ヒロインお断り!!!

葉叶

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恐るべき学校へ入学します

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どうにか部屋を片付け二人を連れ食堂へ向かった
食堂は、時間が時間だからかそこ迄混んではいなかった。

「小春は何にすんの?」

食券機の前でメニューとにらめっこするシリウスを横目に見て

「私はオムライス」

「オッケー。小春は席取っといてよ。
僕とシリウスさんが持ってくからさ」

「ん、わかった。それじゃあお願いね」

余り混んで居ないとは言っても一人で座ってる人もいる訳で中々いい席が見つからない。

「…ここでいっか」

窓際のカウンターに座りボーッと外を眺める。

満月の光に包まれる木の下で精霊たちが楽しそうに踊っていた。
凄い…楽しそう。
彼らの自由が羨ましい。
私が記憶を思い出す前からこの体には幾つもの枷がついていた。
その枷が私を自由にはしてくれない。
出来るなら自由に生きたい
やりたい事をやって生きていたい  

「小春?どうした。」

その声に振り返れば大きなおぼんに山盛りのご飯をのせたシリウスが心配そうに私を見てた

「何でもない。」

ニコっと笑って見せても納得してないのか不満気に顔を歪めながら私の左隣に座るシリウス

「飲み物僕が選んだけどいいよね?」

私の前にオムライスと麦茶を置き私の右隣に座る琥珀

「えぇ、ありがとう。」

「いただきます。」

手を合わせスプーンでオムライスをすくい口に入れる。

「シリウスが頼んだのは何なの?」

「デラックスセットだ。」

デカイどんぶりが2つありどんぶりの中は4つに区切られそれぞれ違う物が入っていた。
琥珀は、魚定食かな?

「明日から学校かー、何か実感わかねー
それにあの女も一緒とは…」

「そうね。
何事もなければいいけど。」

琥珀の容姿を気に入った義姉は何度も琥珀に自分の従者になれと言い寄っているらしい。

「俺は何してればいいんだ?」

「私の傍を離れないで。」

この学校は身分が高い者が多く命を狙われている者も少なくない。
だから常に護衛をつける事も許されてる。人数制限はあるけどね

「承知した」

そう言ってシリウスはまたご飯を食べ始めた。
それにしても、やっぱり琥珀は周囲の注目を集めるわね
さっきからチラチラと令嬢が琥珀を見てる

はぁ…取り敢えずイベントやフラグは全て叩き折らなきゃ
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