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16章 討伐前
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しばらくすると馬車が止まったので、ルーク様に手を引かれて外に出る。
デイヴィス家の馬車はいいクッションを椅子に使っているから、おしりが痛くなることはなかったけど、ずっと座っていたから体がカチコチだった。
馬車が止まったそこは、もう目的地。
周りを木々で囲まれた湖のほとりで、涼しい風がわたしの頬を撫でていった。
「ふは~」
両手を伸ばして深呼吸すると、ルーク様が笑い出す。
「やっぱり、馬車の中で大人しくしているのは、ニーナには合わないんだな」
「そういうことではありません。休憩もなしにずっと座ったままだったから、ちょっと伸びたくなっただけです。さ、お昼にしましょう」
わたしは大きな木の下に敷布を敷き、靴を脱いでそこに上がった。
ルーク様はわたしに遅れてのそのそとやって来て、わたしの隣に腰をおろす。
御者の人も一緒にと、お誘いしたんだけど、首をすごい勢いで左右に振って、御者台で休みますと言って戻って行った。
走り去ろうとするのを慌てて捕まえて、少しだけどサンドイッチを渡した。……食べてくれるといいけど。
「何考えてるんだ?」
わたしが馬車の方を見て手を止めたのを、ルーク様が首を傾げて見ている。
「いえ、御者の人もお休みなしでここまで大丈夫だったかなと。でも、ほんとに遠いところなんですね。ちょっと遊べると思っていたのに、来るだけでこんなに時間がかかったら、お昼食べたらすぐに帰らないといけないですね」
ルーク様とお出かけはそれだけで楽しいけど、やっぱりちょっと二人で何かしたかったな。
コポポポと水筒から冷たい紅茶をカップに入れてルーク様に渡すと、満足そうに笑った。
「大丈夫だ。まだ時間はある。遊びたいなら遊べばいいさ。何をする? 釣りもできるぞ」
ルーク様の言葉に顔を上げると、確かに湖にはボートが浮いていた。
それにしても、こんなに綺麗な湖なのに、わたし達以外は誰もいないなんて。
それだけ、街から遠いと言うことなのかしら。
「時間、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ」
帰着が夜中になるってことかしら。
それならそれで構わないけど……。明日もお休みだし。
「だったら、釣りはしなくていいので、ボートには乗ってみたいです。あ、でもわたしボート漕げません」
わたしがそう言うと、ルーク様はローストビーフを食べながら眉を寄せた。
「おまえはオレのことをどう見てるんだ? オレがボートも漕げないような奴だと思っているのか?」
「いえ、二人でボートに乗るならオールを握るのは使用人の役目かと……」
ルーク様は眉をピクリとさせ、わたしの肩を抱いた。
そして、わたしに顔を近付けると、頬にチュッとキスを落とした。
「使用人じゃない。恋人だろ?」
「や、やめてください。ルーク様。外なのに……誰かに見られたらどうするんですか?」
わたしの抗議虚しく、ルーク様は益々わたしを抱く腕に力を入れる。
「見られる訳がない。ここはデイヴィス家の私有地だからな。今日はオレ達の他は、誰も入って来ない」
「えっ、」
「まぁ、御者もいるが何も見るなと言ってある。だから、二人きりだな。ニーナ」
嬉しそうにルーク様が微笑む。
そうか。
だから、御者の人をランチに誘ったら、青い顔をして逃げるように馬車に戻って行ったのか。
「ルーク様、御者の人がかわいそうですよ。休みなしにこんなに遠くまで馬を操ってくれたのに」
「いいんだよ。仕事内容は予め言って御者達に声をかけてる。わかってて名乗りをあげたんだから、大丈夫だ。今回はこの遠乗りだけで破格の給金出してるしな」
「もぉっ! そういう問題じゃないです」
ぶすっとしてしまったわたしに、ルーク様は頭を撫でて機嫌を取る。
「わかったわかった。節度を守った態度を取るよ。ほら、ニーナの作ったカップケーキ、すごく美味いぞ」
「ほんとですか!? よかった~。早起きして頑張ったかいがありました! お口にあって良かったです」
カップケーキを褒められただけで機嫌が直るなんて、ほんとにわたしって単純なのかも……。
それから、湖にボートで出て、手を水に浸したり、ちょっぴりふざけてルーク様に水をかけたりしながら過ごした。
わたしが笑いながらルーク様に水を掛けた時は、ルーク様は目を細めてわたしを見ていた。
わたしも、昔、前世でルーク様と水遊びした時のことを思い出していた。
遠い記憶。
愛しい、いとしい、遠い記憶。
遊び疲れたわたしは、馬車に戻ると寝てしまったようで、馬車の車輪が止まる音で目が覚めた。
ルーク様の肩に寄りかかっていたわたしは、目を擦りながらルーク様の顔を見る。
「ルーク様、着いたんですか?」
カーテンの掛かる小窓はすっかりと暗くなっていて、もう日が暮れたのがわかった。
「ああ、着いた。歩けるか? 屋敷の中まで抱えて行こうか?」
「大丈夫です。目は覚めましたから、歩けます」
そんな話をしていると、御者が扉を開けてくれる。
外はもう暗く、ルーク様の手を借りて馬車から降りると、そこにあったのはいつものデイヴィス家別棟ではなかった。
お屋敷とは言える大きさだけど、別棟よりは全然小さいお屋敷が目の前にあった。
でも小さいとは言っても、ミラー子爵家とは同じくらいかも……。
「……ルーク様、ここ、どこですか?」
わたしが降りた場所から足を動かさずに聞くと、ルーク様は笑顔で手を引く。
「ここはデイヴィス家の別荘だ」
思い切り手を引かれて、わたしは足を進めるしかなく、目の前のお屋敷の方へと歩いて行った。
「どうして別棟じゃないんですか? 今日中に帰れるんでしょうか……?」
ルーク様はそのまま別荘のドアを開ける。
その音でルーク様の来訪に気がついたのか、メイドが一人素早くやって来て、わたしたちに頭を下げた。
「部屋は?」
「ご用意できております」
「そうか。じゃ、あとは勝手にやるから。御者に声をかけて休ませてやってくれ」
「かしこまりました」
ルーク様達はわたしをよそに、会話を終わらせてしまった。
メイドはそのまま外に出て行く。
多分、御者のところへ行ったのだろう。
玄関ホール前の大階段を上りながら、口を開く。
「ルーク様、どういうことですか?」
「別棟にいると、フランクとサリーがうるさいからな。少し足を伸ばして別荘まで来たんだ」
「へっ?」
「今日はここに泊まるぞ」
*****************
これから少し殺伐としますので、ほっこり回です。
まだ、ほっこり回は続きます。
デイヴィス家の馬車はいいクッションを椅子に使っているから、おしりが痛くなることはなかったけど、ずっと座っていたから体がカチコチだった。
馬車が止まったそこは、もう目的地。
周りを木々で囲まれた湖のほとりで、涼しい風がわたしの頬を撫でていった。
「ふは~」
両手を伸ばして深呼吸すると、ルーク様が笑い出す。
「やっぱり、馬車の中で大人しくしているのは、ニーナには合わないんだな」
「そういうことではありません。休憩もなしにずっと座ったままだったから、ちょっと伸びたくなっただけです。さ、お昼にしましょう」
わたしは大きな木の下に敷布を敷き、靴を脱いでそこに上がった。
ルーク様はわたしに遅れてのそのそとやって来て、わたしの隣に腰をおろす。
御者の人も一緒にと、お誘いしたんだけど、首をすごい勢いで左右に振って、御者台で休みますと言って戻って行った。
走り去ろうとするのを慌てて捕まえて、少しだけどサンドイッチを渡した。……食べてくれるといいけど。
「何考えてるんだ?」
わたしが馬車の方を見て手を止めたのを、ルーク様が首を傾げて見ている。
「いえ、御者の人もお休みなしでここまで大丈夫だったかなと。でも、ほんとに遠いところなんですね。ちょっと遊べると思っていたのに、来るだけでこんなに時間がかかったら、お昼食べたらすぐに帰らないといけないですね」
ルーク様とお出かけはそれだけで楽しいけど、やっぱりちょっと二人で何かしたかったな。
コポポポと水筒から冷たい紅茶をカップに入れてルーク様に渡すと、満足そうに笑った。
「大丈夫だ。まだ時間はある。遊びたいなら遊べばいいさ。何をする? 釣りもできるぞ」
ルーク様の言葉に顔を上げると、確かに湖にはボートが浮いていた。
それにしても、こんなに綺麗な湖なのに、わたし達以外は誰もいないなんて。
それだけ、街から遠いと言うことなのかしら。
「時間、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ」
帰着が夜中になるってことかしら。
それならそれで構わないけど……。明日もお休みだし。
「だったら、釣りはしなくていいので、ボートには乗ってみたいです。あ、でもわたしボート漕げません」
わたしがそう言うと、ルーク様はローストビーフを食べながら眉を寄せた。
「おまえはオレのことをどう見てるんだ? オレがボートも漕げないような奴だと思っているのか?」
「いえ、二人でボートに乗るならオールを握るのは使用人の役目かと……」
ルーク様は眉をピクリとさせ、わたしの肩を抱いた。
そして、わたしに顔を近付けると、頬にチュッとキスを落とした。
「使用人じゃない。恋人だろ?」
「や、やめてください。ルーク様。外なのに……誰かに見られたらどうするんですか?」
わたしの抗議虚しく、ルーク様は益々わたしを抱く腕に力を入れる。
「見られる訳がない。ここはデイヴィス家の私有地だからな。今日はオレ達の他は、誰も入って来ない」
「えっ、」
「まぁ、御者もいるが何も見るなと言ってある。だから、二人きりだな。ニーナ」
嬉しそうにルーク様が微笑む。
そうか。
だから、御者の人をランチに誘ったら、青い顔をして逃げるように馬車に戻って行ったのか。
「ルーク様、御者の人がかわいそうですよ。休みなしにこんなに遠くまで馬を操ってくれたのに」
「いいんだよ。仕事内容は予め言って御者達に声をかけてる。わかってて名乗りをあげたんだから、大丈夫だ。今回はこの遠乗りだけで破格の給金出してるしな」
「もぉっ! そういう問題じゃないです」
ぶすっとしてしまったわたしに、ルーク様は頭を撫でて機嫌を取る。
「わかったわかった。節度を守った態度を取るよ。ほら、ニーナの作ったカップケーキ、すごく美味いぞ」
「ほんとですか!? よかった~。早起きして頑張ったかいがありました! お口にあって良かったです」
カップケーキを褒められただけで機嫌が直るなんて、ほんとにわたしって単純なのかも……。
それから、湖にボートで出て、手を水に浸したり、ちょっぴりふざけてルーク様に水をかけたりしながら過ごした。
わたしが笑いながらルーク様に水を掛けた時は、ルーク様は目を細めてわたしを見ていた。
わたしも、昔、前世でルーク様と水遊びした時のことを思い出していた。
遠い記憶。
愛しい、いとしい、遠い記憶。
遊び疲れたわたしは、馬車に戻ると寝てしまったようで、馬車の車輪が止まる音で目が覚めた。
ルーク様の肩に寄りかかっていたわたしは、目を擦りながらルーク様の顔を見る。
「ルーク様、着いたんですか?」
カーテンの掛かる小窓はすっかりと暗くなっていて、もう日が暮れたのがわかった。
「ああ、着いた。歩けるか? 屋敷の中まで抱えて行こうか?」
「大丈夫です。目は覚めましたから、歩けます」
そんな話をしていると、御者が扉を開けてくれる。
外はもう暗く、ルーク様の手を借りて馬車から降りると、そこにあったのはいつものデイヴィス家別棟ではなかった。
お屋敷とは言える大きさだけど、別棟よりは全然小さいお屋敷が目の前にあった。
でも小さいとは言っても、ミラー子爵家とは同じくらいかも……。
「……ルーク様、ここ、どこですか?」
わたしが降りた場所から足を動かさずに聞くと、ルーク様は笑顔で手を引く。
「ここはデイヴィス家の別荘だ」
思い切り手を引かれて、わたしは足を進めるしかなく、目の前のお屋敷の方へと歩いて行った。
「どうして別棟じゃないんですか? 今日中に帰れるんでしょうか……?」
ルーク様はそのまま別荘のドアを開ける。
その音でルーク様の来訪に気がついたのか、メイドが一人素早くやって来て、わたしたちに頭を下げた。
「部屋は?」
「ご用意できております」
「そうか。じゃ、あとは勝手にやるから。御者に声をかけて休ませてやってくれ」
「かしこまりました」
ルーク様達はわたしをよそに、会話を終わらせてしまった。
メイドはそのまま外に出て行く。
多分、御者のところへ行ったのだろう。
玄関ホール前の大階段を上りながら、口を開く。
「ルーク様、どういうことですか?」
「別棟にいると、フランクとサリーがうるさいからな。少し足を伸ばして別荘まで来たんだ」
「へっ?」
「今日はここに泊まるぞ」
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これから少し殺伐としますので、ほっこり回です。
まだ、ほっこり回は続きます。
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