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第7話
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母の言いつけにより、隣村に住む叔母宅に向かう。荷車に乗せて貰う。ロバで可愛らしい。
ゆっくり、走行。我が村は、のどかで田舎なので、店もこじんまりとした店が多く、自慢の村の店と言えば、大食堂の伽藍堂と言う店で、出される料理は、何でも美味しい。
隣村についた。母に渡されたお金を連れてきてくれた人に渡す。ロバに可愛いとなで回す。
「可愛い。」
「ありがとう。お嬢さん。」
ロバと別れを惜しみながら、叔母の家へ向かう。
叔母の住む家は、工房兼住居の建物で、叔父が、建築家である。
緑色の屋根が目印。ちなみに、中は、叔母の趣味らしい家具と、インテリアで纏められていて、まるで、おとぎ話のように可愛らしい様相。
スカートをバンバン払い、深呼吸。
ベルを鳴らす。
すると、叔母が直ぐに出迎えてくれた。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。」
「入って。」
叔母は、母と容姿が似ていて、血の濃さがわかる。姉妹と直ぐにバレるぐらいに似てる。
リビングに通される。叔父手作りの家具は、精巧であり、頑丈に作られている。
「これ、かかから。」
籠に入れてきたのは、蜂蜜の瓶二種類。ひとつは、普通の蜂蜜で、もうひとつは、蜂蜜酒。叔父の好物。ドワーフは、酒豪が多く、大酒のみ。酒は水と一緒。
「ありがとう。あの人も喜ぶわ。」
瓶を受けとる。
「今、焼き上がるから。ちょっと待ってね?好きでしょ?カボチャパイ。」
「うん!」
叔母のお菓子は、絶品。残りは包んで、持たせてくれる。
カボチャパイと出されたのは、良い香りがするお茶だ。なんだこれ。
「フフ、これはね!今、巷で噂になってる肌に良いお茶なの!この店で取り扱ってる品物は、どれもすごいの!美容品を扱ってて、特におすすめなのが!!」
叔母が興奮ぎみに語る。圧倒される。
帰りは乗り合い馬車まで送ってくれた。
「この子をビルマまでお願いね。」
御者に伝える。
母からお使いを出されていた白樺の木も貰えたし、カボチャパイも貰えた。あと白熱していた件のお茶と必ずや渡すのよ?と言われた石鹸など、少し。叔母が無事につくようにと、額にキスをくれた。
サヤは、夕食に、叔母から聞いた話を母たちに話した。母たちは、想像以上に食いつく。
サヤはタジタジしながら、母たちに話した。
「何でも、このお茶はお肌で良いらしくて、お通じに良いって。で、この石鹸は、驚くほど、モチモチになるって。」
「姉さんは、どこで買ってるって?」
「ホルスってお店。美容品を扱ってて、今人気らしくて、中々、手に入らないって。噂では〝シミ”や〝シワ”が改善するって…ビクッ。」
母たちの目が変わる。
目で語り合う母たち。
「行きたいわね?」
「うむ。」
「資金はどれぐらい、用意すればいいかしら?」
母たちは真剣。兄たちは、食事に集中。気配を絶ってる。
グリードに愚痴。
「かかたち、目が恐ろしかった。」
「まあ、こっちの石鹸は、あんまり質よくねーしな。」
グリードは、庭の雑草をブチブチ、引っこ抜く。ストレス発散。
一般的な石鹸は、あの石鹸より、濁っており、当然、香りなし。それで洗わないよりはマシな程度。
「確かに香りがあるといいよね。石鹸は、あんまり香りがしないのが、当たり前だと思ってた。」
「まあな。たぶん、話を聞く限り、その〝シワ”や〝シミ”に効くような代物は、多分、美容液や保湿液とかの効能が同じじゃん?こっちで作れたのは、スゲーな。まさか、異世界?まあいいや。深掘りは良くない良くない。」
「あんたたち、何の話をしてるの?」
グリードが固まり、サヤは目を見開く。
グリードの姉のクラリスである。
村一、二番の美少女。
「ねえ?石鹸の話をしてたわね?何の話。」
サヤは口ごもる。グリードは、姉撤退の策を頭で計算中。
「グリード?あたしに嘘をつくなんて、やらないわよね?」
「…まさか。」
「サヤと話していたことを洗いざらい、話なさい。」
姉とは時に弟に理不尽である。
グリードが締められてる横で、サヤが暴露した。
そんなものがあるのね?と嬉々として、クラリスは母に告げに向かった。
「グリード?生きてる?」
「…死ぬ。」
首を絞められ、寸前で、お花畑が見えたグリードはグッタリ。
ゆっくり、走行。我が村は、のどかで田舎なので、店もこじんまりとした店が多く、自慢の村の店と言えば、大食堂の伽藍堂と言う店で、出される料理は、何でも美味しい。
隣村についた。母に渡されたお金を連れてきてくれた人に渡す。ロバに可愛いとなで回す。
「可愛い。」
「ありがとう。お嬢さん。」
ロバと別れを惜しみながら、叔母の家へ向かう。
叔母の住む家は、工房兼住居の建物で、叔父が、建築家である。
緑色の屋根が目印。ちなみに、中は、叔母の趣味らしい家具と、インテリアで纏められていて、まるで、おとぎ話のように可愛らしい様相。
スカートをバンバン払い、深呼吸。
ベルを鳴らす。
すると、叔母が直ぐに出迎えてくれた。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。」
「入って。」
叔母は、母と容姿が似ていて、血の濃さがわかる。姉妹と直ぐにバレるぐらいに似てる。
リビングに通される。叔父手作りの家具は、精巧であり、頑丈に作られている。
「これ、かかから。」
籠に入れてきたのは、蜂蜜の瓶二種類。ひとつは、普通の蜂蜜で、もうひとつは、蜂蜜酒。叔父の好物。ドワーフは、酒豪が多く、大酒のみ。酒は水と一緒。
「ありがとう。あの人も喜ぶわ。」
瓶を受けとる。
「今、焼き上がるから。ちょっと待ってね?好きでしょ?カボチャパイ。」
「うん!」
叔母のお菓子は、絶品。残りは包んで、持たせてくれる。
カボチャパイと出されたのは、良い香りがするお茶だ。なんだこれ。
「フフ、これはね!今、巷で噂になってる肌に良いお茶なの!この店で取り扱ってる品物は、どれもすごいの!美容品を扱ってて、特におすすめなのが!!」
叔母が興奮ぎみに語る。圧倒される。
帰りは乗り合い馬車まで送ってくれた。
「この子をビルマまでお願いね。」
御者に伝える。
母からお使いを出されていた白樺の木も貰えたし、カボチャパイも貰えた。あと白熱していた件のお茶と必ずや渡すのよ?と言われた石鹸など、少し。叔母が無事につくようにと、額にキスをくれた。
サヤは、夕食に、叔母から聞いた話を母たちに話した。母たちは、想像以上に食いつく。
サヤはタジタジしながら、母たちに話した。
「何でも、このお茶はお肌で良いらしくて、お通じに良いって。で、この石鹸は、驚くほど、モチモチになるって。」
「姉さんは、どこで買ってるって?」
「ホルスってお店。美容品を扱ってて、今人気らしくて、中々、手に入らないって。噂では〝シミ”や〝シワ”が改善するって…ビクッ。」
母たちの目が変わる。
目で語り合う母たち。
「行きたいわね?」
「うむ。」
「資金はどれぐらい、用意すればいいかしら?」
母たちは真剣。兄たちは、食事に集中。気配を絶ってる。
グリードに愚痴。
「かかたち、目が恐ろしかった。」
「まあ、こっちの石鹸は、あんまり質よくねーしな。」
グリードは、庭の雑草をブチブチ、引っこ抜く。ストレス発散。
一般的な石鹸は、あの石鹸より、濁っており、当然、香りなし。それで洗わないよりはマシな程度。
「確かに香りがあるといいよね。石鹸は、あんまり香りがしないのが、当たり前だと思ってた。」
「まあな。たぶん、話を聞く限り、その〝シワ”や〝シミ”に効くような代物は、多分、美容液や保湿液とかの効能が同じじゃん?こっちで作れたのは、スゲーな。まさか、異世界?まあいいや。深掘りは良くない良くない。」
「あんたたち、何の話をしてるの?」
グリードが固まり、サヤは目を見開く。
グリードの姉のクラリスである。
村一、二番の美少女。
「ねえ?石鹸の話をしてたわね?何の話。」
サヤは口ごもる。グリードは、姉撤退の策を頭で計算中。
「グリード?あたしに嘘をつくなんて、やらないわよね?」
「…まさか。」
「サヤと話していたことを洗いざらい、話なさい。」
姉とは時に弟に理不尽である。
グリードが締められてる横で、サヤが暴露した。
そんなものがあるのね?と嬉々として、クラリスは母に告げに向かった。
「グリード?生きてる?」
「…死ぬ。」
首を絞められ、寸前で、お花畑が見えたグリードはグッタリ。
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