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志望校を決める
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父から出された条件には、家から通える範囲で近い公立に行くこと。
勿論、それは考えていた。
やはり、行きにくい場所に、3年間も行くとなると、交通便利が良い所がいい。
加えて、考えているのは、校則が、緩めな所がいいと思っている。
柊谷院にも校則はあるものの、比較的、自由だった為に、ギチギチに厳しいところになると、折角の高校生活に影を落とすかも知れない。
パンフレットには、制服やら、細々とした校則に、偏差値等が記載されていて、中々、面白い。
「本当に別のところにいくの?」
姉と通うことを楽しみにしていたチカは、ここ最近、御機嫌ななめ。
チカとは、まだ一年間、一緒に行けるが、気持ちは、そう簡単ではないのだろう。
「一年生のチカの姿は、焼き付けるよ。」
可愛い妹を初等部に連れていくのは、全然、構わないし、役目だとすら、思う。
「他のところなんて、行かなくてもいいと思う。」
フンッと焼きもちを妬いたようで、パンフレットを隠そうとする。
「ごめん。3年間だけ、お姉ちゃんの好きにさせてくれない?」
「…やーよ。」
プクッ。両親よりも、妹の説得が、手強い。
第一候補は、共学であり、制服はあるものの、私服でもオッケーな比較的自由な校則で、尚且つ、そうは言っても、偏差値は、それなり。
都立、鳳高校。
家からも交通機関を使用すれば、そんなに遠くない。
他にも幾つか、候補が浮かぶが、そもそもが、父を納得出来そうな偏差値の学校ではないことと。(別に低いから悪いって訳じゃない。)
しばらく、パンフレットとにらめっこ。
「お姉ちゃんったらひどいんだよ!」
ひしっと、抱きつき、文句をたらたらと喋るチカは、同じ保育園で、同じ初等部に通うことが、決まっている幼馴染みの久住香夜(くすみきょうや)は、チカの愚痴に、嫌な顔をせずに聞いている。
お招きされて、雪平家のリビングまで、来たが、チカは、用意されている高級なケーキに手をつけずに、香夜に くっついてる。慣れた様子で、淹れてくれたお茶を飲みながらも、チカの背中を擦る。
「チカ、香夜を離してあげたら?ケーキ、食べれないよ?」
「お姉ちゃんはもっと、チカのことを考えて!」
「チカちゃんは、こゆきちゃんのこと好きだもんね?」
「香夜くん。君は、妹に甘いのでは?」
「お互い様ですよね?」
香夜は、フフと笑いつつ、チカに、ケーキ、美味しそうだよといい、サクサクのパイケーキをフォークで、割り、チカの口にやる。
十中八九、香夜は、将来イケメンになるだろうと言われるほど、顔が整いすぎていて、自分もそうだが、気を抜いてると、表情が、怖い。
「僕にはまだ理解できないけど、きっと、考えがあるんだよ。柊谷院の学校じゃあ、満足にならない理由がね。」
「君、ほんと、まだ幼稚園児?」
実は、中から、大人が入ってますと言われても、納得しちゃいそう。
「それに僕は、同じクラスになれるか、ドキドキしてるよ。」
「そうだね!チカもいつもお願いしてるよ!」
こればかりは、担当する人の采配だ。
持ち上がりなので、せめて、気の合う子達で、同じだと、安心する。
「へえ?ここでいいの?」
書斎で仕事を済ませていた父に、志望校を告げた。
「うん、鳳なら、電車に乗れば、然程でもないし、自由な校則って言うのが一番の決めどころ。偏差値もそれなりだしね。」
「玲子には伝えたの?」
「勝手にしなさいって。」
「言いそうだね。」
母は、己が決めたことに、責任を持てと、常々、口にしている。選択を誤っても、それは、自分が悪い。誰のせいでもない。
「僕も柊谷院卒だから、一般は知らないから、人伝にしか、わからない。だから、心配部分が強いけど、君が決めたなら、頑張りなさい。」
「はい。」
180度違うだろう、環境下で、頑張らねばならない。それでも得難い何かが、得られるのではないのかと、密かに思う。
余談だが、受験そのものよりも、可愛い妹の説得のほうが何よりも、手強く、骨を折った。
勿論、それは考えていた。
やはり、行きにくい場所に、3年間も行くとなると、交通便利が良い所がいい。
加えて、考えているのは、校則が、緩めな所がいいと思っている。
柊谷院にも校則はあるものの、比較的、自由だった為に、ギチギチに厳しいところになると、折角の高校生活に影を落とすかも知れない。
パンフレットには、制服やら、細々とした校則に、偏差値等が記載されていて、中々、面白い。
「本当に別のところにいくの?」
姉と通うことを楽しみにしていたチカは、ここ最近、御機嫌ななめ。
チカとは、まだ一年間、一緒に行けるが、気持ちは、そう簡単ではないのだろう。
「一年生のチカの姿は、焼き付けるよ。」
可愛い妹を初等部に連れていくのは、全然、構わないし、役目だとすら、思う。
「他のところなんて、行かなくてもいいと思う。」
フンッと焼きもちを妬いたようで、パンフレットを隠そうとする。
「ごめん。3年間だけ、お姉ちゃんの好きにさせてくれない?」
「…やーよ。」
プクッ。両親よりも、妹の説得が、手強い。
第一候補は、共学であり、制服はあるものの、私服でもオッケーな比較的自由な校則で、尚且つ、そうは言っても、偏差値は、それなり。
都立、鳳高校。
家からも交通機関を使用すれば、そんなに遠くない。
他にも幾つか、候補が浮かぶが、そもそもが、父を納得出来そうな偏差値の学校ではないことと。(別に低いから悪いって訳じゃない。)
しばらく、パンフレットとにらめっこ。
「お姉ちゃんったらひどいんだよ!」
ひしっと、抱きつき、文句をたらたらと喋るチカは、同じ保育園で、同じ初等部に通うことが、決まっている幼馴染みの久住香夜(くすみきょうや)は、チカの愚痴に、嫌な顔をせずに聞いている。
お招きされて、雪平家のリビングまで、来たが、チカは、用意されている高級なケーキに手をつけずに、香夜に くっついてる。慣れた様子で、淹れてくれたお茶を飲みながらも、チカの背中を擦る。
「チカ、香夜を離してあげたら?ケーキ、食べれないよ?」
「お姉ちゃんはもっと、チカのことを考えて!」
「チカちゃんは、こゆきちゃんのこと好きだもんね?」
「香夜くん。君は、妹に甘いのでは?」
「お互い様ですよね?」
香夜は、フフと笑いつつ、チカに、ケーキ、美味しそうだよといい、サクサクのパイケーキをフォークで、割り、チカの口にやる。
十中八九、香夜は、将来イケメンになるだろうと言われるほど、顔が整いすぎていて、自分もそうだが、気を抜いてると、表情が、怖い。
「僕にはまだ理解できないけど、きっと、考えがあるんだよ。柊谷院の学校じゃあ、満足にならない理由がね。」
「君、ほんと、まだ幼稚園児?」
実は、中から、大人が入ってますと言われても、納得しちゃいそう。
「それに僕は、同じクラスになれるか、ドキドキしてるよ。」
「そうだね!チカもいつもお願いしてるよ!」
こればかりは、担当する人の采配だ。
持ち上がりなので、せめて、気の合う子達で、同じだと、安心する。
「へえ?ここでいいの?」
書斎で仕事を済ませていた父に、志望校を告げた。
「うん、鳳なら、電車に乗れば、然程でもないし、自由な校則って言うのが一番の決めどころ。偏差値もそれなりだしね。」
「玲子には伝えたの?」
「勝手にしなさいって。」
「言いそうだね。」
母は、己が決めたことに、責任を持てと、常々、口にしている。選択を誤っても、それは、自分が悪い。誰のせいでもない。
「僕も柊谷院卒だから、一般は知らないから、人伝にしか、わからない。だから、心配部分が強いけど、君が決めたなら、頑張りなさい。」
「はい。」
180度違うだろう、環境下で、頑張らねばならない。それでも得難い何かが、得られるのではないのかと、密かに思う。
余談だが、受験そのものよりも、可愛い妹の説得のほうが何よりも、手強く、骨を折った。
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