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第4話

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グリードが神から貰ったらしい建物は、控えめに言っても、お貴族様の建てるような家だと思う。
腹の据えかねた神だから、これぐらいはして貰ったと言う彼に、んーと頷く。
その神の名前は誰だろうと一時期、思ったが、やめた。
家の国では、様々な神がいるが、一人一人にちゃんと名前と役目があり、神殿で祭られている。
信心深い信徒ではないので、黙秘に限る。
伊達に家具職人の母を持っていないサヤだが、使われている材料が、普通ならあり得ない代物だと言うこと。
床に敷き詰められてるこれは、一枚板だが、多分、聞いてはいけない気がする。あとあの窓枠。魔鉄?
どれだけの技術者があんな緻密に彫ったような枠を作ったのか。
兄達が見たら卒倒するだろう。
リビングは絶対に一階だと決めていたようで、そこには、広々とした空間に、毎回、わあと驚く、刺繍が施されてるマットの上に無慈悲に置かれたテーブル。
「ねえ。この刺繍の絨毯、踏んだら、痛んじゃう。」
「絨毯は敷くもんだろ。」
「だってさ、見なよ!この刺繍。複雑な図柄で、しかもこんなに糸を使ってる。売ったら、一攫千金になるぐらいのだよ。」
これは、スパイダーネットでやったのかな?違うかな。この毛並みみたいな生地はなんだろうな?
「お前の作ったのも、別で使ってるぞ。」
「恐れ多いんですけど。」
まだ完成してないこの秘密基地。
家具なども、まだまだ。
サヤは極一般的な生地に糸を使って、花の図柄を刺繍した。生まれて初めての大きな絨毯に刺繍を施した。時間が掛かった一品だ。
ドワーフ根性で乗りきった!ナメるでない。
「ゆっくりしようぜ。夕方までに帰りゃいいんだからさ。」
「うん。」
「ほら。刺繍やるなら、持ってきてやるよ。」
ここに置いてきてるサヤの裁縫箱。刺繍作りが好きな娘のために、母が、余った布や糸などを回してくれる。
持ってきてくれた。
グリードは暇だからと横で木彫りし始めた。兄達が仕切りに家に来いよって言ってるが、本人は、素人だと首を振ってる。
サヤは、枕カバーの刺繍作りをする。ちなみに、このフカフカの椅子の生地は聞かない方が良いのだろう。第六感が言ってる。
冒険者の兄が云った!己の勘に頼れと!!
賢明な妹は兄の言うことを胸に誓う。

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