悪役令嬢の居場所。

葉叶

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いつから歪んだのか。

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いつも追いかけてくるのは真斗で逃げるのが私だと皆思ってた。
だけど、真斗は追いかけてるようで私が1歩彼に近づく度に自然に気づかれない様に3歩離れてく。
だからいつまで経っても私達の距離は埋まらない。
いつまで経ってもどこかすれ違ったまま。

それが嫌で何度も話し合おうとした。
その度に彼はヘラっと笑って逃げてった。
いつも何かに怖がっていつも何かから逃げてる。
理解したくても話してくれないのにどう理解すればいいのか私にはわからなかった

嫌いだって
もう二度と会いたくないって言えたらどれだけ話は簡単に終わるんだろう
あの時真斗と距離を取る選択が取れてたらどれだけ簡単に話は終わったんだろう
それが一番お互いにとっていい事だってわかってる。
だけど、今まで選べなかった

だって……

「……真斗の隣に居たかった…」

私の周りに浮かぶ思い出の全てに真斗が居る。
産まれてからずっと一緒に過ごしてきた
嫌な事も嬉しい事も全てを共有してきた。
一緒に笑ってイタズラしてお母さんに一緒に怒られてどれだけの時間を過ごしてきたんだろう

共に過ごした時間は、私の中の真斗への想いを強く、強く…膨らませた
真斗がどうしようなく愛しくて憎らしい。
涙が出るほど好きで好きで嫌になる。
笑顔を見れば嬉しくて、抱きしめられれば安堵する。

恋は惚れた方が負けだって言うけど…本当だなぁ

だってこんな事になった今も
……私は彼を嫌いになれない。
嫌いだって口に出しても心の中では愛が溢れてる
手離せない。手離したくない。

「どうして……上手くいかないんだろ…
やっと…っ……居場所…見つけたのになぁ……」

お母さんが言ってた意味を理解した時には全てが遅くて
やり直すには時間が足りなかった。

「…っぅ」

浮かぶ思い出を見たくなくて
戻れない日々を思い出したくなくて私は膝を抱え泣いた。

「…………り!!!」

「…っふぅ…うぅっ……」

見たくなくて顔を伏せたのに声まで聞こえるなんて
どうやら私は神様に嫌われてるらしい

「瑠璃!!!」

何で
どうして
頭の中はそんな言葉でいっぱいだった

「今度こそ一人でなんて行かせないんだから。」

何でそんな顔で笑うんだ
どうして。

私はあなたの手を振り払ったのに
何でそんな顔で…また現れるの?………真斗。

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