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1.異世界召喚
5.
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「本日は聖女様の事について学んで頂きます」
「宜しく。ジュリー先生」
異世界に来て3日目。今日からお勉強が始まった。昨日言っていた通りジュリーが俺の講師を受け持ってくれる様だ。
「三葉様、聖女様と聞いてどんなイメージがありますか?」
「んー病気を治してくれたりするから女神みたいなイメージかな?」
「そうですね。三葉様が仰るイメージも間違いではありません。聖女様と聞いて誰しも高貴で美しい、清廉されているなど何かしら良いイメージを持たれています。つまりそれが聖女様なんです」
「皆んなの憧れで尊い存在って事?」
「はい。その通りです。聖女様はその存在だけで人々に希望を与える象徴なのです」
この国が聖女を求めるのも身近な女神を維持する為なのかもしれない。
「具体的には聖女様はどんな事が出来るの?」
「それも個人差がありましたが、皆様何かしら秀でた能力をお持ちでした。その能力を使い国の発展に力添えをして頂いておりました」
「秀でた能力…」
「前聖女様は、薬草学に優れた方でした。その知識を使い常人では作れない様な薬を作って下さいました。他にも浄化の能力を得られて国中の浄化作業をされた聖女様もおりました」
へぇ~と思わず感嘆の声が漏れる。ジュリーが言った通り聖女様と言っても能力には個人差があるらしい。
「聖女様の能力は元々産まれてから備わっている方とこちらの世界に来た影響で開花された方の2パターンに分けられます。三葉様も何か人とは変わった能力などはありますか?」
「俺の能力……ごめん。俺にはないみたいだ」
「そうですか…まだこちらに来て3日目ですし気に止むことはありません。私は三葉様が聖女様になると確信しておりますので」
「何だよそれープレッシャーだなー」
余りにも真剣にジュリーが言うから冷や汗が出てしまった。ジュリーの目を見る事が出来ず逸らしてしまう。
「三葉様はこの世界でやりたい事はございますか?」
「んーこの世界で生き残れる様にこの世界の通貨とか基本的な知識を知りたい。後お金の稼ぎ方とか!」
「ふふ。三葉様は現実的ですね。承知しました。少し休憩を挟みご要望の知識を重点的に今日はお勉強しましょう」
「アヒン殿下~!」
勉強も目処が立ち自由時間になったので天使の下へ赴いた。今日も中庭のベンチで座っていた。でも今日はアヒンの他にもう1人。執事が佇んでいた。
「やあ。三葉、今日も来てくれたんだね」
今日もアヒン殿下の体調は悪いのか顔色が悪い。
「はい!アヒン殿下に会いたくて!」
「ふふ。三葉は素直で可愛いね」
可愛いのは貴方ですけど。とは、言えなかった。今日も微笑みが美しい。
「三葉、紹介しよう。こちら私の専属執事のスレーマンだよ」
「三葉様、スレーマンと申します。どうぞ宜しくお願いします」
流石殿下の専属執事。挨拶一つでも精錬された動きだ。そして銀髪のイケメン。
「スレーマンさん、宜しくお願いします」
日本人の性なのかペコリペコリと何度もお辞儀をする。
「さあ、座りなよ。三葉。今日はお茶でも飲みながら話さないかい?」
「喜んで!」
「ふふ。三葉は犬みたいだね」
「え、俺落ち着きが無かったですか?」
だとしたら恥ずかしい。頬が少し赤らんだ。
「いや、可愛いって事だよ」
俺の顔の温度が一気に上がった。
だから、天使王子の方が可愛いっての!
俺の事を温かい目で見ながらジュリーとスレーマンがお茶の準備をしてくれた。
「宜しく。ジュリー先生」
異世界に来て3日目。今日からお勉強が始まった。昨日言っていた通りジュリーが俺の講師を受け持ってくれる様だ。
「三葉様、聖女様と聞いてどんなイメージがありますか?」
「んー病気を治してくれたりするから女神みたいなイメージかな?」
「そうですね。三葉様が仰るイメージも間違いではありません。聖女様と聞いて誰しも高貴で美しい、清廉されているなど何かしら良いイメージを持たれています。つまりそれが聖女様なんです」
「皆んなの憧れで尊い存在って事?」
「はい。その通りです。聖女様はその存在だけで人々に希望を与える象徴なのです」
この国が聖女を求めるのも身近な女神を維持する為なのかもしれない。
「具体的には聖女様はどんな事が出来るの?」
「それも個人差がありましたが、皆様何かしら秀でた能力をお持ちでした。その能力を使い国の発展に力添えをして頂いておりました」
「秀でた能力…」
「前聖女様は、薬草学に優れた方でした。その知識を使い常人では作れない様な薬を作って下さいました。他にも浄化の能力を得られて国中の浄化作業をされた聖女様もおりました」
へぇ~と思わず感嘆の声が漏れる。ジュリーが言った通り聖女様と言っても能力には個人差があるらしい。
「聖女様の能力は元々産まれてから備わっている方とこちらの世界に来た影響で開花された方の2パターンに分けられます。三葉様も何か人とは変わった能力などはありますか?」
「俺の能力……ごめん。俺にはないみたいだ」
「そうですか…まだこちらに来て3日目ですし気に止むことはありません。私は三葉様が聖女様になると確信しておりますので」
「何だよそれープレッシャーだなー」
余りにも真剣にジュリーが言うから冷や汗が出てしまった。ジュリーの目を見る事が出来ず逸らしてしまう。
「三葉様はこの世界でやりたい事はございますか?」
「んーこの世界で生き残れる様にこの世界の通貨とか基本的な知識を知りたい。後お金の稼ぎ方とか!」
「ふふ。三葉様は現実的ですね。承知しました。少し休憩を挟みご要望の知識を重点的に今日はお勉強しましょう」
「アヒン殿下~!」
勉強も目処が立ち自由時間になったので天使の下へ赴いた。今日も中庭のベンチで座っていた。でも今日はアヒンの他にもう1人。執事が佇んでいた。
「やあ。三葉、今日も来てくれたんだね」
今日もアヒン殿下の体調は悪いのか顔色が悪い。
「はい!アヒン殿下に会いたくて!」
「ふふ。三葉は素直で可愛いね」
可愛いのは貴方ですけど。とは、言えなかった。今日も微笑みが美しい。
「三葉、紹介しよう。こちら私の専属執事のスレーマンだよ」
「三葉様、スレーマンと申します。どうぞ宜しくお願いします」
流石殿下の専属執事。挨拶一つでも精錬された動きだ。そして銀髪のイケメン。
「スレーマンさん、宜しくお願いします」
日本人の性なのかペコリペコリと何度もお辞儀をする。
「さあ、座りなよ。三葉。今日はお茶でも飲みながら話さないかい?」
「喜んで!」
「ふふ。三葉は犬みたいだね」
「え、俺落ち着きが無かったですか?」
だとしたら恥ずかしい。頬が少し赤らんだ。
「いや、可愛いって事だよ」
俺の顔の温度が一気に上がった。
だから、天使王子の方が可愛いっての!
俺の事を温かい目で見ながらジュリーとスレーマンがお茶の準備をしてくれた。
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