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5章 別れ
王女の企み
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ルークのヤツ!
お父様にもお母様にもお兄様にもお願いして、ルークを婚約者にしてやろうと思ったのに。
最初に話を持ち掛けたデイヴィス侯爵と夫人は、ジーナなんかに感謝していて、ルークが真っ当に育ったのはジーナのおかげだから、本人達の意思ではない限り、王家との婚約には同意しないと言って、わたくしの話をはねつけた。
ミラー子爵は絶対に侯爵家と縁続きになる婚約を解消しないだろうと、デイヴィス侯爵に話を持ち掛けたのに!
普段、表情も出さずにルークを大事にしている素振りも見せないくせに、息子思いの親なんか気取って!
それならルーク本人に、このままジーナと婚約を続けるのなら、魔物討伐が成功しても失敗しても、ルークにはなんの功績にもならないようにしたというのに、それでもあの小娘がいいと言う。
このままでは、本当にペルジャ国に嫁がされてしまう。
ペルジャ国からは、第二王女が嫁ぐなら、石油の輸出を優遇しようと言われている。
そして、理由もなく断れば、輸出量を減らすと言われた。
わたくしが、国内のそこいらの貴族に降嫁しようものなら、ペルジャ国は怒って輸出を制限するだろう。
だが、わたくしが光の術者で、国を守る英雄と結婚せざるを得ないというのなら、ペルジャ国も黙って引き下がってくれる。
魔物に打ち勝てず、国が大打撃を受ければ、ペルジャ国にだって影響がある。
その言い訳なら、間違いなく愚鈍な王太子との結婚から逃れられるはず。
愚鈍な王太子とルークなら、比べるまでもなくルークだ。
ルークに嫁げば、国内だからお父様やお兄様の権力を使うことができる。
わたくしは絶対に、この国から出たくない。
いったい、どうすれば……。
わたくしは爪を噛み、イライラとテーブルの紅茶を眺めた。
「ローゼリア様、紅茶、別の種類にお取り替えしましょうか?」
モニカがわたくしのご機嫌を取るように、紅茶を下げた。
モニカは、今は男爵令嬢だけど、数年前まで侯爵令嬢として教育を受けただけあって、わたくしに対する態度ができているから側に置いている。
東棟への出入りも自由にできるようにしてある。
わたくしは東棟の応接室を毎日借り切って、ここで過ごしている。
寮生活も真っ平だったけれど、休み時間もあんな狭い教室で過ごすなんて嫌だった。
食事も、どうしてわたくしが下々の貴族とも一緒に取らなければならないのか。
はぁ。お姉様はいいわ。
隣国の王子はとても美しい青年だと聞いている。
お姉様と我が国という後ろ盾を得て、王子は王太子となることも決まった。
だから、隣国のお妃教育を我が国で受けるようにして、学園には入学しなかったのだから。
わたくしだって、隣国の王太子に嫁ぐのなら文句は言わない。
何故、ペルジャ国なのか。
考えるだけでイライラするわ。
暖かな日差しを、レースのカーテンが遮る中、モニカがコポコポと紅茶を入れる音すら、勘に触る。
カチャ、とわずかな音を立ててわたくしの前に紅茶が置かれた。
「ローゼリア様。いっそ、ジーナを消してしまったら、ルーク様の婚約者の座はローゼリア様のものになるのではないですか?」
淑女の笑みを浮かべて、優雅にモニカが話し出す。
「社交界から消してしまうにも、ミラー子爵に失態がなければ、いくら王家でも消すことはできないわよ」
イライラして強い言い方でそう言った後、気を落ち着かせようと、わたくしは紅茶を一口飲んだ。
カップをソーサーに戻したのを見て、モニカがわたくしに近付いてくる。
「社交界からではございませんわ。物理的に、この世から消してしまうのですわ」
ちょっとした悪戯を提案する子どものような笑顔で耳打ちをする。
「殺してしまえば、ジーナはルーク様と結婚できません」
殺す?
ジーナが死ぬのは構わないが、わたくしは手を下すことはできない。
「わたくしが殺したことがわかれば、どんなことになるか……。人を雇うにしても、お金はあっても伝手がないわ」
わたくしがそう言うと、モニカはわたくしの足元に跪いて、わたくしの手を取った。
「ローゼリア様。わたくしはローゼリア様の忠実な僕。わたくしなら伝手がありますわ」
はっと、息を呑む。
モニカは本気だ。
ジーナを殺そうとしている。
モニカは侯爵家の令嬢だった頃、ルークに婚約を申し込んだ。
ジーナとの婚約を破棄させて、ルークとモニカが婚約を結べれば、モニカの地位は侯爵令嬢のままだっただろう。
そのことで、モニカは殺したいほどジーナを憎んでいる。
笑みを浮かべて、わたくしに忠誠を誓うモニカ。
知っているわ。
わたくしを口実に、ジーナを殺したがっていることを。
「わかったわ。モニカ、あなたに任せましょう。うまくいったら……そうね。ご褒美をたくさん用意させますわね」
モニカは満足したように、口角を上げた。
「では、ローゼリア様。わたくしに王宮の蔵書閲覧の承認書をくださいませ。調べたいことがございます」
「いいでしょう。明日にでも用意させます」
今日城に帰ったら侍女に承認証書を作らせないと。
ああ、でも信用できる腹心の侍女にやらせないとダメね。
モニカとの繋がりが露見したら不味いわ。
もし、モニカが失敗した時は切り捨てられるように、しばらくはモニカを連れて東棟に来るのはやめましょう。
モニカが一人でやったことならば、わたくしに火の粉がかかることはないはずよ。
わたくしは、お父様とお兄様に溺愛される姫なのだから。
お父様にもお母様にもお兄様にもお願いして、ルークを婚約者にしてやろうと思ったのに。
最初に話を持ち掛けたデイヴィス侯爵と夫人は、ジーナなんかに感謝していて、ルークが真っ当に育ったのはジーナのおかげだから、本人達の意思ではない限り、王家との婚約には同意しないと言って、わたくしの話をはねつけた。
ミラー子爵は絶対に侯爵家と縁続きになる婚約を解消しないだろうと、デイヴィス侯爵に話を持ち掛けたのに!
普段、表情も出さずにルークを大事にしている素振りも見せないくせに、息子思いの親なんか気取って!
それならルーク本人に、このままジーナと婚約を続けるのなら、魔物討伐が成功しても失敗しても、ルークにはなんの功績にもならないようにしたというのに、それでもあの小娘がいいと言う。
このままでは、本当にペルジャ国に嫁がされてしまう。
ペルジャ国からは、第二王女が嫁ぐなら、石油の輸出を優遇しようと言われている。
そして、理由もなく断れば、輸出量を減らすと言われた。
わたくしが、国内のそこいらの貴族に降嫁しようものなら、ペルジャ国は怒って輸出を制限するだろう。
だが、わたくしが光の術者で、国を守る英雄と結婚せざるを得ないというのなら、ペルジャ国も黙って引き下がってくれる。
魔物に打ち勝てず、国が大打撃を受ければ、ペルジャ国にだって影響がある。
その言い訳なら、間違いなく愚鈍な王太子との結婚から逃れられるはず。
愚鈍な王太子とルークなら、比べるまでもなくルークだ。
ルークに嫁げば、国内だからお父様やお兄様の権力を使うことができる。
わたくしは絶対に、この国から出たくない。
いったい、どうすれば……。
わたくしは爪を噛み、イライラとテーブルの紅茶を眺めた。
「ローゼリア様、紅茶、別の種類にお取り替えしましょうか?」
モニカがわたくしのご機嫌を取るように、紅茶を下げた。
モニカは、今は男爵令嬢だけど、数年前まで侯爵令嬢として教育を受けただけあって、わたくしに対する態度ができているから側に置いている。
東棟への出入りも自由にできるようにしてある。
わたくしは東棟の応接室を毎日借り切って、ここで過ごしている。
寮生活も真っ平だったけれど、休み時間もあんな狭い教室で過ごすなんて嫌だった。
食事も、どうしてわたくしが下々の貴族とも一緒に取らなければならないのか。
はぁ。お姉様はいいわ。
隣国の王子はとても美しい青年だと聞いている。
お姉様と我が国という後ろ盾を得て、王子は王太子となることも決まった。
だから、隣国のお妃教育を我が国で受けるようにして、学園には入学しなかったのだから。
わたくしだって、隣国の王太子に嫁ぐのなら文句は言わない。
何故、ペルジャ国なのか。
考えるだけでイライラするわ。
暖かな日差しを、レースのカーテンが遮る中、モニカがコポコポと紅茶を入れる音すら、勘に触る。
カチャ、とわずかな音を立ててわたくしの前に紅茶が置かれた。
「ローゼリア様。いっそ、ジーナを消してしまったら、ルーク様の婚約者の座はローゼリア様のものになるのではないですか?」
淑女の笑みを浮かべて、優雅にモニカが話し出す。
「社交界から消してしまうにも、ミラー子爵に失態がなければ、いくら王家でも消すことはできないわよ」
イライラして強い言い方でそう言った後、気を落ち着かせようと、わたくしは紅茶を一口飲んだ。
カップをソーサーに戻したのを見て、モニカがわたくしに近付いてくる。
「社交界からではございませんわ。物理的に、この世から消してしまうのですわ」
ちょっとした悪戯を提案する子どものような笑顔で耳打ちをする。
「殺してしまえば、ジーナはルーク様と結婚できません」
殺す?
ジーナが死ぬのは構わないが、わたくしは手を下すことはできない。
「わたくしが殺したことがわかれば、どんなことになるか……。人を雇うにしても、お金はあっても伝手がないわ」
わたくしがそう言うと、モニカはわたくしの足元に跪いて、わたくしの手を取った。
「ローゼリア様。わたくしはローゼリア様の忠実な僕。わたくしなら伝手がありますわ」
はっと、息を呑む。
モニカは本気だ。
ジーナを殺そうとしている。
モニカは侯爵家の令嬢だった頃、ルークに婚約を申し込んだ。
ジーナとの婚約を破棄させて、ルークとモニカが婚約を結べれば、モニカの地位は侯爵令嬢のままだっただろう。
そのことで、モニカは殺したいほどジーナを憎んでいる。
笑みを浮かべて、わたくしに忠誠を誓うモニカ。
知っているわ。
わたくしを口実に、ジーナを殺したがっていることを。
「わかったわ。モニカ、あなたに任せましょう。うまくいったら……そうね。ご褒美をたくさん用意させますわね」
モニカは満足したように、口角を上げた。
「では、ローゼリア様。わたくしに王宮の蔵書閲覧の承認書をくださいませ。調べたいことがございます」
「いいでしょう。明日にでも用意させます」
今日城に帰ったら侍女に承認証書を作らせないと。
ああ、でも信用できる腹心の侍女にやらせないとダメね。
モニカとの繋がりが露見したら不味いわ。
もし、モニカが失敗した時は切り捨てられるように、しばらくはモニカを連れて東棟に来るのはやめましょう。
モニカが一人でやったことならば、わたくしに火の粉がかかることはないはずよ。
わたくしは、お父様とお兄様に溺愛される姫なのだから。
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