小さなベイビー、大きな野望

春子

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縄張り

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魔道具のひとつで、テレビもある。魔力を流して、各家庭に繋がっている。
朝のニュース番組や子供番組等。
我が家では、朝は、ニュースを流す。
「先日、色町で、娼婦の死体が発見されました。犯人の足取りはわからずー。以前も色町ではなく、他の町でも娼婦の死体が発見され、繋がりがあるのか、捜査が行われています。」
「色町??」
「リーサ。食べてる時は、立ち上がらない。」
「物騒ね。」
知らない町ではない為、テレビを見る。
「色町だけの話なら、縄張り争いもあるし、わかるけど、他の町でも同じように?」
「何処の娼婦かわからないけど、マダムの娼婦の可能性があったら、出てくる。マダムは自分のとこの人間に手を出したら、黙ってない。」
「カルマ、大丈夫かな?」
カルマは、色町の中に住んでいて、マダムの管轄にいる。他にもそこに住む友達は多数いる。
「マダム、お怒りマンだよ!人のものに手を出しちゃダメなの!」
ぷりぷり、怒るリーサにそうだねとうなずく。
四天王同士、縄張り争いを熾烈に行ってるが、安易に、四天王同士の組のものに手を出さない。ならば、外部犯が有効。
「ネフィ。お前。ポーラにいくなよ。」
ロクサスがネフェルに釘を刺す。ネフェルの眉をひそめる。ジュディが心配なのだ。
「マダムが何もしないわけないけれど、行っちゃダメだよ。色町に住む子達には悪いけれど、お家に邪魔しちゃいけないから。ね。ベイビー。」
「なんで、リーサだけなの?」
「お前が一番、やらかすからだよ。」
マッキーが呆れたように言う。

何度も言うが、リーサたちの学年は結束力が強く、仲良しであり、今回の色町の事件に関しては、保護者たちが、色町で働いてる子達は不安がっている。いつ、自分の家族に危険が及ぶか、わからないのだ。無理もない。
この間、転校してきたクーガは、マダムの管轄で、お姉さんが、娼館で働いてるようだ。姉を心配する気持ちが日々、募ってるらしい。
「マダムが不要不急の外出を禁止にされたし、警戒のために、徘徊してくれる警備員もいるけど…。」
それでも不安だ。人が殺された等、ショッキング過ぎる。しかも、四天王のお膝元で事件が起きたのだ。
マダムの怒りは凄まじいらしい。
ナメられたと犯人を血眼になって、探してるようで、町では、ピリピリしてる。
マダムの管轄外だが、他の四天王の庇護を受けている生徒もここ最近、町は落ち着かないから、来ちゃダメだと軒並みに言う。
一人で殺されただけで、マダムの矜持を傷つけた。しかも外部である。
「リーサ。お前。マジで来んなよ!」
カルマが言う。
「なんでリーサだけなの!!」
プウッ。
オフィーリアやジオルクからも強く言われた。
納得しかねる!!


だが、しかし、不安を嘲笑うように、事件は、続いた。マダムの娼婦が襲われた時を皮切りに、四天王の他の男娼や歌姫等、次々に襲われた。
これを重く見た四天王の報復が始まる。
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