25 / 73
その頃国では…
第一王子 ミヤネside
しおりを挟む
どうして…私とティアラ嬢が此処まで嫌われねばならないのかわからない。
「ミヤネっ…!私はっ「貴方を本当に愛してるのよ…」えっ…」
「母上が私に願いがある時にだけ言う言葉ですよ。
いつも…いつもっ…そう言って下手くそな作り笑いを見せていたの…覚えていないんですか?
私が…どれだけ貴方に愛される弟達を見てきたと思っているのです…
私に…一度でもっ…あの顔を見せた事なんて…っないじゃありませんかっ!」
弟達を見つめる両親の目は愛に溢れていた。
私を見る時とは…違って…。
小さかった頃は、それは私が不甲斐ないからだと…そう思った
けど…そんなの関係なかった。
私だから…駄目だった。
私が私である限り彼等は私を愛してはくれない。
少しだけ…私はティアラ嬢が羨ましかった
彼女は愛され守られこの国へ預けられた。
国へ来れば騒ぎが起きティアラ嬢に迷惑がかかるからと外で会っていた。
そこまでしてくれる人がいる事が…羨ましかった。
「ミヤネ…」
「そんな顔したって…もう遅いんですよ父上。
私達王族が彼女を傷つけ国を滅ぼし民を殺した。
その事実は覆らないんですよ…
もう…遅いんです」
「ミヤネ…っ!私はっ…!「心からお前を思っている…そう言いたいんですよね?
それは母上と同じく私に問題ごとを押し付け何とかして欲しい時に父上がよく口にしていた言葉ですよ」
どうして…出会ったばかりの彼等の方が
ずっと過ごしてきた家族よりも優しいんだろう。
どうして…っ
私は只彼等に愛されたかった。家族の一員になりたかった。
それを願う事は…そんなにいけないことでしたか?
「ミーヤネっ
思ってる事は全部今言っちゃいな。
これを逃せば何も伝えれないんだからさ。
だーかーらーっ!ここで背負った荷物全部おろして一緒に帰ろ?」
ニコッと優しく笑い微かに震える私の手を握った。
「っ…私にっ…っ…帰る場所が…あるんですか…?」
ポロポロ零れ落ちる涙をセッカさんをチョコで餌付けしながらセラさんが拭いてくれた。
「うんっ!僕と一緒に僕の国へ帰ろっ
帰ったら一緒に皆でご飯食べて一緒に皆で丸まって寝るんだ。
帰ったらミヤネがやりたかった事、今やりたい事をやろう。
僕はミヤネを全力で応援するからね!」
「…っぅ…それはっ…楽しそうですねっ…っ
だけどっ…私はっ…彼女を守りきれなかったっ
貴方達が守っていた彼女をっ…守りきれなかったっ」
帰る場所なんてなかった私に、何で帰る場所を与えてくれようとするんだろう。
私は…彼女を守りきれなかったのに
「ミヤネ様。その件ですが
コレは、姫様からのお手紙でございます。」
そう言って渡された紙には見慣れた文字が書かれていた。
ミヤへ
今私のせいでミヤが苦しんでると聞きました。
ミヤはミヤを責めすぎです。
今回の件は、ミヤのせいではありません。
彼等と貴方は別の人間であり貴方が責任を負うことはありません。
いつも言いそびれていましたが、
いつも助けてくれてありがとう。
いつも気にかけてくれてありがとう。
貴方が居たから私は頑張れていました。
貴方は精一杯やってくれてました。
私の事や公務の事で走り回り、目の下に隈がいつも出来てましたよね
貴方が眠るのはいつも私の横で腕を組み少しだけ仮眠を取る。それだけでした。
それも、私をイジメから守る為でしたね。
そういえば、セラさんから貴方はその国を出ると聞きました。
私は正直それがいいと思っています。
ミヤにも、自分の為に生きる時がやっときたんです。
私も今は自由になりこれから今迄知らなかった世界をみてまわろうと思っています
ミヤ。私は貴方の幸せを何処にいても想っています。
いつか、また貴方と出会えると信じて…
ティアラ。
ポタポタ落ちる涙のせいで文字がボヤケていく
「っぅ…っ」
ミヤ。それは彼女だけが呼ぶ私の愛称。
…友達である彼女だけが呼んでくれた…愛称。
「…っ私っ幸せに…っなれますか…っ?」
「それは、ミヤネがこれから見つけるんだよ。
というかっ!ミヤネにしか見つけらんないよ!
その為には色々試さなきゃ!ね!」
「ミヤネ…いーこ…いーこ」
「私っ…いつかっ胸を張って彼女に会いたいですっ
私は幸せになれたよって…っ胸を張って言いたいっ…!」
「うん!そうだね。
それじゃあ、それを目標に頑張ろう!
エイエイオー!」
「おー?」
腕を突き上げニコッと笑うチナさんと
首を傾げながらもチナさんの真似をするセッカさん。
そんな二人を見て笑みがこぼれる
「ふぅー…よしっ」
軽く深呼吸をして頬をパチッと叩く。
私が幸せになる為の一歩を踏み出す為に…私は彼等を切り離さなければいけない。
いつか優しく私を気にかけてくれた彼女に逢うために
堂々と友達と言えるようになる為に…私は彼等に近付いた。
もう…一人じゃないから。
私を気にかけてくれる人がいるから…前に…進みます。
「ミヤネっ…!私はっ「貴方を本当に愛してるのよ…」えっ…」
「母上が私に願いがある時にだけ言う言葉ですよ。
いつも…いつもっ…そう言って下手くそな作り笑いを見せていたの…覚えていないんですか?
私が…どれだけ貴方に愛される弟達を見てきたと思っているのです…
私に…一度でもっ…あの顔を見せた事なんて…っないじゃありませんかっ!」
弟達を見つめる両親の目は愛に溢れていた。
私を見る時とは…違って…。
小さかった頃は、それは私が不甲斐ないからだと…そう思った
けど…そんなの関係なかった。
私だから…駄目だった。
私が私である限り彼等は私を愛してはくれない。
少しだけ…私はティアラ嬢が羨ましかった
彼女は愛され守られこの国へ預けられた。
国へ来れば騒ぎが起きティアラ嬢に迷惑がかかるからと外で会っていた。
そこまでしてくれる人がいる事が…羨ましかった。
「ミヤネ…」
「そんな顔したって…もう遅いんですよ父上。
私達王族が彼女を傷つけ国を滅ぼし民を殺した。
その事実は覆らないんですよ…
もう…遅いんです」
「ミヤネ…っ!私はっ…!「心からお前を思っている…そう言いたいんですよね?
それは母上と同じく私に問題ごとを押し付け何とかして欲しい時に父上がよく口にしていた言葉ですよ」
どうして…出会ったばかりの彼等の方が
ずっと過ごしてきた家族よりも優しいんだろう。
どうして…っ
私は只彼等に愛されたかった。家族の一員になりたかった。
それを願う事は…そんなにいけないことでしたか?
「ミーヤネっ
思ってる事は全部今言っちゃいな。
これを逃せば何も伝えれないんだからさ。
だーかーらーっ!ここで背負った荷物全部おろして一緒に帰ろ?」
ニコッと優しく笑い微かに震える私の手を握った。
「っ…私にっ…っ…帰る場所が…あるんですか…?」
ポロポロ零れ落ちる涙をセッカさんをチョコで餌付けしながらセラさんが拭いてくれた。
「うんっ!僕と一緒に僕の国へ帰ろっ
帰ったら一緒に皆でご飯食べて一緒に皆で丸まって寝るんだ。
帰ったらミヤネがやりたかった事、今やりたい事をやろう。
僕はミヤネを全力で応援するからね!」
「…っぅ…それはっ…楽しそうですねっ…っ
だけどっ…私はっ…彼女を守りきれなかったっ
貴方達が守っていた彼女をっ…守りきれなかったっ」
帰る場所なんてなかった私に、何で帰る場所を与えてくれようとするんだろう。
私は…彼女を守りきれなかったのに
「ミヤネ様。その件ですが
コレは、姫様からのお手紙でございます。」
そう言って渡された紙には見慣れた文字が書かれていた。
ミヤへ
今私のせいでミヤが苦しんでると聞きました。
ミヤはミヤを責めすぎです。
今回の件は、ミヤのせいではありません。
彼等と貴方は別の人間であり貴方が責任を負うことはありません。
いつも言いそびれていましたが、
いつも助けてくれてありがとう。
いつも気にかけてくれてありがとう。
貴方が居たから私は頑張れていました。
貴方は精一杯やってくれてました。
私の事や公務の事で走り回り、目の下に隈がいつも出来てましたよね
貴方が眠るのはいつも私の横で腕を組み少しだけ仮眠を取る。それだけでした。
それも、私をイジメから守る為でしたね。
そういえば、セラさんから貴方はその国を出ると聞きました。
私は正直それがいいと思っています。
ミヤにも、自分の為に生きる時がやっときたんです。
私も今は自由になりこれから今迄知らなかった世界をみてまわろうと思っています
ミヤ。私は貴方の幸せを何処にいても想っています。
いつか、また貴方と出会えると信じて…
ティアラ。
ポタポタ落ちる涙のせいで文字がボヤケていく
「っぅ…っ」
ミヤ。それは彼女だけが呼ぶ私の愛称。
…友達である彼女だけが呼んでくれた…愛称。
「…っ私っ幸せに…っなれますか…っ?」
「それは、ミヤネがこれから見つけるんだよ。
というかっ!ミヤネにしか見つけらんないよ!
その為には色々試さなきゃ!ね!」
「ミヤネ…いーこ…いーこ」
「私っ…いつかっ胸を張って彼女に会いたいですっ
私は幸せになれたよって…っ胸を張って言いたいっ…!」
「うん!そうだね。
それじゃあ、それを目標に頑張ろう!
エイエイオー!」
「おー?」
腕を突き上げニコッと笑うチナさんと
首を傾げながらもチナさんの真似をするセッカさん。
そんな二人を見て笑みがこぼれる
「ふぅー…よしっ」
軽く深呼吸をして頬をパチッと叩く。
私が幸せになる為の一歩を踏み出す為に…私は彼等を切り離さなければいけない。
いつか優しく私を気にかけてくれた彼女に逢うために
堂々と友達と言えるようになる為に…私は彼等に近付いた。
もう…一人じゃないから。
私を気にかけてくれる人がいるから…前に…進みます。
1
お気に入りに追加
2,375
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者はお譲りします!転生悪役令嬢は世界を救いたい!
白雨 音
恋愛
公爵令嬢アラベラは、階段から転落した際、前世を思い出し、
この世界が、前世で好きだった乙女ゲームの世界に似ている事に気付いた。
自分に与えられた役は《悪役令嬢》、このままでは破滅だが、避ける事は出来ない。
ゲームのヒロインは、聖女となり世界を救う《予言》をするのだが、
それは、白竜への生贄として《アラベラ》を捧げる事だった___
「この世界を救う為、悪役令嬢に徹するわ!」と決めたアラベラは、
トゥルーエンドを目指し、ゲーム通りに進めようと、日々奮闘!
そんな彼女を見つめるのは…?
異世界転生:恋愛 (※婚約者の王子とは結ばれません) 《完結しました》
お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
転生した悪役令嬢はシナリオ通りに王子に婚約破棄されることを望む
双葉葵
恋愛
悪役令嬢メリッサ・ローランドは、卒業式のパーティで断罪され追放されることを望んでいる。
幼い頃から見てきた王子が此方を見てくれないということは“運命”であり決して変えられない“シナリオ”通りである。
定刻を過ぎても予定通り迎えに来ない王子に一人でパーティに参加して、訪れる断罪の時を待っていたけれど。険しい顔をして現れた婚約者の様子が何やら変で困惑する。【こんなの“シナリオ”になかったわ】
【隣にいるはずの“ローズ”(ヒロイン)はどこなの?】
*以前、『小説家になろう』であげていたものの再掲になります。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
全力で断罪回避に挑んだ悪役令嬢が婚約破棄された訳...
haru.
恋愛
乙女ゲームに転生してると気づいた悪役令嬢は自分が断罪されないようにあらゆる対策を取っていた。
それなのに何でなのよ!この状況はッ!?
「お前がユミィを害そうとしていたのはわかっているんだッ!この性悪女め!お前とは婚約破棄をする!!」
目の前で泣いているヒロインと私を責めたてる婚約者。
いや......私、虐めもしてないし。
この人と関わらないように必死で避けてたんですけど.....
何で私が断罪されてるのよ━━━ッ!!!
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
完 モブ専転生悪役令嬢は婚約を破棄したい!!
水鳥楓椛
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢、ベアトリス・ブラックウェルに転生したのは、なんと前世モブ専の女子高生だった!?
「イケメン断絶!!優男断絶!!キザなクソボケも断絶!!来い!平々凡々なモブ顔男!!」
天才で天災な破天荒主人公は、転生ヒロインと協力して、イケメン婚約者と婚約破棄を目指す!!
「さあこい!攻略対象!!婚約破棄してやるわー!!」
~~~これは、王子を誤って攻略してしまったことに気がついていない、モブ専転生悪役令嬢が、諦めて王子のものになるまでのお話であり、王子が最オシ転生ヒロインとモブ専悪役令嬢が一生懸命共同前線を張って見事に敗北する、そんなお話でもある。~~~
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる