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完結後 番外編 元人質姫と忘れんぼ王の結婚式
4. フレッドとディリオン、来賓との出会い
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ギルバートがボナールに到着した翌日、ライリーも遅れてボナール城に入った。
ギルバートよりも遅くなったのは、やはり一国の王が国を空けるのに準備が必要だったからに他ならない。
それまで、馬車の中でさえ忙しく執務をこなし、やっとシャーロットに会えるとライリーはウキウキして城門をくぐった。
「は? シャーロットと会えない?」
ライリーはフレッドの言葉にあんぐりと口を開けた。
「シャーロットちゃん、明日から結婚式関係で忙しくなるだろ? その前にっていうんで、急な公務がいくつか入ってさ。それが終わったらドレスの最終確認と、神殿との打ち合わせが入ってて。残念だけど、ライリー陛下と会う時間がないんだよね。もう一日早く来てたら少しは時間が空けられたんだけど……。でも、明日の結婚式では会えるし、その後はずっと一緒だからいいよね」
「いいわけないだろう!」
ライリーは不機嫌に声を荒げる。
それを見てコンラッドが間に入った。
「まあまあ、陛下。国王が城を空ける大変さは陛下もわかるだろう? 陛下だって仕事を持ってきてるくらいなんだ」
フレッドもコンラッド越しに話を続ける。
「できれば、ライリー陛下にもボナールの内閣執務室に顔を出してもらいたいけど……。でも、披露宴後に顔合わせの機会を設けているから無理にとは言わないけど、どうする?」
「行く」
ぶすっとした表情だが、さすがに職務は全うするようだ。
こうしてライリーは、ボナール側との顔合わせや、持ってきた仕事をしに、城の中へと入って行った。
「ふぅ~」
ライリーを執務室に送った後、フレッドはボナール城の庭園にあるベンチに腰を下ろして休憩をしていた。
バタバタと慌ただしくなってきた城内に、心身ともにクタクタだったが、シャーロットが心を込めて育てている庭園の花を見ると心が和むのだ。
もう、慌ただしいのも明日で終わりだ。
結婚式が終われば、シャーロットに付いてランバラルドへ移動する。
ボナールでは宰相職についているため仕事が山ほどあるが、ランバラルドでは何の職務もないため、ここに居るよりは息が抜けるだろうと考えていた。
そこへ、ディリオンが同じく休憩をしに現れる。
「よお、ディリオン。休憩なら隣に座れば? 陛下とコンラッドは?」
「あぁ、休憩もしようとは思っていたが、フレッドに話があって探していたのだ。あいつらはボナール側との顔合わせが終わって部屋で仕事の続きをしている。だからオレのように早めを終わらせておけば良いものを」
ディリオンは疲れた様子で隣に腰を下ろした。
「なーに? なんか用だった?」
「うむ。これからのことだが、オレとフレッドは同じ宰相を勤めているだろう? 結婚後に国はひとつになるのだ。お互いの情勢を知っていた方がいいと思う。落ち着いたら一度、フレッドにもランバラルドの宰相職について欲しい」
「えー、じゃあボナールはどうなるのさ」
「一度、と言ったであろう。ずっとではない。フレッドがランバラルドに居る間は、オレがボナールの宰相を務めよう」
「一時的な交代ってこと? オレにランバラルドの宰相が務まるかなあ……。父さんの様子を見てると、大臣たちとの駆け引きは大変みたいだし」
「ドニー殿も手助けしてくれる。問題ない」
フレッドはディリオンを横目で見た。
別に、交代する必要性を感じなかったらからだが……。
ふぅ。
フレッドはため息を一つついた。
「わかったよ。父さんに教わってランバラルドの宰相職もやってみるよ」
ディリオンはその言葉を聞いて唇の端を少し上げた。
ワガママなライリーの世話が嫌になったのも本心だが、ディリオン自身がドニーから宰相職の引き継ぎを受けていた時に、ドニーがフレッドを心配していることを知っていたから、フレッドにもランバラルドで宰相職に就いて欲しかったのだ。
ランバラルドの宰相は自分であるとディリオンは誇りを持っている。
しかし、ボナールと一つになれば、国土が広がりひとりでは対応し切れないだろう。
今後のことを考えても、両国を見る宰相職をフレッドと2人で務めるのが一番いいと感じていた。
そのため、一定期間だけお互いのやってきた仕事を見てみるのも悪くないと考えたのだ。
フレッドは、ディリオンの気持ちに、何となく気付いていた。
父親のドニーの親心を思ってのことだと。
ただ、ランバラルドで宰相をやってみるのは確かに為になると思ってはいるが、この忙しさの後で、大国となるランバラルドの宰相をすぐにこなせる自信がなかったのと、ライリーのワガママに振り回されることが容易に予想できたので、心の中でため息をついた。
今後のことを真剣に考えていると、視界の端に色鮮やかなドレスを纏った令嬢2人が入ってきた。
「ディリオン、あれ、デイデアの王女とエルシアの公爵令嬢だよね?」
「うむ。そうだな。フレッド、結婚式の招待状は送ったのか?」
「いや、ボナールからは結婚式があることは案内しているけど、招待は披露宴の方だけだよ。だって、エルシアはいいとして、デイデアはボナールが戦争を吹っ掛けたせいで、王政が廃止されただろう? シャーロットちゃんの代になってなんとか友好関係を結んだけど、まだ火種は燻っているからね」
「結婚式への参加を拒んではいないが故に、物珍しさで結婚式から出席する貴族もいるからな。その類の者たちであろう」
2人は立ち上がり、令嬢たちの近くへと足を進めた。
「こんにちは。城内で迷子になりましたか?」
フレッドが声をかけると、エルシアの公爵令嬢とデイデアの王女は振り返った。
焦げ茶の髪と榛色の瞳を持つエルシアの公爵令嬢が、首を傾げる。
「いいえ。ここは庭園だと思って花壇を見ていたのですが、何かいけなかったかしら?」
フレッドは愛想良く答える。
「いけないなどということはありません。シャーロット陛下が丹精込めて育てた花壇です。どうぞご覧になってください」
フレッドが微笑むと、公爵令嬢は頬を染めた。
「ありがとうございます。わたくしはエルシアで植物の研究をしています。ボナールのシャーロット陛下が手掛けた植物は、育ちがいいと聞いて、一度見てみたかったのです」
あー……。虹の後継者だからね。とフレッドは思ったが口には出さない。
言ったところで、誰にも真似できないのだ。
この令嬢はエルシアの研究者と名乗ったが、エルシアは女性でも手に職を持っていることが多い。
きっとこの令嬢もそうなのであろう。
フレッドは公爵令嬢であるのに、自分の仕事をきちんと持っている彼女を好ましく思った。
真剣に植物やその下の土を見る令嬢に、特別な力がなくても成果が出るように、フレッドは心の中でエールを送るのだった。
今度は、金色の髪と青い瞳を持つデイデアの王女が口を開く。
「わたくしはデイデアから来た者です。ボナールとの戦争で敗戦国となり、王政は廃止されました。わたくしたちの国の王族は、国の象徴となり、実権を手放しました。侵略という理由の戦争に、一時は怒りも覚えましたが、コルビー陛下は領地こそ一部取り上げましたがデイデアの暮らしは保証してくださり、また、ボナールとの戦争に勝ったランバラルドのライリー陛下が王太子だった頃に、切り離された港や鉱山の領地の行き来を開放してくださいました。そのおかげで、国民は離ればなれにされた家族と会うことができました。そんなコルビー前王の娘で、ライリー陛下の妻となるシャーロット陛下が、どんな方か見てみたかったのです」
それを聞いて、ディリオンは眉根を寄せる。
デイデアの王女というだけで警戒対象だ。
それをはっきりとシャーロットの様子を見に来たと言う。どういうつもりなのか、計りかねていた。
「シャーロット陛下とは、結婚式では話をする機会はないはずだが」
「ええ。わかっております。ランバラルドでの披露パーティーでは取り繕われる可能性がありますので、気を許している結婚式を見たかったのです」
「結婚式でも気は張っていると思うが?」
「そうでしょうね。ランバラルドで行う披露宴より、自国での結婚式の方が素を出しやすいと思って。でも、明日を待つまでもなく、この庭園を見て少しお人柄がわかった気がします。花と花が密接しないよう心配りされていて、それによって世話は大変になるでしょうに、こちらの手入れは可能な限りシャーロット陛下がなさっていると聞きました。花に優しくできる方です。人民に非道の行いはできないのではないかと思いました。あくまでもわたくしの予想ですが」
デイデアの王女はたおやかに微笑んだ。
それを見てディリオンは目を見開く。
素直に、綺麗だと思えたからだ。
そこに居合わせた4人は、それぞれ名乗らずに別れることとなる。
しかし、この後、密接にお互いが関わり合いになるなど、この時誰も想像してはいなかった。
*****************
この後、ランバラルド宰相職についている間に、国立フラワーガーデンでの業務の関係でエルシアの令嬢とフレッドは連絡を取ります。
エルシアの令嬢は、お嬢様らしい性格をしていますが、研究者ということもあり、しっかりしており、フレッドは自分をしっかり持っている令嬢に敬意を持って接します。
逆に、ボナールの宰相を交代でディリオンがやっている時に、デイデアの王女とディリオンの交流があります。
デイデアの王女は気が強く、ディリオンと衝突しますが、気の強い者同士、なんとなーく気が合ったりもします。
これが恋愛に発展するかどうかは、まだわかりませんが……ww
ギルバートよりも遅くなったのは、やはり一国の王が国を空けるのに準備が必要だったからに他ならない。
それまで、馬車の中でさえ忙しく執務をこなし、やっとシャーロットに会えるとライリーはウキウキして城門をくぐった。
「は? シャーロットと会えない?」
ライリーはフレッドの言葉にあんぐりと口を開けた。
「シャーロットちゃん、明日から結婚式関係で忙しくなるだろ? その前にっていうんで、急な公務がいくつか入ってさ。それが終わったらドレスの最終確認と、神殿との打ち合わせが入ってて。残念だけど、ライリー陛下と会う時間がないんだよね。もう一日早く来てたら少しは時間が空けられたんだけど……。でも、明日の結婚式では会えるし、その後はずっと一緒だからいいよね」
「いいわけないだろう!」
ライリーは不機嫌に声を荒げる。
それを見てコンラッドが間に入った。
「まあまあ、陛下。国王が城を空ける大変さは陛下もわかるだろう? 陛下だって仕事を持ってきてるくらいなんだ」
フレッドもコンラッド越しに話を続ける。
「できれば、ライリー陛下にもボナールの内閣執務室に顔を出してもらいたいけど……。でも、披露宴後に顔合わせの機会を設けているから無理にとは言わないけど、どうする?」
「行く」
ぶすっとした表情だが、さすがに職務は全うするようだ。
こうしてライリーは、ボナール側との顔合わせや、持ってきた仕事をしに、城の中へと入って行った。
「ふぅ~」
ライリーを執務室に送った後、フレッドはボナール城の庭園にあるベンチに腰を下ろして休憩をしていた。
バタバタと慌ただしくなってきた城内に、心身ともにクタクタだったが、シャーロットが心を込めて育てている庭園の花を見ると心が和むのだ。
もう、慌ただしいのも明日で終わりだ。
結婚式が終われば、シャーロットに付いてランバラルドへ移動する。
ボナールでは宰相職についているため仕事が山ほどあるが、ランバラルドでは何の職務もないため、ここに居るよりは息が抜けるだろうと考えていた。
そこへ、ディリオンが同じく休憩をしに現れる。
「よお、ディリオン。休憩なら隣に座れば? 陛下とコンラッドは?」
「あぁ、休憩もしようとは思っていたが、フレッドに話があって探していたのだ。あいつらはボナール側との顔合わせが終わって部屋で仕事の続きをしている。だからオレのように早めを終わらせておけば良いものを」
ディリオンは疲れた様子で隣に腰を下ろした。
「なーに? なんか用だった?」
「うむ。これからのことだが、オレとフレッドは同じ宰相を勤めているだろう? 結婚後に国はひとつになるのだ。お互いの情勢を知っていた方がいいと思う。落ち着いたら一度、フレッドにもランバラルドの宰相職について欲しい」
「えー、じゃあボナールはどうなるのさ」
「一度、と言ったであろう。ずっとではない。フレッドがランバラルドに居る間は、オレがボナールの宰相を務めよう」
「一時的な交代ってこと? オレにランバラルドの宰相が務まるかなあ……。父さんの様子を見てると、大臣たちとの駆け引きは大変みたいだし」
「ドニー殿も手助けしてくれる。問題ない」
フレッドはディリオンを横目で見た。
別に、交代する必要性を感じなかったらからだが……。
ふぅ。
フレッドはため息を一つついた。
「わかったよ。父さんに教わってランバラルドの宰相職もやってみるよ」
ディリオンはその言葉を聞いて唇の端を少し上げた。
ワガママなライリーの世話が嫌になったのも本心だが、ディリオン自身がドニーから宰相職の引き継ぎを受けていた時に、ドニーがフレッドを心配していることを知っていたから、フレッドにもランバラルドで宰相職に就いて欲しかったのだ。
ランバラルドの宰相は自分であるとディリオンは誇りを持っている。
しかし、ボナールと一つになれば、国土が広がりひとりでは対応し切れないだろう。
今後のことを考えても、両国を見る宰相職をフレッドと2人で務めるのが一番いいと感じていた。
そのため、一定期間だけお互いのやってきた仕事を見てみるのも悪くないと考えたのだ。
フレッドは、ディリオンの気持ちに、何となく気付いていた。
父親のドニーの親心を思ってのことだと。
ただ、ランバラルドで宰相をやってみるのは確かに為になると思ってはいるが、この忙しさの後で、大国となるランバラルドの宰相をすぐにこなせる自信がなかったのと、ライリーのワガママに振り回されることが容易に予想できたので、心の中でため息をついた。
今後のことを真剣に考えていると、視界の端に色鮮やかなドレスを纏った令嬢2人が入ってきた。
「ディリオン、あれ、デイデアの王女とエルシアの公爵令嬢だよね?」
「うむ。そうだな。フレッド、結婚式の招待状は送ったのか?」
「いや、ボナールからは結婚式があることは案内しているけど、招待は披露宴の方だけだよ。だって、エルシアはいいとして、デイデアはボナールが戦争を吹っ掛けたせいで、王政が廃止されただろう? シャーロットちゃんの代になってなんとか友好関係を結んだけど、まだ火種は燻っているからね」
「結婚式への参加を拒んではいないが故に、物珍しさで結婚式から出席する貴族もいるからな。その類の者たちであろう」
2人は立ち上がり、令嬢たちの近くへと足を進めた。
「こんにちは。城内で迷子になりましたか?」
フレッドが声をかけると、エルシアの公爵令嬢とデイデアの王女は振り返った。
焦げ茶の髪と榛色の瞳を持つエルシアの公爵令嬢が、首を傾げる。
「いいえ。ここは庭園だと思って花壇を見ていたのですが、何かいけなかったかしら?」
フレッドは愛想良く答える。
「いけないなどということはありません。シャーロット陛下が丹精込めて育てた花壇です。どうぞご覧になってください」
フレッドが微笑むと、公爵令嬢は頬を染めた。
「ありがとうございます。わたくしはエルシアで植物の研究をしています。ボナールのシャーロット陛下が手掛けた植物は、育ちがいいと聞いて、一度見てみたかったのです」
あー……。虹の後継者だからね。とフレッドは思ったが口には出さない。
言ったところで、誰にも真似できないのだ。
この令嬢はエルシアの研究者と名乗ったが、エルシアは女性でも手に職を持っていることが多い。
きっとこの令嬢もそうなのであろう。
フレッドは公爵令嬢であるのに、自分の仕事をきちんと持っている彼女を好ましく思った。
真剣に植物やその下の土を見る令嬢に、特別な力がなくても成果が出るように、フレッドは心の中でエールを送るのだった。
今度は、金色の髪と青い瞳を持つデイデアの王女が口を開く。
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それを聞いて、ディリオンは眉根を寄せる。
デイデアの王女というだけで警戒対象だ。
それをはっきりとシャーロットの様子を見に来たと言う。どういうつもりなのか、計りかねていた。
「シャーロット陛下とは、結婚式では話をする機会はないはずだが」
「ええ。わかっております。ランバラルドでの披露パーティーでは取り繕われる可能性がありますので、気を許している結婚式を見たかったのです」
「結婚式でも気は張っていると思うが?」
「そうでしょうね。ランバラルドで行う披露宴より、自国での結婚式の方が素を出しやすいと思って。でも、明日を待つまでもなく、この庭園を見て少しお人柄がわかった気がします。花と花が密接しないよう心配りされていて、それによって世話は大変になるでしょうに、こちらの手入れは可能な限りシャーロット陛下がなさっていると聞きました。花に優しくできる方です。人民に非道の行いはできないのではないかと思いました。あくまでもわたくしの予想ですが」
デイデアの王女はたおやかに微笑んだ。
それを見てディリオンは目を見開く。
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そこに居合わせた4人は、それぞれ名乗らずに別れることとなる。
しかし、この後、密接にお互いが関わり合いになるなど、この時誰も想像してはいなかった。
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この後、ランバラルド宰相職についている間に、国立フラワーガーデンでの業務の関係でエルシアの令嬢とフレッドは連絡を取ります。
エルシアの令嬢は、お嬢様らしい性格をしていますが、研究者ということもあり、しっかりしており、フレッドは自分をしっかり持っている令嬢に敬意を持って接します。
逆に、ボナールの宰相を交代でディリオンがやっている時に、デイデアの王女とディリオンの交流があります。
デイデアの王女は気が強く、ディリオンと衝突しますが、気の強い者同士、なんとなーく気が合ったりもします。
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