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パン屋
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我が家の御用達のパン屋は、大昔からある老舗のパン屋で、小麦の良い香りが、店内に広がり、お腹がすく。
そこのパン屋は、固さや柔らかさを選べる。
数種類のパンは、目移りするぐらい、とても美味しい。
リーサのお気に入りは、その中でも塩パンが大好きで、少し固めのパン。真ん丸な形で大きめ。リーサの顔より小さいが、パンにしては大きめなパンだ。
「ベイビー。なにする?塩パン?」
「うん!」
トングで塩パンを取る。フィルのお気に入りは、ツナとレタスのロールパン。
あと、小麦色の綺麗な焼き色をしたデニッシュチョコを取る。
「おじちゃんの好きなオレンジビターがあるよ!」
オレンジピールが練り込まれていて、ビターチョコがいいバランスで、配合されてる。モチモチの柔らかさ。
「あっちは、パパが好きなウインナーパン。これは、ままが好きなベリーパイ。マッキーたちが好きなカレーパン。」
指をさしていく。
「お待たせしました!!焼きたての食パンです!!!」
奥から出てきた店員は、焼きたての食パンを持ってきた。一気に、そちらを向く。小麦のいい香り。
「二斤ほしいわ。」
「あたしは一斤。」
次々に買われていく食パン。
紙袋に入れられていく。フィルも買った。
「持たせて。」
「落とさないようにね。」
まだホカホカしてる。袋から伝わる。
「厚切りトーストにして食べましょうか。明日の朝は、こんがりベーコンに目玉焼き。コーンスープに…。」
「楽しみ。」
ニコニコ。
帰宅して、塩パンを頬張る。もぎゅもぎゅ。少し固めの厚みのあるパン生地のため、食べ応えがある。
無心で食べるのだ。塩のしょっぱさと小麦のいい味で噛めば、噛むほどに広がる。
小さな口で、噛みちぎる。モシャモシャ。ジャムをつけたり、バターをつけたりしてる人もいるが、断然、そのままがオススメ。
「見ろよ。いつ見てもあの食べる姿、真剣そのもの。」
「好きだからな。好きなものほど、無口になるから。あいつ。」
「ちょっとスペンサー。粉が舞ってるじゃないの。綺麗に食べなさいな!」
「ツェリおば様。無理だって。これ、砂糖パンだぜ。無理無理…。」
「言ってる側から、こぼさないでちょうだい。」
双子はカレーパンを美味しそうに食べる。衣がサクッ。中身は、甘口のカレー。
スペンサーは、粉砂糖パンで素朴な味わいのパンだが、難点は、食べる度に、溢れていく砂糖。落とさないように食べるなんて、出来ない。
「やっぱり、ここのパンは美味しいわね。」
フィルは大満足。
翌朝、分厚く、切ったトーストをきつね色に焼き上げ、バターを塗って、食べた。
食べる度に、サクッサクッ。フワ。こんがり焼いた匂いに、引き立てるバターの香り。うまっ!!
そこのパン屋は、固さや柔らかさを選べる。
数種類のパンは、目移りするぐらい、とても美味しい。
リーサのお気に入りは、その中でも塩パンが大好きで、少し固めのパン。真ん丸な形で大きめ。リーサの顔より小さいが、パンにしては大きめなパンだ。
「ベイビー。なにする?塩パン?」
「うん!」
トングで塩パンを取る。フィルのお気に入りは、ツナとレタスのロールパン。
あと、小麦色の綺麗な焼き色をしたデニッシュチョコを取る。
「おじちゃんの好きなオレンジビターがあるよ!」
オレンジピールが練り込まれていて、ビターチョコがいいバランスで、配合されてる。モチモチの柔らかさ。
「あっちは、パパが好きなウインナーパン。これは、ままが好きなベリーパイ。マッキーたちが好きなカレーパン。」
指をさしていく。
「お待たせしました!!焼きたての食パンです!!!」
奥から出てきた店員は、焼きたての食パンを持ってきた。一気に、そちらを向く。小麦のいい香り。
「二斤ほしいわ。」
「あたしは一斤。」
次々に買われていく食パン。
紙袋に入れられていく。フィルも買った。
「持たせて。」
「落とさないようにね。」
まだホカホカしてる。袋から伝わる。
「厚切りトーストにして食べましょうか。明日の朝は、こんがりベーコンに目玉焼き。コーンスープに…。」
「楽しみ。」
ニコニコ。
帰宅して、塩パンを頬張る。もぎゅもぎゅ。少し固めの厚みのあるパン生地のため、食べ応えがある。
無心で食べるのだ。塩のしょっぱさと小麦のいい味で噛めば、噛むほどに広がる。
小さな口で、噛みちぎる。モシャモシャ。ジャムをつけたり、バターをつけたりしてる人もいるが、断然、そのままがオススメ。
「見ろよ。いつ見てもあの食べる姿、真剣そのもの。」
「好きだからな。好きなものほど、無口になるから。あいつ。」
「ちょっとスペンサー。粉が舞ってるじゃないの。綺麗に食べなさいな!」
「ツェリおば様。無理だって。これ、砂糖パンだぜ。無理無理…。」
「言ってる側から、こぼさないでちょうだい。」
双子はカレーパンを美味しそうに食べる。衣がサクッ。中身は、甘口のカレー。
スペンサーは、粉砂糖パンで素朴な味わいのパンだが、難点は、食べる度に、溢れていく砂糖。落とさないように食べるなんて、出来ない。
「やっぱり、ここのパンは美味しいわね。」
フィルは大満足。
翌朝、分厚く、切ったトーストをきつね色に焼き上げ、バターを塗って、食べた。
食べる度に、サクッサクッ。フワ。こんがり焼いた匂いに、引き立てるバターの香り。うまっ!!
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