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第14話

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畑仕事に勤しむサヤは、来月に祭りがあるため、それを糧に頑張っている。
グリードは、老人会たちに捕まり、案を出せと、迫られてるらしい。
中腰になりながら、実ったトマトをもぎ取ってると、誰かの悲鳴が聞こえた。
「?」
サヤは、その悲鳴の方に向いた。
ここらは、比較的、平和な村だ。
「…!!」
サヤは固まった。目の前にいるのは、サヤでは逃げ切れない俊敏な動きをする窮奇(キュウキ)がいる。
獲物を探してるのか、空を飛び回っている。
「サヤ!!お逃げ!!」
近所のおばさんが蒼白しながら、叫ぶが、サヤは恐怖で動けない。
ザルに乗ったトマトを落としてしまう。
それで気づいた。逃げなきゃ。
サヤは、後ろに振り返り、ダッシュ。
だが、窮奇は、サヤにロックオン。
いたぶるように飛び回る。
息を切らしながら、逃げ回るサヤを追い詰めるために、わざと、飛行を緩めてる。
「あっ!」
転けてしまう。ベシャッ。
ハッと顔を見上げると、窮奇が牙を剥いていた。
もうダメとサヤは、縮こまる。
すると、いつまで経っても、痛くない。
恐る恐る目を開けると、兄がいた。
マーシャルが窮奇を思い切り、飛び蹴りを食らわしている。
マーシャルは龍神の力を完全に使いこなしており、持ち前の度胸で、相手をねじ伏せる。
「誰の妹を襲ってる。」
「マーシャル!!」
「手加減は無しだ。来い!」
マーシャルは、マリアに買って貰った剣を抜き、背中にサヤを隠す。
マーシャルは窮奇を倒す勢いで対峙してる。
睨み合う両者。
しかし、それを破るのは、マリアだ。
龍神の姫であり、屈辱で怒りに満ちたマリアは、窮奇を容赦なく、グラビディを掛けて、圧死させた。
マリアに気づいたマーシャルはサヤを抱きしめ、窮奇を見せない。
「貴様、誰の娘に手を出しておる!!この獣風情が!!」
「母上、お気を確かに。サヤがいますから。」
マリアの怒りは収まらない。
窮奇がどうなろうとも、マリアには関係ないが、可愛い娘を恐怖味合わせたのだ。それ相応の報復したいが、窮奇は既に死亡。
近所のおばさんが母を呼びに行ったらしく、顔面蒼白の母に抱きしめられた。
「あたしはこのまま、ギルドにいくよ!サヤ、頑張ったね!」
「お願いします。母上、おばさんに付き添ってください。」
「もちろんだ。いこう。この不愉快極まりない物を説明せねば。」
サヤはいまだに怖さで体が強張ってる。普通なら遭遇しない類いの魔物だ。
これを重く見た村の役人たちは、話し合いが、行われたそう。
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