5 / 90
1.異世界召喚
5.
しおりを挟む
「本日は聖女様の事について学んで頂きます」
「宜しく。ジュリー先生」
異世界に来て3日目。今日からお勉強が始まった。昨日言っていた通りジュリーが俺の講師を受け持ってくれる様だ。
「三葉様、聖女様と聞いてどんなイメージがありますか?」
「んー病気を治してくれたりするから女神みたいなイメージかな?」
「そうですね。三葉様が仰るイメージも間違いではありません。聖女様と聞いて誰しも高貴で美しい、清廉されているなど何かしら良いイメージを持たれています。つまりそれが聖女様なんです」
「皆んなの憧れで尊い存在って事?」
「はい。その通りです。聖女様はその存在だけで人々に希望を与える象徴なのです」
この国が聖女を求めるのも身近な女神を維持する為なのかもしれない。
「具体的には聖女様はどんな事が出来るの?」
「それも個人差がありましたが、皆様何かしら秀でた能力をお持ちでした。その能力を使い国の発展に力添えをして頂いておりました」
「秀でた能力…」
「前聖女様は、薬草学に優れた方でした。その知識を使い常人では作れない様な薬を作って下さいました。他にも浄化の能力を得られて国中の浄化作業をされた聖女様もおりました」
へぇ~と思わず感嘆の声が漏れる。ジュリーが言った通り聖女様と言っても能力には個人差があるらしい。
「聖女様の能力は元々産まれてから備わっている方とこちらの世界に来た影響で開花された方の2パターンに分けられます。三葉様も何か人とは変わった能力などはありますか?」
「俺の能力……ごめん。俺にはないみたいだ」
「そうですか…まだこちらに来て3日目ですし気に止むことはありません。私は三葉様が聖女様になると確信しておりますので」
「何だよそれープレッシャーだなー」
余りにも真剣にジュリーが言うから冷や汗が出てしまった。ジュリーの目を見る事が出来ず逸らしてしまう。
「三葉様はこの世界でやりたい事はございますか?」
「んーこの世界で生き残れる様にこの世界の通貨とか基本的な知識を知りたい。後お金の稼ぎ方とか!」
「ふふ。三葉様は現実的ですね。承知しました。少し休憩を挟みご要望の知識を重点的に今日はお勉強しましょう」
「アヒン殿下~!」
勉強も目処が立ち自由時間になったので天使の下へ赴いた。今日も中庭のベンチで座っていた。でも今日はアヒンの他にもう1人。執事が佇んでいた。
「やあ。三葉、今日も来てくれたんだね」
今日もアヒン殿下の体調は悪いのか顔色が悪い。
「はい!アヒン殿下に会いたくて!」
「ふふ。三葉は素直で可愛いね」
可愛いのは貴方ですけど。とは、言えなかった。今日も微笑みが美しい。
「三葉、紹介しよう。こちら私の専属執事のスレーマンだよ」
「三葉様、スレーマンと申します。どうぞ宜しくお願いします」
流石殿下の専属執事。挨拶一つでも精錬された動きだ。そして銀髪のイケメン。
「スレーマンさん、宜しくお願いします」
日本人の性なのかペコリペコリと何度もお辞儀をする。
「さあ、座りなよ。三葉。今日はお茶でも飲みながら話さないかい?」
「喜んで!」
「ふふ。三葉は犬みたいだね」
「え、俺落ち着きが無かったですか?」
だとしたら恥ずかしい。頬が少し赤らんだ。
「いや、可愛いって事だよ」
俺の顔の温度が一気に上がった。
だから、天使王子の方が可愛いっての!
俺の事を温かい目で見ながらジュリーとスレーマンがお茶の準備をしてくれた。
「宜しく。ジュリー先生」
異世界に来て3日目。今日からお勉強が始まった。昨日言っていた通りジュリーが俺の講師を受け持ってくれる様だ。
「三葉様、聖女様と聞いてどんなイメージがありますか?」
「んー病気を治してくれたりするから女神みたいなイメージかな?」
「そうですね。三葉様が仰るイメージも間違いではありません。聖女様と聞いて誰しも高貴で美しい、清廉されているなど何かしら良いイメージを持たれています。つまりそれが聖女様なんです」
「皆んなの憧れで尊い存在って事?」
「はい。その通りです。聖女様はその存在だけで人々に希望を与える象徴なのです」
この国が聖女を求めるのも身近な女神を維持する為なのかもしれない。
「具体的には聖女様はどんな事が出来るの?」
「それも個人差がありましたが、皆様何かしら秀でた能力をお持ちでした。その能力を使い国の発展に力添えをして頂いておりました」
「秀でた能力…」
「前聖女様は、薬草学に優れた方でした。その知識を使い常人では作れない様な薬を作って下さいました。他にも浄化の能力を得られて国中の浄化作業をされた聖女様もおりました」
へぇ~と思わず感嘆の声が漏れる。ジュリーが言った通り聖女様と言っても能力には個人差があるらしい。
「聖女様の能力は元々産まれてから備わっている方とこちらの世界に来た影響で開花された方の2パターンに分けられます。三葉様も何か人とは変わった能力などはありますか?」
「俺の能力……ごめん。俺にはないみたいだ」
「そうですか…まだこちらに来て3日目ですし気に止むことはありません。私は三葉様が聖女様になると確信しておりますので」
「何だよそれープレッシャーだなー」
余りにも真剣にジュリーが言うから冷や汗が出てしまった。ジュリーの目を見る事が出来ず逸らしてしまう。
「三葉様はこの世界でやりたい事はございますか?」
「んーこの世界で生き残れる様にこの世界の通貨とか基本的な知識を知りたい。後お金の稼ぎ方とか!」
「ふふ。三葉様は現実的ですね。承知しました。少し休憩を挟みご要望の知識を重点的に今日はお勉強しましょう」
「アヒン殿下~!」
勉強も目処が立ち自由時間になったので天使の下へ赴いた。今日も中庭のベンチで座っていた。でも今日はアヒンの他にもう1人。執事が佇んでいた。
「やあ。三葉、今日も来てくれたんだね」
今日もアヒン殿下の体調は悪いのか顔色が悪い。
「はい!アヒン殿下に会いたくて!」
「ふふ。三葉は素直で可愛いね」
可愛いのは貴方ですけど。とは、言えなかった。今日も微笑みが美しい。
「三葉、紹介しよう。こちら私の専属執事のスレーマンだよ」
「三葉様、スレーマンと申します。どうぞ宜しくお願いします」
流石殿下の専属執事。挨拶一つでも精錬された動きだ。そして銀髪のイケメン。
「スレーマンさん、宜しくお願いします」
日本人の性なのかペコリペコリと何度もお辞儀をする。
「さあ、座りなよ。三葉。今日はお茶でも飲みながら話さないかい?」
「喜んで!」
「ふふ。三葉は犬みたいだね」
「え、俺落ち着きが無かったですか?」
だとしたら恥ずかしい。頬が少し赤らんだ。
「いや、可愛いって事だよ」
俺の顔の温度が一気に上がった。
だから、天使王子の方が可愛いっての!
俺の事を温かい目で見ながらジュリーとスレーマンがお茶の準備をしてくれた。
17
お気に入りに追加
585
あなたにおすすめの小説

ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★



親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる