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さーん。
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久しぶりに私は、あの花畑に来た。
私達は変わったのに…此処だけは何も変わらない。あの時のままだ。
『蘭!そこは違うってば!
こうやるの!』
『こ、こう?
んー!難しい!』
目を閉じるだけで思い出せる。
花の冠を教わったことも、勉強を教えもらった事も
ちょうちょを追いかけて走り回った事も
『運命ってあると思うんだよね
蘭は運命の人って信じる?』
『んー…わかんない』
『俺は信じてるよ。
運命の人はね、きっと何処かに居るんだよ。
こんなに沢山の人がいる中で運命の人に出会えたならそれは奇跡だよね』
『なんかロマンチックだね!』
『ふふ、そうだね。
蘭にもいつかわかるよ』
結局大人になった今も分からないままだ。
私と藍ちゃんが今まで繋がっていたのは
藍ちゃんが繋げる努力をしていたからだ。
私は何もしてこなかった。
傷つきたくないから話し合いをする事もせずに逃げた。
もうレイプされたくなかった。虐められたくなかった。誰かに嫌われたくなかった。
藍ちゃんは、格好良くて皆の憧れの的で万能な人だった。手先が不器用だったけど。
そんな人にいつまでも愛される魅力が自分にあるとは思えなかった。
だから嫌だった。いつか捨てられる事に怯えて生きていたくない。嫉妬に狂いたくない。
だけど、死んでほしくない。
私の我儘だけど生きていて欲しい。
ずっと昔から私の願いは変わってない。
どうか…彼が幸せでありますように。
元気に生きていけますように。
「……行かなきゃ……」
思うより先に体が動いた。
会ってどうなるかなんて分からない。
生きてくれたとして、目覚めてくれたとして上手くいくかも分からない。
だけど、このまま最後まで逃げたままでいたくない。
何よりも…彼に死んでほしくない。
また……あの笑顔が私は見たい。
体力なんて元々ないし息が苦しい。
足が何度ももつれる。
走れ 走れ
少しでも早く彼の場所へ辿り着けるように。
「ハァッハァッハァッ……ゲホッゲホッ……」
まだこの病院に居るだろうか。
でも手掛かりなんてこの病院しかない。
入り口で呼吸を整えて中に入る。
受付に聞いてもきっと教えてもらえないだろう。
1つ1つ名前を見ていくしかないか。
「………ない。」
片っ端から見て行ったけど、藍ちゃんの名前はなかった。
やっぱり伏せてあるのか、それともこの病院から転院したのか
それとも………もう死んじゃった…のか
考えたくない可能性が頭をよぎる。
「あれ?こんな所で何してるの……?」
「あ……なた……は……」
突然声をかけられ振り向くと、あの日私をアパートまで送っていった由藍と呼ばれていた人が居た。
「何?リハビリ?
リハビリならこっちじゃないよー」
迷子と思われたのか丁寧に場所の説明までしてくれる。
「ちが……くて……藍ちゃんに……会いに…来ましたっ!」
「藍に?
んー、会わせてあげてもいいけど
ちょっとだけ俺に付き合ってくれるかな?
今は聡が居るからさぁ」
ね?と首を傾げられ私はコクリと頷いた。
彼の言いたい事が何となく分かったからだ。
私を嫌ってる彼と鉢合わせれば、如何なるかわからないだろう。
今更何しに来たんだと罵られても仕方がない。
「答え……出たの?」
「……それは…まだわかりません。
分からないけど、私の願いは…今も昔も…ずっと変わってません。
私は彼と再会してから彼と向き合う事から、彼から逃げました。
だから、まだ何も知らないんです。まだ、話し合ってすらないんです。
だから…っ今此処から、彼から逃げたら…私は一生後悔する。
まだどうするかも、彼のそばに居られるのかも分かりません。
だけど、会いたいんです」
この答えが正解か間違いかわからない。
だけど、もう逃げるのは…止めたいんだ。
「俺は当事者じゃないから、否定も肯定もしないけど
本人達が幸せならそれでいいんじゃないかと思うよ。
ん、そろそろいいかなぁ。
先に俺が中見てくるから呼んだら入ってきてくれる?」
藍ちゃんの部屋へと向かいながら気怠げに話す由藍さん。
「はい」
カララと入って行ったのを見送ってから私は呼吸を整える。
心臓はバクバクと鼓動をうっていて今にも爆発しそうだ。
「いいよー、入ってきて」
私は自分のほっぺたをパチンッと右手で叩いて部屋の中へ入った
私達は変わったのに…此処だけは何も変わらない。あの時のままだ。
『蘭!そこは違うってば!
こうやるの!』
『こ、こう?
んー!難しい!』
目を閉じるだけで思い出せる。
花の冠を教わったことも、勉強を教えもらった事も
ちょうちょを追いかけて走り回った事も
『運命ってあると思うんだよね
蘭は運命の人って信じる?』
『んー…わかんない』
『俺は信じてるよ。
運命の人はね、きっと何処かに居るんだよ。
こんなに沢山の人がいる中で運命の人に出会えたならそれは奇跡だよね』
『なんかロマンチックだね!』
『ふふ、そうだね。
蘭にもいつかわかるよ』
結局大人になった今も分からないままだ。
私と藍ちゃんが今まで繋がっていたのは
藍ちゃんが繋げる努力をしていたからだ。
私は何もしてこなかった。
傷つきたくないから話し合いをする事もせずに逃げた。
もうレイプされたくなかった。虐められたくなかった。誰かに嫌われたくなかった。
藍ちゃんは、格好良くて皆の憧れの的で万能な人だった。手先が不器用だったけど。
そんな人にいつまでも愛される魅力が自分にあるとは思えなかった。
だから嫌だった。いつか捨てられる事に怯えて生きていたくない。嫉妬に狂いたくない。
だけど、死んでほしくない。
私の我儘だけど生きていて欲しい。
ずっと昔から私の願いは変わってない。
どうか…彼が幸せでありますように。
元気に生きていけますように。
「……行かなきゃ……」
思うより先に体が動いた。
会ってどうなるかなんて分からない。
生きてくれたとして、目覚めてくれたとして上手くいくかも分からない。
だけど、このまま最後まで逃げたままでいたくない。
何よりも…彼に死んでほしくない。
また……あの笑顔が私は見たい。
体力なんて元々ないし息が苦しい。
足が何度ももつれる。
走れ 走れ
少しでも早く彼の場所へ辿り着けるように。
「ハァッハァッハァッ……ゲホッゲホッ……」
まだこの病院に居るだろうか。
でも手掛かりなんてこの病院しかない。
入り口で呼吸を整えて中に入る。
受付に聞いてもきっと教えてもらえないだろう。
1つ1つ名前を見ていくしかないか。
「………ない。」
片っ端から見て行ったけど、藍ちゃんの名前はなかった。
やっぱり伏せてあるのか、それともこの病院から転院したのか
それとも………もう死んじゃった…のか
考えたくない可能性が頭をよぎる。
「あれ?こんな所で何してるの……?」
「あ……なた……は……」
突然声をかけられ振り向くと、あの日私をアパートまで送っていった由藍と呼ばれていた人が居た。
「何?リハビリ?
リハビリならこっちじゃないよー」
迷子と思われたのか丁寧に場所の説明までしてくれる。
「ちが……くて……藍ちゃんに……会いに…来ましたっ!」
「藍に?
んー、会わせてあげてもいいけど
ちょっとだけ俺に付き合ってくれるかな?
今は聡が居るからさぁ」
ね?と首を傾げられ私はコクリと頷いた。
彼の言いたい事が何となく分かったからだ。
私を嫌ってる彼と鉢合わせれば、如何なるかわからないだろう。
今更何しに来たんだと罵られても仕方がない。
「答え……出たの?」
「……それは…まだわかりません。
分からないけど、私の願いは…今も昔も…ずっと変わってません。
私は彼と再会してから彼と向き合う事から、彼から逃げました。
だから、まだ何も知らないんです。まだ、話し合ってすらないんです。
だから…っ今此処から、彼から逃げたら…私は一生後悔する。
まだどうするかも、彼のそばに居られるのかも分かりません。
だけど、会いたいんです」
この答えが正解か間違いかわからない。
だけど、もう逃げるのは…止めたいんだ。
「俺は当事者じゃないから、否定も肯定もしないけど
本人達が幸せならそれでいいんじゃないかと思うよ。
ん、そろそろいいかなぁ。
先に俺が中見てくるから呼んだら入ってきてくれる?」
藍ちゃんの部屋へと向かいながら気怠げに話す由藍さん。
「はい」
カララと入って行ったのを見送ってから私は呼吸を整える。
心臓はバクバクと鼓動をうっていて今にも爆発しそうだ。
「いいよー、入ってきて」
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