変な貴族様と平民

葉叶

文字の大きさ
上 下
10 / 15
学校に通います

2

しおりを挟む
「お嬢様、鞄は私がスノウ様のと一緒に置いてきますね」

「あ、ありがとうございます」

サッと私の鞄を持って何処かへ行ってしまうスバルさん。
武闘場のデカさに気を取られてて鞄の事なんて頭に入ってなかったや

『何あの子、何でサラザール様の横に居るのよ。
平民のくせにっ』

『うわぁ、あの子よく隣に立てるわねぇ
幾ら彼が公爵だからって私に無理ね。あの顔に体型…それにあの臭いは無理だわ』

『何であんなみすぼらしい女が特待生なのよっ!
私の方が優秀なのに…っ私より目立つなんて…絶対後悔させてやるっ』

聞こえてくる声に耳を塞ぎたくなる。
塞いだって何も変わらない事くらい嫌という程知っているのに
それでも耳を塞ぎたくなる。
妬み 嫉妬 好奇。気持ち悪くてしょうがない。

「おーい、集まれー」

『あー、だり。何でガキなんて見なきゃなんねぇ……ん?おかしいな。なんであのガキ…あんな魔法……うん、関わらない事にこしたことはねぇ。あの目は駄目なやつだわ。』

「今日は使い魔召喚をする。
使い魔召喚において、やってはならない事は
他者の血を混ぜる事。召喚陣に他者がいる事だ。
これは国でも禁止されていて、発覚したら即刻投獄…処刑もあり得る。
さて、ここ迄禁じられるには勿論訳がある。
それは何故かわかる者……サラザール。」

『此処はサラに格好いい所を見せる所じゃないか!?』

「召喚陣に、他者が混ざる事で
自分の召喚されるべき使い魔と、他者の使い魔が召喚される際に1つしかないゲートを無理に入る事で使い魔同士が組み合わされキメラとして召喚されます。
キメラは魔力がつきるまで暴れ続け、戦闘力は国をも壊す程です。
キメラを止め、魂を救う為死神が召喚され死神がキメラを止め混ぜ合わさった魂を元の形に戻すと言われてます。
ですが、一生に1度しか出来ないのが使い魔召喚です。
その相手が死ぬという事は、こちら側にいる魔物と契約するしかありません。
ですが、こちら側にいる魔物は言葉が通じない者の方が多いので契約できるのは奇跡に近い確率です」

「流石サラザール家の息子だな。完璧な回答だ。
まぁ、というわけで絶対にやるなよ。
いくつか陣は書いてあるから、血をたらし願え。
生涯の相手が出てくるのを。それじゃあ始めろー」

『ど、どうだろう。サラに格好いいところ見せれただろうか…』

「凄いですね…スノウウィングさん。」

私も情報としては知っていてもあそこ迄分かりやすく説明できないだろう。

『い、いいいいいいま…スノウウィングさんって…スノウウィングさんって!!!???』

ドタンッ

「えっ!?スノウウィングさん!?」

顔を真っ赤にして突然倒れたスノウウィングさん。
どうしようかとオタオタ慌てているとスッとスバルさんが現れ

「お嬢様、スノウ様の事は私に任せて下さい。
お嬢様は使い魔召喚に集中を。」

パチンッとウィンクしてスノウウィングさんを担いで何処かへ行った。

私が心配しても…何も出来ないものね。
何処かうったりしてなければいいのだけど。

だ、だめだ。今は使い魔召喚に集中しなきゃ。
スバルさんにもそう言われたじゃない。

パンパンッ

邪念を振り払いたくてほっぺたを叩き深呼吸をする。

うん、少し落ち着いた。

私は私が端っこにある召喚陣に並ぶべく歩を進めた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい

恋愛
婚約者には初恋の人がいる。 王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。 待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。 婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。 従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。 ※なろうさんにも公開しています。 ※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...