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いつから歪んだのか。
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「…っヒック…っぅ……」
「るりちゃん、どうしてないてるの?」
これは……いつの私達だろう
ドーム状の遊具の中で蹲って泣く私に寄り添い私の頭を撫でる真斗
「あのねっ…ヒック……たいちくんがっ…まさとくんがくれたっ……ぴんかくしたのっ……
さがしたけど…みつからないのっ……
ごめんねまさとくん…うぇええん…っ」
あぁ、これは…確かお祭に行った時に射的で真斗が取ってくれたんだ
何度も何度も挑戦してその時持ってたお金全部使い果たしたんだっけ…
「なかないで、るりちゃん
るりちゃんがだいじにしてくれてたってだけぼくはうれしいよ
ぴんならまたぼくがとってあげる
だからるりちゃんなかないで。
るりちゃんはえがおがいちばんかわいいんだから」
私の頭を撫でながらニンマリ微笑む真斗
私はごめんね、と何度も言いながら真斗に抱きついて泣いた。
後日真斗は隠されたピンを見つけてきてくれた。
その日から太一くんは私達に近寄らなくなったんだっけ…
目の前にいた二人が消えたと思ったら
私の胸からいくつもの思い出が溢れだす。
「瑠璃!好きです!大好きです!!愛してます!!
僕と一緒のお墓に入って来世も一緒のお墓に入って下さい!!」
「くどい、しつこい。
しつこい男は嫌われるよ、真斗。
何度も言うけど、私は駄目なの
真斗の事好きな人は沢山居るんだから私以外から選んで」
「どれだけ好かれたって
愛してる人から好かれなきゃ意味ないよ。
僕は瑠璃がいい。瑠璃じゃなきゃ嫌なの。
代わりなんていないんだよ」
悲しげに顔を伏せた真斗を見て胸がチクリと痛んだ
「それじゃあ、また帰りに迎えに来るね!」
私が真斗に手を伸ばそうとした瞬間
パっと顔を上げニッコリ笑って教室から走って出ていった
いつだって本当に弱い所は見せてはくれない。
みっともなく縋ってくるくせに、そこだけは見せてくれなかった
そのくせ私には全てを見せてほしいという。
そんな所が……嫌いだった。
「るりちゃん、どうしてないてるの?」
これは……いつの私達だろう
ドーム状の遊具の中で蹲って泣く私に寄り添い私の頭を撫でる真斗
「あのねっ…ヒック……たいちくんがっ…まさとくんがくれたっ……ぴんかくしたのっ……
さがしたけど…みつからないのっ……
ごめんねまさとくん…うぇええん…っ」
あぁ、これは…確かお祭に行った時に射的で真斗が取ってくれたんだ
何度も何度も挑戦してその時持ってたお金全部使い果たしたんだっけ…
「なかないで、るりちゃん
るりちゃんがだいじにしてくれてたってだけぼくはうれしいよ
ぴんならまたぼくがとってあげる
だからるりちゃんなかないで。
るりちゃんはえがおがいちばんかわいいんだから」
私の頭を撫でながらニンマリ微笑む真斗
私はごめんね、と何度も言いながら真斗に抱きついて泣いた。
後日真斗は隠されたピンを見つけてきてくれた。
その日から太一くんは私達に近寄らなくなったんだっけ…
目の前にいた二人が消えたと思ったら
私の胸からいくつもの思い出が溢れだす。
「瑠璃!好きです!大好きです!!愛してます!!
僕と一緒のお墓に入って来世も一緒のお墓に入って下さい!!」
「くどい、しつこい。
しつこい男は嫌われるよ、真斗。
何度も言うけど、私は駄目なの
真斗の事好きな人は沢山居るんだから私以外から選んで」
「どれだけ好かれたって
愛してる人から好かれなきゃ意味ないよ。
僕は瑠璃がいい。瑠璃じゃなきゃ嫌なの。
代わりなんていないんだよ」
悲しげに顔を伏せた真斗を見て胸がチクリと痛んだ
「それじゃあ、また帰りに迎えに来るね!」
私が真斗に手を伸ばそうとした瞬間
パっと顔を上げニッコリ笑って教室から走って出ていった
いつだって本当に弱い所は見せてはくれない。
みっともなく縋ってくるくせに、そこだけは見せてくれなかった
そのくせ私には全てを見せてほしいという。
そんな所が……嫌いだった。
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