Red Signal

「 インスタ 映え 」

「 あっ 結衣子 また 美味しそうな
　 料理 の 写真 アップしてるぅ～ 」


結衣子 とは 某SNS で仲良くなって以来 

頻繁に いいね し合う仲になった ・ ・ ・ 


そう 結衣子は いつも 綺麗に盛り付けた 

とても 美味しそうな 肉料理の数々を 

SNS に アップしていて 


そんな 彼女の ひときわ光彩を放つ写真に

魅了され ファンになる人も数多い . . . 


何を隠そう 私もその一人


「 あっ 結衣子 また 今日も美味しそうな 
　 
　 写真 アップしてる ～ んと 今日は なになに

　 わぁ美味しそうな ミートローフ ～ ♥ 」


私は透かさず いいね した


「 いいなぁ～ 結衣子は いつも お洒落で ～ 

　 きっと 一緒に暮らしてる 旦那さんも 

　 お洒落な人なんだろうなぁ ～ 」


次の日 ・ ・ ・


「 あっ 結衣子 今日は クッキングの写真 だ ～ 

　 えっ なになに . . . 


　“ 今日は いつにも増して

　　 愛する旦那さんのために頑張ってます ” 


　 んもぉ～ 朝から ラブラブ だなぁ～ 」



でも よくよく写真を見ていると

彼女の無垢な笑顔をよそに

なにかが おかしい ・ ・ ・ 



その時 ・ ・ ・ 「 ぎゃぁ !!! 」



驚いた私は 彼女の写った 

その写真の端に 血の気が引いた ・ ・ ・ 


そう ・ ・ ・ 


キッチン台に置かれた

まだ真新しい結婚指輪らしきものが光る


切断された 男性の指らしきものに ・ ・ ・



「 あっ ・ ・ ・ 結衣子 ・ ・ ・ 

　また 美味しそうな 料理 の 写真 アップしてる ・ ・ ・   」



新たに更新された 料理の写真に 幽かに写り込む 

その 彼女の影には 幸せそうで どこか 満たされない 

果てしなく恐ろしい空虚 が 広がっていた ・ ・ ・