182 / 187
完結後 番外編 元人質姫と忘れんぼ王の結婚式
2. ギルバート、一足先にボナールへ到着
しおりを挟む
シャーロットがギルバートに用意した部屋を訪ねる。
コンコンとドアをノックして開けると、部屋の中にはソファに座って紅茶を片手に寛ぐギルバートがいた。
「ギルバート様、ようこそおいでくださいました!」
シャーロットは満面の笑みで、ギルバートの向かい側へと腰を下ろす。
「シャーロット、久しぶりだな。元気であったか?」
「はい。ギルバート様もお元気そうで」
柔らかく微笑むギルバートの前には、アップルパイとスイートポテトが並んでいた。
「今日のオヤツもうまいな。シャーロットが作ったのであろう? なんだこのアップルパイとスイートポテトのコンボは。私をボナールに永住させる気か。ランバラルドに帰りたくなくなるではないか」
シャーロットはギルバートのために、忙しい合間を縫ってお菓子を作ったのだ。
いつも気難しい顔をしているギルバートが、微笑んで食べているのを見ると、作った甲斐があったというもの。
「そうだ、シャーロット。今日はサプライズな土産がある」
ギルバートが部屋の隅に控えていたランバラルドの侍女に目線で合図を送ると、侍女は隣の部屋へと行き、すぐに戻ってきた。
隣の部屋から先ほどとは別の侍女がふたり、シャーロットとギルバートの側にやって来る。
「お呼びでしょうか、ギルバート様」
ふたりの侍女が顔を上げると、ソファに座るシャーロットとギルバートを見て目を見開く。
「シャーロット、ランバラルド城のリサとルーシーだ。面識があるだろう?」
リサとルーシーは、ゆっくりとつぶやく。
「シャーロット、さま? え? ロッテ? え?」
リサとルーシーは、ギルバートから何も聞かされずにボナールまで連れてこられたのだ。
「シャーロットはリサとルーシーと仲が良かっただろう? 結婚式はお前の晴れ姿だ。連れてきてみた」
ギルバートは悪びれずに、スイートポテトを頬張りながらシャーロットに告げた。
シャーロットはふたりに事情を告げずにボナールに帰国していたので、ふたりを目の前にして申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「リサさん、ルーシーさん、ごめんなさいね。何も言わずに帰ってしまって。実は、私は離宮に住んでいたシャーロットだったの。侍女のロッテに姿を変えていた時は、とても良くしていただいて、感謝してもしきれないくらい。また会えて嬉しいです」
立ち上がり、シャーロットはふたりの側に行き、ふたりの手を取った。
リサとルーシーは、一国の女王が自分と同じ高さで話すどころか、親しげに歩み寄って手を取ったことに動揺する。
リサはギルバートに救いを求めて視線を向けた。
「リサ、臆することはない。そこにいるのは一国の女王ではあるが、間抜けなロッテだ。対外的には敬う必要があるが、身内だけのここならば、何も言わずに帰国したことを責めても問題ないぞ」
ギルバートはすました顔をして、リサとルーシーに言った。
「ロ、ロッテ。ほんとにロッテなの……?」
ルーシーはおずおずと話しかける。
「ええ、ロッテよ。調子に乗って厨房でジャガイモの皮をむき過ぎて、料理長にしこたま怒られたことのあるロッテよ」
リサとルーシーはがばりとシャーロットに抱きついた。
「心配したんだからね~! そそっかしいロッテがちゃんとやっているのか、いつも心配してたの。まったく、ロッテは側にいなくても心配させるよねって、いつも2人で話してたのよ」
ギルバートはスイートポテトを頬張りながらそれを見ている。
「シャーロットは結婚したらランバラルドにまた来ることになるだろう。見知った侍女がいるといないでは大違いだからな。そんな訳で連れてきた」
「ギルバート様、ありがとうございます!」
ひとしきり再会を喜んだ後、ジュディもこの場に呼ばれてその輪に加わった。
「2人とも久しぶりね」
ジュディは笑顔で2人にハグをする。
感動の抱擁が終わったところで、ルーシーはジュディをジロリと睨んだ。
「それにしても、ひどいわ。わたしたちにまでロッテのことを隠すなんて。打ち明けてくれたら何か力になれることもあったのに」
「ごめんね。でも、わたしも言えなかったのよ。側妃であり、ボナールの王女でもある姫様が、あんなに粗忽なメイドをやっているなんて」
メイド3人の視線がシャーロットに集まる。
「な、なによ」
「うん。確かに、あの時にロッテがシャーロット様だって言われても、わたしは信じる自信がないわ」
「そうでしょ」
何故か納得している3人に、シャーロットは顔を赤くして怒る。
「もぉっ! あなたたち、失礼だわ! 私だってちゃんとお掃除もお料理もしていましたもの!立派なメイドだったはずよ」
ぷんぷんと頭から湯気を出しそうなシャーロットの様子に、リサはくすくすと笑いながらシャーロットの手を取った。
「ごめんなさい、ロッテ。ちょっとからかっただけよ。あなたがシャーロット様だったなんて驚いたけれど、ライリー様とご結婚なさる王女様があなたでよかった。わたしは、シャーロット様に誠心誠意、尽くさせていただきます」
「リサさん……」
シャーロットはリサの言葉に胸が熱くなった。
腰を折り、忠誠の意を表していたリサとルーシーだったが、ふと、リサが顔を上げて今度は厳しい表情でシャーロットを見た。
「ただし、今度からは王妃として相応しくない、例えばスカートをまくって廊下を走るなどの行為をした場合は、厳しくご注意させていただきます。これは、愛のムチですからね」
「……へ?」
ルーシーも、ずいっと前に歩み寄る。
「そうですとも! 王妃様ともあろうお方が、ふくらはぎを見せて廊下を走るなんて!」
「……は?」
最後に、ジュディもそれに加わる。
「もちろん、わたしも今まで通り、厳しく注意させてもらいますよ」
「……え?」
「「「わたしたちは、シャーロット様が立派な王妃様にお成りあそばすまで、ご協力いたします!!!」」」
「えー……」
シャーロットは嬉しいやら悲しいやら。
だが、これからランバラルドでの生活でも、頼もしい仲間ができたことを素直に喜んだのだった。
ひとしきり、昔話に花を咲かせた後、シャーロット以外の3人はボナール城の侍女室へと姿を消した。
きっと、侍女室の中でも、話に花を咲かせることだろう。
シャーロットもそろそろギルバートの部屋を退出しようとしたところで、侍従が来客を告げる。
「帝国、ジルベール陛下がお見えです。間も無く、こちらにいらっしゃるとのことです」
コンコンとドアをノックして開けると、部屋の中にはソファに座って紅茶を片手に寛ぐギルバートがいた。
「ギルバート様、ようこそおいでくださいました!」
シャーロットは満面の笑みで、ギルバートの向かい側へと腰を下ろす。
「シャーロット、久しぶりだな。元気であったか?」
「はい。ギルバート様もお元気そうで」
柔らかく微笑むギルバートの前には、アップルパイとスイートポテトが並んでいた。
「今日のオヤツもうまいな。シャーロットが作ったのであろう? なんだこのアップルパイとスイートポテトのコンボは。私をボナールに永住させる気か。ランバラルドに帰りたくなくなるではないか」
シャーロットはギルバートのために、忙しい合間を縫ってお菓子を作ったのだ。
いつも気難しい顔をしているギルバートが、微笑んで食べているのを見ると、作った甲斐があったというもの。
「そうだ、シャーロット。今日はサプライズな土産がある」
ギルバートが部屋の隅に控えていたランバラルドの侍女に目線で合図を送ると、侍女は隣の部屋へと行き、すぐに戻ってきた。
隣の部屋から先ほどとは別の侍女がふたり、シャーロットとギルバートの側にやって来る。
「お呼びでしょうか、ギルバート様」
ふたりの侍女が顔を上げると、ソファに座るシャーロットとギルバートを見て目を見開く。
「シャーロット、ランバラルド城のリサとルーシーだ。面識があるだろう?」
リサとルーシーは、ゆっくりとつぶやく。
「シャーロット、さま? え? ロッテ? え?」
リサとルーシーは、ギルバートから何も聞かされずにボナールまで連れてこられたのだ。
「シャーロットはリサとルーシーと仲が良かっただろう? 結婚式はお前の晴れ姿だ。連れてきてみた」
ギルバートは悪びれずに、スイートポテトを頬張りながらシャーロットに告げた。
シャーロットはふたりに事情を告げずにボナールに帰国していたので、ふたりを目の前にして申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「リサさん、ルーシーさん、ごめんなさいね。何も言わずに帰ってしまって。実は、私は離宮に住んでいたシャーロットだったの。侍女のロッテに姿を変えていた時は、とても良くしていただいて、感謝してもしきれないくらい。また会えて嬉しいです」
立ち上がり、シャーロットはふたりの側に行き、ふたりの手を取った。
リサとルーシーは、一国の女王が自分と同じ高さで話すどころか、親しげに歩み寄って手を取ったことに動揺する。
リサはギルバートに救いを求めて視線を向けた。
「リサ、臆することはない。そこにいるのは一国の女王ではあるが、間抜けなロッテだ。対外的には敬う必要があるが、身内だけのここならば、何も言わずに帰国したことを責めても問題ないぞ」
ギルバートはすました顔をして、リサとルーシーに言った。
「ロ、ロッテ。ほんとにロッテなの……?」
ルーシーはおずおずと話しかける。
「ええ、ロッテよ。調子に乗って厨房でジャガイモの皮をむき過ぎて、料理長にしこたま怒られたことのあるロッテよ」
リサとルーシーはがばりとシャーロットに抱きついた。
「心配したんだからね~! そそっかしいロッテがちゃんとやっているのか、いつも心配してたの。まったく、ロッテは側にいなくても心配させるよねって、いつも2人で話してたのよ」
ギルバートはスイートポテトを頬張りながらそれを見ている。
「シャーロットは結婚したらランバラルドにまた来ることになるだろう。見知った侍女がいるといないでは大違いだからな。そんな訳で連れてきた」
「ギルバート様、ありがとうございます!」
ひとしきり再会を喜んだ後、ジュディもこの場に呼ばれてその輪に加わった。
「2人とも久しぶりね」
ジュディは笑顔で2人にハグをする。
感動の抱擁が終わったところで、ルーシーはジュディをジロリと睨んだ。
「それにしても、ひどいわ。わたしたちにまでロッテのことを隠すなんて。打ち明けてくれたら何か力になれることもあったのに」
「ごめんね。でも、わたしも言えなかったのよ。側妃であり、ボナールの王女でもある姫様が、あんなに粗忽なメイドをやっているなんて」
メイド3人の視線がシャーロットに集まる。
「な、なによ」
「うん。確かに、あの時にロッテがシャーロット様だって言われても、わたしは信じる自信がないわ」
「そうでしょ」
何故か納得している3人に、シャーロットは顔を赤くして怒る。
「もぉっ! あなたたち、失礼だわ! 私だってちゃんとお掃除もお料理もしていましたもの!立派なメイドだったはずよ」
ぷんぷんと頭から湯気を出しそうなシャーロットの様子に、リサはくすくすと笑いながらシャーロットの手を取った。
「ごめんなさい、ロッテ。ちょっとからかっただけよ。あなたがシャーロット様だったなんて驚いたけれど、ライリー様とご結婚なさる王女様があなたでよかった。わたしは、シャーロット様に誠心誠意、尽くさせていただきます」
「リサさん……」
シャーロットはリサの言葉に胸が熱くなった。
腰を折り、忠誠の意を表していたリサとルーシーだったが、ふと、リサが顔を上げて今度は厳しい表情でシャーロットを見た。
「ただし、今度からは王妃として相応しくない、例えばスカートをまくって廊下を走るなどの行為をした場合は、厳しくご注意させていただきます。これは、愛のムチですからね」
「……へ?」
ルーシーも、ずいっと前に歩み寄る。
「そうですとも! 王妃様ともあろうお方が、ふくらはぎを見せて廊下を走るなんて!」
「……は?」
最後に、ジュディもそれに加わる。
「もちろん、わたしも今まで通り、厳しく注意させてもらいますよ」
「……え?」
「「「わたしたちは、シャーロット様が立派な王妃様にお成りあそばすまで、ご協力いたします!!!」」」
「えー……」
シャーロットは嬉しいやら悲しいやら。
だが、これからランバラルドでの生活でも、頼もしい仲間ができたことを素直に喜んだのだった。
ひとしきり、昔話に花を咲かせた後、シャーロット以外の3人はボナール城の侍女室へと姿を消した。
きっと、侍女室の中でも、話に花を咲かせることだろう。
シャーロットもそろそろギルバートの部屋を退出しようとしたところで、侍従が来客を告げる。
「帝国、ジルベール陛下がお見えです。間も無く、こちらにいらっしゃるとのことです」
1
お気に入りに追加
3,463
あなたにおすすめの小説
【完結】怪力令嬢の嫁入り~嫁の貰い手がないので最弱王国の王子様と結婚させていただきます~
久留茶
恋愛
最強騎士団を統率するハミルトン公爵家の末っ子令嬢のマチルダは見た目はとても淑やかで控え目な美少女であったが、実は怪力の持ち主であった。怪力を隠し世間知らずの箱入り娘として育ったマチルダは自国のお城の王子とお見合いをするも、ふとしたことで怪力がばれてしまう。怪力の噂が広がり、今後の縁談に支障が出てしまったハミルトン公爵はマチルダの力を有効に使える最弱国であるボルド国の第一王子マンフリードに縁談話を持ちかけるのだが……。
脳筋天然おバカワンコ系ヒロインと真面目な苦労性の突っ込み役王子のラブコメです。
*二章の次に番外編を挟み、一章~三章の全27話完結となっています。
*二章のバトル描写と後半のやや高めの糖度で一応R15とさせて頂きました。
*小説家になろうにも掲載してます。
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中
断罪シーンを自分の夢だと思った悪役令嬢はヒロインに成り代わるべく画策する。
メカ喜楽直人
恋愛
さっきまでやってた18禁乙女ゲームの断罪シーンを夢に見てるっぽい?
「アルテシア・シンクレア公爵令嬢、私はお前との婚約を破棄する。このまま修道院に向かい、これまで自分がやってきた行いを深く考え、その罪を贖う一生を終えるがいい!」
冷たい床に顔を押し付けられた屈辱と、両肩を押さえつけられた痛み。
そして、ちらりと顔を上げれば金髪碧眼のザ王子様なキンキラ衣装を身に着けたイケメンが、聞き覚えのある名前を呼んで、婚約破棄を告げているところだった。
自分が夢の中で悪役令嬢になっていることに気が付いた私は、逆ハーに成功したらしい愛され系ヒロインに対抗して自分がヒロインポジを奪い取るべく行動を開始した。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
男装の公爵令嬢ドレスを着る
おみなしづき
恋愛
父親は、公爵で騎士団長。
双子の兄も父親の騎士団に所属した。
そんな家族の末っ子として産まれたアデルが、幼い頃から騎士を目指すのは自然な事だった。
男装をして、口調も父や兄達と同じく男勝り。
けれど、そんな彼女でも婚約者がいた。
「アデル……ローマン殿下に婚約を破棄された。どうしてだ?」
「ローマン殿下には心に決めた方がいるからです」
父も兄達も殺気立ったけれど、アデルはローマンに全く未練はなかった。
すると、婚約破棄を待っていたかのようにアデルに婚約を申し込む手紙が届いて……。
※暴力的描写もたまに出ます。
教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
海空里和
恋愛
王都にある果実店の果実飴は、連日行列の人気店。
そこで働く孤児院出身のエレノアは、聖女として教会からやりがい搾取されたあげく、あっさり捨てられた。大切な人を失い、働くことへの意義を失ったエレノア。しかし、果実飴の成功により、働き方改革に成功して、穏やかな日常を取り戻していた。
そこにやって来たのは、場違いなイケメン騎士。
「エレノア殿、迎えに来ました」
「はあ?」
それから毎日果実飴を買いにやって来る騎士。
果実飴が気に入ったのかと思ったその騎士、イザークは、実はエレノアとの結婚が目的で?!
これは、エレノアにだけ距離感がおかしいイザークと、失意にいながらも大切な物を取り返していくエレノアが、次第に心を通わせていくラブストーリー。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる