小さなベイビー、大きな野望

春子

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新聞

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日課の新聞を読んでると、膝に登ってくる可愛い姪っ子。
例え、内容はわかっていなくとも、頷く姿は、かわいらしい。
「むう?あ!!おじちゃん。これ、フランツおじちゃんだよ!!」
「え。どれ?」
見出しに写真は掲載されてはないが、どうやら、フランツが管轄する隊と南の地方にある部隊との合同訓練があるらしい。
「なんで、フランツおじちゃんの写真がないの!!」
プンスカ、怒る姪に、そうだねと頷く。
可愛い弟の勇姿をきちんと、撮すべきだ。
リーサの眉はギュっと強くなってるので、さすさすと、撫でる。
「ハッ。フランツおじちゃん、恥ずかしかったのかな?」
「ふふ、どうかな?」
「この合同訓練ってやつになったら、写真、撮るかな?リーサも見に行きたい。」
内容は極秘扱いで、関係者以外立ち入り禁止。
気持ちはわかるが、入れない。
「この南の地方にある部隊って?」
「ああ、フランツのいるキングブレストと対になる砂丘にあるサンドブルクと言う場所で、監視してる。隊長は、゙灼熱のリヴァイ"。」
「ふーん?でもフランツおじちゃんのが格好いいでしょ?」
「もちろんだわ。」
バーンと出てきたツェリ。毎度お馴染み、寝坊。
「ツェリ。休みだからって遅すぎよ!」
「お兄様、その新聞を見せて?」
「残念ながら、写真はないんだ。」
「なんですって?わかってないわ。」
「わかってないのは、貴女よ!ツェリ。」
「朝から怒らないでちょうだい。」
「何度も言っても治らないからでしょ!!新聞は食べてからなしなさい!」
「横暴だわ。フィル。」
フィルにより、新聞は没収。
怒られたくないリーサは、自分の席に座り直す。
「お兄様に怪我をさせたら、許さないわ。」
「それじゃあ、訓練になんて、ならないって。」
誰かの呟きは、都合よく、聞こえてない。
「合同訓練なんて、数年ぶりだよね。よく、やろうと思ったね。たしか、前は、合同訓練場所が修理不可になったよね。」
「フランツお兄様の素晴らしい魔法が、訓練所には、湛えられなかったのよ。わかるわ。」
「上から言われたようだけど、まあね、フランツの気晴らしになるなら、いいんじゃないかな?あの土地にずっと、閉じ込められてるより。」
可愛い弟の勇姿を見れないのは、残念だが、誰よりも、応援してる。
「見に行きたいなあ。」
「ベイビー、フランツはお仕事なの。めっ。」
リーサは、ふくれ面しながら、フィル特製のサンドイッチを齧る。
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