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フィルの料理教室
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キッチンは、いつもより、念入りに、綺麗にされ、整えられた。
今日は、オフィーリアが、フィルに料理を習いに来る。オフィーリアが料理を上手になりたいと、フィルにお願いしたいと言ったら、フィルが快諾。
可愛らしいエプロンを身につけたオフィーリアは、よろしくお願いします。と礼儀正しく、挨拶。
「オフィーリアちゃん、頑張って。」
「今日は何を作るの?」
外野がキッチンに顔を出す。キッチン立ち入り禁止にされてる二人である。
「野菜とお肉のオーブン焼きよ。香草を使ってね。好みによっては、配分を変えてもいいし、オーブンでやると相性がいいわ。」
フィルが拘ったオーブンは、かなり大きめで、火力も細かく、調整出来るように出来たオーブン。マルクスがフィルのために、惜しみ無く、買ったものだ。
「まま。お肉だって!」
「美味しそうだわ。味見は任せて頂戴。」
味見係二名。
「出来るまでは、あっちに行ってなさい。」
「リーサ。私たちは、味見するまで、あっちで待ちましょう。」
「うん!オフィーリアちゃん、頑張れ。」
「楽しみにしてて。」
オフィーリアは拳を握る。
材料は至ってシンプルに。
肉は、豚を使用する。野菜は、パプリカに茄子、カボチャに玉ねぎ。
ザクザクと野菜を切っていく。オフィーリアもゆっくりゆっくり、包丁で切る。
「そうね。うちは特に好き嫌いが激しい子が何人かいるから。こういうときに食べさせるの。肉を食べたかったら、野菜も食べなさいねって。ベイビーは、パプリカが苦手だから。ちょっとでも食べれるようにしてね。」
リーサの嫌いな食べ物は、苦い野菜だ。パプリカやピーマンなど。ピーマンなど、みどりの悪魔だと嫌がり、隠したり、食べなかったり。苦心してる。
「オフィーリアちゃんは苦手なものがあまりないものね。偉いわ。」
「ありがとうございます。」
「ふふ。ここにオイルを敷いて…。」
オフィーリアは夢中に、フィルの話を聞く。
「香ばしい匂いがするよ!」
「オーブン料理は、焼けるまで待たないといけないわ。」
包丁すら、持たせて貰えない二人は、嗅覚は鋭い。
「今日は豚を使うと言ってたわね。楽しみだわ。」
野菜も好きだがやはり、メインは、どうであれ、肉。
味見係はいつだって、スタンバイ済み。
フィル秘伝のスパイスとハーブの配合に焼き加減。
オフィーリアもわあと綻ぶ。
「さあ、味見してみましょう。」
「あーん。」
いち早く、いつ来たのか、わからないが、リーサが口をいっぱいに広げてる。
「ベイビー。めっ。オフィーリアちゃんが先よ。」
フィルはオフィーリアの口にいれてあげる。ハフハフ。モギュモギュ。肉とスパイスの香りが口に広がり、後に、ハーブの爽やかさが広がる。
「美味しい!」
「おばちゃん。おばちゃん。リーサも。」
「火傷しないようにね。」
あーん。ハフハフ。ツェリも咀嚼。
「次はお野菜よ。」
オーブンで焼いたからか、柔らかく、甘さが際立っている。
「パプリカ、要らない。」
「めっ。ベイビー。お肉、食べたら、パプリカもちょっと食べなさいね。」
「えー!」
聞いていない!と駄々を捏ねる。
「美味しいわ。」
フィルが舌鼓をうちながら、ワイン飲みたいわねと思う。
「オーブン料理は、やり易くて、あってるかもしれない。」
オフィーリアはフィルに感想を言うと、そうよねと笑う。
苦虫を噛んだように顔を歪めるリーサは、水をゴクゴク。
リーサはピクッ。
「フレイヤだあ。」
オフィーリアがびくと動き、前髪を整える。
リビングに顔を出したのは、フレイヤだ。
優しい顔立ちで、父譲りの金髪にフィルの目の色。
兄弟一穏やかである。
「あれ?オフィーリアちゃん。いらっしゃい。」
「お邪魔してます。」
「ゆっくりしてね。リーサ。オフィーリアちゃんを困らせないようにね?帰すときは帰すんだよ?」
「いいこ・オブ・ザ・イヤーだよ!」
えへんとソファに立ち上がり、フレイヤに告げる。毎回そうだ。
「母さん。僕、これから少しだけ、課題に取り組みたくて。部屋に籠るね。」
「あら。わかったわ。飲み物、持っていきなさい。」
「ありがとう。」
フィルがティーセットを渡す。
「じゃあ。」
ゆっくり微笑んで戻る。
オフィーリアのほっぺは、赤い。
「リーサちゃん、私変じゃなかった?」
「?オフィーリアちゃんはいつもかわいいよ!」
キリッ!
フィルは微笑ましく見ており、ツェリは、将来は我が家に来るのだと確信してる。
「もー。諦めなさいな。毎回毎回。オフィーリアちゃんはいずれ、うちに来るんだから、それまで待ちなさい!いい。女は時に待つことも大事だわ!」
オフィーリアを帰らせたくないと駄々を捏ねるリーサにツェリが告げる。
安易にオフィーリアは、将来、フレイヤの嫁にするのだと宣う。オフィーリアが居たたまれない。
最後にフィルが言い聞かせ、オフィーリアを離した。
「まま、オフィーリアちゃんのパパがわがまま言ったら、言い返してね。」
「カインが私にわがままを言うなんて、生意気だわ。カインに負けるはずないじゃないの。」
フィルがやめなさい!と叱る。
今日は、オフィーリアが、フィルに料理を習いに来る。オフィーリアが料理を上手になりたいと、フィルにお願いしたいと言ったら、フィルが快諾。
可愛らしいエプロンを身につけたオフィーリアは、よろしくお願いします。と礼儀正しく、挨拶。
「オフィーリアちゃん、頑張って。」
「今日は何を作るの?」
外野がキッチンに顔を出す。キッチン立ち入り禁止にされてる二人である。
「野菜とお肉のオーブン焼きよ。香草を使ってね。好みによっては、配分を変えてもいいし、オーブンでやると相性がいいわ。」
フィルが拘ったオーブンは、かなり大きめで、火力も細かく、調整出来るように出来たオーブン。マルクスがフィルのために、惜しみ無く、買ったものだ。
「まま。お肉だって!」
「美味しそうだわ。味見は任せて頂戴。」
味見係二名。
「出来るまでは、あっちに行ってなさい。」
「リーサ。私たちは、味見するまで、あっちで待ちましょう。」
「うん!オフィーリアちゃん、頑張れ。」
「楽しみにしてて。」
オフィーリアは拳を握る。
材料は至ってシンプルに。
肉は、豚を使用する。野菜は、パプリカに茄子、カボチャに玉ねぎ。
ザクザクと野菜を切っていく。オフィーリアもゆっくりゆっくり、包丁で切る。
「そうね。うちは特に好き嫌いが激しい子が何人かいるから。こういうときに食べさせるの。肉を食べたかったら、野菜も食べなさいねって。ベイビーは、パプリカが苦手だから。ちょっとでも食べれるようにしてね。」
リーサの嫌いな食べ物は、苦い野菜だ。パプリカやピーマンなど。ピーマンなど、みどりの悪魔だと嫌がり、隠したり、食べなかったり。苦心してる。
「オフィーリアちゃんは苦手なものがあまりないものね。偉いわ。」
「ありがとうございます。」
「ふふ。ここにオイルを敷いて…。」
オフィーリアは夢中に、フィルの話を聞く。
「香ばしい匂いがするよ!」
「オーブン料理は、焼けるまで待たないといけないわ。」
包丁すら、持たせて貰えない二人は、嗅覚は鋭い。
「今日は豚を使うと言ってたわね。楽しみだわ。」
野菜も好きだがやはり、メインは、どうであれ、肉。
味見係はいつだって、スタンバイ済み。
フィル秘伝のスパイスとハーブの配合に焼き加減。
オフィーリアもわあと綻ぶ。
「さあ、味見してみましょう。」
「あーん。」
いち早く、いつ来たのか、わからないが、リーサが口をいっぱいに広げてる。
「ベイビー。めっ。オフィーリアちゃんが先よ。」
フィルはオフィーリアの口にいれてあげる。ハフハフ。モギュモギュ。肉とスパイスの香りが口に広がり、後に、ハーブの爽やかさが広がる。
「美味しい!」
「おばちゃん。おばちゃん。リーサも。」
「火傷しないようにね。」
あーん。ハフハフ。ツェリも咀嚼。
「次はお野菜よ。」
オーブンで焼いたからか、柔らかく、甘さが際立っている。
「パプリカ、要らない。」
「めっ。ベイビー。お肉、食べたら、パプリカもちょっと食べなさいね。」
「えー!」
聞いていない!と駄々を捏ねる。
「美味しいわ。」
フィルが舌鼓をうちながら、ワイン飲みたいわねと思う。
「オーブン料理は、やり易くて、あってるかもしれない。」
オフィーリアはフィルに感想を言うと、そうよねと笑う。
苦虫を噛んだように顔を歪めるリーサは、水をゴクゴク。
リーサはピクッ。
「フレイヤだあ。」
オフィーリアがびくと動き、前髪を整える。
リビングに顔を出したのは、フレイヤだ。
優しい顔立ちで、父譲りの金髪にフィルの目の色。
兄弟一穏やかである。
「あれ?オフィーリアちゃん。いらっしゃい。」
「お邪魔してます。」
「ゆっくりしてね。リーサ。オフィーリアちゃんを困らせないようにね?帰すときは帰すんだよ?」
「いいこ・オブ・ザ・イヤーだよ!」
えへんとソファに立ち上がり、フレイヤに告げる。毎回そうだ。
「母さん。僕、これから少しだけ、課題に取り組みたくて。部屋に籠るね。」
「あら。わかったわ。飲み物、持っていきなさい。」
「ありがとう。」
フィルがティーセットを渡す。
「じゃあ。」
ゆっくり微笑んで戻る。
オフィーリアのほっぺは、赤い。
「リーサちゃん、私変じゃなかった?」
「?オフィーリアちゃんはいつもかわいいよ!」
キリッ!
フィルは微笑ましく見ており、ツェリは、将来は我が家に来るのだと確信してる。
「もー。諦めなさいな。毎回毎回。オフィーリアちゃんはいずれ、うちに来るんだから、それまで待ちなさい!いい。女は時に待つことも大事だわ!」
オフィーリアを帰らせたくないと駄々を捏ねるリーサにツェリが告げる。
安易にオフィーリアは、将来、フレイヤの嫁にするのだと宣う。オフィーリアが居たたまれない。
最後にフィルが言い聞かせ、オフィーリアを離した。
「まま、オフィーリアちゃんのパパがわがまま言ったら、言い返してね。」
「カインが私にわがままを言うなんて、生意気だわ。カインに負けるはずないじゃないの。」
フィルがやめなさい!と叱る。
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