小さなベイビー、大きな野望

夏休みの予定を立てるのは、いつも楽しみ

宿題の采配もあるため、長い夏休みの予定の計画を立てなければいけない。
行き先は大体、決まっている。
必ず、フィルの生家であるプラネット家、ハルベルの隠居先、ロッシュヴォークの隠居先に向かうことは、折り込み済み。
フィルの生家であるプラネット家はそう遠くないので、早めにいく予定。
フィルの両親はそちらに合わせるからと言ってくれる。
大体は、そんなに日常的に変わらない日々を送る予定だ。
フィルの母親が、自慢の料理を並べ、無口な父親が孫たちの為に、庭園で育てている果物を採取し、食べさせてくれる。
ちなみにリーサは、血の繋がりは一切無いが、毎年、甘え倒す。

次に、これは、どちらか先かは、その年によるが、ハルベルの隠居先に行くときは、雄大な土地を持つ屋敷にお泊まりをし、孫娘に、教育を施したいが、毎年、出来ない祖母の葛藤がついて回る。
ちなみにリーサは、祖母と遊んでる気分なのだ。
静かな場所にあり、近くには湖畔があって、水辺で、遊べる。誰か必ず、ビシャビシャになるが、ご愛嬌。
実家だが、ツェリは、母による積もりに積もったお説教は大嫌いであり、マルクスやデニエルに庇って貰う。
リリーエ主催のガーデンパーティーがある。
拘り抜いたオシャンなもので、流行りものや伝統的なものを織り交ぜ、楽しませる。
説教を漏れなく、貰ったら、デニエルに庇って貰う算段で毎年、行くつもりのリーサ。

ハルベルの隠居先は、ダグラスが余生は静かな土地に移り住みたいと願望を口にし、別荘を改築して、移り住んだ。
近くには沢が流れており、動植物がたくさん生息しているが、鳩だけは、ロッシュヴォークの隠居先に現れない。なぜなら、リーサが苦手だからである。
鳩をあまりにも、苦手意識を持つ孫娘のために、魔法を掛けたのだ。
ただ、ダグラスの隠居先を襲うバカもいない。
そこには、有名なドラゴン、ゴルトアが守護してるし、他にもペットがいる。アルミンが、可愛いと大絶賛するドラゴンモドキの群れと室内犬を飼っている。かなり賢く忠実で、許可ない人間が立ち入れば、噛みつくが問題ない。
今のところ、死人は出てないと言う。
ちなみに今年は、リーサは、ロッシュヴォークの敷地内でセミの脱け殻を取る予定だ。ハルベルでやると、リリーエが嫌がる。


「おばちゃんのままとパパの間にねるー。｣
「どうしようかしらね。母さんたちは合わせてくれるって言っていたわ。」
「そうだね。んー、この辺りはどうかな。｣
「もうちょっと長くいようよー。｣
「わがままはダメだよ。ベイビー。…ベイビー。どこからそれ、持ってきたの？まだ行かないよ？プールはまたあとでね。｣
ゴムプールを持ってるリーサに言う。満喫する気満々。
「リーサ。邪魔をしない。どこから、そんなものを取ってきた？」
「あー。リフがとったあ。｣
「今は要らないよ。｣
「やだあ。｣
「ベイビー。おいで。｣
マルクスに呼ばれ、大人しく待っていてねとだっこされる。
「ねえ？サラトガ、お母様にはちゃんと私はいいこにしてると言ってね。｣
「もちろん。｣
絶対よ？と今から、母による積もりに積もったお説教を免れるために、必死。
「ばあちゃんは問題ないけど、リリーエおばあ様がいちゃ、おちおち、寝坊出来ない…！｣
「普段からするなよ。｣
漏れなく、リリーエの説教が大嫌いなスペンサーは、顔が真っ青。


「確か、お父さんが収穫する果物の時期がこの辺りがいいと思うから、家にいって、…リリーエ先生の話では、今年は快適な風も頻繁に来るといっていたし、次に行って…最後はダグラスおじ様のところに行きましょう。｣
「そうだね。｣
細かい予定の擦り合わせ。