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18章 討伐
婚姻
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王太子は先ほど侍従が持ってきた資料をいくつか捲り、最後にあった誓約書を取り出した。
おそらく、最初からこれが目的だったのだろう。
「ロ、王女殿下はいまどちらに?」
仮にも、婚姻誓約書にサインをするのだ。
本人がいないなど、通常はありえない。
「ローゼリアは別室でドレスの採寸をしている。他国を招いての祝宴になるからな。以前よりドレスのデザインは考えて作り始めてはいたのだが、そろそろ詰めの作業に入るからな」
どおりで、ローゼリアが訓練を欠席する率が高くなっていたはずだ。
そんなくだらないことを時間を割いていたのだから。
「オレは、ここでサインをする気はありません」
「なにっ!」
ガタンっ。
王太子が興奮気味にソファから立ち上がった。
お綺麗な顔でオレを睨むが、オレはそれに屈するつもりはない。
しばらく睨み合いが続くと、隣に座っていた義兄上が口を開いた。
「まぁまぁ、王太子殿下もルーク様も、ひとまず落ち着きましょう」
王太子は義兄上をジロリと睨む。
「ミラー子爵家が口を挟むことではないが? 次女との縁はとうの昔に切れているだろう」
オレはその言葉にカッとなって王太子に殴りかかろうとした。
いち早くオレの動きに義兄上が反応し、腕を掴んだので、オレはその場に留まることができた。
隣に義兄上が座っていなければ、王太子に暴力を振るった罪で、拘束されるところだ。
討伐を前に、そんなくだらないことで時間を潰されたくはない。
「ルーク様は討伐前に気が立っておられる。そんな気持ちで婚姻誓約書にサインはできないでしょう」
義兄上がその場を取り持とうと、穏やかに言葉を紡ぐが、王太子はバカにしたように笑みを浮かべた。
「ミラー子爵家はデイヴィス侯爵家との婚姻での縁は繋げなかったが、子息は随分と取り入るのがうまいようだな。たかが次期子爵の身分で、デイヴィス家嫡男率いる討伐隊の副隊長にまでなるとはな」
カッと血が逆流し、頭に昇って行くのがわかる。
怒りで目の前が真っ赤になりそうだ。
しかし、義兄上がオレの腕を強く掴むので、なんとか自分を押し殺していられる。
「王太子殿下。ルーク様には腕を認めていただいております。末の妹、ジーナも含めて取り入ろう等と考えたこともございません」
「死んでしまった令嬢のことを盾にとってゴリ押しをした訳ではあるまいな?」
「……滅相もございません。ジーナはそんなことは望みません。ジーナは、ルーク様の幸せだけを願っておりました。ミラー家の繁栄など、カケラも考えてはいなかったでしょう」
オレの腕を押さえる義兄上の腕が震えている。
表面上では穏やかに話しているが、義兄上も相当頭に来ているのだろう。
王太子は、そんなオレたちの様子は歯牙にもかけず、おもしろくなさそうにソファに寄りかかった。
「まぁいい。どの道、討伐が終われば結婚することは決まっているのだからな。ルークよ、決して、ローゼリアを悲しませるような結果にはしてくれるなよ」
オレが死んでも、ローゼリアが悲しむかどうかは知らないがな。
「もちろん、討伐は成功させます。訓練が残っておりますので、これで御前を失礼させていただきます」
義兄上と2人ソファから立ち上がり、退室した。
もう、討伐直前ということで、短縮させた訓練は終わっている。
義兄上と2人、馬車に乗って王城からデイヴィス侯爵家へと急いだ。
一刻も早く、王城から離れたかったのだ。
向かい合わせで座る狭い馬車の中、頬杖をついて窓の外を見ていた義兄上が、独り言のようにポツリと言う。
「ルーク様、止めて悪かった。言われっぱなしで辛かったな」
「いえ、そんな。義兄上の方こそ、よく我慢できたと」
止めてもらって良かったのだ。
それを、義兄上に謝ってもらうことなど、一つもない。
「オレは、まだやらなきゃいけないことがあるからな。ここで逆上して、ルーク様と離されてしまっては本末転倒だ」
「……やらなきゃいけないことって、討伐、ですか?」
オレがそう言うと義兄上は一瞬、目を見開いてオレを見て、そして少し笑って頷いた。
「……まあな。魔物を討伐して、ジーナが望んだ平和な生活をルーク様にさせてやらないとな」
「ジーナを、ニーナを今度こそ幸せにするためにも、魔物にこの国が食い荒らされることは避けなければなりませんからね」
「……そうだな」
それからは、また馬車の中は無言だった。
デイヴィス侯爵家へ馬車が着くと、オレは馬車を降りて振り向いた。
「義兄上も少しお寄りになりませんか?」
本来なら、疲れている義兄上を、このままミラー子爵家まで馬車で送るべきなのだが、オレは何故かデイヴィス侯爵家へと義兄上を誘っていた。
義兄上が、無理に少し笑った顔が、頭から離れなかったからだろう。
義兄上は少しだけ間を置いて頷いた。
「そうだな。ニーナの顔でも見てから帰るかな」
そうして、2人連れ立って屋敷の中に入ると、ニーナが笑顔でオレたちを迎えてくれた。
「お帰りなさいませ! お兄様もご一緒だったんですね! 今日は時間が早いので、パンケーキを焼いてみたんです。お兄様もおやつを食べて行きませんか?」
ニーナの温かい申し出に、オレと義兄上は顔を見合わせる。
そして、2人笑顔を浮かべ、オヤツに呼ばれることにした。
ささくれ立ったオレの心がニーナの温かさで癒されて行く。
きっと、義兄上も同じ気持ちだろう。
この笑顔を護るため、オレは討伐に行く。
ただ、ニーナのためだけに、オレの全てを捧げよう。
おそらく、最初からこれが目的だったのだろう。
「ロ、王女殿下はいまどちらに?」
仮にも、婚姻誓約書にサインをするのだ。
本人がいないなど、通常はありえない。
「ローゼリアは別室でドレスの採寸をしている。他国を招いての祝宴になるからな。以前よりドレスのデザインは考えて作り始めてはいたのだが、そろそろ詰めの作業に入るからな」
どおりで、ローゼリアが訓練を欠席する率が高くなっていたはずだ。
そんなくだらないことを時間を割いていたのだから。
「オレは、ここでサインをする気はありません」
「なにっ!」
ガタンっ。
王太子が興奮気味にソファから立ち上がった。
お綺麗な顔でオレを睨むが、オレはそれに屈するつもりはない。
しばらく睨み合いが続くと、隣に座っていた義兄上が口を開いた。
「まぁまぁ、王太子殿下もルーク様も、ひとまず落ち着きましょう」
王太子は義兄上をジロリと睨む。
「ミラー子爵家が口を挟むことではないが? 次女との縁はとうの昔に切れているだろう」
オレはその言葉にカッとなって王太子に殴りかかろうとした。
いち早くオレの動きに義兄上が反応し、腕を掴んだので、オレはその場に留まることができた。
隣に義兄上が座っていなければ、王太子に暴力を振るった罪で、拘束されるところだ。
討伐を前に、そんなくだらないことで時間を潰されたくはない。
「ルーク様は討伐前に気が立っておられる。そんな気持ちで婚姻誓約書にサインはできないでしょう」
義兄上がその場を取り持とうと、穏やかに言葉を紡ぐが、王太子はバカにしたように笑みを浮かべた。
「ミラー子爵家はデイヴィス侯爵家との婚姻での縁は繋げなかったが、子息は随分と取り入るのがうまいようだな。たかが次期子爵の身分で、デイヴィス家嫡男率いる討伐隊の副隊長にまでなるとはな」
カッと血が逆流し、頭に昇って行くのがわかる。
怒りで目の前が真っ赤になりそうだ。
しかし、義兄上がオレの腕を強く掴むので、なんとか自分を押し殺していられる。
「王太子殿下。ルーク様には腕を認めていただいております。末の妹、ジーナも含めて取り入ろう等と考えたこともございません」
「死んでしまった令嬢のことを盾にとってゴリ押しをした訳ではあるまいな?」
「……滅相もございません。ジーナはそんなことは望みません。ジーナは、ルーク様の幸せだけを願っておりました。ミラー家の繁栄など、カケラも考えてはいなかったでしょう」
オレの腕を押さえる義兄上の腕が震えている。
表面上では穏やかに話しているが、義兄上も相当頭に来ているのだろう。
王太子は、そんなオレたちの様子は歯牙にもかけず、おもしろくなさそうにソファに寄りかかった。
「まぁいい。どの道、討伐が終われば結婚することは決まっているのだからな。ルークよ、決して、ローゼリアを悲しませるような結果にはしてくれるなよ」
オレが死んでも、ローゼリアが悲しむかどうかは知らないがな。
「もちろん、討伐は成功させます。訓練が残っておりますので、これで御前を失礼させていただきます」
義兄上と2人ソファから立ち上がり、退室した。
もう、討伐直前ということで、短縮させた訓練は終わっている。
義兄上と2人、馬車に乗って王城からデイヴィス侯爵家へと急いだ。
一刻も早く、王城から離れたかったのだ。
向かい合わせで座る狭い馬車の中、頬杖をついて窓の外を見ていた義兄上が、独り言のようにポツリと言う。
「ルーク様、止めて悪かった。言われっぱなしで辛かったな」
「いえ、そんな。義兄上の方こそ、よく我慢できたと」
止めてもらって良かったのだ。
それを、義兄上に謝ってもらうことなど、一つもない。
「オレは、まだやらなきゃいけないことがあるからな。ここで逆上して、ルーク様と離されてしまっては本末転倒だ」
「……やらなきゃいけないことって、討伐、ですか?」
オレがそう言うと義兄上は一瞬、目を見開いてオレを見て、そして少し笑って頷いた。
「……まあな。魔物を討伐して、ジーナが望んだ平和な生活をルーク様にさせてやらないとな」
「ジーナを、ニーナを今度こそ幸せにするためにも、魔物にこの国が食い荒らされることは避けなければなりませんからね」
「……そうだな」
それからは、また馬車の中は無言だった。
デイヴィス侯爵家へ馬車が着くと、オレは馬車を降りて振り向いた。
「義兄上も少しお寄りになりませんか?」
本来なら、疲れている義兄上を、このままミラー子爵家まで馬車で送るべきなのだが、オレは何故かデイヴィス侯爵家へと義兄上を誘っていた。
義兄上が、無理に少し笑った顔が、頭から離れなかったからだろう。
義兄上は少しだけ間を置いて頷いた。
「そうだな。ニーナの顔でも見てから帰るかな」
そうして、2人連れ立って屋敷の中に入ると、ニーナが笑顔でオレたちを迎えてくれた。
「お帰りなさいませ! お兄様もご一緒だったんですね! 今日は時間が早いので、パンケーキを焼いてみたんです。お兄様もおやつを食べて行きませんか?」
ニーナの温かい申し出に、オレと義兄上は顔を見合わせる。
そして、2人笑顔を浮かべ、オヤツに呼ばれることにした。
ささくれ立ったオレの心がニーナの温かさで癒されて行く。
きっと、義兄上も同じ気持ちだろう。
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