結して弾丸のように硬くなったりする。

 土魔法なら受け止められるが、水は防ぎにくい。
 俺は何度も吹き飛ばされ、地面に転がりながら、必死に防御を繰り返した。


---

1ヶ月経過――少し慣れてきた。

「アースシールド!!」

 土の壁を作り、炎と水の魔法を防ぐことができるようになった。
 しかし、藤堂さんは次の手を打ってきた。

「ストーンバレット!!」

 ピシュンッ!!

 地面から飛び出した小石が、俺めがけて高速で飛んでくる。

「ぐっ……!!」

 風魔法で弾道を変えながら飛んでくる"変則ストーンバレット"。
 こんなの、どうやって防げば……!?

 俺は咄嗟にウォーターボールを展開する。

「……っ、やった! 水の膜で減速させた!!」

 小石が水の膜を突き抜けて威力を削がれ、ダメージが軽減された。

「ははっ、少しは考えるようになったな」


---

2ヶ月経過――魔法の防御が板についてくる。

「ストーンバレット!!」

「ウィンドカッター!!」

 土の弾を風魔法で切り裂き、防ぐ。

 連続で飛んでくる魔法を見極め、土の壁を即座に展開する。
 水魔法で威力を抑え、風魔法で軌道をずらす。

「……よし!! ほぼ全部防いだぞ!」

「ふん、まぁ見れるようになってきたな」


---


「さぁ、最後の試練だ」

 藤堂さんが両手を広げる。

「今までの魔法を全部組み合わせた複合魔法で攻撃する」

「え……?」

「ここまで3ヶ月、徹底的に鍛えてきたな?」

 ニヤリと笑った藤堂さんが、静かに魔力を込める。

「じゃあ、遠慮なくいくぞ――」

"ファイアストーム" "ストーンバレット" "ウォーターブレード" "ウィンドカッター"!!

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 炎、水、土、風――全ての魔法が複雑に絡み合い、四方八方から俺を襲う!!

「アースシールド!! ウォーターボール!! ウィンドカッター!!」

 俺は瞬時に魔法を展開し、全力で防御する。

 炎は水魔法で消し、土魔法で攻撃を防ぎ、風魔法で弾道をずらす。

 "全ての魔法を組み合わせ"ながら、俺は必死に生き残ろうとした。


---


「……はぁ……はぁ……」

 俺はボロボロになりながらも、藤堂さんの魔法をすべて防ぎきっていた。

「……ふっ。合格だ」

 藤堂さんが満足げに頷く。

「3ヶ月前のお前なら、初弾で吹っ飛ばされてた。だが、今はちゃんと"生き残る"ことができてる」

「や、やった……」

 俺はその場に座り込み、心の底から安堵した。

「これでやっと"防御の基礎"は身についたな」

 俺は3ヶ月間の地獄を乗り越え――

 本当の"戦士"としての第一歩を踏み出したのだった。
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