4 / 15
第4話
しおりを挟む
グリードが神から貰ったらしい建物は、控えめに言っても、お貴族様の建てるような家だと思う。
腹の据えかねた神だから、これぐらいはして貰ったと言う彼に、んーと頷く。
その神の名前は誰だろうと一時期、思ったが、やめた。
家の国では、様々な神がいるが、一人一人にちゃんと名前と役目があり、神殿で祭られている。
信心深い信徒ではないので、黙秘に限る。
伊達に家具職人の母を持っていないサヤだが、使われている材料が、普通ならあり得ない代物だと言うこと。
床に敷き詰められてるこれは、一枚板だが、多分、聞いてはいけない気がする。あとあの窓枠。魔鉄?
どれだけの技術者があんな緻密に彫ったような枠を作ったのか。
兄達が見たら卒倒するだろう。
リビングは絶対に一階だと決めていたようで、そこには、広々とした空間に、毎回、わあと驚く、刺繍が施されてるマットの上に無慈悲に置かれたテーブル。
「ねえ。この刺繍の絨毯、踏んだら、痛んじゃう。」
「絨毯は敷くもんだろ。」
「だってさ、見なよ!この刺繍。複雑な図柄で、しかもこんなに糸を使ってる。売ったら、一攫千金になるぐらいのだよ。」
これは、スパイダーネットでやったのかな?違うかな。この毛並みみたいな生地はなんだろうな?
「お前の作ったのも、別で使ってるぞ。」
「恐れ多いんですけど。」
まだ完成してないこの秘密基地。
家具なども、まだまだ。
サヤは極一般的な生地に糸を使って、花の図柄を刺繍した。生まれて初めての大きな絨毯に刺繍を施した。時間が掛かった一品だ。
ドワーフ根性で乗りきった!ナメるでない。
「ゆっくりしようぜ。夕方までに帰りゃいいんだからさ。」
「うん。」
「ほら。刺繍やるなら、持ってきてやるよ。」
ここに置いてきてるサヤの裁縫箱。刺繍作りが好きな娘のために、母が、余った布や糸などを回してくれる。
持ってきてくれた。
グリードは暇だからと横で木彫りし始めた。兄達が仕切りに家に来いよって言ってるが、本人は、素人だと首を振ってる。
サヤは、枕カバーの刺繍作りをする。ちなみに、このフカフカの椅子の生地は聞かない方が良いのだろう。第六感が言ってる。
冒険者の兄が云った!己の勘に頼れと!!
賢明な妹は兄の言うことを胸に誓う。
腹の据えかねた神だから、これぐらいはして貰ったと言う彼に、んーと頷く。
その神の名前は誰だろうと一時期、思ったが、やめた。
家の国では、様々な神がいるが、一人一人にちゃんと名前と役目があり、神殿で祭られている。
信心深い信徒ではないので、黙秘に限る。
伊達に家具職人の母を持っていないサヤだが、使われている材料が、普通ならあり得ない代物だと言うこと。
床に敷き詰められてるこれは、一枚板だが、多分、聞いてはいけない気がする。あとあの窓枠。魔鉄?
どれだけの技術者があんな緻密に彫ったような枠を作ったのか。
兄達が見たら卒倒するだろう。
リビングは絶対に一階だと決めていたようで、そこには、広々とした空間に、毎回、わあと驚く、刺繍が施されてるマットの上に無慈悲に置かれたテーブル。
「ねえ。この刺繍の絨毯、踏んだら、痛んじゃう。」
「絨毯は敷くもんだろ。」
「だってさ、見なよ!この刺繍。複雑な図柄で、しかもこんなに糸を使ってる。売ったら、一攫千金になるぐらいのだよ。」
これは、スパイダーネットでやったのかな?違うかな。この毛並みみたいな生地はなんだろうな?
「お前の作ったのも、別で使ってるぞ。」
「恐れ多いんですけど。」
まだ完成してないこの秘密基地。
家具なども、まだまだ。
サヤは極一般的な生地に糸を使って、花の図柄を刺繍した。生まれて初めての大きな絨毯に刺繍を施した。時間が掛かった一品だ。
ドワーフ根性で乗りきった!ナメるでない。
「ゆっくりしようぜ。夕方までに帰りゃいいんだからさ。」
「うん。」
「ほら。刺繍やるなら、持ってきてやるよ。」
ここに置いてきてるサヤの裁縫箱。刺繍作りが好きな娘のために、母が、余った布や糸などを回してくれる。
持ってきてくれた。
グリードは暇だからと横で木彫りし始めた。兄達が仕切りに家に来いよって言ってるが、本人は、素人だと首を振ってる。
サヤは、枕カバーの刺繍作りをする。ちなみに、このフカフカの椅子の生地は聞かない方が良いのだろう。第六感が言ってる。
冒険者の兄が云った!己の勘に頼れと!!
賢明な妹は兄の言うことを胸に誓う。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる