小さなベイビー、大きな野望

春子

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マッキーとオルドー

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双子あるあるなのか、一緒に行動することが多くて、それに不満はない。特に気があうし、喧嘩もほぼなし。
オルドーは最後の子供で、双子が生まれた頃、かなり、可愛がられていた。
二年後、二人は妬くことも出来ないまま、リーサが産まれた。ぼんやりとしか、覚えてないが、自分より小さいものを見たことが初めてだった。
母によくなついていて、取られたと思えなかった。なぜなら、リーサは双子が離れると泣くからである。
幼いながらに泣かれると困るし、どうやって、泣き止ますか、二人は頭を痛めた。
リーサは、双子の背後をヒヨコのようについて回り、双子はリーサに怪我がないように、気をつけた。全幅の信頼を寄せるリーサに、一重に守らなきゃと幼いながらも二人で誓った。リーサは、双子の妹だと言われるほど。
リーサが悪いことをして、母に叱られるときは、
「まあまあ。母さん。リーサも次は頑張るって言うし。」
「な。リーサ、もうしないよな。」
「しない。」
リーサは双子の背後に隠れている。お説教が嫌いだからだ。
「マッキー。オルドー。まず、二人は退きなさい。ベイビーにはきちんと言わなきゃダメなの。マルクスのようにならなくていいの。マルクスも今のあなたたちみたいにツェリを叱ると、フランツと共に庇うんだから!引き離すために、どれだけ、大変か。」
「あら、おかしいわ。リーサが叱られてるはずなのに。私が悪いように言われてる気分だわ。おかしいわ?」
双子がどうどうと、母をなだめ、おばちゃんが怒ってると悄気るリーサは、双子の背後から、出てこない。
結局は、フィルにきちんと叱られるのだが。



大好きなピクニックがある日の朝は、大変だ。テンションが高いリーサが朝から二人を、たたき起こす。
「マッキー!!オルドー!!起きてよう!!ピクニックだよ!!」
一秒でも長く寝ていたい双子は、寝たふりをする。重たい重石のように乗り掛かるリーサだが、動じない。
「起きててってばあ。マッキー!オルドー!」
「…起きてやれよ。御所望だぞ。」
「お前が起きてやれよ…呼ばれてんだから。」
グズグズ、起きたくない。
起きてコールが激しくなる。
はあとため息をつき、しょうがねーなと、起き上がる。ああ。眠い。
「何時。」
「六時半。」
「早い。ああもう。来い。髪をやるから。オルドー。蒸しタオル、やっておけ。」
「へいへい。」
「お着替えしてるの。」
「はいはい。上手上手。」
ああ。もう。ねみい。
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