33 / 108
第一章
31 木の枝で魔物を斬るトンデモ技 その2
しおりを挟む
「マスター? 大丈夫?」
ニクスの目には、木の枝代わりの菜箸を取りに行ってきたシシャルが泣き出しそうに見えた。
何か思い出してしまったのだろう。
ニクスは自分がディールクおじさんと面識があるかないかも覚えていないから、思い入れなんて欠片もない。
けれど、シシャルにとっては誰よりも大事な人だ。
ニクスが物心ついた後の一年弱の時間だけでも、何度も話を聞いてきた。
「だいじょうぶだよ。……出世払いの約束してたって思い出しただけだから」
状況証拠しかなくとも、生存が絶望的なのはシシャルも知っている。
果たせなくなった約束、守れなかった約束だと、理解してはいるのだろう。
「そ、それじゃ、見本見せるね。えっとね、木の枝を持って、かまえて」
シシャルは木の枝代わりの菜箸一本を手に、食卓の上に置いた自家製魔力結晶を狙う。
「身体強化の応用なんだけど、自分の中の魔力じゃなくて周囲の魔力を利用する方式を取るの。木の枝を自分の腕の延長のように錯覚させて、それから、振り下ろす瞬間に周囲の魔力を吸収しながら強度を上げる。そうすると――」
すぱん、っと、魔力結晶だけが切れた。
勢い余った菜箸は食卓にぶつかるも無傷だ。
「こんな風に、魔力を吸われた部分はもろくなるから攻撃が通るっと。魔術として成立している防御壁には通用しないんだけど、装甲トカゲの装甲には通じるらしいよ」
シシャルは教わった通りにやっただけで、教わった通りに説明しただけなのだろうが。
(ディールクおじさんって何者だよっ?)
ニクスは心の中で叫んでいた。
他に武器になりそうなものがなかったとか、ダメもとでいろいろ試したとか、理由なんてそんなものかもしれないが、なんでそんなやり方を試そうとしたのかが分からない。
真っ二つになってまだゆらゆらしている魔力結晶のなめらかすぎる断面を見ながら、たしか結晶化した魔力って硬度だけなら装甲トカゲの装甲より硬くなかったっけと戦慄の事実にまで気付く。
魔力結晶の品質だってピンキリだがシシャルが作るのは極上品だ。
出所問題で厄介なことになるから誰にも言っていないが、シシャルの作る魔力結晶なら小指の爪程度の大きさでも小金貨一枚に相当しかねない。
そんなトンデモ品質を試し斬りに使った背徳感までも湧いてくる。
菜箸持ってきた、試し斬りは魔力製で魔術以外の何かじゃないといけない、じゃあ魔力結晶にしとこう。という流れでさらっと作られたから、深く考えていなかったが。
「マスター……。それは使わない方がいいよ」
頭が痛い。
この子は誰かが見張ってないとダメだ。
闇属性だから神殿に囲われることはないだろうが、利用価値ありと幽閉されて酷使される可能性は否定できない。
「う。おじさんにも『教えておいてなんだが使わない方がいい』って言われたけど。でも武器持ってないんだから使えるものは使わないと倒せないし」
化け物にトンデモ技術を教えてしまったおじさんも、さすがに危険性には気付いていたようだ。
常識までトンデモじゃなかったのには安心した。
「おじさん、『出世払いで食料なら持ってきてやるからおとなしく仕事しような』って必死に説得してきてさ。おじさんが魔物討伐できなくなった原因の怪我まで見せられて『こうはなりたくないだろ』って言われちゃったら、引き下がるしかなくって」
シシャルは魔力結晶を手に取り、魔力に戻しながら、泣き出しそうに笑う。
「もしも、もしもさ、私も治療についていったら、いなくならなかったのかな」
「マスター。今のマスターはいろいろすごいけど、その頃からすごかったわけじゃないでしょ? たぶん、何も良い方向には行かなかったと思うよ」
慰めなのか、突き放しなのか、言っていてよく分からない。
さすがに当時のシシャルは今ほど化け物じゃなかったと思いたいのも、若干ある。
「むー。あの頃は大した魔術使えなかったけど。お守りだって隊長さんたちに渡しているものの半分の強度もなかったし」
今渡しているのは、一回絶対防御なんてささやかれている代物だ。
さすがに絶対ではないが、暗黒の森の守護竜の割と本気の平手打ちくらいなら理論上は防げるらしい。
暗黒の森は非常に広大なので一概には言えないが、この町から徒歩で片道三日以内であれば守護竜に勝る生命体など存在しない。
一説には守護竜より強いとも言われる暗黒の森最強最悪の魔物はもっと北西の深部にしかいないとされている。
「それでも、無事に帰ってきてほしいって、神殿に治療に行くって知った時から毎日毎日お守り作ったんだよ。いざって時のための魔力結晶も作りまくったんだよ」
「え……? ちょっと待って、たしかその時マスターまだ五歳……」
「ふわふわ様の決めた誕生日ではね。本当に五歳だったかはわかんないけど」
「あ、うん。その辺のややこしいのは置いといて」
ニクスはまっすぐにシシャルを見上げる。
前世の故郷の神を女性にして子供にしたらこんな感じじゃないかと思えてしまうほどの美しさを雑な性格と貧乏が台無しにしている残念少女だが、その力は化け物だ。
「準備できたお守り二十一個と魔力結晶三百個と魔導具三種類渡したけど、足りなかったのか弱すぎたのか、おじさん帰ってこなかったんだよね……」
(いやいやいやいやいやっ。足りなくないから、弱くもないからっ)
専門の暗殺者か何かじゃないと倒せないんじゃないか、それ。
「マスター、どんだけディールクおじさんって人が好きなの」
本人は絶対分かっていないが、お守り一個でも飯代返しきるのではあるまいか。
「どんだけ……。もつ煮よりも好きだし、唐揚げよりも好きだよ」
だめだこの子、好きの基準が食べ物しかなかった。
当時五歳児に色恋なんてないと分かっちゃいたが、考えが甘かった。
「おじさんがいなくなる日まで、毎日ご飯をもらって食べてたんだもん。おじさん、屋台のご飯が好きだけど、自分で料理するのも上手くってさ、ただで手に入る食材でいかに安全でおいしいものを作るか、いろいろ教えてくれたの」
おいしいご飯を作ってくれて食べさせてくれるから好き、か。
それって餌付けではあるまいかと思ってしまっても、バチは当たるまい。
隊長にいまいちなついていないのは、ご飯作ってくれないからだろうか。
「マスター。えっと、さ。話戻そっか」
これ以上深堀りするのは、今はやめておこう。
「今になって思いついたんだけど、夕方に隊長さんと副隊長さんが帰ってきたら武器借りて、明日になったらお試しに行くので間に合うよね? それまでは家の中のことをしようね? ね? 変なことは考えないでいつも通り過ごそっか」
ニクスは基本的に事なかれ主義だ。
八方美人できるほど器用じゃないが、危ないところに近づかないだけならできる。
危険の方が近付いてきた時の回避能力や抗戦能力はないから、一族郎党皆殺し同然の最期を迎えたわけだが。
(マスターが大好きなディールクおじさんが、僕の前世の最期に関わっていないことを祈るよ……)
ニクスの目には、木の枝代わりの菜箸を取りに行ってきたシシャルが泣き出しそうに見えた。
何か思い出してしまったのだろう。
ニクスは自分がディールクおじさんと面識があるかないかも覚えていないから、思い入れなんて欠片もない。
けれど、シシャルにとっては誰よりも大事な人だ。
ニクスが物心ついた後の一年弱の時間だけでも、何度も話を聞いてきた。
「だいじょうぶだよ。……出世払いの約束してたって思い出しただけだから」
状況証拠しかなくとも、生存が絶望的なのはシシャルも知っている。
果たせなくなった約束、守れなかった約束だと、理解してはいるのだろう。
「そ、それじゃ、見本見せるね。えっとね、木の枝を持って、かまえて」
シシャルは木の枝代わりの菜箸一本を手に、食卓の上に置いた自家製魔力結晶を狙う。
「身体強化の応用なんだけど、自分の中の魔力じゃなくて周囲の魔力を利用する方式を取るの。木の枝を自分の腕の延長のように錯覚させて、それから、振り下ろす瞬間に周囲の魔力を吸収しながら強度を上げる。そうすると――」
すぱん、っと、魔力結晶だけが切れた。
勢い余った菜箸は食卓にぶつかるも無傷だ。
「こんな風に、魔力を吸われた部分はもろくなるから攻撃が通るっと。魔術として成立している防御壁には通用しないんだけど、装甲トカゲの装甲には通じるらしいよ」
シシャルは教わった通りにやっただけで、教わった通りに説明しただけなのだろうが。
(ディールクおじさんって何者だよっ?)
ニクスは心の中で叫んでいた。
他に武器になりそうなものがなかったとか、ダメもとでいろいろ試したとか、理由なんてそんなものかもしれないが、なんでそんなやり方を試そうとしたのかが分からない。
真っ二つになってまだゆらゆらしている魔力結晶のなめらかすぎる断面を見ながら、たしか結晶化した魔力って硬度だけなら装甲トカゲの装甲より硬くなかったっけと戦慄の事実にまで気付く。
魔力結晶の品質だってピンキリだがシシャルが作るのは極上品だ。
出所問題で厄介なことになるから誰にも言っていないが、シシャルの作る魔力結晶なら小指の爪程度の大きさでも小金貨一枚に相当しかねない。
そんなトンデモ品質を試し斬りに使った背徳感までも湧いてくる。
菜箸持ってきた、試し斬りは魔力製で魔術以外の何かじゃないといけない、じゃあ魔力結晶にしとこう。という流れでさらっと作られたから、深く考えていなかったが。
「マスター……。それは使わない方がいいよ」
頭が痛い。
この子は誰かが見張ってないとダメだ。
闇属性だから神殿に囲われることはないだろうが、利用価値ありと幽閉されて酷使される可能性は否定できない。
「う。おじさんにも『教えておいてなんだが使わない方がいい』って言われたけど。でも武器持ってないんだから使えるものは使わないと倒せないし」
化け物にトンデモ技術を教えてしまったおじさんも、さすがに危険性には気付いていたようだ。
常識までトンデモじゃなかったのには安心した。
「おじさん、『出世払いで食料なら持ってきてやるからおとなしく仕事しような』って必死に説得してきてさ。おじさんが魔物討伐できなくなった原因の怪我まで見せられて『こうはなりたくないだろ』って言われちゃったら、引き下がるしかなくって」
シシャルは魔力結晶を手に取り、魔力に戻しながら、泣き出しそうに笑う。
「もしも、もしもさ、私も治療についていったら、いなくならなかったのかな」
「マスター。今のマスターはいろいろすごいけど、その頃からすごかったわけじゃないでしょ? たぶん、何も良い方向には行かなかったと思うよ」
慰めなのか、突き放しなのか、言っていてよく分からない。
さすがに当時のシシャルは今ほど化け物じゃなかったと思いたいのも、若干ある。
「むー。あの頃は大した魔術使えなかったけど。お守りだって隊長さんたちに渡しているものの半分の強度もなかったし」
今渡しているのは、一回絶対防御なんてささやかれている代物だ。
さすがに絶対ではないが、暗黒の森の守護竜の割と本気の平手打ちくらいなら理論上は防げるらしい。
暗黒の森は非常に広大なので一概には言えないが、この町から徒歩で片道三日以内であれば守護竜に勝る生命体など存在しない。
一説には守護竜より強いとも言われる暗黒の森最強最悪の魔物はもっと北西の深部にしかいないとされている。
「それでも、無事に帰ってきてほしいって、神殿に治療に行くって知った時から毎日毎日お守り作ったんだよ。いざって時のための魔力結晶も作りまくったんだよ」
「え……? ちょっと待って、たしかその時マスターまだ五歳……」
「ふわふわ様の決めた誕生日ではね。本当に五歳だったかはわかんないけど」
「あ、うん。その辺のややこしいのは置いといて」
ニクスはまっすぐにシシャルを見上げる。
前世の故郷の神を女性にして子供にしたらこんな感じじゃないかと思えてしまうほどの美しさを雑な性格と貧乏が台無しにしている残念少女だが、その力は化け物だ。
「準備できたお守り二十一個と魔力結晶三百個と魔導具三種類渡したけど、足りなかったのか弱すぎたのか、おじさん帰ってこなかったんだよね……」
(いやいやいやいやいやっ。足りなくないから、弱くもないからっ)
専門の暗殺者か何かじゃないと倒せないんじゃないか、それ。
「マスター、どんだけディールクおじさんって人が好きなの」
本人は絶対分かっていないが、お守り一個でも飯代返しきるのではあるまいか。
「どんだけ……。もつ煮よりも好きだし、唐揚げよりも好きだよ」
だめだこの子、好きの基準が食べ物しかなかった。
当時五歳児に色恋なんてないと分かっちゃいたが、考えが甘かった。
「おじさんがいなくなる日まで、毎日ご飯をもらって食べてたんだもん。おじさん、屋台のご飯が好きだけど、自分で料理するのも上手くってさ、ただで手に入る食材でいかに安全でおいしいものを作るか、いろいろ教えてくれたの」
おいしいご飯を作ってくれて食べさせてくれるから好き、か。
それって餌付けではあるまいかと思ってしまっても、バチは当たるまい。
隊長にいまいちなついていないのは、ご飯作ってくれないからだろうか。
「マスター。えっと、さ。話戻そっか」
これ以上深堀りするのは、今はやめておこう。
「今になって思いついたんだけど、夕方に隊長さんと副隊長さんが帰ってきたら武器借りて、明日になったらお試しに行くので間に合うよね? それまでは家の中のことをしようね? ね? 変なことは考えないでいつも通り過ごそっか」
ニクスは基本的に事なかれ主義だ。
八方美人できるほど器用じゃないが、危ないところに近づかないだけならできる。
危険の方が近付いてきた時の回避能力や抗戦能力はないから、一族郎党皆殺し同然の最期を迎えたわけだが。
(マスターが大好きなディールクおじさんが、僕の前世の最期に関わっていないことを祈るよ……)
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
【完結】幼馴染に婚約破棄されたので、別の人と結婚することにしました
鹿乃目めの
恋愛
セヴィリエ伯爵令嬢クララは、幼馴染であるノランサス伯爵子息アランと婚約していたが、アランの女遊びに悩まされてきた。
ある日、アランの浮気相手から「アランは私と結婚したいと言っている」と言われ、アランからの手紙を渡される。そこには婚約を破棄すると書かれていた。
失意のクララは、国一番の変わり者と言われているドラヴァレン辺境伯ロイドからの求婚を受けることにした。
主人公が本当の愛を手に入れる話。
独自設定のファンタジーです。実際の歴史や常識とは異なります。
さくっと読める短編です。
※完結しました。ありがとうございました。
閲覧・いいね・お気に入り・感想などありがとうございます。
(次作執筆に集中するため、現在感想の受付は停止しております。感想を下さった方々、ありがとうございました)
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
我っ娘はネコである!! ~ダンジョンコアの力で老猫(14歳)が少女(14歳)に生まれ変わったら~
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「我はネコである!名前はナイ!」
突然現れ、そう宣言したのは黒髪金目の全裸の少女だった。
14歳の老猫のナイは、主人の賢者ブリアックの死を切っ掛けに自由な野良猫になった。
ちょっとした好奇心からナイは引率付きの初心者冒険者のパーティーの後を追いかけ、ダンジョンへと入ってしまう。
そこでナイと冒険者パーティーは『彷徨える落とし穴』と呼ばれる強制転移ポイントに落とされ、ダンジョン最下層に送り込まれてしまうのだった。
危機的状況に陥る冒険者パーティー。
そこに現れたのは、ダンジョンコアの力で14歳の少女となった元猫のナイだった!
※ ※ ※
猫の14歳は老猫ですが、人間の14歳は少女だよなという発想からの作品です。
14歳の少女ナイは、老猫だったため上から目線で猫らしく自分勝手な性格をしています。
そして、それに振り回されるのが、お人好しで有名な29歳の中堅冒険者のアルベルトです。
ハッキリ言って、タイトル出オチの作品です。
最初は某有名小説そのままのタイトルにして、ナイの一人称を『吾輩』にしようとしてましたが、さすがにそれはマズそうなので現在のタイトルになって、一人称も『我』の我っ娘に。
一応、10万字くらいを区切りにして書き進めていますので、よろしくお付き合いください。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる