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18章 討伐
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今日は、お兄様もデイヴィス家に来てくださって、3人で楽しくお茶をして、お兄様にもわたしが作ったパンケーキを食べていただいた。
王城ではどんな会議があったのかと聞いてみたら、2人とも黙ってしまったけど、素人のわたしが聞いてはいけないことなのだろうと思い、すぐに話題を変えた。
夜、夕食も済ませてルーク様のお部屋でゆったりとお茶を飲む。
「ルーク様、わたしはそろそろ下がらせていただきますね」
ティーカップを片付けながらルーク様に声を掛けると、ルーク様は眉と眉の間に皺を寄せてわたしを見る。
「下がってどこに行くんだ」
「え? 自分の部屋ですけど」
「すぐに戻って来るんだろうな?」
「は? 何故ですか? そのまま寝ちゃいますけど」
何故わかりきったことを? と首を傾げるわたしに、ルーク様はため息をついた。
「いつも通りここで寝ろ」
「ルーク様、いつも通りって、いつもは疲れて寝ちゃうからここでご一緒させていただきましたけど、今日はわたし元気ですよ」
わたしがそう言うと、ルーク様はわたしのところまで歩いてきて、わたしをぎゅっと抱きしめた。
「……オレが元気じゃない」
やっぱり、王城で何かあったんだな。
わたしはルーク様の背中に手を回し、ポンポンと背中を撫でた。
「わかりました。ご一緒させてください。でも、いつもみたいに倒れ込むわけではありませんから、湯浴みしたり着替えたり、ちゃんと支度をさせてください」
「……うん」
もう一度、ポンポンと背中を撫でてから、わたしはルーク様から離れてティーカップを片付けた。
ルーク様のお部屋を出て、素早くティーカップを洗って自室に戻る。
お風呂に入りに行って、夜着に着替えてから、ルーク様のお部屋を訪ねた。
このことについては一応報告したけど、もはやいつものことなので、サリーさんもフランクさんも何も言わなかった。
「ルーク様、起きていらっしゃいますか?」
軽くドアをノックしてから開けると、ルーク様はガウンを着てベッドの端に座っていた。
ルーク様もお風呂に入ったのか、髪からはポタポタとしずくが垂れている。
「ああ! もう! ルーク様、ちゃんと髪を拭かないと風邪ひいちゃいますよ」
わたしは慌ててバスルームにタオルを取りに行き、ルーク様の側に走って行った。
ごしごしと頭を拭くと、ルーク様はわたしにされるがまま、気持ち良さそうに目を細めた。
「昔、水浴びをした後、こうして頭を拭いてもらったな。ジーナの侍女がやってくれた。その時、まだサリーはオレ付きの次女ではなかったな」
わたしは手を止めずに、ルーク様に応える。
「そうですね。あの時はルーク様のお側に控える侍女さんはいませんでしたね。そうそう、知ってます? ルーク様。あの時の侍女、前にミラー子爵家に行った時に会ったんですよ。もう子どもがいるそうで、すっかりお母さんの顔をしていました」
「そうか」
タオルを片付けてルーク様の元に戻ると、ルーク様はわたしをぎゅっと抱きしめて、そのままベッドへと潜り込んだ。
ベッドにの中でも、ルーク様は苦しいくらいにわたしのことを抱きしめている。
息苦しさはあるものの、わたしもルーク様のことを力一杯抱き返す。
だって、聞いてあげられないから。
お城で何があったのか、多分ルーク様はわたしには話してくれないだろう。
話を聞いて慰めてあげられないのなら、わたしがルーク様をどんなに好きか、ルーク様にわかってもらいたい。
大好きで、大好きで、ここまで逢いにきたわたしを見てもらいたい。
息苦しい中、がんばってルーク様を抱きしめていると、ふとルーク様の腕の力が緩んだ。
どうしたんだろう。
気が済んだのかな。
ルーク様の胸に埋めていた顔を上げると、ルーク様の優しいお顔が見えた。
「どうしてかな、ニーナ。おまえが居てくれるだけで、オレはとても幸せな気分になれるんだ」
「ふふ。ルーク様、それは決まってます。わたしがルーク様を大好きだからですよ」
「うん。そして、オレもニーナが大好きだからかな」
ふふっ。
くすくす。
そうして2人で笑い合って、たくさんたくさんキスをした。
王城ではどんな会議があったのかと聞いてみたら、2人とも黙ってしまったけど、素人のわたしが聞いてはいけないことなのだろうと思い、すぐに話題を変えた。
夜、夕食も済ませてルーク様のお部屋でゆったりとお茶を飲む。
「ルーク様、わたしはそろそろ下がらせていただきますね」
ティーカップを片付けながらルーク様に声を掛けると、ルーク様は眉と眉の間に皺を寄せてわたしを見る。
「下がってどこに行くんだ」
「え? 自分の部屋ですけど」
「すぐに戻って来るんだろうな?」
「は? 何故ですか? そのまま寝ちゃいますけど」
何故わかりきったことを? と首を傾げるわたしに、ルーク様はため息をついた。
「いつも通りここで寝ろ」
「ルーク様、いつも通りって、いつもは疲れて寝ちゃうからここでご一緒させていただきましたけど、今日はわたし元気ですよ」
わたしがそう言うと、ルーク様はわたしのところまで歩いてきて、わたしをぎゅっと抱きしめた。
「……オレが元気じゃない」
やっぱり、王城で何かあったんだな。
わたしはルーク様の背中に手を回し、ポンポンと背中を撫でた。
「わかりました。ご一緒させてください。でも、いつもみたいに倒れ込むわけではありませんから、湯浴みしたり着替えたり、ちゃんと支度をさせてください」
「……うん」
もう一度、ポンポンと背中を撫でてから、わたしはルーク様から離れてティーカップを片付けた。
ルーク様のお部屋を出て、素早くティーカップを洗って自室に戻る。
お風呂に入りに行って、夜着に着替えてから、ルーク様のお部屋を訪ねた。
このことについては一応報告したけど、もはやいつものことなので、サリーさんもフランクさんも何も言わなかった。
「ルーク様、起きていらっしゃいますか?」
軽くドアをノックしてから開けると、ルーク様はガウンを着てベッドの端に座っていた。
ルーク様もお風呂に入ったのか、髪からはポタポタとしずくが垂れている。
「ああ! もう! ルーク様、ちゃんと髪を拭かないと風邪ひいちゃいますよ」
わたしは慌ててバスルームにタオルを取りに行き、ルーク様の側に走って行った。
ごしごしと頭を拭くと、ルーク様はわたしにされるがまま、気持ち良さそうに目を細めた。
「昔、水浴びをした後、こうして頭を拭いてもらったな。ジーナの侍女がやってくれた。その時、まだサリーはオレ付きの次女ではなかったな」
わたしは手を止めずに、ルーク様に応える。
「そうですね。あの時はルーク様のお側に控える侍女さんはいませんでしたね。そうそう、知ってます? ルーク様。あの時の侍女、前にミラー子爵家に行った時に会ったんですよ。もう子どもがいるそうで、すっかりお母さんの顔をしていました」
「そうか」
タオルを片付けてルーク様の元に戻ると、ルーク様はわたしをぎゅっと抱きしめて、そのままベッドへと潜り込んだ。
ベッドにの中でも、ルーク様は苦しいくらいにわたしのことを抱きしめている。
息苦しさはあるものの、わたしもルーク様のことを力一杯抱き返す。
だって、聞いてあげられないから。
お城で何があったのか、多分ルーク様はわたしには話してくれないだろう。
話を聞いて慰めてあげられないのなら、わたしがルーク様をどんなに好きか、ルーク様にわかってもらいたい。
大好きで、大好きで、ここまで逢いにきたわたしを見てもらいたい。
息苦しい中、がんばってルーク様を抱きしめていると、ふとルーク様の腕の力が緩んだ。
どうしたんだろう。
気が済んだのかな。
ルーク様の胸に埋めていた顔を上げると、ルーク様の優しいお顔が見えた。
「どうしてかな、ニーナ。おまえが居てくれるだけで、オレはとても幸せな気分になれるんだ」
「ふふ。ルーク様、それは決まってます。わたしがルーク様を大好きだからですよ」
「うん。そして、オレもニーナが大好きだからかな」
ふふっ。
くすくす。
そうして2人で笑い合って、たくさんたくさんキスをした。
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