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18章 王位剥奪
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ボナール城へ向かう途中で、コンラッドと騎士団とは別れた。
それぞれ、きちんと役目を果たすと誓い合って、次の再開を約束する。
オレは、ボナール城を訪問するのに、初めて王太子としての衣装に身を包み挑む。
ボナール城の門をくぐり、馬車止めまで来るとら宰相が慌てた様子で出迎えてくれた。
「これはこれはフレッド様。急なお越しで。王太子様も御同行されるとのことでしたが、どちらに……?」
汗を拭き拭き出てきて、ペコペコと頭を下げていたが、馬車から降りてきたオレたちをみて、王太子はいないと判断したようだった。
オレは一歩前に出る。
「オレが王太子、ライリー・ランバラルドだ」
「えっ、」
ボナールの宰相はきょとんとしてオレを見る。
それはそうだろう。
コンラッドを王太子だと思っていたのだろうし、オレは前回フレッドと共に単なる使者として訪問している。
「黙っていて申し訳ない。今までの者は影武者だ。敵国へ赴く時には、よくあることだと思うが?」
「あ、そ、そうでしたか。失礼致しました」
宰相はオレに最敬礼をした。
「こちらも正体を隠していて悪かった。これから、腹を割って話したいことがある。国王との面会の前に、貴殿と打ち合わせがしたい」
宰相はオレの様子と表情から、何かを察したようだった。
「かしこまりました。では、わたしに付いてきてください」
そう言って踵を返し、足早に城の中へと歩いて行った。
城の中には、オレとディリオン、フレッド、ジェイミー、それと近衛を1人連れて行くことにしそれ以外は城外で待機だ。
今まで通された中央ではなく、城の右側と思われる場所に連れてこられた。
通された部屋には、大きな机が置かれており、大臣達の会議室と思われる。
「ライリー王太子殿下、このような所で失礼いたします。国王には内密の話とお見受けいたしました。国王に怪しまれる前に、話を終わらせたいと思いますがいかがでしょうか」
オレ達が入り口近くに腰掛けたのを見て、宰相が先を促す。
「聡明なご判断、感謝する。貴殿も座ってくれ。宰相殿、」
「わたしはモーリスです。モーリス・サリバン」
「モーリス殿、今回のことはどこまで聞いている?」
モーリス殿は悔しそうな表情を浮かべて、オレ達全員の顔を見た。
「……おそらく、全てです」
オレは目を見開いた。
「全てって、あんたも奴隷売買に加担してたのか!」
「いえ!違います。あぁ、でも違わない。国王がやることを黙認していたのですから、加担したも同義です」
モーリス殿は頭を抱えた。
「国王は、自国の民を人間とは思っていない。豚や鶏などの家畜と同様に思っているのです。国民は、自身の財を増やすのに使う駒なのです。戦争に負け、賠償金を背負い、国民からの税収は落ち、残るは家畜と同じくらい出荷しか国王の頭にはなかったのでしょう」
「なっ……!」
なんて酷いことを!
豚や鶏と同じように、奴隷として出荷した。
オレはもう、何も言えなくなっていた。
人間を家畜と同様に扱うなんて、国王の、いやそれ以前に人間としてすることじゃない。
オレがしゃべれなくなっていると、かわりにディリオンがモーリス殿に話しかける。
「黙っていたことを罪と思うなら、モーリス殿に協力してもらいたいことがある」
俯いていたモーリス殿は顔を上げる。
「わたしにできることならなんなりと」
「では、ボナールを共和制にするために、国王の王位返還に向けて、協力を頼みたい」
モーリス殿は、目を丸くしてオレ達を見た。
それぞれ、きちんと役目を果たすと誓い合って、次の再開を約束する。
オレは、ボナール城を訪問するのに、初めて王太子としての衣装に身を包み挑む。
ボナール城の門をくぐり、馬車止めまで来るとら宰相が慌てた様子で出迎えてくれた。
「これはこれはフレッド様。急なお越しで。王太子様も御同行されるとのことでしたが、どちらに……?」
汗を拭き拭き出てきて、ペコペコと頭を下げていたが、馬車から降りてきたオレたちをみて、王太子はいないと判断したようだった。
オレは一歩前に出る。
「オレが王太子、ライリー・ランバラルドだ」
「えっ、」
ボナールの宰相はきょとんとしてオレを見る。
それはそうだろう。
コンラッドを王太子だと思っていたのだろうし、オレは前回フレッドと共に単なる使者として訪問している。
「黙っていて申し訳ない。今までの者は影武者だ。敵国へ赴く時には、よくあることだと思うが?」
「あ、そ、そうでしたか。失礼致しました」
宰相はオレに最敬礼をした。
「こちらも正体を隠していて悪かった。これから、腹を割って話したいことがある。国王との面会の前に、貴殿と打ち合わせがしたい」
宰相はオレの様子と表情から、何かを察したようだった。
「かしこまりました。では、わたしに付いてきてください」
そう言って踵を返し、足早に城の中へと歩いて行った。
城の中には、オレとディリオン、フレッド、ジェイミー、それと近衛を1人連れて行くことにしそれ以外は城外で待機だ。
今まで通された中央ではなく、城の右側と思われる場所に連れてこられた。
通された部屋には、大きな机が置かれており、大臣達の会議室と思われる。
「ライリー王太子殿下、このような所で失礼いたします。国王には内密の話とお見受けいたしました。国王に怪しまれる前に、話を終わらせたいと思いますがいかがでしょうか」
オレ達が入り口近くに腰掛けたのを見て、宰相が先を促す。
「聡明なご判断、感謝する。貴殿も座ってくれ。宰相殿、」
「わたしはモーリスです。モーリス・サリバン」
「モーリス殿、今回のことはどこまで聞いている?」
モーリス殿は悔しそうな表情を浮かべて、オレ達全員の顔を見た。
「……おそらく、全てです」
オレは目を見開いた。
「全てって、あんたも奴隷売買に加担してたのか!」
「いえ!違います。あぁ、でも違わない。国王がやることを黙認していたのですから、加担したも同義です」
モーリス殿は頭を抱えた。
「国王は、自国の民を人間とは思っていない。豚や鶏などの家畜と同様に思っているのです。国民は、自身の財を増やすのに使う駒なのです。戦争に負け、賠償金を背負い、国民からの税収は落ち、残るは家畜と同じくらい出荷しか国王の頭にはなかったのでしょう」
「なっ……!」
なんて酷いことを!
豚や鶏と同じように、奴隷として出荷した。
オレはもう、何も言えなくなっていた。
人間を家畜と同様に扱うなんて、国王の、いやそれ以前に人間としてすることじゃない。
オレがしゃべれなくなっていると、かわりにディリオンがモーリス殿に話しかける。
「黙っていたことを罪と思うなら、モーリス殿に協力してもらいたいことがある」
俯いていたモーリス殿は顔を上げる。
「わたしにできることならなんなりと」
「では、ボナールを共和制にするために、国王の王位返還に向けて、協力を頼みたい」
モーリス殿は、目を丸くしてオレ達を見た。
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