小さなベイビー、大きな野望

春子

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ロザリー・ミレアム

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ギルドの解体部門で働く、マリーウェザーの姉にあたるロザリーは、ギルドマスターと副マスターに呼ばれた。ロザリーは、マリーウェザーの顔と同じで、身長が高くなっただけのミレアムの血を脈々と受け継ぐ長女。
「見学ですか?」
「そうです。まあ。毎年恒例の見学ですから、そんな心配事は、あまり、ありませんが。」
副マスターは、中年のおじさんで、清潔のある洋服を身に付けている。ちなみにこのギルトでの良心。
「ですがね?今年は、少し厄介で …。」
「厄介?」
「甘えん坊四銃士が来るのです。」
ギルトでも有名な子供たち。一人は遠縁である。
「バッグに誰がいるか、想像がつくでしょう?」
確かに何かあれば、黙るような保護者たちではない。理不尽に怒ることはないが。
「それで?あたしが呼ばれた理由は何ですか?」
「あなたに、案内を頼みたいのです。マスターとも話しましたが、あなたが最適だと、考慮致しました。しかも一人はあなたの親戚の子。手懐けられますね?」
「んー。まあ。言い聞かせりゃあ、大丈夫ですよ。それより、背後で、死んでるギルトマスターを気にした方が良い?」
「仕事サボり魔には馬車馬のように働いて貰ってるだけなので、お気になさらず。」
マスターは元冒険者上がり。実力はSランクまで登り詰めた男だが、興味の引くような事柄ではないと、集中力が欠ける。
「実は、あたしんとこに、皆の保護者から手紙が来ましてね?大丈夫、当日はこのあたし、ロザリー・ミレアムにお任せください。」
「期待してますよ!」
「もちろん。」
ロザリーは面倒見が良く、甘えん坊たちに懐かれている。
ロザリーは、ニカッと笑う。



「ロザリーねえ様の仕事ぶりが見られるなんて、楽しみだわ!」
マリーウェザーは、姉が自慢。
「期待しておきなよ!それよりアンタ。リーサたちの面倒を一緒に見てよ。手が回らない可能性はあるからね。」
「でも、ロザリーねえ様、アイツもいるのよ。」
マリーウェザーのクラスには、ルーシリアがいる。これまたサボり魔。
「あいつはまだサボり魔癖があるのかい?ダメだね。うちのギルトマスターになっちまうよ。」
「成績は良いのだから、真面目に受ければいいのに!」
「ふう。叩き込まなきゃいけないかね?」
ロザリーは、ため息をつく。


「いいか?リーサ、あのギルドにはロザリーがいるんだからな?」
「ロザリーを怒らせるなよ?」
双子から、ロザリーの注意喚起を言われ、元気に頷くリーサ。
双子は知ってる。本来なら、ギルドの解体部門で働くより、かなり強い実力を持ち、荒ぶる冒険者の仲裁に何度、輪に入り、黙らせたか。
陰で呼ばれてるあだ名は、゙鮮血姫"。
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