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第15話

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蒼白したサラヴェールやサーシャが家に戻ってきた。サヤを見つけて、あれこれ、見渡す。
すると、スペルスも仕事を放って帰ってきた。
「窮奇が現れるなんて。」
「何処から来たんだ?」
「目撃情報なんてなかったのに!」
窮奇が狙ったのは、子供で女の子なら、狙いやすく、捕獲するのに、簡単だからだ。
サヤが手っ取り早いために、追われた。
「当分はギルドの見回りが検討されてる。他にいないとは言い切れない。」
スペルスの話に頷く。単体で動く魔物だが、他に警戒すべき魔物がいないわけでは、ないかも知れない。ならば、ギルドに頼んで、見回りをお願いしたい。
「子供は当分、不要不急の外出は禁止だな。大人も一人にならない、集団行動を心掛けよう。」
自衛は大事だ。いつ、命取りになるか、わからないのだ。ならば、少しでも、警戒を怠らない方が良い。


「サヤ。」
グリードが様子を見に来てくれた。
「グリード、一人で来たらダメなんだよ。」
「俺ならやられないって。ほら、元気出せ。」
グリードが、持ってきたのは、サヤが好きな山のオレンジだ。
「どうしたの?このオレンジ、山の奥のでしょ?」
完熟して、熟れきってるはち切れたオレンジ。艶々しい。
「…ありがとう。」
「ん。」
オレンジを剥いて、口に放る。酸味と甘味が混じって、口の中がオレンジで一杯になった。
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