小さなベイビー、大きな野望

春子

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オカルト

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季節になると、途端にやり始めるホラー番組。
リーサは好きで、よく観ている。
双子も好きで一緒に観賞。

幽霊なんて、一度も見たことはないが、いないとは限らない。
今、やってる番組では、廃墟と化した、とある屋敷の探索。
幽霊が毎夜、出てくると噂らしい。リポーターが先陣に、恐れることを知らず、進んでいく。

「ねえ。マッキー、オルドー、幽霊にあったら、どうする??」
「は?ンー。叫ぶ…?」
「叫ぶじゃないか?不気味だし。」
幽霊にあったらどうしよう。テレビでは、幽霊はお構い無しに出てくるし、何よりも、此方の事情を汲んでくれない。
聞き耳持たない霊だと更に厄介。
あと、何であんなに、目が真っ黒なんだろう?
丁度番組では、物陰を見たとかで、そちらに移動。
専門家の話では、大人より、子供の方が厄介らしい。
「リーサ!!見てみろ。画面。」
ばっと画面に食いつく。
「ぎゃーっ!!!」
彼方から、あり得ないほどに速い速度で、向かってくる、裸足の少年の霊。
リポーターの阿鼻叫喚。ブレブレなカメラマンたち。
ケタケタ笑う笑い声。
「これ、作り話?」
「さあ?にしては、リアルな気もするし。」
「ぎょわー。マッキー、オルドー、この子。首が逆ー!」
「こわっ。事故映像じゃんか。」
固まるリーサ、双子は画面に釘つけ。
「あなたたち、飽きないわね。そんなの見て。」
ツェリは、良さがわからないわと、爪のメンテ中。
「ままは、幽霊、怖くないの?」
「怖くないわ。」
「じゃあ。この子に追いかけられたら?」
「稲妻を落としてやるわ。人様を怖がらせるなんて、悪趣味じゃないの?」
「霊に雷、効くの?」
「知らないわ。ダメなら、聖者の聖水をぶっかけるわ。ちょっとは気が晴れるわ。」
「お家まで来ちゃったら?」
「不法侵入で訴えるわ。」
なに、我が家に土足で踏み込むのか。権利が無いくせに、生意気である。
「ツェリおば様…。」
「人の嫌がることをするのが、そもそも悪いんだわ。ねえ。それより、このテレビで、男の子ばかりに注視してるけれど、リポーターにずっと引っ付いてる女の子は無視なの?」
「…え?」
画面に戻る。女の子等、いない。
双子とリーサの叫ぶ声がリビング中に響いた。
うるさいわとツェリは注意。
「見間違いでしょ?」
「見間違いじゃないわ。だって、今もリポーターに引っ付いてるわ。笑ってるわよ。目は窪んでるけど。この辺りでは見ない系統の顔立ちね。多分、女の子の方が古株じゃないのかしら?」
「ぎゃあああー。」
2度目の叫ぶ声がリビング中に響き回る。
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