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19章 闘い
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木々の間と魔獣を切り捨てる隊士達の横を、お兄様は馬を操りすり抜けて行く。
わたしは振り落とされないように、必死でお兄様にしがみついていた。
森の中心になってくると、魔獣の大きさが大きくなっていき、犬型の魔獣から熊のように二足歩行もできる大型魔獣の姿も見かけるようになった。
それでも、剣に祝福を受けた隊士の剣は強く、斬りつける場所さえ間違わなければ、確実に魔獣を仕留めている。
ここに来るまでに、何体かの騎馬とすれ違った。
戦っている隊士達は馬に乗っていないけど、何人かの隊士が馬で見回りをしており、怪我をした人や加護を切らした人を乗せて、護りの塔まで運んでいるそうだ。
馬に乗ったままでは、背の低い犬型の魔獣と戦えないから、この方法を取っていると。
木々の間を抜けると、三体の熊型の魔獣と二体の犬型の魔獣が二人の隊士を襲っているのが見えた。
ひとりは知らない人だけど、もう一人はルーク様だった。
ルーク様は左腕から血を流し、背中合わせにして戦っているもう一人と共に魔獣に剣を向けていた。
「ルーク様!」
「あっ、バカ大声出すな」
お兄様がわたしの口を塞ごうとするが、それよりも早く魔獣がわたし達に気付く。
魔獣の気が逸れた瞬間、ルーク様は光の加護を発動し、剣を降った。
ルーク様の剣からは大きな炎が吹き出して、わたしたちを襲おうとした魔獣二体を、一瞬で黒焦げにした。
犬型の魔獣がそれに気を取られているうちに、もう一人の隊士がその二体を斬りつけた。
彼の剣から出る光の祝福も火だったのだけど、その二体を斬った後、残火のような小さな火花が散った。
祝福が切れたんだろう。
ルーク様も返す剣で残る熊型一体を斬り捨てて、こちらへと駆けてくる。
「ニーナ!」
ルーク様が馬の横に付いたのを見て、お兄様はわたしを抱き上げて馬から下ろし、ルーク様へとポンと渡した。
「きゃっ!」
わたしはそのままルーク様の腕の中に抱きかかえられた。
ルーク様は腕を怪我しているはずなのに、わたしを大事そうに抱え、ゆっくりと地上に降ろす。
わたしを見て、ホッとした顔をしたのも束の間、冷え冷えとするような冷気を放ち、わたしを睨みつけた。
「オレは屋敷で待ってろって言ったよな? ニーナ」
「えーっと、屋敷で、とは言われていないかなぁ……なんて思うのですが……。塔で待っていたりなんかして……」
「…………。」
ルーク様はふーっと視線をずらす。
ルーク様が視線をずらす時は、自分の言ったことを思い出している時だと、最近気がついた。
多分、記憶を反芻しているのだろう。
「……それは屁理屈というものだ」
ずらした視線をわたしに戻して、ルーク様はそう言った。
多分、屋敷で、と言っていないことに思い当たったんだろうな。
わたしたちがそんなやりとりをしている間、お兄様はルーク様と一緒に戦っていた隊士に、馬を譲り渡していた。
「剣に祝福を掛け直してもらってきたら、復帰してくれ」
「はいっ! では、ルーク隊長、すぐに戻ります」
隊士は馬を走らせ、その場を去って行った。
その後ろ姿を見て、お兄様はルーク様の肩に手を掛けた。
「すぐに、とは言っていたが、すぐに戻るのは難しそうだぜ」
「そんなに塔は大変でしたか?」
「光の隊士は隊長と副隊長を除き、ほぼ全員魔力切れが近い。副隊長はさっきの重傷の隊士を預けてきたし、隊長は役立たずのローゼリアときた。もう光の支援を期待せずに、突き進む方がいいだろうな」
わたしは戦況を語る二人の腕を掴み、ジロリと睨みつけた。
「そんな相談より手当が先です!」
ルーク様のリヤーブレイス(上腕部の鎧)をはずして傷口を確認する。
うん。
お兄様が言っていたように、傷はそんなに深くなさそう。
でも、出血があるので持っていたガーゼで傷口を軽く拭き、そっと触れてから魔力を込める。
すると、すーっと傷口が塞がれていった。
それを見ていたお兄様は、腕を組んで感心したように頷いた。
「ほほぉ。ニーナの魔力はすごいな。これは光の副隊長ミルテ様を超える魔力じゃないか?」
「なんか、生まれ変わってから、光の魔法の方は強くなったみたいなんですよね。風の魔法は並の威力なのに」
「多分、前世からの修行の成果なんだろうな、光の方だけ強いってことは。前世でジーナはルーク様のために毎日のように光の魔法を使っていた。学園にいる頃には、精度が格段に上がっていたもんな」
「そうかもしれませんね。風の方はあんまり使っていないから、そっちは成長してないって言われると、ほんとにそうかもって思います」
手当が終わると、ルーク様は血がついた服の袖口を破り捨てて、その布切れになった袖で鎧に着いた血を拭ってその場に投げ捨てた。
「拭いたくらいで血の匂いは取れないと思うが、血液がついたそのままのものを身に纏っているよりは、魔獣が引き寄せられる確率は減るだろう」
ルーク様の血痕が残っているその場から、わたし達三人は足早に立ち去った。
また魔獣が来たらたまらないもん。
しばらく歩いて、木影がある大きな木の下で腰をおろす。
「あー、やっと座れる。ニーナ、水筒は持っていないか?」
ルーク様がのんきに伸びをしてわたしに手を差し出す。
「あ、ごめんなさい。急いで出てきたからお水は……」
「オレが持ってる」
申し訳なく首を振るわたしの横から、お兄様がルーク様に水筒を差し出した。
「義兄上、助かる」
ルーク様は水筒を受け取ると、ぐいっとあおって水を飲んだ。
一息ついたところで、お兄様が口を開いた。
「さて。こっからが正念場だな」
わたしたち3人は、森の中心にある岩の塊を見つめた。
それは、自然にできたものみたいだけど、まるで岩でできた砦のようだった。
あそこに、魔物がいる。
ルーク様が倒すべき魔物が、あそこにいるんだ。
わたしは振り落とされないように、必死でお兄様にしがみついていた。
森の中心になってくると、魔獣の大きさが大きくなっていき、犬型の魔獣から熊のように二足歩行もできる大型魔獣の姿も見かけるようになった。
それでも、剣に祝福を受けた隊士の剣は強く、斬りつける場所さえ間違わなければ、確実に魔獣を仕留めている。
ここに来るまでに、何体かの騎馬とすれ違った。
戦っている隊士達は馬に乗っていないけど、何人かの隊士が馬で見回りをしており、怪我をした人や加護を切らした人を乗せて、護りの塔まで運んでいるそうだ。
馬に乗ったままでは、背の低い犬型の魔獣と戦えないから、この方法を取っていると。
木々の間を抜けると、三体の熊型の魔獣と二体の犬型の魔獣が二人の隊士を襲っているのが見えた。
ひとりは知らない人だけど、もう一人はルーク様だった。
ルーク様は左腕から血を流し、背中合わせにして戦っているもう一人と共に魔獣に剣を向けていた。
「ルーク様!」
「あっ、バカ大声出すな」
お兄様がわたしの口を塞ごうとするが、それよりも早く魔獣がわたし達に気付く。
魔獣の気が逸れた瞬間、ルーク様は光の加護を発動し、剣を降った。
ルーク様の剣からは大きな炎が吹き出して、わたしたちを襲おうとした魔獣二体を、一瞬で黒焦げにした。
犬型の魔獣がそれに気を取られているうちに、もう一人の隊士がその二体を斬りつけた。
彼の剣から出る光の祝福も火だったのだけど、その二体を斬った後、残火のような小さな火花が散った。
祝福が切れたんだろう。
ルーク様も返す剣で残る熊型一体を斬り捨てて、こちらへと駆けてくる。
「ニーナ!」
ルーク様が馬の横に付いたのを見て、お兄様はわたしを抱き上げて馬から下ろし、ルーク様へとポンと渡した。
「きゃっ!」
わたしはそのままルーク様の腕の中に抱きかかえられた。
ルーク様は腕を怪我しているはずなのに、わたしを大事そうに抱え、ゆっくりと地上に降ろす。
わたしを見て、ホッとした顔をしたのも束の間、冷え冷えとするような冷気を放ち、わたしを睨みつけた。
「オレは屋敷で待ってろって言ったよな? ニーナ」
「えーっと、屋敷で、とは言われていないかなぁ……なんて思うのですが……。塔で待っていたりなんかして……」
「…………。」
ルーク様はふーっと視線をずらす。
ルーク様が視線をずらす時は、自分の言ったことを思い出している時だと、最近気がついた。
多分、記憶を反芻しているのだろう。
「……それは屁理屈というものだ」
ずらした視線をわたしに戻して、ルーク様はそう言った。
多分、屋敷で、と言っていないことに思い当たったんだろうな。
わたしたちがそんなやりとりをしている間、お兄様はルーク様と一緒に戦っていた隊士に、馬を譲り渡していた。
「剣に祝福を掛け直してもらってきたら、復帰してくれ」
「はいっ! では、ルーク隊長、すぐに戻ります」
隊士は馬を走らせ、その場を去って行った。
その後ろ姿を見て、お兄様はルーク様の肩に手を掛けた。
「すぐに、とは言っていたが、すぐに戻るのは難しそうだぜ」
「そんなに塔は大変でしたか?」
「光の隊士は隊長と副隊長を除き、ほぼ全員魔力切れが近い。副隊長はさっきの重傷の隊士を預けてきたし、隊長は役立たずのローゼリアときた。もう光の支援を期待せずに、突き進む方がいいだろうな」
わたしは戦況を語る二人の腕を掴み、ジロリと睨みつけた。
「そんな相談より手当が先です!」
ルーク様のリヤーブレイス(上腕部の鎧)をはずして傷口を確認する。
うん。
お兄様が言っていたように、傷はそんなに深くなさそう。
でも、出血があるので持っていたガーゼで傷口を軽く拭き、そっと触れてから魔力を込める。
すると、すーっと傷口が塞がれていった。
それを見ていたお兄様は、腕を組んで感心したように頷いた。
「ほほぉ。ニーナの魔力はすごいな。これは光の副隊長ミルテ様を超える魔力じゃないか?」
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「拭いたくらいで血の匂いは取れないと思うが、血液がついたそのままのものを身に纏っているよりは、魔獣が引き寄せられる確率は減るだろう」
ルーク様の血痕が残っているその場から、わたし達三人は足早に立ち去った。
また魔獣が来たらたまらないもん。
しばらく歩いて、木影がある大きな木の下で腰をおろす。
「あー、やっと座れる。ニーナ、水筒は持っていないか?」
ルーク様がのんきに伸びをしてわたしに手を差し出す。
「あ、ごめんなさい。急いで出てきたからお水は……」
「オレが持ってる」
申し訳なく首を振るわたしの横から、お兄様がルーク様に水筒を差し出した。
「義兄上、助かる」
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「さて。こっからが正念場だな」
わたしたち3人は、森の中心にある岩の塊を見つめた。
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