小さなベイビー、大きな野望

駄菓子屋

今日は素敵な日である。
フィルから許可され、子供たちに大人気の駄菓子屋に行くのだ。
メンバーは、スペンサー、マッキー、オルドー、リーサ。
付添人に、ジャッキーが付き添う。
子供たちの憩いの場で、学校でも、その話題は尽きない。
この辺りの学校の生徒なら、一度は通う。
ﾞ幸せになる駄菓子屋"
店名は、そのまんまな店名だが、数百種類の駄菓子が並び、子供たちのハートを掴んでる。
ポップな店内でカラフル。
色鮮やかなあめ玉やチョコなど、瓶に入っていて、お馴染みのメーカーの小袋。ネタ用のお菓子たち。
｢いいか。リーサ。駄菓子屋に行ったら、頭がパーッてなるからな。落ち着けよ。｣
我が家は、ほぼ、フィルによる菓子がおやつに並べられるので、中々、駄菓子屋で菓子を買う機会がない。
スペンサーに言われて、神妙に頷く。
｢他の子らもいるんだから。回りに気をつけろ。｣
ジャッキーが注意喚起。
｢いざ、行くぜ。お前ら!!｣
｢イエーイ!!!｣
盛り上がる面々。



踏み込んだ瞬間、目に映る暴力的なまでの破壊力。
艶やかな色をしたお菓子が、リーサを襲う。
｢わかるぜ。まだだぞ!!気を持て!!リーサ。｣
活を入れるスペンサーは、ここはまだ徐の口だと言う。
｢ヒュー。出ました！体に悪そうだけど、うまい菓子たち!!!｣
｢!!!｣
滅多に買って貰えないジャンクと言われる菓子袋。カロリーがあり、添加物いっぱい。しかし、子供を裏切らないお味。
｢オルドー。みてみろよ。新発売だぜ。｣
｢え。何味？」
もう気もそぞろ。ジャッキーがガキだなと生暖かい目で見ている。
リーサはお勉強も兼ねている。渡されたお金で、予算内に納めなければ、ならない。重要ミッションだ。
大袋を買ってしまったら、それだけで終わってしまう。たくさん、味わいたい。
｢スペンサー。マッキー。オルドー。お前らは自由にみてきな。リーサ。お前は俺と見て回ろ。｣
｢じゃあ、またあとで、見せあいっこな。｣
｢うん!!｣
各自、散らばる。
えーととリーサは一通りみていく。あ！あれは、ラスクだ。待って、あのチョコ棒も美味しそう！
えびせんもある!!

駄菓子屋は時に戦場と化している。たまに、学校が違う子供たちが、行きつけのこの駄菓子屋にいると、何となく、見てしまうものだ。それはあちらも同じで、一瞬、ピリつく。
喧嘩に発展はしないが、何となく、縄張り主張。
その様を遠くから眺めてるジャッキーは、懐かしいわ。あの光景と染々。
｢決めたよ！ジャッキー。｣
｢ん。じゃあ、お会計しにいこ。｣
ピッタリ１００円。リーサは安堵。


家に帰り、堪能。まずは、見せあいっこ。
｢リーサはね。｣
ラスクとチョコ棒に、えびせんとシャカシャカする魔法のポテトのお菓子。
｢いいじゃん。じゃあ、次は俺な。｣
スペンサーが並べる。
色が変わるわたあめ、添加物いっぱいのポテトチップスに、激辛せんべいとルーレットチョコ。
｢次は俺。｣
マッキーは新発売のポップコーンに、マーブルクッキー。キャラカードが入ってるスナック菓子。チョコまみれドーナツ。
｢俺はこれ。｣
マッキーと同じで、キャラカードが入ってるスナックに、しょっぱいカルパス、バニラクリームたっぷりのドーナツ。
｢あー。ドーナツも良かったかも。｣
｢ルーレットチョコってあれだろ？外れがあって、その外れも辛かったり、酸っぱかったりするやつだろ？」
｢試しにやろうぜ。｣
ルーレットチョコは四個入りの見た目は、普通の真ん丸のチョコ。外れには、多種多様な味がするらしい。選んでいく。
パクっ。モギュモギュ。
三人は普通にうまいと食べるが、一人の顔は大変。
｢アハハ。リーサ。当たりだな。｣
んーと急いで、ジュースに手を伸ばし、ゴクゴク。
｢すっ…すっぱーい!!｣
オレンジの酸っぱさを超えてる。最早、チョコなど、感じないほど。
｢駄菓子屋行くと迷う。あれを買おうって決めてるけど、見ちゃうとダメだわ。気移りする。｣
｢わかる。｣
わはは、笑いながら、駄菓子をつまむ。
｢今のうちに楽しんでおけ。大人になるとな。駄菓子屋に行くこと自体、しなくなるから。｣
染々、ジャッキーは、懐かしい菓子をつまみながら、見つめる。