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土産(1)
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毎回毎回、この世の終わりのように、泣き叫ぶリーサ。慣れている保護者は動じない。
「また来るわね。お土産、ありがとう。」
来た時よりも、荷物が多いぐらいに持たされた。大半は、畑で取れた新鮮な野菜や果物。
「リーサは大丈夫?」
「ベイビーはいつもああだから。」
わんわん、泣くリーサをサラトガが抱っこ。
ツェリ毎度、毎度、諦めなさいなと嗜めている。
「また遊びに来て頂戴ね。」
フィルの母親が、にこやかに微笑み、強面ながらも、フィルの父親が、頭を撫でる。
「わーん。」
「あなた、いつになったら、泣かずに別れられるの?」
ツェリは、鼻を垂らす娘に、ティッシュで拭く。
無事についた。
ごまんと貰ったお土産の仕分けと、泊まった荷物の整理を、片付けねばならない。
「あー。漬物。」
「蓋を開けないの!」
「美味しいと言ったから、入れてくれたのね。」
自分たちの荷物の片付けをそっちのけで、土産に、手を出す者たちに、フィルが、待ったをかける。
目を離すと、いつもこれ。
「あなたたちは、まだ仕事があるのよ!汚れ物を分けて、洗濯かごに入れなさい!それから、家を開けていたのだから、窓を開けて、換気するわ。手伝って頂戴。」
「えー。まだ休みたい!」
「ぶつくさ、言わないの!」
ブーブー、文句が飛び交うが、無視。
「これ、アルクとメルバがくれたの!」
「大事にしないとね。しまっておきな。」
アルクとメルバがリーサのために、綺麗なおはじをくれた。マリーンブルと翡翠色の綺麗なおはじきだ。
「母さん、奥の窓の仕切り、立て付け、悪いかも知れない。ちょっと開けにくい。」
「あら。本当?」
「コツさえあれば、開けられるんだけど。」
お利口な上たちは、素早く、行動。
文句が減られない、下の子たちは、ダラダラしながらも、行動を開始。
「リーサのミステリー・ヴェンデ。」
泊まり中も持っていき、魔力を与えていたお陰で、ちょっとニョッキとみどりの葉っぱが生えてきた。
まだ花は咲かないが、楽しみである。
日当たりの良いとこに置いておく。
お土産のつまみ食いを防止策で、魔法を掛けられていたが、見事に引っ掛かったスペンサーと、後ろで、悲鳴をあげるリーサ。
それは、ハムの燻製で、フィルの父親が作ったもの。
「ぎょわー!」
「スペンサー!ベイビー!」
帰宅初のお説教である。
「滞在中は勿論だけど、お土産の食べ物なんて、食べたら止まらないから、つい、食べ過ぎてしまうのよね。自制が効かないわ!」
持たされた、ピーチ・ポークと言う豚の魔物のお肉の塩漬けを頂きながら、舌鼓。
子供たちは一心不乱に肉にかぶりついている。
「こんなに要らないと言ってるのにくれるのよ…。」
「ふふ。嬉しいじゃないか。」
いつまでも可愛い娘のために、土産をたくさん、あげようとする親心。
冷蔵庫には、お土産で、ぎゅうぎゅう詰め。
まあ、見渡す限り、食べ尽くしてしまうとわかるけど。
頬をパンパンに、肉にかぶりついたリーサは、幸せそうである。
「また来るわね。お土産、ありがとう。」
来た時よりも、荷物が多いぐらいに持たされた。大半は、畑で取れた新鮮な野菜や果物。
「リーサは大丈夫?」
「ベイビーはいつもああだから。」
わんわん、泣くリーサをサラトガが抱っこ。
ツェリ毎度、毎度、諦めなさいなと嗜めている。
「また遊びに来て頂戴ね。」
フィルの母親が、にこやかに微笑み、強面ながらも、フィルの父親が、頭を撫でる。
「わーん。」
「あなた、いつになったら、泣かずに別れられるの?」
ツェリは、鼻を垂らす娘に、ティッシュで拭く。
無事についた。
ごまんと貰ったお土産の仕分けと、泊まった荷物の整理を、片付けねばならない。
「あー。漬物。」
「蓋を開けないの!」
「美味しいと言ったから、入れてくれたのね。」
自分たちの荷物の片付けをそっちのけで、土産に、手を出す者たちに、フィルが、待ったをかける。
目を離すと、いつもこれ。
「あなたたちは、まだ仕事があるのよ!汚れ物を分けて、洗濯かごに入れなさい!それから、家を開けていたのだから、窓を開けて、換気するわ。手伝って頂戴。」
「えー。まだ休みたい!」
「ぶつくさ、言わないの!」
ブーブー、文句が飛び交うが、無視。
「これ、アルクとメルバがくれたの!」
「大事にしないとね。しまっておきな。」
アルクとメルバがリーサのために、綺麗なおはじをくれた。マリーンブルと翡翠色の綺麗なおはじきだ。
「母さん、奥の窓の仕切り、立て付け、悪いかも知れない。ちょっと開けにくい。」
「あら。本当?」
「コツさえあれば、開けられるんだけど。」
お利口な上たちは、素早く、行動。
文句が減られない、下の子たちは、ダラダラしながらも、行動を開始。
「リーサのミステリー・ヴェンデ。」
泊まり中も持っていき、魔力を与えていたお陰で、ちょっとニョッキとみどりの葉っぱが生えてきた。
まだ花は咲かないが、楽しみである。
日当たりの良いとこに置いておく。
お土産のつまみ食いを防止策で、魔法を掛けられていたが、見事に引っ掛かったスペンサーと、後ろで、悲鳴をあげるリーサ。
それは、ハムの燻製で、フィルの父親が作ったもの。
「ぎょわー!」
「スペンサー!ベイビー!」
帰宅初のお説教である。
「滞在中は勿論だけど、お土産の食べ物なんて、食べたら止まらないから、つい、食べ過ぎてしまうのよね。自制が効かないわ!」
持たされた、ピーチ・ポークと言う豚の魔物のお肉の塩漬けを頂きながら、舌鼓。
子供たちは一心不乱に肉にかぶりついている。
「こんなに要らないと言ってるのにくれるのよ…。」
「ふふ。嬉しいじゃないか。」
いつまでも可愛い娘のために、土産をたくさん、あげようとする親心。
冷蔵庫には、お土産で、ぎゅうぎゅう詰め。
まあ、見渡す限り、食べ尽くしてしまうとわかるけど。
頬をパンパンに、肉にかぶりついたリーサは、幸せそうである。
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