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フィルフリーク
しおりを挟む「ナメるんじゃないわ!リーサは、生まれてから、ずっと、フィルフリークよ!この私をもっと優先したらいいわ!と思うほどにね!!」
稲妻をぶち落とし、高らかに宣言するツェリ。
「貴女みたいなバカは、呆れるほどいるものよ!うざったいわ!」
ツェリによる独壇場。そばにリーサがいるが、リーサは、母を止めない。
「あー。忌々しいわ!」
ブスブスと辺りは焼け焦げてる。
気づいたロクサスが青ざめて、飛んできた。
「ツェリおば様、落ち着いて。家に戻ろう。」
「あら。ロクサス。」
「リーサ、おいで。」
ロクサスのがっしりとした腕に抱っこされる。
事の発端は数年前に戻る。
当時、歩き始めたばかりのリーサは、フィルから離れたことはなく、昼寝から起きても、探してしまうほどだった。
よく、ツェリからは、もっと私にべったりでもいいのにと言いつつ、仲は大変良好。
リーサはその日も覚束ない足取りで、フィルを探していたら、玄関先で、誰かと、やり取りしてるフィルを見つけ、だっこして貰うために近づいた。
それが悪かったのだろう。
リーサは、いつものフィルの顔が、ぎこちなく、感じた雰囲気で、扉の先では、剣呑とした雰囲気。
フィルに捲し立てるような口調で、責め立てていた。
初めて、リーサは、フィルにたいして、そのような真似をする輩に驚き、フィルを怖がらせてる人物がただ、嫌であった。
「いやああー!」
「!?」
「ベイビー!!」
慌てて、リーサに気づき、だっこする。
「何ですか?やっぱり、躾のなってない!だから、貴女はー!」
「キライ!!キライ!」
リーサが生まれてから初めて、他人にキライだと発言し、攻撃したのだ。幼児期にある魔力暴走。コントロールがまだできない幼い子によくありがちであり、大抵は、大人の魔力で消せる。が、リーサは、後にガルガンズを身に宿らせる程の魔力を持つ子だった。その女に向かい、母のように雷を落とした。と言ってもスレスレ。
途端に悲鳴をあげる。
腰を抜かし、訴えてやるわと叫ぶ彼女に追撃するように、雷が追いかけていく。
泣き叫ぶリーサを必死にあやすフィル。
そこに帰宅したツェリが何事?と近寄ると、雷に追い掛けられてる人物に気づいた。
「ー!あなた、私のいない隙に、フィルに近寄ったわね!」
彼女の災難は、ツェリと遭遇したこと。リーサの魔力以上に、稲妻を落として、彼女は、雷恐怖症を発症したそうだ。
ざまあない。
「総じてバカはいるものだわ。リーサ。」
ツェリから、講義を受ける。
「口でわからないやつは、大抵は何を言おうとも、こちらの意見なんて、聞いたりはしないわ。だからこそ、理解できないのよ。たまにいるのよ。フィルに近寄って、散々なことを言う馬鹿な連中は!」
リーサは幼いながらも、頷いた。
「気に入らないね?フィルに近づいたそうじゃないか?え?ツェリに攻撃を受けた?フフ。ツェリはフィル想いのいいこでね。ベイビーもフィルが大好きで…仕方ないよね?フィルに手を出そうとするのだから、慰謝料?バカを言わないでくれ。こちらも弁護士を雇ってるんだ。戦うかい?」
マルクスは相手に一瞬にした。
「ツェリだからこそ、あれで済んだのだから。まだ終わらせないよ?」
マルクスは微笑んだ。
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